名探偵プリキュア! 第2話感想 まずは対決して、ねじ伏せる!

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プリキュアがウソを終わらせる!

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「天才登場! その名はジェット先輩!」

大きな出来事

メインキャラクター:あんな

目標

 元の時代へ帰る。

課題

 キュアット探偵事務所にいたジェット先輩によると、ポチタンは時空の妖精で、あんなはその力によってタイムスリップしたらしい。
 現在、ポチタンは力を使い果たして赤ちゃんの姿になっている。元の時代に帰るにはマコトジュエルを集めてポチタンの力を回復させなければならない。

結末

【失敗】

 マコトジュエル1個や2個ではポチタンの力は戻らないらしい。まだしばらくは元の時代に帰れないようだ。

心の変化

【ポジティブ】

 ウソが嫌いなあんなは、ウソで覆われた世界をつくろうとする怪盗団ファントムを放っておけない。元の世界へ戻るためだけでなく、怪盗団ファントムの野望を挫くためにも、あんなはこの時代で名探偵プリキュアとして戦いつづけることを決めた。

バトル

 ガラスペンを素体としたハンニンダー。

苦戦

 インクを噴射したり、ガラス片のようなものを飛ばしたりしてくる。インクを被った木は闇色に変色した。

勝利

 怪盗団ファントムのウソによって悲しむ人たちを守るため、決意を新たにしたあんなたちが奮起し、勝利した。
 変色した木を含め、怪盗団ファントムのウソの痕跡はハンニンダーを浄化した時点で全て元に戻るようだ。

ピックアップ

「この世界にはもう名探偵プリキュアはいないぞ」

 前話でみくるが「名探偵に助けられた」と言っていたのはそのプリキュアのことなのだろう。
 世界唯一の名探偵プリキュアがモリアーティ(キュアアルカナ・シャドウ)のことだとはちょっと考えにくいから、失踪したプリキュアというのはホームズ(推定キュアエクレール)のことだろうか。

 ポチタンが「ポチポチ」でガラケー操作の擬音で、シュシュタンが「シュッシュ」でスマホ操作の擬音。つまりキュアエクレールはあんなと反対に、未来へタイムスリップしたんだな!!!!!(じゃあマシュタンは何なんだよ)

「おはよう! プリキュアだって証拠――!」

 ジュエルキュアウォッチはすでに前話で見せていたわけだが、みくるは何を証拠にするつもりだったんだろうか? 変身の実演? それとも次話でわかるか?

 というかこの姫カットコスプレガール、見た目どおりちゃんとお嬢様だったのか。
 公式サイトでもこの制服っぽい服が標準の服装として紹介されているから、制服でしか外出が認められないみたいなルールがある、厳しめの寮なのだろう。

ガラスペン

 つけペンの一種。つまり万年筆のガラス版みたいなもの。ペン先の微細な溝にインクを吸い上げて書く。
 最初に発明されたのは1902年の日本でのこと(ただしペン先は軟質ガラスで軸は竹製)だが、このようにペン先から軸まで全て硬質ガラスで製造できるようになったのは1996年のこと。書き味よく耐久性も良好で、しかも見た目が非常に美しいことからヒット商品となり、当時は文房具店の高級文具コーナーによく飾られていた。

折りたたみ式携帯電話

 厳密には1989年から折りたためる携帯電話は存在していたようだが、上部に大画面液晶、下部にテンキーを備えたこの形状でいうと、世界初の機種はNECのN501i。この機種は1999年3月に発売したばかりだから、当時の流行の最先端ということになる。さすがコギャル(中身はニジー)。
 日本ではi-modeの流行によって携帯電話からのメールやインターネットの利用が急速に広まったため、大画面を持つ機種の需要がこの時代から高かった。以後、次第にこの折りたたみ式が携帯電話(ガラケー)のスタンダードになっていく。

ウォレットチェーンとしっぽキーホルダー

 どちらも90年代のファッションアイテム。
 ここまでやるってことは、これもう絶対、美術スタッフのなかに1999年再現を楽しんでる人がいるでしょ。

 例年どおり設定開示が主体となった第2話。謎解きパートを挟むぶん、ドラマとバトルはざっくりシンプルにまとめている印象ですね。それはそれとして伏線はいっぱい張っていますが。

