
何? 会うなり私の胸見て。もしかして気になるのー?

「パラオの海」
大きな出来事1
メインキャラクター:千紗
目標
母の店での短期アルバイトを無事にこなす。
課題
千紗はオーナー(母親)とあまりうまくいっていない。今回も母は千紗が人づきあいを苦手としているのをわかっていて、あえて接客業務に回してきた。
結末
【失敗】
まだ開店前のロールプレイだけだが、現時点ですでに課題が山積しているのは明らかだ。
心の変化
【ポジティブ】
自分でも乗り越えなければならない試練だと思っている。母の指導は辛辣だが、将来ダイビングを仕事にするため、この機会に成長したい。
大きな出来事2
メインキャラクター:ケバ子
目標
夏休みを一緒に過ごせなかった遅れを取り戻し、伊織との距離を詰めたい。
課題
ケバ子が実家の手伝いに駆り出されていた期間、伊織は千紗や桜子との想い出をたくさんつくっているようだった。
胸を派手に盛っておっぱい好きの伊織の興味を引こうとしているが、どうにもギャグにしかなっていない。
結末
【失敗】
今のところ、伊織に興味を持ってもらえている感触はない。
心の変化
【ポジティブ】
まだ諦めていない。
ピックアップ
パラオ共和国

300以上ある小さな群島全て合わせて面積約459km2、人口はおよそ2万人。こう言われると想像以上に小さい国かもしれない。
公用語はパラオ語と英語。第一次世界大戦後の1919年から第二次世界大戦後の1945年にかけて大日本帝国が統治していたため、いくつか日本語の語彙が断片的に残っている。ただし、今でも日本語話者が多数いるとかそういうわけではない。
エロ本

耕平はおおかたエロ同人誌か美少女フィギュアあたりを持って出国しようとしたのだろうが、これはアメリカの税関検査で引っかかる。児童ポルノ(のように見えるもの)を所持していた場合、良くて入国拒否・強制送還、最悪の場合は裁判沙汰になる可能性もある。
伊織はおおかたグアムで無修正ポルノを購入したのだろうが、これもまたパラオの税関検査で引っかかる。無修正は今でこそその気になればネットで手に入る時代になったが、一昔前までは小学生男子垂涎のウルトラレアアイテムだった。
原作によると伊織たちは新幹線で成田空港に行き、そこからグアムへ飛んでいる(つまり空港内に見送りはいない)から、耕平はPaBの先輩あたりにでも頼んで宅急便で預かってもらったんだろうか。
伊織? 捨てたら?
底なし沼

なんか・・・、田舎だと謎にあるよね、底なし沼。
私てっきりアニメのなかだけの存在だと思って小学生のころ友達何人かに話を振ったら、「いや近所に2つ3つあるよ」と真顔で返されましたもん。いやまあ、実際のところは深めの貯水池か何かなんでしょうけど。
間取り図

この家、なんか変・・・!
原作のほうが情報量が多いためそちらも合わせて参照すると、まず左上の部屋が今話で酒盛りをしていたリビングのようだ。この部屋から枠外にあるロフトにつながっている。そして右上の一番大きな部屋が女性陣の寝室。原作ではシングルベッドが2台描き込まれている。・・・リビング一番ちっちゃい部屋なの!?
そのすぐ下、横に延びた廊下のようなスペースがキッチン。その先、右下にあるのが脱衣所と風呂。脱衣所につながっている小部屋はトイレ。・・・伊織と耕平、風呂を先に見たあと一旦テラスに移動してからキッチンに入ってたよね?
キッチンの下にある小部屋2つのうち左側がトイレ2。・・・海外の家ってそういうものなのかあ。もう片方は何も描き込まれていないが、おそらくはボイラー設備用のスペースだろう。
そして左下の大きめの部屋が男性陣の寝室。原作ではツッコミ待ちのごとくダブルベッドが描き込まれている。一騒動あったんだろうなあ。
耕平が飲み会のあと当たり前のようにリビングに留まっていたの、もしかしたらアニメを観たかっただけじゃなく、ロフトで寝るつもりだったのかもしれない。
BLUE MONEYBIRD BEER

現実のパラオ産ビールに Red Rooster Beer という銘柄がある。おそらくはこれが元ネタ。
いくつか種類があるが、定番はライトとのこと。具体的なスタイル分類でいうとアメリカン・ブロンドエール。南国らしく軽くてすっきりした味わい。ごくごくイケる。
MONEYBIRD というのが何なのかは調べてみたけどよくわかんない。
ブルーコーナー

パラオ中心部から高速艇で40~50分進んだところにある人気のダイビングスポット。世界一のダイビングスポットとの呼び声も高い。
海溝から流れてくる豊富な栄養素がちょうど潮の流れにぶつかって留まるため、海の生態系がとにかく豊か。伊織たちが語っていたように、バラクーダの群れがトルネード状に泳いでいるところとか、ギンガメアジの壁みたいに見える群れとか、マンタなどの大型生物だとか、見どころは尽きない。「パラオでダイビングするならブルーコーナーだけでいい」と言う人もいるほど。
伊織たちのライセンスはオープンなので水深18mまでしか潜れないが、最深部は30mほどもあるため、アドバンスを取得することができればさらにまた格別の体験ができるだろう。
イントラに必要なこと
「あんたって、たしかダイビングショップの人だよね」
「え、そうなの?」
「じゃあ接客業じゃん。ならそのリアクションはないわ」
「盛り下がるよねー」
「でしょ? なんかこういうのに乗れないのってさ、ショップの店員失格じゃない?」(『ぐらんぶる Season 2』第11話)
少し前、桜子の取り巻きにこんな散々なことを言われたうえでの今話です。

