ぐらんぶる Season 3 第6話感想 破裂してしまえ、そんな●。

この記事は約9分で読めます。
スポンサーリンク

ご休憩は2時間って書いてあるので!

アニメタイムズ(AmazonPrimeVideo内 月額制コンテンツ)で最新話配信中!

「アシスト」

大きな出来事

メインキャラクター:ケバ子

目標

 いくつか妙なトラブルに遭遇したが、穏便にやり過ごしたい。

課題

 耕平がケバ子の伊織への片想いに勘づいたようだ。頼んでもいないのに余計なアシストを振ってくる。彼の性格上、悪気はないし止めても聞かないのが厄介。

 マキたちの話によると、男性は2週間出さずにいると睾丸が破裂して死ぬらしい。ケバ子(と千紗)の乏しい性知識では真偽の判別がつかないが、伊織と耕平の普段の奇行を見ていると思い当たることが多々ある。さすがに死んでほしくはない。

結末

【達成】

 耕平には丸一日振りまわされたが、とりあえず伊織に片想いがバレる展開は回避できた。

 睾丸が破裂する話はマキの冗談だった。誤解が誤解を生んで、最終的に伊織と耕平のホモ疑惑にまで発展したが、誰も死なないようで一安心だ。

心の変化

【ポジティブ】

 なんだかんだで耕平とはちょっとした連帯感が生まれ、千紗とも本音を語りあえる時間ができて仲が深まった。

ピックアップ

春原陽平

 次話でチラッと語られるはずだが、耕平が今回ロールモデルにしているのはエロゲによくいる親友キャラ(=ギャグ要員)。だからいちいち言いまわしが大げさだし、何かしゃべるたびわざわざ変なポーズを取っている。
 あいつら引っかきまわすだけで別にエロゲ主人公の恋愛成就に貢献していないような、とか言ってはいけない。

幕の内弁当と緑茶のペットボトル

 焼き鮭や梅干しはまだしも、ごぼうとか蓮根とか日本国外で売ってるものかなあ!? ・・・とツッコみたくなったが、第4話の感想文でも書いたとおりパラオは歴史的に日本との関係が深いため、どうも和食やBENTO文化が割と根付いているらしい。食材は輸入になるだろうが、幕の内弁当くらいなら意外と手に入りやすいはずだ、というのがGeminiさんの見解。

 緑茶はリプトンブランドの「Ice Green Tea」が元ネタ。海外の緑茶は砂糖入りということで昔から有名だが、近年は健康志向の高まりによって、実は世界的に無糖緑茶のシェアが上昇傾向とのこと。国にもよるが店頭の半分くらいは無糖緑茶になっているらしい。
 この緑茶は「LOW IN CALORIES」と書いてあるので、微糖なのか無糖なのかはイマイチ判別つかない。

Hello. This is Dolphin.

 たまに忘れそうになるが、伊織たちがバイトしているこの店はパラオ支店。言われてみれば英語で電話応対するべき店だった。
 もっとも、マキたち現地スタッフが日本語ペラペラだったり、日本のテレビ番組を呼んで宣伝していたりと、最初から日本人客狙いの事業ではあるのだろう。伊織も相手が高い確率で日本語話者だとわかっているから躊躇なく電話に出られるのだろうが、いざ英語での問い合わせに遭遇した場合はどうしているんだろうか?

くるみ割り人形、楽しい!

 女性にとっての生理にあたるものが男性にはないことを根拠に、睾丸が破裂するんじゃないかと心配する女性は現実にもごく稀に存在する。
 実際には古い精子は体内で分解されてまた新しいものが生産される仕組みになっている。どうしてもという場合は夢精というかたちで睡眠中に排出されることもある。

たまごクラブひよこクラブこっこクラブ(※ 畳みかけるように)

 「どうしよう。あんなに否定したのに・・・。いや、逆に強く否定したから怪しまれてるのかも。むしろ放っておけばそのうち興味をなくすはず!」

 違います。話を聞いていないだけです。

 オタクはテンプレと属性で物事を理解します。
 世のなか大抵の類型はエロゲが教えてくれるものであり、臨機応変是々非々の対応とは、かつて履修した数多のストーリーのなかから今の状況に一番似ているものを検索する作業です。