 「本当だよ! 私ウソつかないから!」

 それにしても、あんなはどうしてこんなにもウソを嫌っているんでしょうね?
 みくるに名探偵に救われた過去があるように、あんなにも何かウソにまつわる辛い過去があるんでしょうか。

 怪盗団ファントムは「ウソで覆われた世界」を標榜しています。
 これ自体は子ども番組の悪役として良い。実際、前話でも今話でも「どうしてウソをついてはいけないのか」みたいな論点がほとんど話題に上がらず、「考えるまでもなくウソはよくないこと」「ウソは人を傷つける」という前提で話が進んでいます。視聴者たる子どもたちが普段そう教わっているであろう、良識的な家庭内教育を信頼しているのでしょう。
 こんなのいちいち説明するまでもない話。それはその通り。

 ただ裏を返せば、その対立軸は子どもから見ても陳腐すぎるテーマだという意味でもあります。
 たぶん、どこかで1回や2回前提を揺さぶってくる展開があると思うんですよね。そのとき、ウソをつかないことに強いこだわりを持つあんなは何を思うのか。とても楽しみです。

あんなとみくるの人助け

 では、さて本題。

 「私たちがいる! やろうよ、ここで名探偵! ね、みくる」
 「え? でもあんな、自分の時代に・・・」

 ジェット先輩から、この世界に名探偵プリキュアはもう存在しない、キュアット探偵事務所も閉めると聞かされたシーン。

 この時点のあんなの最大の目的は元の時代に戻ることでした。
 あんなが怪盗団ファントムとの戦いを決意したのは、ニジーが語った彼らの目的を聞いてからのことです。
 対して、みくるの目下の目的はキュアット探偵事務所で名探偵をやることでした。

 言っていることが反対です。
 本来ならみくるが名探偵をやりたがり、あんなが断るべきところでしょう。なのに、こういう会話になりました。
 これはあんなとみくるの、人助けに対するスタンスの違いによるものです。

 「悩んでるだけじゃ始まらないよ。『一歩踏み出せば答えはついてくる。一歩の勇気が答えになる』だよ!」(第1話)

 あんなはとにかく誰かのために行動するのが好きなタイプなようです。
 第1話でも、大事な誕生日ケーキを運んでいる途中にもかかわらず、リボンを風で飛ばされてしまった女の子を助けるために躊躇なく飛び出していきました。

 「・・・わからないんです。これじゃまりさんを笑顔にできない。名探偵にだって」(第1話)

 対して、みくるは慎重な性格。ただしそれは慎重すぎて機会を損失しているというだけでなく、どうすれば自分が人の役に立てるのか、よく考えながら行動しているという意味でもあります。
 第1話で彼女が泣きべそをかいていたのは、自分の無力さに打ちひしがれたことに加え、このままではティアラを盗まれた被害者を助けてあげられないから、という対外的な側面もありました。

 同じ人助けでも、あんなは「自分が何をしたいか」を重視しています。
 みくるは「相手に何をしてあげられるか」が大切だと考えています。

 だから、あんなはみくるの「名探偵をやりたい」という夢のためなら、自分の都合を一旦脇に置いて行動しようとしますし、
 みくるはあんなが「元の時代に帰りたい」と考えていることに対して、自分が何もしてあげられないことをわかっているから躊躇します。

 「むー。だったらプリキュアだって証拠見せちゃうもん! ・・・と思ったけど帰る! 学校の寮、門限だから。――あ。あんなたち泊めてあげて!」

 特にみくるは前話だけだと単純にあんなより行動力がないだけという印象が強かったですが、今話を合わせると、自分が何をするべきか、何を言うべきかが明確な場面では、むしろあんな以上に能動的に行動する、という印象に変わりました。

 「私たちで困った人達を助ける! マコトジュエルを守って、ポチタンも元に戻して、そしたらあんなも元の時代に――!」
 「うん。でも私決めちゃったんだ。みんなを助けるって! ウソで覆われた世界なんて嫌だから。私、みくると一緒に名探偵プリキュアがんばる! 戻るのはその後!」

 「自分が何をしたいか」。「相手に何をしてあげられるか」。
 ふたりの人助けに対するスタンスの違いは、これから力を合わせていくなかで、相乗的に効果を発揮していくんでしょうね。

