名探偵プリキュア! 第6話感想 傘を渡せなかった日の夕焼け。

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あべこべだな。あんなとみくる、逆になったみたいだ。

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「奇跡のプリキットミラールーペ!」

大きな出来事

メインキャラクター:あんな

目標

 みくると仲直りする。

課題

 前話でみくると足並みを揃えられなかったのは、自分がみくるに遠慮してしまったせいだという自覚はある。
 ただ、自分がこの世界でキュアット探偵事務所内の関係性以外持たないのに対し、みくるには学校など別の人間関係があるのも事実。邪魔しちゃダメだという気持ちは拭えない。

結末

【達成】

 バトルの不利な状況下で弱気の風に吹かれて本音を打ち明けてみたところ、みくるはあんなの気持ちを理解し、共感してくれた。

心の変化

【ポジティブ】

 たとえみくるが常に自分の隣にいてくれるわけじゃないにしても、彼女が自分の気持ちを理解してくれているという事実があるだけで、もうひとりじゃないと思える。

メインキャラクター:みくる

目標

 ツバメの像とマコトジュエルを取り戻す。

課題

 あんなの気持ちがわからない。前話でどうしてひとりで依頼を受けちゃったのか説明してくれないし、プリキットミラールーペを事前に渡してくれなかったのも意味不明。
 あんなが何も言ってくれずひとりで塞ぎこんでしまうから、みくるはひとりで行動するしかない。

結末

【達成】

 あんなが胸に抱えていた孤独感を吐き出してくれた。おかげで、自分に足りていなかった視点にも気付くことができた。

心の変化

【ポジティブ】

 みくるにとってあんなはとにかく強い子で、自分を導いてくれる存在だった。
 彼女の本質的な弱さに触れて、みくるは自分たちが2人で(ポチタンを含めると3人で)お互いに支えあっている関係性なんだということを自覚する。

バトル

 前話から引き続き、ツバメの銅像を素体とした2体のハンニンダー。

苦戦

 プリキュアの撃破にこだわるニジーにより、バトルの舞台は空を飛ぶハンニンダーに有利な海岸が選ばれた。

 また、あんなとみくるの関係は前話に引き続きギクシャクしている。

勝利

 バトル中に仲直りしたふたりはいつもの聡明さを取り戻し、プリキットライトによって空中に足場を描く作戦で形勢逆転、さらにプリキットミラールーペの起動に成功し、新技プリキュア・フライング・スペクトルでハンニンダーを撃破した。

ピックアップ

ジェット先輩の八重歯

 口を開けているときは白色、閉じているときは肌色になる。ちょっと珍しいタイプかもしれない。
 過去エピソードを確認すると第3話(作画監督:沼田広)でも同様の作画になっているあたり、おそらくちゃんと設定資料で指定されているんじゃなかろうか。口を閉じたとき白色だとヴァンパイアっぽく、口を開けたときも肌色だといわゆるメスガキ顔っぽく見えちゃうから、いいとこ取りだといえる。

 ちなみに英語圏ではそれぞれ「fang」「skin fang」と呼ばれている様子。まあ、牙だよね実際。
 八重歯のマンガ的誇張表現が由来だから日本だと「八重歯」という呼びかたが残っているだけであって。現在は歯列の異常というニュアンスですらなく、純粋にナマイキキャラのアイコンとして使われているのだし。

 もうひとつちなみに、私は肌色八重歯フェチです。(すこぶるどうでもいい)
 肌色八重歯、かわいいよね。(こっちはどうでもよくない)

