
心キュンキュンは最強だもん。キュンこそものの上手なれ!

「キュンこそものの上手なれ!」
大きな出来事
メインキャラクター:こころ
目標
アイドルプリキュアのオフィシャルファンクラブを立ち上げる。
課題
こころがファンクラブの立ち上げを提案すると、みんなノリノリでたくさんアイディアを出してくれた。ファンの反応も芳しく、多数の入会者が見込まれる。
そのぶん、準備しなければならないことも無数にある。
解決
みんなでがんばって準備したかいあって、ファンクラブには初日から1万人以上の入会希望者が殺到した。
特にこころは寝食を忘れて熱中していて、お母さんにも「そこまでがんばれる何かを好きになれることがこころの才能だよ」と褒めてもらえた。
バトル
アイドルストアの店員を素体とした販促グッズ型クラヤミンダー。
苦戦
その出現によりファンクラブ受付開始を妨害された。
メガホンでの大音声攻撃をしてきた。
勝利
みんなに一刻も早くファンクラブを楽しんでほしいと願うこころが、大きな音に耐えて反撃した。
ピックアップ
「これ使わせてもらうね! ありがとう!」

感謝されることに慣れていない様子のメロロン。
感謝というか、面と向かって誰かと交流すること自体にまだ違和感を持っている感じだろうか?
石橋を叩いて渡る

まだおかしい。橋の上に来てから叩いてどうする。
「カッティーに続きザックリーまで闇に飲まれちまったってのかい」
どういう情報の伝わりかたをしているんだろう?
これでチョッキリーヌがザックリーに嘘を伝えていた可能性はなくなった。
諸々の言動からチョッキリ団は自分たちこそが闇でキラキランドやはなみちタウンは光だと認識しているようだから、組織から離反したことを指して「闇に飲まれた」と言っているわけでもない。
嘘の情報を流しているのはダークイーネなのかもしれない。人材の補充予定がないという割にちゃっかり新キャラが暗躍していた件といい、末端に本当のことを教えると都合が悪い何かでもあるんだろうか?
カッティンとザックリン

キラキランドの妖精だったらしい。
やったね、田中! どう考えても無理ゲーな事務負担の増加、これで手伝ってもらえるよ!
そしておめでとう、ザックリー! これで再就職先でも過重労働生活確定だね! ・・・やりがいだけで耐えられますか?
というか、わざわざ事務所に会員証をもらいに来るくらいなら最初から現住所を書け。たぶんそこは出身地を書く欄ではない。
今日のメロロン
メロロン、以前もこころのことを応援していましたね。
「メロロンも応援するプリ」
「応援してもしなくても一緒メロ」
「そんなことないプリ。『ガンバレ!』は届くプリ!」(第13話)

これ。
このエピソードは別にこころが主役というわけではなく、話の流れとしてもプリルンがうたとななを順番に応援した流れで、たまたまこころの番になったときにメロロンもキラキライトを振ってみる気になったというだけでした。
それが妙に引っかかって、頭に残っているんですよね。
だって、こういう誰を当ててもいい場面って、プリキュアシリーズの場合は大抵主人公を配置するじゃないですか。最後の順番でメロロンがライトを振る流れなら、うたの活躍シーンを最後に持ってくればいいだけじゃないですか。それが一番余計な色を持たせずに済んで無難だし。
「届いたメロ・・・!」(第13話)
どうしてメロロンに紫色のキラキライトを振らせたんだろう、って。
「メロ? そういえば、心キュンキュンって何なのメロ?」
「心キュンキュン――。“好き”があふれて止まらないってことだよ」
「“好き”があふれて止まらない、メロ・・・。それならメロロンにもわかるメロ!」
「でしょ? そういう心キュンキュンこそが最強なんだよ!」
「最強メロ!」

今さらながら改めてこころに「心キュンキュン」の意味を聞いてみて、そこには思いのほかステキな意味が込められていて、メロロンはこころと意気投合しました。
わかる。わかる――!
普段はうたたちとの間に一定の距離感を保っているメロロンが、珍しく彼女たちと同じ場の空気を共有した瞬間でした。
しかも、今回はメロロンのほうから相手の口癖に興味を持った流れです。これはもっと珍しいこと。いつもだったら話しかけられてもそっぽ向くだけなのに。
どうしてメロロンの心のバリアが薄くなっていたのかといえば、それはおそらく前話から続く文脈があったからでしょう。
「光と闇は溶けあわない。あんな人、放っておけばいいメロ」(第25話)
ザックリーの心情に一歩踏み込んでみたい。熱を帯びて語るななの言葉を、当初は一言で切って捨てていたメロロン。
ところが、メロロンの諦観とは正反対に、ななは本当にザックリーを改心させてしまいました。
不思議なこともあったものです。一見、ななはただ自分の興味に背中を押されてザックリーの心に踏み込んでいっただけのように見えました。
彼が自覚していない思い、他人に触れられたくない矛盾した思い。「そこはザックリしないで!」(第25話)と、ななはザックリーのナイーブな部分にズカズカ足を踏み入れていって――。なのに、気がついたらむしろザックリーのほうからななに心を開くようになっていたのです。
「闇が光に――。すごいメロ」(第25話)

