
今週は『キミとアイドルプリキュア』の放送がありませんでしたが、それだとちょっとさみしいので前々からまとめていた自分用資料を公開します。
着目点がとっ散らかっているうえ横に長くてめっちゃ見にくいと思いますが、とりあえずタップすれば拡大だけはできると思います。また、併せて原稿であるExcelデータも公開します。
↓MS Excel版↓
表の解説
画像化したのはスケジュール表だけですが、Excelファイルのほうでは各話タイトルやプリキュア名、技名なども記録してあります。参考までに。
放送日について(黒地セル)
表は各年○月の○週目という単位でまとめてあります。
このため第5週はそもそもカレンダー上存在しなかった月も多々あるのですが、それは黒地に斜線が入ったセルで表示しています。
なお、各放送日は全国放送の日程準拠にしてあります。Wikipediaなどで優先表示されている大阪の朝日放送のものとは若干異なります。
黒地で斜線が入っていないセルは放送休止日です。
多くの年で6月3週目に放送休止があるのは全米オープンゴルフの中継番組が入るためです。
毎年11月1週目の放送休止は全日本大学駅伝の中継番組によるものです。
毎年12月末~1月頭にある放送休止は年末編成によるものです。
小学校の大型連休について(黄色網かけ)
関東の公立小学校の日程を基準に、3月4週目~4月1週目を春休み、7月4週目~8月5週目を夏休み、12月4週目~1月1週目を冬休みとざっくり考え、黄色の網かけをしてあります。
本当にざっくり判定しているので、実際の各年放送日が表の通りの大型連休期間だとは限りません。各機関序盤と終盤のあたりはギリギリ大型連休じゃない可能性も多々あります。
ファンの間でよく語られる、「夏休み期間は遠出する子どもたちに配慮して重要イベントが起こらない」という話を検証するためのものです。ついでに春休みと冬休みも調べようと思いました。
調べたイベントについて(各セル内の文字,及び着色セル)
今回はプリキュアが初めて変身した回(「プ」と表記)、プリキュアが浄化技を習得した回(「技」と表記)、集合ポーズが変わった回(「集」と表記)、敵組織の幹部を倒した回(「幹」と表記)について調べました。
プリキュアの初変身と浄化技の修得は特に注目度の高いイベントだと(私が)考えているため、前者はセルをピンク色で着色、後者は緑色で着色してあります。同時に起きた場合は初変身(ピンク色)を優先してあります。
プリキュアの初変身の定義は「そのプリキュアの変身バンクが初めて描かれた回」としています。
このため、バンクがお披露目される前に変身済みの姿で登場していたり、バンクを挟まず変身していても初変身とは見なしていません。そういう描写は「プリキュアの仲間」というより「謎に包まれた存在」というニュアンスで描かれることが多いためです。
なお、ここでのプリキュアの定義は公式(オールスターズ)準拠です。ウチのブログの名乗り口上記事とは趣旨が異なるので定義も変えています。
浄化技の定義は「バトルのシメに用いられる、複数人での協力技もしくは追加戦士による単独技」としました。
実際には初期メンバーが単独浄化するエピソードもたくさんあるのですが、あんまりあれもこれも含めてしまうと表として意味をなさなくなりますし、メイン視聴者たる子どもたちにとってはオモチャが発売される技のほうが印象に残りやすい=ストーリー上の重要度も高いだろうという考えで。
まあ、この定義でも専用オモチャが発売されていない技は多々含まれるのですが。
集合ポーズは(特に近年のシリーズでは)プリキュア同士の絆が深まったことを表す描写として効果的に使われることがあるので、今回試しに注目してみました。
敵組織の幹部を倒した回の定義は「怪物や一般戦闘員以外の(首魁も含めた)敵キャラ」を「プリキュアが直接撃破した、もしくはプリキュアに深傷を負わされた直後に身内に粛清された」ことにより「死亡もしくは拘束、戦意喪失などでその後しばらく組織の活動に加担しなくなる」ものとしました。
意外とバリエーション豊富なので定義づけが難しいところです。とりあえずプリキュアが関係しないかたちでの粛清や離反は除外することにしました。あとは私の独断と偏見とさじ加減。
ストーリーの節目としてドラマチックに描写されることが多い印象がありますが、そもそもシリーズごとに扱いの差が大きい要素でもあります。特に初期作は10話足らずでサクサク撃破されていくので、シリーズを横断して何かしらの傾向を読み取るのは難しいだろうなあというのは、正直調べる前から予想がついていました。(でも確認した)
エンディングテーマの切り替わり時期について(赤い縦線)
きわめてわかりづらいですが、一応各シリーズのエンディングテーマが切り替わったタイミングで赤い縦線を引いてあります。
