ぐらんぶる 第9話感想 好きで嫌いで。それはそれで好きで。

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伊織。伊織。早く。

(主観的)あらすじ

 人生谷ありゃ苦もあるさ。
 王様ゲームで伊織と耕平が痛い目を見て、金欠で千紗とケバ子も痛い目を見ました。

とりとめなく

 「1人5000円出す」
 これって会費含むんでしょうか? セッティング料のみなんでしょうか? いくら学生飲みとはいえ飲み代って下限でも3000円くらいいくと思うのでさすがに後者?
 どっちにしろ前話で引っ越しのアルバイト代を一晩で使いきった伊織にとってはそこまでおいしくない金額のような。伊織お前なんだかんだ言って自分も合コンに超ノリ気だろ。
 ・・・ところで千紗ってPeek a Boo以外に女性の友達はいるんでしょうか? (私みたいなコミュ障以外は案外共通科目の講義でも友達をつくっているものらしいから大丈夫? / 水族館のお手伝いもやってるしね!)

 「となると王様ゲームくらいか」
 王様ゲームって実際にやったことないなあ・・・と思って少し自分の人生をふり返ってみましたが、単に私が頑と拒否してきただけでした。学生のころはみんなで同じ卓で飲みながらひとりだけクジを引かずに淡々と飲んでいましたっけ。そのせいで酒好きのイメージが付きました。ひとりだけ安全圏から観戦して楽しむのもゲスっぽいので、そうなるともうお酒に集中するしかなくなるんですよね。飲み放題バンザイ。
 賭け勝負がダメなんです。何よりもまず自分が勝ちたくないってのがどうしようもない。負けたくないんじゃないんです。勝ちたくないんです。自分のせいで相手が困った顔をするのがゲロ吐きたくなるくらいイヤなんです。変顔ひとつさせられないし100円だって巻き上げたくない。
 ゲーセンでたまに格ゲーをプレイしていても乱入された時点で席を立ちましたね。だって万一負かしちゃったら100円払ったのに3分も遊べないじゃないですか。まあ相手からしたら対戦放棄された方が腹立たしいんでしょうけど。

 「伊織って魚さばけるんだ」
 そういえば実家の家業がアレだからか、こういうスキルにやたら強いんですよねこの人。自炊しないのに。

 「刺身とは一度も言ってないよなあ?」
 「卑劣・・・!」

 別に今からでも断ったってケバ子に何の不都合もないはずですが、大学生くらいの年頃って特にこういう状況でなぜか拒否できなくなりがちですよね。空気を壊してしまうことへの恐怖が損得勘定を上回るんでしょうか? (私は上述のとおり拒否ってましたが)

 「1~7番の全員は――次の飲み会で服を脱がないこと!」
 たしか王様ゲームってその場でやれる命令以外はマナー違反だったような。盛り上がらないし。(つまり伊織の企みも最初からNGだったのでは?)

 「――で、何が目的だったの?」
 千紗さんノリが悪い&勝負ごとが嫌いなくせに、意外とこういう下心があるのを理解しても誘いに乗ってくれますよね。なんだかんだで付き合いのいい人です。そのへん私とは違う。まだ救いがある。

 「じ、15分だけ、人間扱いしてあげてもいいです・・・」
 「むしろ今まで何扱いされてたのか気になるところです」

 ヘンタイ。痴漢。バカ。クズ。男よけ。生贄。イス。他に何かありましたっけ?
 口で憎まれ口を叩きながらスキンシップは平気なあたり、妹感あります。

 「全員そろったし、行くか。今日はダイビングの器材を見ようと思う」
 いちおう古手川さん家もダイビングショップを名乗っているはずですが、物販はほとんどないお店なんですかね? インストラクター専門というか。そういえば商品らしい商品が陳列されているのを見たことがありません。・・・やっぱあそこ本業は居酒屋なんじゃねーの?

 「どっちかというと――歯ブラシを共有してる感じだよ」
 なあに、キスだってディープなやつならお互いの舌を甘噛みするくらいのことはするさ。・・・何のフォローでしたっけ?

 「北原。お前まさかこのアニメを知らな――」
 私もエヴァンゲリオンは当時観ていませんでしたね。夕方アニメのくせに妙に小難しい話&気取った絵面なのが気に入らなくて。(地元での最速放送は関東での放送が終わってから1年後の17時~) ナデシコの方が好きでした。(たぶん最速放送はさらに数年後のBS第2かWOWWOWノンスクランブル)
 ところでこのプラグスーツ風ウェットスーツ、2011年に実際に市販されていたようです。ジッパーがないのはプラグスーツらしい密着感を表現するためとのこと。ちなみにお値段ババンと16万円。常々思いますがグッズ収集系のオタクは大変だなあ。

 「うわーん! もうお嫁に行けないー!」
 あの手のコンパニオンがいる規模のイベントって行ったことがない(そもそも地方じゃやってないし)のでよくわからないんですが、彼女たちはどういう経緯で会場内のステージの上からビラ配りをするという謎のお仕事をするハメになったんでしょうか?