 耕平はケバ子がツンデレをしていると考察しました。ならば、その印象はそうそう簡単に変わることがありません。
 ツンデレ属性に気づいた瞬間脳裏に展開される(どっかで聞いた)膨大なバックストーリー。物語とは作中で語られない裏設定がたくさんあればあるほど強固に構築されるもの。ケバ子本人が直接一言二言否定したところで、耕平が知っているツンデレ的文脈の物量に比べたらごくささやかです。
 こういうときのオタクは厄介です。なにせ、目を開けたまま目の前の現実以外のものばかり見ていやがる。

 まあ、実際半分くらい合っているからしかたない。

 実際ケバ子は恋をしていましたし、耕平にも思った以上に深いところまで悟られてしまっていました。
 しかも初恋です。ケバ子に恋はわかりません。ケバ子が知っている恋といえば、テレビドラマとか映画とか、あとろくでもない友人たちが吹きこんでくるカスみたいなウソ情報とか、なんかそういうのばっかです。
 こっちだってまあまあテンプレ。目の前にいる耕平の恋愛経験がスカポンタンなのは明らかですが、さりとてどうするのが正解なのか、自分だって正直全然わからないのです。

 「このまま放っておいて変なことされても困るし、ならせめて私の管理下に置いておこう――。じゃあ遠回しに質問でもしてきて。私のことを異性として見られるか、とか」

 だから、なんだかんだでびみょーに頼りにしちゃいます。

 子どものお使いレベルの簡単なミッションなら、いくら耕平とはいえうまくできるだろう。
 そんな甘い考えで、実際のところ自分自身では絶対にできない問題を、つい耕平に頼ってしまうのです。
 普通に考えて、いないほうがよっぽどマシとか、そういう当たり前の結論はなんとなく出てきません。

 「お前、ケバ子とヤりたいか?」

 ダメでしたが。

 そんなわけで、以後なし崩し的に、耕平はケバ子の恋の相談役になっていきます。
 ケバ子には味方が必要でした。
 思考回路はショート常連、自分ひとりじゃ持て余しっぱなしのラブラブハートを一緒に支えてくれる近しい友人は、たとえ耕平といえど、今のケバ子にとって得がたいものでした。

 全然頼れないけど、頼もしい存在。

俺とおまえと大五郎

 「男女で共同生活10日目かー。あの2人、あっちのほうはどうしてるんでしょうかね? だって、男の子って2週間もアレ出さないと死んじゃうじゃないですか。四六時中一緒ならどう処理してるのか」

 A:男の子ってみんなパパとママとひとつ屋根の下で暮らしながらアレを覚えるんやで。何事もやりようよ。

 ケバ子がしょうもない救急救命魂に目覚めようとしていた、そのころ。

 「男性客のバンドが外れているのに気づいて止めてあげたんだって? で、そのとき相手のアレを挟んじまった」
 「気が回らなくて。でもそんなに強く閉めては――」
 「男の弱点ってのはそういうもんなんだよ。まったく、なんであんたはそんなに不器用なんだか」
 「・・・ごめんなさい」
 「その手の話に疎い奈々華は意外とうまくやるのにね」

 似たような話について、もうちょっとシリアスなトーンで、千紗は母親からお説教を受けていました。

 いやまあ、たしかに真面目に指導すべきインシデントではあるけどさ。
 こんな普通に話してたら笑い話にしかならないような事案、そこまでお堅くお説教しちゃうのも逆にちょっと特殊よ、実際のところ。
 別に厳めしい顔でとことん追い詰めるだけが教育ではありません。よっぽど空気が読めない子相手でもなきゃ、朗らかなムードで再発防止策を話し合うのでも普通は充分に効果があるものです。

 端的にいって、やりすぎです。

 「そんなに肩肘張らずにね。――大丈夫よ、千紗。オーナーの物言いこそ不器用なだけだから」

 チーフはそれなりに長い付きあいなのでしょう。彼女のこの悪癖とうまく付きあう方法をよく理解しているようです。
 そういえば、前話のテレビ取材対応でも雑にあしらっていましたね。