四半年の区分けについて(灰色の太い縦線)
これもきわめて見分けにくいですが、5月,8月,11月の左側にある縦線を太くしてあります。
一般的には番組改編期の1月,4月,7月,10月から3ヶ月間を四半期、もしくはクールと呼ぶやつです。プリキュアシリーズの場合は放送開始が毎年2月なので、放送期間を4つに分けると一般的な四半期から1ヶ月ずつずれるわけです。
個人的に前々からプリキュアシリーズはこのあたりを節目にストーリーが大きく動くなあと感じていたので、強調してみました。
わかったこと
四半年の区分けについて
私が予想していたよりはきれいに分かれるものじゃないんだな、というのが正直な印象です。おそらく製作者側のスケジュール感覚として強く意識されているものではないのでしょう。
一方で、一般的な四半期での区切りもどうやら全くといっていいほど意識されていない様子。そこ意識していたら、特に後期エンディングなんかはもう少し後ろの日程に集まるでしょうしね。(初期作だけ9月にエンディングテーマを変えようとする意図が見られます)
プリキュアシリーズはオモチャの販売を軸にした収益構造だと聞くので、もしオモチャの発売日と比較したらもう少し違うものが見えてくるのかもしれませんが・・・。古いオモチャの発売日を調べるのって思っていたより大変で、今回は断念してしまいました。
とりあえず今回は、2月,5月,8月,11月の四半年区分のほうが一般的な四半期よりは統一感ある区切りになるように感じたので、そっちの4区分で話を進めることにします。
2~4月(初期メンバーの初変身と最初の浄化技修得)
初期メンバーの初変身
当たり前っちゃ当たり前の話ですが、初期メンバーは2~3月の間に全員揃うのが基本のようです。
4月に初変身しているプリキュアは過去4人います。
うち『デリシャスパーティプリキュア』のキュアヤムヤムは、東映のサーバーがハッキングされた事件の影響で放送スケジュールが大幅にズレこんだという事情によるものなので、これは例外と言っていいでしょう。
『Yes!プリキュア5 GoGo』のミルキィローズは現在の感覚でこそ追加戦士枠と認知されていますが、追加戦士が当たり前になる前の当時は『ふたりはプリキュア MaxHeart』のシャイニールミナス同様、2年目シリーズの目玉キャラという立ち位置でした。
今作は既存の主要登場人物が多めで、さらに新妖精のシロップの紹介もしなければならず、序盤のスケジュールが詰め込み気味。それでもなんとか序盤のうちに出したいという事情で4月の登場になったんじゃないでしょうか。
残る『ハピネスチャージプリキュア!』のキュアハニーと『ひろがるスカイ!プリキュア』のキュアウィングについては、両作とも最初の2人にバディとしての関係性が強く打ち出されていて、3人目は初期メンバーとも追加戦士ともいいがたい微妙な立ち位置でした。
初期メンバー+追加戦士のフォーマットでスケジュールされる他のシリーズとは登場時期の考えかたを根本的に変える必要があったのでしょう。
春休み期間について
近年のシリーズを除いて、春休み期間はきれいに大きなイベントが起こらないようになっています。
これはまあ、夏休みのように「遠出する子どもたちに配慮して」というよりは、毎年3月中旬ごろから上映されていた春映画に合わせてスケジュールが組まれていたことが理由として大きいでしょう。
最初の浄化技修得
最初の浄化技の修得時期については、初期メンバーが2人組のシリーズは春休み前、3人以上の場合は春休み後の4月中ときれいに分かれます。
例外は新型コロナ禍とハッキング事件でそれぞれスケジュールが後ろ倒しになった『トロピカル~ジュ!プリキュア』と『デリシャスパーティプリキュア』。
『フレッシュプリキュア!』も初期メンバーが3人いるにも関わらず春休み前に浄化技を修得していますが、これは武器アイテム(オモチャ)を用いない、個人技を同時使用する形式の技だったためだと思われます。(そもそもこの技を今回の定義における浄化技にカウントするべきか少し迷いました)
『Yes!プリキュア5』と『Yes!プリキュア5 GoGo』は大半の期間を個人技で浄化していくスタイルで、この時期複数人での浄化技を修得しません。
5~7月(追加戦士と夏休み)
遅めに修得した浄化技について
いくつかのシリーズで5月に浄化技を修得しています。
まず、『トロピカル~ジュ!プリキュア』と『デリシャスパーティプリキュア』は例によってスケジュールが後ろ倒しになったためです。
『フレッシュプリキュア!』『ドキドキ!プリキュア』は武器アイテム(オモチャ)が個人での浄化技にも対応しており、そのお披露目のあとで複数人での浄化技を修得しているために登場が少し遅くなっています。
