名探偵プリキュア! 第7話感想 その違いが“素敵”だって今なら言える。

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1枚ずつだと意味がないように見えるけど、2つを重ねれば道がつながる!

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「大変!学校が迷路!?」

大きな出来事

メインキャラクター:プリキュア

目標

 からくり迷路から脱出し、理科室に行く。

課題

 教室移動中、ゴウエモンによって学校が迷路化されてしまった。謎を解かないと迷路から出られないし、授業にも遅刻してしまう。

結末

【達成】

 仕掛けられた謎は多彩だったが、行動力のあるあんなと深く考えることが得意なみくる、得意分野の異なるふたりが力を合わせることで、無事迷路から脱出できた。
 なお、転入初日のあんなは迷路脱出後、結局校舎内で迷子になってしまった。

心の変化

【ポジティブ】

 ふたりで力を合わせた成功体験により、一緒にいればどんな障害も乗り越えられるという確信を強めた。

バトル

 桜の木を素体としたハンニンダー。

苦戦

 衝撃と目くらましを兼ねた攻撃を、しかもハンニンダー・ゴウエモン双方が繰り出してくる。

勝利

 息の合ったチームワークでハンニンダーの攻撃の射線にゴウエモンを誘導して巻き込み、武器である扇子を喪失させた。

ピックアップ

ペンダント

 うーん。いかにも後々盗まれそうなやつ。

1999年7の月

 第3話でもしれっと異物感ある背景として登場していたやつ。やっぱり絡んでくるのか。追加戦士絡みでスケジュール的にもちょうどいい時期だしね。

学校の間取り

 図書室の真上に家庭科室はやめろ。なんでよりにもよって漏水被害を最大化する配置にしたんだ。そして図書室そもそも小さすぎだろ!
 というかどっちの棟も左側に廊下が無いけどどういう配置になっているんだ。
 体育館も渡り廊下でつないであげて。体育のたびに上履き持って玄関から出入りしなきゃいけないの大変よ?
 学校の正門はこの地図でいうと右側、渡り廊下と正対する位置にある(第5話より)。ということは普通教室棟右側にある大きい部屋が正面玄関だろうか? ・・・グラウンドに出るときって渡り廊下を横切って行くんだろうか。その前提だから吹きっさらしなの?

 ちなみに、この配置図では普通教室が8室しか無いように見えるが、第5話で確認するとこの棟は3階建てになっているから、みくるが省略しただけだと思われる。特別教室棟は本当に2階建て。
 おそらくは特別教室棟が元々あった旧校舎で、後付けで普通教室棟を建て増ししたパターンなのだろう。2階建てなこととか、体育館の位置とか、渡り廊下の位置(おそらく旧正面玄関があった場所を改築している)とか諸々考えると。
 内装はきれいに見えるが実はベビーブーム以前から使わている古い校舎なのかもしれない。高等部に至っては錆びた焼却炉とか転がっているくらいだし。いやまあ、モデルが横浜だからベビーブーム世代入学(1980年代)以外のタイミングでも教室が足りなくなる(≒子ども人口が増える)ことは全然ありうるんだけど。
 でも、その視点で見直してみると、そういえばエアコンが見当たらない。1999年当時だと「学校にエアコンは贅沢品」という風潮がまだ根強く、エアコンが整備されていたのは直近で改築された校舎くらいのものだった。(そしてどのみち使わせてもらえない)

 ついでにメモ。
 「私も転校してきたとき迷っちゃったから、つくったの」
 みくるも転入生らしい。学校の寮には1年未満しか入っていなかったことになる。

みくるは絵が上手い(圧)

 あんなもみくるもお互いに対するリスペクトが強すぎるせいか、若干盲目的な全肯定っぷりを見せる部分がある。(復習)

鍵と鍵盤

 「そういえばどうして“鍵盤”っていうんだろう?」と気になって調べてみたところ、思いのほかがっつり音楽史に深く関わる疑問だったようだ。

 そもそも日本語で「鍵盤」と書くのは英語(や、その他のラテン語系言語圏)で「keyboard」と書き表していたものの直訳。
 そして音楽用語に「key」という言葉が使われるようになったのはラテン語時代(clavis / clavichordなど)からのこと。

 古来、音楽というものは口伝で受け継がれていたが、9世紀ごろ修道院が連携を強めるにつれ、文書で宗教音楽を広めていく必要が生じた。
 ただ、それまで口伝で(目の前で歌ったり演奏したりして)伝えていたものを正確に文書化する(演奏なしでも理解できるようにする)というのはなかなか難しい。当初はネウマ譜というものが考案されていたが、これでも正確な伝達はしきれきなかった。