 そう。いかに上司といえど、その言動の全てが100%完璧に正しいというものではないんです。

 千紗はそこのところを理解していませんでした。
 コミュ障気味で、口調がやたらおっかなくて、ちょっと言いすぎてしまいがちな彼女のお小言を、常に真正面から受け止めようとしてしまいます。
 関係がうまくいっていないのを自覚していて、自分自身いろいろ反発心を抱いているくせに、まるで当然のように100%相手が正しいという前提で聞いてしまっています。

 なにせ、お母さんだから。

 母親というものは絶対的なものです。
 だって、こちらの物心がつく前から見守ってくれていて、ヘタしたら自分以上に自分のことを熟知してくれていて、いつも正しいことを教えてくれる存在。

 大抵の人は思春期になれば親の言うことも疑うようになって、日々ケンカしていくなかで「あ。この人も親である前に、自分と同じひとりの人間なんだな」と気づくものなんですが、たまにそういう流れを通らない子もいます。良い子で、素直で、あんまり周りの人を困らせたくないと思っちゃう優しい性格の子。あるいはちょっと臆病な子。
 千紗はそういうタイプでしょう。甘えんぼうですしね。たまにトゲトゲしい態度も取りますが、それも伊織みたいに絶対に自分を嫌わないとわかっている相手にだけ。

 ダイビングを仕事にしたいと言って難色を示されたときは強く反発しましたが、それは千紗にとって本当に譲れない一線だったんですから当たり前。
 むしろ、それを踏まえたうえで未だにこれほど母親に従順だという事実が、千紗にとってこの人がどれほど大きな存在なのかをよく表しています。

 「――私、お姉ちゃんになりたかった」
 「先に生まれたかったってこと?」
 「それもあるけど。人当たりがよくて、いつも笑顔で、海が大好きで、ああ見えて仕事もできて。・・・私がお姉ちゃんだったらどれだけよかっただろうって」

 絶対者に愚痴を漏らすことなんてできません。
 その点、ケバ子はちょうどいい塩梅に気の置けない友達でした。

 千紗がどうしても苦手としているあれこれがすんなりできる子で、だけどそうなったのはちゃんと努力を重ねてきたからだっていうのがわかっていて、そのくせ、ときどき不思議なくらい自信なさそうにしていて。
 どちらが上とか、下とかなくて。こんなにすごい子が自分に弱みをさらけ出せているなら、こちらもちょっとくらいなら――、なんて。だから。

 「私は――、千紗になりたい」

 あまりにも意外な弱音。
 だけど、彼女のこういうところが、千紗からすれば居心地いいんです。

 「私も愛菜になりたい。今日、お客さんとすごく仲よくやってたでしょ? 私にはあんな才能がないから。・・・こんなこと言ってもしかたないよね」
 「私なんかになったって何にも――。無いものねだりってやつだもんね。結局、私は私ってことで!」

 弱点披露大会。何も建設的なところがなさそうな話題でいて、不思議と自分の気持ちがまとまっていきます。

 お母さんはいつでも正しいに決まっているから、あの人の前では自分が正しいかどうかなんて考えることがありませんでした。あの人が叱るなら、自分は絶対に間違っているから。
 でも、今ここでは。
 お姉ちゃんになりたい。愛菜になりたい。無いものねだりなんて不毛なだけです。そんなことを考えるの自体は間違い。
 だけど、あんなふうになりたい。2人の持っているいいところを、いつか私も獲得したい。誰かを羨む気持ちの後ろ側には、変わりたい、努力したいっていう、前向きな気持ちが隠れていました。

 対等な友達の前だから、そんな自分に向き合うことができるんです。

 さて。そんな流れで次回、パラオ編最終話。

 千紗は母親のことを絶対的な存在だと思ってしまっているからこそ、関係がギクシャクしてしまっているわけです。本当はお母さんのこと、尊敬しているし、大切にしたいって思っているはずなのに。
 千紗は知らなければなりません。あの仏頂面のバリキャリウーマンが、実は意外と完璧超人じゃないってことを。冷たい鉄面皮の裏側には、案外自分と同じ、温かい血が流れていることを。

 幼いころからずっと抱いていた、絶対者としての強固なイメージに風穴を開けてくれるのは、さて誰か。

よろしければ感想をお聞かせください

    どういう記事が読みたくて来ましたか?

    読みたかった内容の記事でしたか?

    コメント

    スポンサーリンク
    タイトルとURLをコピーしました