『スイートプリキュア』と『Go!プリンセスプリキュア』はそもそもプリキュアが修得する技の数が非常に多い作風で、この時期に修得する浄化技は4月に入手した武器アイテム(オモチャ)を使った派生技です。
追加戦士の初登場
追加戦士の加入時期は意外とシリーズごとのバラツキが大きいのですが、おおむね6月後半~7月末の夏休み前に集中している傾向です。
際立って早いのは『ひろがるスカイ!プリキュア』のキュアバタフライと『わんだふるぷりきゅあ!』のキュアリリアン。この2人はそもそもファンの間でも追加戦士の枠に入れない考えかたが多数派ですね。いずれも2人組バディ×2という特殊なチーム編成だったこともあり、独特なスケジュールになっています。
逆に『ヒーリングっどプリキュア』のキュアアースは登場が大幅に遅れて夏休みのド真ん中。これは新型コロナ禍直撃でスケジュールが大幅にズレたことが原因です。
一方、同じようにスケジュールが遅れていた『トロピカル~ジュ!プリキュア』と『デリシャスパーティプリキュア』はこの時期までに遅れを取り戻している様子です。
追加戦士がいない『ふたりはプリキュア Max Heart』~『Yes!プリキュア5 GoGo!』,『スマイルプリキュア!』は、代わりに夏休み前の時期に新しい浄化技を修得(=新しい武器オモチャを発売)しています。
本当の意味でこの時期何もなかったのは初代『ふたりはプリキュア』くらいでしょうか。
夏休み期間について
夏休み期間は、世間で語られているよりは割と大きなイベントがたびたび起きています。
初代『ふたりはプリキュア』なんて、それこそ夏休みまっただなかに1回目のジャアクキングを撃破していますしね。この時期の放送終了を想定していたからこそですけど。
『フレッシュプリキュア!』~『Go!プリンセスプリキュア』は8月頭くらいにエンディングテーマを変更するのがお決まりでした。近年みたいに追加戦士の加入に合わせて変更するわけではありませんでした。
他にも夏休み序盤や終盤に新しい浄化技を修得する展開が多数のシリーズで起きています。
一番よくわからないのは『トロピカル~ジュ!プリキュア』でキュアラメールが新技・プリキュア・くるくるラメールストリームを修得していること。追加戦士枠のキャラだけ単独浄化技を2個持っていること自体がそこそこ珍しいのに、それがしかも夏休みのド真ん中。使用アイテム(オモチャ)こそ変身アイテムと同一ですが・・・。“常夏”をモチーフにしたシリーズだったということで、あえて夏休み期間に印象的なイベントを起こしたのでしょうか。
8~10月(後期浄化技修得の季節)
後期浄化技の修得
ほとんどのシリーズではこの時期に専用アイテム(オモチャ)を使った新しい浄化技を修得します。
一昔前まで「箱モノ」と呼ばれていた、大きくて豪華で高価なオモチャ群ですね。最近はデジタルオモチャのパターンも増えてきたので、この呼び名はあまり聞かなくなりました。どっちにしろお高いのは変わりませんが。クリスマス商戦を見据えて長期間売りこむのだといわれています。
8月末から9月にかけて修得するシリーズが多いですね。
スケジュール自体が大幅に遅れていた『ヒーリングっどプリキュア』はさておき、それ以外で際立って遅い修得だったのは『フレッシュプリキュア!』『ハートキャッチプリキュア!』の2シリーズ。これ以外のシリーズで10~11月に修得している新浄化技は、全て9月までに入手したアイテムを使った派生技です。
『ハートキャッチプリキュア!』は追加戦士の加入イベントが2回ある珍しい構成で、そのぶん箱モノオモチャの投入時期がクリスマス商戦直前になっていました。
『フレッシュプリキュア!』の後期浄化技修得が遅い理由だけよくわかりませんが・・・、もしかしたら当時、クリスマス商戦直前に新技&新アイテムをアピールしようという動きがあったのかもしれません。
その流れが長く続かず、代わりに11月中旬までに2~3個目の派生技を習得する流れが起きているのは、箱モノオモチャを早めに投入する&クリスマス商戦直前に改めてアピールする、というイイトコ取りした販売戦略によるものなのかもしれませんね。
この時期の追加戦士について
↑でも少し触れましたが、『ハートキャッチプリキュア!』『スイートプリキュア』『ひろがるスカイ!プリキュア』の3シリーズでこの時期に追加戦士の初変身があります。
特に『スイートプリキュア』のキュアミューズの初変身時期が際立って遅いですね。ただし、キュアミューズは専用のアイテムを持ちません。変身も浄化技も既存のアイテム(キュアモジューレ)の流用です。売れ筋の変身アイテムをクリスマス商戦前に改めてアピールしようという意図があったのでしょうか。