空中足場

 バトルにプリキットを活用した初めての例。

 空中に足場をつくるタイプの空中戦好き。『魔法つかいプリキュア!』でも私はトパーズスタイルが一番好きだった。作画が大変だからかめったにやってくれないけど。

奈落

 現実の舞台にも存在する装置。ミステリ小説だとだいたい殺人トリックとして使われるやつ。足を踏み外すよう仕向けたり、別の場所で殺してから運んだり。

 演出としてのインパクトは絶大だが消費電力が高い(+普段物置にしている地下スペースを片付けるのが面倒くさい)ため、気軽に使おうとすると劇場スタッフがものすごく嫌がる。「書き割りで目隠しして舞台袖から這って入りませんか?」とか言われる。
 現在は電動だが、大昔は人間の手でクランクを回していたらしい。緞帳ですら人力だとメチャクチャ疲れるのに、これを人力で動かすとなるとどんだけ大変なのか。

レイニーブルー

 「みくるは? ――ったく、あんなとポチタンを残して」
 「私が――。私が悪いの。みくるに声をかけられなかったから」
 「あんな?」
 「笑ってたんだ。友達と。見たことない、知らないみくるで。・・・だから。私の知らないみくるの世界があるんだって。――出会ったばかりだから、知らなくて当然だよね。邪魔しちゃいけないって思って、ひとりで事件を調査したら、言いあいになって」

 世界というものはひとつきりのようでいて、実際には複数同時に存在します。

 たとえばこのブログを読んでいるあなたが、まさしく今、そんな感じのことを認識しているんじゃないでしょうか。

 私の目に映っている世界と、あなたの目に見えている世界とは全然別物です。
 私が見て感じている『名探偵プリキュア!』と、あなたが見て感じている『名探偵プリキュア!』は、きっと違うものであることでしょう。ある程度は共通していて、ありがたいことに“自分と同じ感想でうんうん頷きたくなる記事”みたいなリアクションもいただいていますが、全部まるっきり同じことを感じたわけではないはずです。
 同じものを見ているようであっても、それを観測する瞳が別物で、解釈する脳が別物である以上、私とあなたが生きている世界の姿はそれぞれ別物です。

 今日、あんなはそういう世界の真実を痛感しました。

 私はひとりぼっちだ。

 ファントムに負けてしまったのも、結果ツバメの像とマコトジュエルを盗まれてしまったのも、ポチタンが倒れてしまったのも、全部自分のせい。
 だって、少なくともみくるは悪くないから。

 みくるのせいじゃないなら、私のせい。
 だって、私の知るこの世界にいるのは、私とみくるだけだから。
 消去法で私のせい。

 いろいろ、いけないことをした自覚はある。
 とはいえそれらには本当は自分なりの理由がある。
 でも、みくるは悪くない。
 だったら自分が悪い。
 自分が悪いということは、自分なりには理由があったはずのあれやこれやが、本当はやっぱり悪いことだったってことだ。
 私は悪いことをした。

 本当はみくるに傘を届けたかっただけでした。
 でも、あんなが思っていたほど、みくるは困っていませんでした。

 本当は自分の存在意義が欲しいだけでした。
 でも、あんなが自分のために探偵の依頼を受けた結果、みくるを怒らせるという思いもよらぬ展開を引き起こしました。

 本当はただ、自分の世界にはみくるがいて当たり前だと思っていたいだけでした。
 でも、あんながいる世界とは別に、みくるの世界も存在することに気付いてしまいました。
 みくるのいる世界では、必ずしもあんなを居させてもらえるとは限りません。

 私は、ひとりぼっちだ。

 「みくるに、傘を届けに行ったんだ。そしたら友達といるみくるを見て、邪魔しちゃだめだって。でも、何よりも思ったの。この時代で、この世界で、――ひとりぼっちなんだって」

 ごめんね、と無理にでも笑います。

 ジェット先輩は2人の関係を“奇跡”だと言ってくれたけど、やっぱり違うと思う。
 だって、こうしてまた負けようとしているんだから。
 前話と同じことを繰り返しているんだから。

 だって、あんながやったこと全部、やっぱりみくるには関係ないんだから。

 関係ない人に勝手に重荷を負わせるわけにはいきません。
 みくるは優しい子。本来何の関係もないのにタイムトラベルしてきた自分を助けてくれて、本来そんな義理はないのに元の世界に返してくれると言ってくれた。
 みくる自身はものすごい努力家で、困っている人を助けてあげられる名探偵を目指していて、実際今まさに名探偵プリキュアで。
 ここで泣いたら、きっとみくるはまた助けようとしてくれる。