ウソとの戦い

 「強力なマコトジュエルをウソで覆えば、誰にも止められない強力な力になるんだよ!」
 「エリザさんのペンで」「なんてことするの!」
 「違うよ。もう僕のペンさ。ファンと偽り近づき、ゲッチュ! ウソを使えばたやすいものさ。欲しいものは何でもウソで手に入る!」

 マコトジュエルは人が大切にしているものに宿ります。
 普通はそう簡単に譲ってもらえないはずのそれを、怪盗団ファントムはウソの力を使って奪うことに成功しています。

 不可能を可能にしている。だからこそウソは強い。
 そういう、事実に裏付けられたシンプルな論理です。

 「僕もひとつ教えてやる。キュアット探偵事務所の使命は、嘘を暴いて止める! ファントム! お前たちからマコトジュエルを守ることだ!」
 「随分と威勢のいいベイビーだ。キュアット探偵事務所、むろん君たちの使命は心得ている。でもこの状況でウソ、ハンニンダーをどう止める!?」

 彼らのウソの力を信じる論理は強固な事実に支えられていて、だからジェット先輩の裏付けのない啖呵程度では動じません。
 彼らに対抗するには、こちらも事実に基づいた論理をぶつけなければなりません。

 「プリキュアがいる! 歴史上数人しかいなかったという名探偵プリキュアが、今、2人もいる!」

 ここまで言ってもまだ弱い。プリキュアが稀少な存在だからといって、それがどうしたという話です。

 必要なのはあくまで、事実に基づく論理。

 今話のバトルを通してジェット先輩があんなたちを見直すことになったのは、だからです。
 お題目を唱えることしかできず、真実が持つ力を証明しきれなかった自分と違って、名探偵プリキュアの持つ”真実の力”は現実に”ウソの力”を打ち破ってみせたからです。

 「名探偵プリキュアはハンニンダーに打ち勝つことができる」という事実をもって、”真実はウソに勝る”という論理が確かに証明されました。

 要はパワーです、パワー。
 暴力は全てを解決する。
 「正義は勝つ」を地で行きます。

 どうしてウソはよくないのか、どうして真実が大切なのかをゴチャゴチャ語るのは一旦後まわし。まずは真実の尊さを見せつけていきましょう。
 幸い、「ウソをつくのはよくない」というお題目は未就学児だって大抵みんな耳にタコができるほど聞かされています。そこを疑う子はめったにいないでしょう。だから最初はそれでいいんです。

 一応、ごく簡単にだけ「どうしてウソはよくないのか」に対するアンサーも語られてはいます。

 「ウソをつかれて、ペンを取られたエリザさんは悲しんでる!」
 「人を悲しませるウソなんて――。プリキュアがウソを終わらせる!」

 ここで出てくるのが人助け。今のあんなとみくるを突き動かしている大きな行動原理。
 ただ、これは”不可能を可能にする”ウソの強さを否定する論理にはなっていませんね。

 今はまだこのお題目を前面に出しても意味がありません。ジェット先輩の啖呵同様、これだけでは到底ファントムを納得させられません。これから、実績ベースで事実の裏付けを固めていかなければ。

 そういう物語構造なんだということを考えてみれば、つくづくあんなとみくるの最大の違いが人助けに対するスタンスであることが、頼もしく見えてきますね。

 大きく異なる2つの考えかた。その対立、止揚が、これからの物語を強く、豊かにしていくことでしょう。

 まずはあんなとみくる。
 名探偵プリキュアと怪盗団ファントム。
 ゆくゆくは真実とウソ。

 どうしてウソをついてはいけないのか。そういう当たり前の話を、これから1年かけて、あんなたちと一緒に改めて考えていきましょう。

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    コメント

    1. ピンク より:

      「この世界には」って、ロンドンのキュアット探偵事務所にも現在プリキュアがいない様子?
      じゃあ発明する動機を失ってるはずのジェット先輩は、何故お菓子を溜め込んでたんですか……(公式サイトによると普通に甘いもの好き)

      とまあ、別に傷つけるだけがウソではないわけで。
      むしろ傷つけまいとしてウソをつくパターンもあります。あんなたちが啖呵を切る先と、怪盗団ファントムの掲げる野望にそれは含まれてなさそうな雰囲気ですが、お互いどんな答えを見せてくれますかね。

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