キミとアイドルプリキュア 第45話感想 キミに届けと、まずは私が風を舞い起こす。

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――桜?

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「キラッキランラン! クリスマス」

大きな出来事

メインキャラクター:うた

目標

 ダークランダーへの不安で意気消沈しているはなみちタウンをキラッキランランにする。

課題

 今年はクリスマスイルミネーションをやらないらしい。みんなそれどころではないのだという。それはガッカリだし、このままではビッグキラキラリボンにキラキラを集めることもできない。
 うたたちは田中たちとも協力して独自にクリスマスイベントを開こうと挑戦するが、街中を飾りつけるには何日かけたって人手が足りず、クリスマス料理の手配も、ホワイトクリスマスにする演出も、何もかも間に合いそうにない。

解決

 うたの両親や喫茶グリッターの客たちが「形にこだわることはない」「ちょっとだけ特別な気分になって楽しく過ごせれば」と助言してくれた。また、うたたちのがんばりをずっと見ていたクラスメイトたちをはじめ、多くの人たちが協力を申し出てくれた。
 料理と雪の手配はすっぱりやめて街の飾りつけに専念し、さらにうたたちだからできることとして、アイドルプリキュアのクリスマスライブを開催した。結果、街のみんなにクリスマスを楽しんでもらうことができた。

バトル

 ケーキ販売員を素体としたサンタクロース型ダークランダー。

苦戦

 うたたちはサンタが大好きなため、どうしても攻撃することができなかった。

勝利

 メロロンが用意していたサンタ捕獲用の仕掛け罠が意外にも大成功し、ダークランダーを自滅に追い込むことができた。

ピックアップ

「ひとりぼっちの私は行き場所もなく家に閉じこもってチキンとケーキをさびしく食べながらネット動画でも見てるしかないじゃないですか!」

 急にどうした田中。お前にそんなルサンチマンめいたほの暗い感情があるなんて初めて知ったぞ田中。なんつー地獄みたいな経験してるんだ田中。急に変な設定を生やすな田中。「しっとの心は父心、押せば命の泉わく」だぞ田中。

雪男100人

 私のところに連絡がないのですが?

 ・・・ああいや、劇中は少し未来の日付の話をしているようだから、これから来るのかもしれない。どっちにしろ断ってしまったようだけれど。
 ただでさえ師走なうえ、今年のクリスマスは平日だしねえ。

アイドルプリキュアクリスマスライブ

 「別に派手なイベントじゃなくても、手づくりの小さなイベントでいいんだよ」と言われたそばから大人気アイドルを呼んで突発ライブを催せるうたたち、何者なのよ?(マネージャー見習いではある)

場つなぎ

 アイドルプリキュアを詐称した芸人が現れてファンが凍りついたの、半分くらい君たちがチョッキリ団時代に偽ライブを開いたり(第7話)フェスを中止に追い込んだり(第17話)したせいだと思うよ?

サンタさんにパンチなんてできない

 グータッチ! グータッチだから!
 というか今回のダークランダーのデザイン、この展開をやるにしてはサンタ要素わかりにくすぎない!?

うたは成長した

 クラスメイトの増田さんが街の掲示板を見ながらうなだれていました。
 話を聞いてみると、こう。

 「『今年のクリスマスイルミネーションは中止になりました』?」
 「仕方ないよ。みんなあのダークランダーっていう怪物のことで不安だから」
 「怖いのはわかりますけど」
 「お祭りで楽しく盛り上がれば――!」
 「ううん。そんな気分になれないよ・・・」

 うたたちがいつも明るく前向きなのでときどき忘れそうになりますが、現在はなみちタウンの住民はみんなクラクラに気落ちしています。
 ダークランダーに関する報道は彼らにとって相当にインパクトがあるものだったようです。誰もが次いつ現れるかわからないダークランダーの襲来を怖れていて、一種のノイローゼ状態。クリスマスイルミネーションの中止もやむなし、というところまで何かを楽しむ気力が失われてしまっている様子です。

 このままではダークイーネの思うつぼ。
 プリキュアシリーズのラスボス戦は例年いつも思想戦なので、うたたちが気落ちしていない以上、一見して負ける要素が無さそうに見えます。ですが、その割には12月に入って以降、エピソードが進むにつれて状況がじわじわと悪化していく一方。うたたちの心を折るような展開も、今後に向けたそれっぽい伏線も、何もないにも関わらず。
 こういうところも『“キミと”アイドルプリキュア』なんでしょうね。うたたちだけがいくら元気でもダメなんです。“私”だけでなく“キミ”も元気でいてくれないと。