『ハートキャッチプリキュア!』のキュアムーンライトと『ひろがるスカイ!プリキュア』のキュアマジェスティも同様に専用アイテムを持ちません。この2人の場合は単純に、7月前後に登場するプリキュアが別にいるため、初変身がこの時期にズレこんだ例外的なスケジューリングと考えるべきでしょう。(『スイートプリキュア』にも7月に登場する追加戦士が別にいます)
なお、キュアマジェスティに関しては後期浄化技に使う専用アイテム・マジェスティクルニクルンとセットでアピールされることが多いプリキュアでした。単独での浄化技を(最終盤の非バンク技以外)持たない唯一の追加戦士でもあるあたり、マジェスティクルニクルンは彼女のための専用アイテムとみなしてもいいかもしれませんね。
なお、『ふたりはプリキュア Max Heart』のみ唯一この時期新浄化技も追加戦士もありませんでした。初期作はさすがに色々と例外が多いです。
11~1月(物語の深化と最終決戦)
後期浄化技~11月くらいが私が一番好きなシーズンです。11月末くらいまでに各プリキュアの個人エピソードがまとめに入るため、毎週の物語がより味わい深くなります。
冬休み期間について
そもそもの時期が時期なだけに、冬休み期間中は追加戦士の初変身も新浄化技の修得もありません。年末年始で1話分放送休止が入るため放送回数自体も少ないです。
その一方で、最終決戦に向けて物語が大きく動きだす時期であり、放送回数が少ない割にはぽこぽこ敵幹部が退場するイベントが多く発生します。冬休みも「遠出する子どもたちに配慮して」という傾向は無いといえるでしょう。
ちなみに12月第4週に『ハートキャッチプリキュア!』が初めて4人揃っての集合ポーズを披露するのですが、このポーズが登場するのは唯一この1話だけです。なんでか知らないですが、キュアムーンライト加入後だけずっと集合ポーズ無しで進行するんですよね、このシリーズ。
最終決戦
最終話かその1つ前くらいに最後の浄化技が登場するシリーズが多くあります。言うまでもなくラスボスへのトドメ用です。
他に、一番最初の主人公の単独技で締めたり、普通にいつもの後期浄化技で締めたりするパターンもありますね。どれも良い演出です。結局全部好き。
コメント
提供絵やアイキャッチの内容に突っ込んでみても面白そうですね。
近年だと、本編で意外と存在感消しがちなプリティホリックが異様なまでに食い込んでるという。
>初変身
キュアニャミーのように情報初公開、初登場回、仲間入りをあからさまにズラすパターンは
「今は主人公のことを嫌ってるけど、いずれ仲間になるんだろう?」みたいなことを視聴者に思わせる安心材料なんかな……と勝手に考えてますが、どこまで公式の思惑通りかは図りかねてたり。
>浄化技
主題歌シングル発売が初放送後1ヶ月は経った頃ですけど(今時めちゃくちゃ遅い!)ダンス遊びを盛り込むタンバリンやステッキ系は案外その辺りとスケジュールを合わせてるんでしょうか。
>夏休み
少なくとも今はもう時間ズレてたら録画機器側が修正してくれたり、何ならネット配信使うのが当たり前なので、見逃し対策はほぼ気にしなくていい部分かと。
むしろ何故未だに言われてるのやら。
>12月第4週に『ハートキャッチプリキュア!』が初めて5人揃っての集合ポーズを
すみません『4人』の打ち間違いですか?
というかこれ、OP映像のせいで本編でも毎回やってるイメージがありました。改めて考えると、キュアムーンライトは番外戦士的な部分が結構強いんですね。
>提供絵やアイキャッチ
オモチャのデータと比較してみたいですねえ。可能ならテレビCMの頻度や売上げとの相関まで。まあ私ちゃんとした統計知識を持ってないので、仮にデータが手に入ったとしても分析が無理そうですが。
>キュアニャミー
やたら情報初出しが早いやつは、先にゲーム業界で同じ手法が普及してるんですよ。最近はゲーム中盤~終盤に仲間になるキャラでも発売前から全員の情報を出していたりします。
たしか「そのキャラ目当てで新しく興味を持つ顧客が増えることはあっても、ネタバレを嫌って客離れすることはほぼ無い」って理屈だったと思います。
>主題歌シングル
主題歌そういえばやたら遅いですもんね。サブスクなんてわざわざTVサイズ版を先行配信してますし。たしかにアレなんでだろ?
>夏休み
昔よく聞いたのは「視聴習慣が途切れるのが問題」って話だったので、録画はまた別問題かもです。気合の入ったオタクが妙にリアタイ視聴にこだわるのとたぶん同じ。
まあ現実問題、あんまり夏休みを意識してなさそうだなって結果でしたが。
>5人揃っての集合ポーズ
きゅ、キュアフラワー・・・。(嘘です。普通にミスです)
キュアムーンライトは専用アイテムがひとつも出なかったですからね。制作側の感覚だと満と薫とか、西さん南さんに近い存在だったのかもしれません。