 みくるの世界に、私の存在は本来関係ないのに。
 彼女は名探偵だから。名探偵として。

 笑おう。
 笑って、今目の前にあるこの世界から、みくるを解放してあげようと思います。

青い傘

 「・・・みくる?」
 「マコトジュエルを取り返してくる」
 「え? 私も――」
 「ポチタンについていてあげて」

 世界というものはひとつきりのようでいて、実際には複数同時に存在します。

 たとえばあんなに見えている世界と、みくるに見えている世界は、まさしく今、それぞれまったくの別物となっています。

 今日、みくるはそういう世界の真実を痛感しました。

 「ごめん。みくるに渡そうとしたけど、渡せなかったの」

 前話のバトルであんなだけが持っていた新アイテム。

 どうして渡してくれなかったのか、理由は聞けません。
 だって、あんなはひとりで依頼を受けた理由すら教えてくれなかったんです。
 何か、自分には話すことすらできない重大な理由があって、あえて秘密にしていたのでしょう。

 みくるから見て、あんなはすごく頼りになる子です。
 初めて会ったときはキュアット探偵事務所の面接官だと勘違いしたくらい。未熟な自分を支え、励まし、導いてくれました。
 みくるはあんながいないとうまく探偵の仕事ができませんが、もしかするとあんなはそうじゃないのかもしれません。黙ってひとりで仕事を受けるくらいだし。

 きっとそうに違いありません。だって――。

 「どう運ぶのか決めかねていたんだが、君のおかげで思いついたよ」(第5話)

 だって、ツバメの像を盗まれてしまったのは、全部自分のせいだから。

 あんなのいないところで、うっかりファントムにヒントを与えてしまった。
 迂闊すぎる。あんなならきっとこんな情けない失敗はしない。

 こんなだからあんなに信用してもらえないんだ。
 だからこんなピンチのときですら頼ってもらえないんだ。
 あんなは悪くない。
 全部自分が悪い。私のせいだ。

 「私決めちゃったんだ。みんなを助けるって! ウソで覆われた世界なんて嫌だから。私、みくると一緒に名探偵プリキュアがんばる! 戻るのはその後!」(第2話)

 そんなのおかしいって思いました。
 帰りたくないはずがないのに、自分のことは後回しだなんて。

 「私、決めてるの。初めての依頼人。――あんな。あなたを元の時代に返すって」(第3話)

 ずっと胸につっかえていて、だから自分から提案してみました。

 でも、余計なお世話だったのかもしれません。
 あのときはようやくあんなに頼ってもらえたと思っていました。
 だけど実際のところ、今回自分はあんなに頼ってもらえていません。
 あれもこれも、もしかしたら自分がやっていること全部あんなにとっては余計なお世話で、本当は必要がないことだったのかもしれません。

 あんなが本当はどう思っているのか、みくるにはわかりません。
 あんなは自分のことを何も言ってくれない子だから。
 同い年とは思えないくらい自立した、お手本みたいな名探偵だから。

 きっと、あんなの目の前にある世界に、みくるは存在しないも同然なのでしょう。

 「悩んでるだけじゃ始まらないよ。『一歩踏み出せば答えはついてくる。一歩の勇気が答えになる』だよ!」(第1話)