 そこで10世紀になると、五線譜に音符を並べ、(ハ長調やヘ短調のような)調を指定するという、現代に通じる楽譜のスタイルに改良された。この「調」にあたるものを当時「clavis」=“鍵”と呼んでいたのだそうだ。
 ドレミファソラシの音階自体は紀元前からすでに発見されており音符化可能。音の長さも音符さえあれば表現は容易。あとは調さえ決まれば楽譜の解釈を確定できる。
 調はどの音階を基準に演奏したらいいのかを指定するための記号、つまり楽譜を読み解くために最も重要な「鍵」に当たるというわけだ。
 調は現代でも「key」と呼ぶ(Key of C Majorなど)ことがある。

 さて、一方で14世紀ごろにクラヴィコードという鍵盤楽器が誕生している。この名称は「clavis(鍵)」+「chorda(弦)」という言葉の組み合わせだ。
 ただ、当然ながらクラヴィコード誕生よりはるか以前から鍵盤楽器は存在している。じゃあその当時の鍵盤は何と呼ばれていたのかといえば、「ankōnískos(クランク)」「lingua(舌)」「pyrones(ボタン)」などだったようだ。「鍵盤」という言葉にclavisやkeyが使われるようになったのは、どうもクラヴィコード以後のことで間違いないらしい。
 webで検索すると「鍵盤楽器内部の機構が錠前における鍵の仕組みと似ているから」のような説がヒットするが、歴史上の名称の変遷を考えると疑わしい。本当にそれがルーツだったらもっとはるか以前からclavis呼びが生まれていたはずだろう。鍵盤楽器の基本的な構造自体は大昔からさほど変わらず存在していたのだから。

 調べるとこのクラヴィコードという楽器、音量が小さく、演奏会の本番で使う想定のものではなかったようだ。
 じゃあ何に使う楽器なのかといえば、もっぱら教育用。あるいは作曲用。学習者や作曲者が調(clavis)や音階を確認するための道具だったらしい。
 この楽器が生まれた当時、もともと弦を叩く機械のことを「clavis」と呼んでいなかったのなら、ここにおける「clavis」とは“調”のほうを意図していたのではないか? 「clavis」+「chorda」は(鍵と弦)の組み合わせではなく、(鍵盤を叩いて手軽に調を確認するための弦楽器)だったのではないか?
 鍵盤を「鍵(clavis / key)」と呼ぶようになったのは、クラヴィコードのツールとしての目的が関係している可能性は充分にありうるように感じる。

 ・・・と、ここまでは調べられたのだが、「調を確認するためのツールとしてのクラヴィコードが鍵盤を『鍵』と呼ぶことになった由来」という仮説を立てるには、文献からの根拠が足りない。私自身音楽的素養はゼロだし。
 門外漢が語るのはここらが限界かもしれない。あとは(誰かに)任せた。

 鍵盤についての調べものが沼すぎて私自身これ何の話だったっけ?って感じになっていますが、さて↓からが本題(のはず)。

ふたりの奇跡、ふたりの魔法

 今話から脚本が村山さんからいつものローテーション体制へ移行。しばらくストーリー展開が少し緩やかになるものと予想されます。
 村山さん、もともと多めに書く人ではありましたが、今作でシリーズ構成自ら手がけるスタートアップの最長記録更新ですね。

 「ねえねえ、明智さんってどこから来たの?」
 「部活とかやってた?」
 「携帯持ってる? メル友になろ!」
 「私もー!」

 転校生が来たからには放っておくのは無礼というもの、とでも言わんばかりにもみくちゃにされるあんな。私はもちろんこの手の輪に参加したことがありません。
 というか、この学校の生徒たち1999年春の時点でみんなケータイ持ってるのね。お金持ちだなあ。

 今話は出だしから割とゆるっと進行します。あんなたちの心情が大きく揺さぶられる展開も特段ありません。
 前話であんなの正体が未来人だと敵方にバレてしまったわけですが、そのあたりも(結果的に)ゴウエモンさん全然追求してきません。
 いかにも日常編といった味わいですね。

 「ようこそ、からくり迷路へ! このゴウエモンの力で学校全体を謎がひしめく異空間、からくり迷路に変えてやったのさ。これからお前たちには謎を解いてもらう。どれか1つでも謎を解けなければ、永遠にこの迷路から出られない」