「あんたはこっちをやりな」
そんな千紗の事情を知ってか知らずか、オーナーは千紗にスタッフ役として接客をやれと指示します。
千紗は特に反発もせずそれを受け入れます。
苦手としていることは自覚しています。けれど、将来ダイビングを仕事とするつもりなら逃げてばかりはいられません。
実際、ここに来る前から努力は始めていました。
今までは遠巻きに眺めているだけだったPaBの飲み会にも参加するようになりました。
伊織と耕平のバカ騒ぎにいちいち目くじらを立てるのではなく、ある程度までは一緒に過ごし、あきれ顔をしつつも一緒の空間には留まるようになりました。
アドバンス資格を持ち、父親の「グランブルー」も手伝っているので、ある程度のことまではできます。
けれど店員として即戦力かというと微妙なところ。実際、今回のロールプレイでは新米インストラクターのマキともどもダメ出しを受ける立場となりました。
「なんであの子が胸を盛ってると思う? 気になる異性がいるからに決まってるだろ。なら、その相手に気づかれるより先に教えてやるべきだ。同性のスタッフがさらっと手早くね。まあ、普通こんなこと女やってりゃわかるもんだけど。あんたは全然だね」

「千紗。そんなに肩肘張らないの。イントラの仕事はね、最大限の安全を確保して、楽しい時間を提供することだよ。そのためには自分も常に笑顔でね。まあ、これが一番難しいんだけどさ。結局イントラも人間だから」

指摘されたのは、愛想の悪さとかとっさの機転とかの表面的な部分以前の、もっと根本的なところ。人間を相手にするにあたっての基本的な考えかた、心構え。
桜子たちにイジられて以来、自分のノリの悪さを直そうと努めてきたわけですが、「どうしてそうしなければならないのか」に関して、千紗はまだまだ学ばなければならないことがたくさんあるようです。
基本中の基本、あって当たり前であるべき笑顔。
けれどその笑顔もあくまで心構えの結果として表れるものであり、象徴。

チチバンドが必要なこと
「なあ、耕平」
「なんだ、北原」
「ケバ子に会うの久々だよな」
「だな。向こうで何があったんだろうな」
「ああ。気になるよな」
「本当に気になる・・・!」

一方、ケバ子。
こちらはこちらで千紗とは別の挑戦を始めていました。
視聴者としてストーリーを俯瞰できる私たちになら狙いがわかります。実家帰省前、伊織に対する一世一代の告白劇がみごとに不発に終わったため、アプローチを変えてきたわけです。
ですが、羅刹のようにケバい厚化粧が第一印象としてインパクト強すぎ、そのせいで伊織(と耕平)には「またいつもの奇行か」としか受け取られずにいました。

「マキ。それは完全にアウト」
「実際にありうることだからね」
(少なくとも今回の)厚化粧は悪ふざけ。
けれどパッドに関してはケバ子なりに真剣そのものでした。
伊織からはこれといったリアクションはありません。
それでも続けます。ケバ子はガッツの乙女です。

これまで自分にできること全部でぶつかってきました。それでも進展なく、もはやどうしたらいいかわかりません。
だったら自分に無いものを使ってでも。たとえこれで進展がなくとも、進展があるまでゴリゴリにゴリ押す! そんな覚悟です。
背水の陣。深謀遠慮が尽きた恋は捨て身の突撃あるのみでした。
「なあ、ケバ子。俺の勘違いだったら悪いんだが。お前、北原のこと――」
昼間、オーナーが言っていたことと合わせると、さすがに耕平でも察するものがあります。
「お前、いい加減にそれをだな・・・」
「あ、ごめん。見苦しかった? またかあ。慣れてないし大きいからすぐズレちゃって」
「そういうもんか。しかし、ならなぜそんなものをつける」
「・・・別にいいでしょ」
伊織の前ではどんなにバレバレでも頑なにつけていたパッド。
それを、耕平の前ではあっさりと外すのです。

胸を盛るのは気になる異性の気を引くため。
つまりそれは、彼女の気にする相手が耕平ではないということになります。
耕平はこう見えて仲間思いでした。なにせ、これまでオタク趣味一筋でろくに友達をつくれずにいましたから。
ひょんなことからPaBに巻きこまれ、なんだかんだでいつもツルむ4人のなかに入れてもらえている今の状況は、耕平にとっては奇跡のような幸運で。
誰かと仲を深めようとする行動力は、耕平にとってなかなか得がたいもので、常軌を逸したバカである伊織のこともその一点においてだけは尊敬せざるをえないところがあります。
ケバ子に関してもそれは同じで。
ティンカーベルでは周りに笑われながらも居場所をつくろうと必死で、他の大学でありながら自分からPaBの門を叩いて打ち解けて、そして今も、バレバレのパッドで好きな人の気を引こうと努力している健気な彼女。

だから、・・・応援してあげたいと思うのです。
口のなかにビールより苦いものを感じつつ。


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