 悩んでいる暇はありません。
 今すぐにでも、教えられたことを成し遂げなければ。
 彼女と並び立てる力を身につけなければ。

 自分にもできることがあるんだって、あんなに証明するために。
 名探偵プリキュアの相棒として、自分にも存在意義があるんだって。

 前話のあんなと同じです。
 今、みくるはひとりで事件を解決しなければなりませんでした。

 あんなの目に見えている世界に、自分という存在を置いてもらうために。

 自分ひとりじゃどうせまた失敗することくらい、わかっているのだけれども。

パラソルをさして

 「――だから、私ひとりで調査して。・・・ごめんね」

 真実。

 あんなが弱音を吐きながら、それでも凜として笑います。
 元の時代に帰ることを後回しにしたときのように。

 わかっていたはずでした。
 あんなが本当は辛い思いを隠していることくらい。
 いつもの笑顔が、誰かを安心させるために無理してつくられているものだってことくらい。

 ちょっと想像してみれば当たり前にわかることで、だからこそ「私に依頼して」と、こちらからお願いしたはずでした。

 「知らなかった。そうだよね。1999年に――、この時代に来て、心細いよね。不安だったよね。なのに、私――。私こそ、ひとりで。・・・ごめん」

 真実。

 みくるのために突き放したはずが、むしろ共感して泣いてくれます。
 あの名探偵が、知らなかったと。気づいてあげられなかったと。逆に謝ってきます。

 わかっていたはずでした。
 みくるも本当は完璧なわけじゃないことくらい。
 ジェット先輩が「まるであんなだ。影響しあってるってことだろ」と言っていたように、ちゃんと自分も彼女に影響を与えられていたことくらい。

 ちょっと振り返ってみれば答えは明らかな話で、初めて会ったとき夢半ばで折れそうになっていたみくるを助けてあげたのが、まさにあんなでした。

 「『あべこべ』か――。ジェット先輩が言ってた。あのときとあべこべだ」

 世界というものはひとつきりのようでいて、実際には複数同時に存在します。
 私の目に映っている世界と、あなたの目に見えている世界とは全然別物です。

 けれどそれは、私が孤独だという意味ではありません。
 あなたが孤独だという意味ではありません。
 世界は複数同時に存在していて、それでいて、重なりあって、ここにあります。

 みくるはあんなを必要としていました。それが真実。
 あんなはみくるを必要としていました。それが真実。

 それぞれの目に見えているものはお互い少しずつ違っているかもしれないけれど、それでも重なる真実もある。

 試しにひっくり返してみても、不思議と同じように見える世界。
 視点を交換しあってみても、不思議と同じように見える世界。

 要は似たもの同士。しかもお互いにお互いをリスペクトしあっている幸せな円環。

 「私、もう平気だよ。だって、私のなかにみくるがいるから」
 「ええ。私のなかにもあんながいる」
 「私たちはひとりじゃない!」

 運命、あるいは奇跡と呼ぶほかない、鏡映しの特別な関係性。

 あんなの目の前に。そしてみくるの目の前に。
 お互いの瞳に映っている世界にこそ、今、それぞれの求めていたアンサーがありました。

 「またひと雨来そうだね。この空はまるで君たちの心を映しているかのようだ」

 実際には雨は降りません。

 あんなとみくるが涙を流して泣いていたのに、それでも雨は一滴も降りませんでした。

 前話と同じことはもう繰り返しません。

 一歩ずつ前へ進んでいく、この道行きの先にあるものを、誰にも予測などさせてやりません。

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    コメント

    1. ピンク より:

      まあオタクやってると、大勢で深読みした部分に限って作り手側から「ただの偶然です」とか言われたりで、視点の違いみたいなのを痛感しますねえw
      逆に思わぬところで意外な思慮が張り巡らされたり。

      本作も数々の謎とそれに対する考察がされてるみたいですが、どんな解答が出ますやら。

      • 疲ぃ より:

         これまで色々なアプローチを試してみてきましたが、結局機械的なプロセスで掘り下げるのが(作者の意図を当てるだけなら)一番的中率が高かったりして、まー思いこみって怖いね!ってやつです。
         キュアエクレールに関するミスリードも大量に張り巡らせているあたり、こりゃみくる母親説もまだわからんぞ・・・?
         『フレッシュプリキュア!』~『ドキドキ!プリキュア』あたりのノリを思いだしますねえ。

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