 今話の推理要素は事件(ミステリ)というよりパズル。
 ひとつの謎にじっくり取り組むのではなく、いくつもの小さな謎かけを次々解いていきます。

 みくるが「理科室の注意」というヒントからポスターに気がつけば、あんなが火のイラストに水をぶっかけて謎を解き、
 あんなが五線譜上の鍵穴に注目したら、みくるがピアノの知識を生かして和音を鳴らすことに辿りつき、
 あるいはプリキットミラールーペの販促ついでに半ば偶然ゴウエモンを見つけたり、
 みくるがかぎ針縫いの意外な特技を披露したり、
 とんちみたいな解放にあんなが直感的に気付いたり。

 全体通してあんなが行動派、みくるが思考派という役割分担を明確にしつつ、ふたりとも揃ってはじめて全てのパズルを突破できるんだという印象を視聴者に見せつけます。
 小さなパズルが複数あるからこそ、ふたりの違いも、両方必要なことも、よりわかりやすくなる構造ですね。

 「このマークとさっきの言葉の意味・・・。あ! 『行き詰まったら初めから考える』。みくるが前に言ってたでしょ? つまり、今までの謎を振り返れってことだよ!」

 「そっか、重ねるんだ! 地図のこと。1階と2階、1枚ずつだと意味がないように見えるけど、2つを重ねれば道がつながる!」

 特に最後の謎解きは、あんなとみくる両方の気付きが推理に欠かせず、ポチタンも重要な手がかりの発見に貢献しています。

 「ミスティックとふたりで、マコトジュエルを!」「ツバメの像を!」「取り返す!!」
 「ポチー!」
 「はっ・・・! ふたりじゃない。3人で!!」(第6話)

 前話までの物語の流れと地続きであることを如実に感じさせますね。
 前話では第1話のあんなの発言を引用していたのに対応して、今度は第4話でのみくるの発言を引用していたり、いろいろと丁寧。ジェット先輩が言っていた「あべこべだな。あんなとみくる、逆になったみたいだ」「お前たちはふたりで名探偵プリキュアだろ」(第6話)を、これでもかと改めて印象に刻みつけに来ます。
 全体的に、前話の復習みたいなテイストすらあります。

 こうした描写を積み重ねることで何が見えるかといえば。

 「見事だろう? 息の合ったハンニンダーの攻撃。それに比べて惨めだね。君たちはまるで足並みがそろってない」(第5話)

 「どうすれば・・・」
 「大丈夫。あの迷路を出られたんだもん。私たちなら何とかできる!」
 「――うん!」

 もちろん、前回の敗北を完全に克服したことの証明ですね。
 たまたま奇跡が起きたからニジーを倒せたのではなく、ふたりの絆が強くなったからこそ勝てたんだという確認。
 これからのふたりは以前のようには負けないんだ、と。
 これから始まるふたりの日常では、こんな強さがずっと続いていくんだと。

 今話はそういう物語。

 復習編と言ってしまえばそれまでだけど、リフレインすることで今後の明るい見通しを示すことにもつながる物語。

 るるかが言うとおり、結局のところどこまでも「想定内」な展開でしかないのだけれど、想定内であることそのものに意味があります。

 「みくる、どこー? というか理科室どこー?」
 「あ。あんな置いてきちゃった。どこにいるの、あんな!」
 「もう迷路はこりごりだよー!」

 ついでに、それぞれひとりぼっちになってしまうと急にダメダメになっちゃうコミカルなオチも添えつつ。
 不慣れな場所で駆け足されると、廊下を曲がったときとかのほんの一瞬で、びっくりするくらい簡単にはぐれちゃいますよね。わかるー。

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    コメント

    1. ピンク より:

      >ノストラダムスの大予言
      みくるがあんなに対してこの角度から突っ込まないの、軽く与太話扱いだからなんですね。実際に大騒ぎされたのはもっと前だそうで。
      そういや私は当時幼稚園児でしたが、小学校上がってから漫画か何かで知ったと思います。

      とうとう美術室のシーンで、状況を理解するより先に回答されてしまいました……いやそんなんアリですか?!
      まあ視聴者視点でほんの数秒以内ですから、ノーカンでいい気はしますけど。最後の謎はまあ何とか(ただし分かったのは解法までで、形は画面の向こう側に丸投げw)

      • 疲ぃ より:

         7月って、時期がふわふわしているのもよくなかったですね。いつ怖がればいいのかはっきりしないっていう。年始の2000年問題のほうが怖かったかもしれません。(何も起こらなかったけど)

         さすがにダイジェストシーンはノーカン。
         最後の謎解きはまあ、配置図が2枚出てきたらとりあえず重ねるのがクイズ脳ですよねえ。

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