 オリンパス Tough TG-5
 千紗が買ったカメラ、このアニメには珍しく実在のメーカーロゴが描かれていると思ったら、案の定クレジットにオリンパスの名前が出ていましたね。
 防水防塵耐衝撃仕様が売りのアウトドア向けコンパクトデジタルカメラだそうです。さらなる防水&水中での細かい操作がしやすくなる専用アタッチメントも併売されているようですね。お手頃価格、なんと定価でプラグスーツの約1/3くらい。オラ、買えよ。

伊織と千紗ってつきあってるの・・・?

 ケバ子は伊織と千紗の仲に疑念を抱きます。
 元々気安い仲のように見えていた彼らふたり。特に千紗の方の態度は奇妙。口ではえげつなく嫌っているそぶりを見せているくせに、ふとしたとき他の誰にも見せていないような乙女の顔を、伊織の前でなら見せているような気がする。

 「うん。その顔だけで充分わかった」
 千紗が伊織を本気で嫌っているのは充分理解できましたが、それではあの表情は何だったんでしょうか。

 どの表情かといえば、まあ、たとえばこのあたりですね。
 「伊織。伊織。早く。他にはこんなのも」
 「骨伝導で音を拾うんだって。ただ、会話には少しコツが要るみたい」

 普段の千紗にあるまじき無邪気な笑顔。原作のケバ子の頭上で吹き出しのやりとりがなされる描きかたも良いものですが、アニメでは少し遠巻きな視点から千紗を映すことで、ケバ子の視線の先にあるものをよりわかりやすく描いていましたね。
 どうしてあの千紗が、あれだけ嫌っている伊織の前で、あんなに楽しそうな顔をしているんだろう。
 やっぱり――。

 「すみません。ちょっと質問が・・・」
 伊織を取られたくないのに、ふたりの間に割って入りにくい不思議な親密さを感じる。助けて梓さん!

 まあ、ぶっちゃけただ単に千紗が妹気質なだけなんですけどね。
 伊織への暴言は、彼ならどれだけ暴言を吐かれても本気でこちらを嫌うことはないだろうという、無意識の信頼というか甘えの表れなんですよね。千紗は本人が思っているほど伊織を嫌っているわけではありません。ああいう距離感が千紗にとって心地いいってだけです。本人も自覚していないので「つきあってるの?」と聞かれたら本気でイヤそうな顔をしますが。
 じゃあ無意識下にはLOVEがあるの? といえば、それもちょっと違う感じ。というかここまでの時点で千紗が伊織に恋をするきっかけがありません。何年も昔の過去にはそれなりの想い出があったぽいですけどね。
 男の人への“好き”ではないんです。どちらかというとお兄ちゃんへの“好き”。今のところは。
 ケバ子が気になった千紗の不思議な表情は、実はそういうものだったりします。

 「ちーちゃんってばかわいいねー! 青春! 青春よ!」
 千紗のこういう微妙に複雑で、実はすごく子どもっぽいところを正確に理解できているのがさすがの梓さん。
 もしかしたら奈々華さんもそうなんですかね? 伊織と千紗がつきあっているという噂を聞きつけて、それでも好意的に解釈していたのは、もしかしてそういうことだったんでしょうか。

 「記念に写真を撮りたいってだけでは?」
 「だからよ。きっと。同年代でいっしょに潜れる仲間ができて嬉しいんだろうね」

 基本的に千紗の表情はいつも硬いです。人づきあい慣れしていません。心からの素直な表情を表に出すことができるのは、だからひとりでいるときと、それから近しい家族と一緒にいるとき。奈々華さんがぶっ壊れたのもそのせいなんでしょうね。
 「伊織。伊織。早く」
 伊織は千紗がそういう表情を表に出せるほどに近しい存在として食い込めたわけです。

 「あいつ、よっぽどダイビングが好きなんですね」
 「そうだねー」

 千紗は伊織のことをダメ人間として本気で嫌っていますが、それでいていっしょにダイビングができる仲間として本気で好きでもいます。そのうえでさらにPeek a Booの他のメンバーにはない不思議な気安さも、伊織にだけは。
 伊織も千紗も気づいていませんが、梓さんの視点から見たらふたりの関係がそう悪くないものだとわかります。

 伊織が“お兄ちゃん”なら、千紗のその気持ちが恋に変わることはないのかといえば・・・まあ、そうとも限らないでしょうけれど。日本語ではどちらも「好き」と表現するだけあって、親愛と情愛は意外とスペクトラム状な関係です。
 ただ、まあ、千紗の場合は恋をするにはそもそもまだ情緒的にお子様なのよね。無自覚に周囲に甘えすぎ。でもそこがなんともかわいいのですよ。そここそが超かわいいのですよ。ねえ、奈々華さん。

 アニメがはじまる前は伊織のカッコよさメインで感想を書くつもりでいたのですが、なんか千紗のことばかり書いている気がします。かわいいからね。仕方ないね。
 というか伊織の本領発揮って沖縄以降(伊豆春祭は例外)なので、アニメの範囲だとあんまりカッコいいところが出てこないのよね。本音をいえばちょっとだけ残念。

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