メロロンにしてみれば、それはありえない光景でした。
だって、「光と闇は溶けあわない」、その“闇”とは本来メロロンのことなんですから。メロロンはななやこころや、そしてうた。希望の“光”たるプリキュアたちにまだ心を開いていません。
いいえ。
「大丈夫プリ。ふたりでいれば怖くないプリ。どんなことがあってもメロロンはプリルンが守るプリ。プリルンはメロロンのお姉さんになるプリ!」(第15話)
そういえば、闇の領域にズカズカと踏み込んできた“光”の存在はもうひとりいたっけ――。

「がんばれ、キュンキュン! ――ほら。キッスも」
メロロンが認めざるをえなかった唯一の“光”が、今、こころを応援しています。
うたやなな、希望の“光”たるプリキュアたちと一緒になって。
こころも――、“光”なんだろうか?
メロロン自身、すでにこころのキュンキュンした光にあてられかけていることを自覚しています。
プリルンと同じ光。闇の領域を切り裂き、本来闇の存在であるべき者を光の下へ連れ出してくれる存在。
ななと同じ光。ザックリーと同じように、闇に生まれた自分ももしかしたら光に転じられるかもしれないと、期待させる存在。
そして、うたとも同じ光。ハートキラリロックが定めた運命を打ち破り、プリルンの記憶を元に戻してみせた、いけ好かない奇跡の担い手。

プリルンに手渡されたキラキライトを、今にも泣きだしそうな、喜びがあふれ出しそうな、縋るような、愛おしいような、複雑な表情で見つめて、メロロンはしばし逡巡します。
けれど結局、メロロンは固い決意を込めて、キラキライトに紫色の光を灯すのです。

「見せてみて。あなたの心キュンキュン――!」
また、届きますように・・・。
心キュンキュン

「あの子たち、心キュンキュンしてます。ステキだなあ。もっと“心キュンキュン”がいっぱいになったらいいのになあ。――そうだ!」
正直、オフィシャルファンクラブってファンのなかでも特に金払いがいい人にインセンティブ(チケットの先行抽選とか)をつけるためのサブスクであって、名前に反して別にファン同士の交流を促進するような機能はないっていう偏見があるんですよね。
まあ、それはそれ。
今回こころが企画したオフィシャルファンクラブは純粋にファンサービスを目的にしたものでした。
入会特典はグッズと会報がメイン。たまたま企画者が公式側だっただけで、実態はむしろ非公式ファンクラブっぽい趣きです。そういえば学校のアイドルプリキュア研究会でも自作グッズを配っていましたね、こころ。
それにしても、つくづくファンのニーズに応えるムーブが好きよね、この子。握手会を企画したときもそうでしたし。

「研究したいなあ。キュアキュンキュンかわいいし。会ってみたいなあ。・・・私ね、キュアアイドルに会ったことがあるんだあ。いきなり名前呼ばれちゃって、すっごくびっくりしたんだけど・・・! すっごく嬉しかった! ――だから、キュアキュンキュンにも会ってみたいの。もう一度キュアアイドルと、それにキュアウインクにも会いたいなあ!」(第10話)
本人がファンだから気持ちがわかるっていうのももちろんあるんでしょうけどね。
でも、こころが企画するのって、自分がそういうの好きだからって以上に、実際他のファンもそういうニーズを持っているって確かめられたときなんですよね。
やたらストイック(=自律的)な性格と裏腹、行動指針はむしろ周りからの期待(=他律的)に合わせるっていう、ちょっと変わった在りかたをしている子です。
わかりやすく言い換えるなら、自分のことに関しては周りに振りまわされず自分で決める、みんなにしてあげたいことだと自分の意見を抑えて周りの意見を尊重する、みたいな。こころの内面にはそういう線引きがあるように見えます。
なんだか鏡みたいですね。自分の興味関心ゴーイングマイウェイでザックリーの心にズカズカ踏み込んでいったななとは正反対。
今話はそういう、こころの独特な心性を紐解く物語になりました。
「心キュンキュンしてます!」という彼女の口癖のもととなった原体験は、生前のお父さんが言った何気ない一言。
「『好きこそものの上手なれ』だな、こころは」

それがずっと心に残っているんだそうです。
なるほど。ストイックにがんばったことを大好きな人に褒めてもらえた経験があるからこそ、自分のストイックな姿勢をさらに肯定的に受け止めることができるようになったわけですね。
ちなみにお母さんとの一番の想い出はこれ。

「遅くなってごめんね。さあ、おうちに帰ろう」(第14話)
つくづく何気ない瞬間が大好きだな、この子。
早くにお父さんを亡くして、泣き疲れて眠ってしまったあとも一晩中お母さんが手を握っていてくれた、みたいなもっと鮮烈な出来事はいくらでもあったはずなのに。お母さんとの想い出を振り返ったとき真っ先に思いだしたのがお迎えのシーンだったっていう。
お父さんとの想い出と共通するのは、自分の努力が報われた瞬間ってあたりでしょうか。
さびしくても我慢して待っていて、やっと迎えに来てくれたお母さんを悲しませずに済んだとき。
難しいダンスを繰り返し繰り返し練習して、やっと成功したのをお父さんも一緒に喜んでくれたとき。
自分の努力が実った達成感と周りからの反応が一致した瞬間が、こころは一番嬉しいんでしょうね。
だから自律性と他律性が共存しうるんです。
そう考えると、今話でこころがオフィシャルファンクラブをつくりたいと思った気持ちが、ますます解像度高く見えてきますね。
「ファンクラブは、ファンの君! 君! 君!! みんなのものなのです!」
「子どもから大人、おじいちゃん、おばあちゃん、さらには国境を越えて、世界みんなの心キュンキュンがいっぱい集まったらいいなって」
「実はこの前、小学生の子たちが楽しそうに私たちのライブのマネをしてくれてて。もし私たちのインカムとかコスチュームとか、いろんなグッズがあればもっと心キュンキュンしちゃうと思うんです!」
要するに、自分と同じ思いを共有してくれる仲間を増やしたいんですね、この子。

お迎えの嬉しさを一緒に共有してくれたお母さん。
ダンスが成功した喜びを一緒に共有してくれたお父さん。
それと一緒で、自身も熱烈なアイドルプリキュアのファンであるこころは、アイドルプリキュアの活躍を一緒に全力で楽しんでくれるファンを増やしたくて増やしたくてたまらないんです。
みんなが自分と同じ思いを抱いてくれるとき、こころの“自律”は同時に”他律”でもあるようになります。
一見矛盾する価値観。なのに、それが重なる瞬間。
そんな最高に幸せな奇跡が他にあるでしょうか?
「――絶対、絶対に、“心キュンキュン”は守る! だって、心キュンキュンしてる気持ちは誰にも止められないんだから!」
だから、誰もが地に足つける苦しいときであっても、こころは屈せず立ち上がります。
ストイックに、周りからの期待に応えるために。
心キュンキュンこそが最強!
「そこまでがんばれる何かを好きになれることがこころの才能だよ。『好きこそものの上手なれ』。お父さんがこころによく言ってたものね。今のこころみたいに好きになる気持ちを追いかけたら、ステキな世界がもっともっと広がる」
全てやり遂げて満足げなこころのことを、お母さんが賞賛します。
ストイックな努力のことだけではありません。
そのストイックさが、みんなとつながっていく在りかたまで含めて、こころの才能だって言ってくれます。
それこそはこころが本当にやりたいと思っていること。
自律と他律が重なる、奇跡みたいな瞬間。
何度だって味わいたいと思います。

「そうだよね。心キュンキュンは最強だもん。キュンこそものの上手なれ!」
お父さんも、お母さんも、こころが一番好きな気持ちを共有してくれて、こころは幸せです。


コメント
ファンクラブって研究会の凄いバージョンではなく、なんかこう課金システム的なやつなんですね?!
言われてみると『おジャ魔女どれみ』にでてくるおんぷちゃんのファンクラブは、単純にファンのステータス+公式からの活動報告用(小説版)という意味合いが強かったような……。
まあ交流ならほっといても、今回冒頭の子供たちや研究会みたく、案外勝手にやってるもんですし。キュアチューブに踊ってみた動画もありそう。
何はともあれ、こころが楽しそうでよかったです。
カッティンたちもどうやら出張所の仲間になるようですが、好きなアイドルを支える仕事で何かしら実りありますように。
私、そもそも自分じゃ入会したことがない(だって生ライブ行かないし)ので純然たる偏見です。ただ、昔友人の話を聞いたかぎりだとどうやらファン同士で交流できるようなシステムは無いらしくて、その点は私も面食らいました。
うちの妹なんて自分と母の2人分入会してますしね。(当日本人確認があるから付きあいの悪い私じゃダメらしい)