 「諦めちゃダメだよ! こんなときこそ笑顔にっこり! はなみちタウンがキラッキランランじゃないなら、私たちでキラッキランランにしようよ!」

 だから、うたたちは当然こういうことを考えるわけです。

 以前、カイトが「うたちゃんはたくさんの人を笑顔にしてきた。彼女は、アイドルなんだ」(第43話)と評していましたね。アイドルとして活躍中なのはキュアアイドルであって、変身前の咲良うたはまだデビューすらしていないのに。
 誰かを笑顔にしたい。みんなを笑顔にしたい。それそのものが自分自身の喜びである。そういう、生まれついてのアイドルの才覚。
 きっと彼女にかかれば、ダークランダーを怖がってクラクラになっているみんなの心をキラキラにすることも可能でしょう。

 相応の力があれば、の話ですが。

 「クリスマスといえば、やっぱりなんといってもクリスマスツリー! 街中の木をクリスマスツリーにしちゃおう!」
 「任せてください。すでに許可は取りました」

 「私もいいかな? クリスマスといえばチキン料理だけど、ああいうキッチンカーでチキン料理を出すのはどうかな」
 「チキン料理なら自分にお任せですぞ!(焼き鳥)」

 「大きなケーキをつくってみたの。恋人たちには初めての共同作業みたいに、ケーキカットのサービスをするの」

 「あとは雪! 積もらない程度に降って、ホワイトクリスマスになるといいなあ」
 「わかりました。全国の雪男さん100人に声をかけて、はなみちタウンに来てもらいましょう。手配はお任せください」

 今のうたにはななやこころ、プリルン、メロロンといったプリキュアの仲間がいて。それから、田中やカッティン、ザックリンなど裏方として手伝ってくれるスタッフもいます。
 アイドルプリキュアとして様々なイベントやファンサービスも自分たちで企画してきましたから、その経験を通じて発想力や行動力もずいぶん身についてみました。
 普通の中学生としては相当できることが多いほう。この少人数でここまでクリスマスを盛り上げる作戦を出しあえる時点で、間違いなく手放しに賞賛していいことではあります。

 けれど。

 「ツリーの飾りは間にあいそう?」
 「全然終わらないっティン!」
 「けどザックリやるしかないリンリンリンリン!」

 「大変です! 手配していたチキン3758食分が手に入りません! あとケーキ2593食分の材料も今からではとても間に合わないことが判明しました!」

 「すみません。さらに雪男さんたちもイブの夜は忙しいらしく、1人も都合が合わず・・・」

 それでも、本当に何でもできるかどうかといえば、また別の話。

 そもそもですね。うたが初めて変身したきっかけからして、マックランダーにされてしまった人をキラッキランランにしてあげたかったからだったんです。
 最初はうた自身にできること――、歌を歌うことで心をキラキラにしようと考えました。けれど、怪物化したその人は全然聞いてくれません。
 うただって、簡単に諦めたわけじゃないんですよ? どんなに怖い目にあったって、傷ついたって、何度も立ち上がって歌を聞かせようとしました。・・・でも、ダメでした。

 結局その人を救えたのは、うたがプリキュアに変身する力を得たから。
 普通の中学2年生ではありえない、超常的な力が手に入ってようやく、彼女を浄化してあげることができました。
 プリキュアへの変身とは夢の前借りです。目の前にどうしても叶えたい夢があって、だけど今の自分の力では叶えられないと思ったからこそ、子どもたちは奇跡を起こし、一時的な力を得るのです。

 うたは間違いなく成長しました。友達が増え、経験も増え、変身の力になんか頼らなくたってできることがたくさん増えました。
 あれからもう1年近くになります。物語は最終盤。プリキュアとしてのうたの物語はもうすぐ幕を綴じます。

 なのに・・・。

 まだ、不可能なことは不可能なままなのでしょうか?

アイドルだけキラキラしててもしょうがない

 いいえ。

 「チキンとケーキがない? ・・・クリスマスだからって形にこだわることはないんだよ。その日はちょっとだけ特別な気分になって、楽しく過ごせればね」

 うたが深刻に捉えていた挫折を、お父さんは何でもないように受け止めます。

 この人は以前もそうでした。

 「いいんだよ。子供なんて失敗するのが仕事みたいなものだ。大人になってから失敗しないように、今失敗しておくんだよ。これから失敗しなければ全然オッケー」(第21話)

 お父さんはある程度の妥協を許容する、大人の考えかたでうたを導く人です。
 「諦めない、負けない」を是とするプリキュアらしくない考えかたではありますが、彼のアドバイスのおかげでうたが救われたのは今回が初めてではありません。

 うたはプリキュアなので結局最後まで諦めない子ではあるのですが――。それでも、完璧にうまくできなくてもなんとかなる、というお父さんの考えかたは、いつもうたの心を軽くしてくれました。

 「別に派手なイベントじゃなくても、手づくりの小さなイベントでいいんだよ」
 「それなら私たちも手伝えるし」
 「はもりも手伝う!」
 「私も手伝うよ!」

 続いて、お父さん以外の人たちからも協力の申し出。

 このまま物語の終わりまで、絶対に忘れないようにしましょう。
 この物語は『“キミと”アイドルプリキュア』。
 この1年でうたは成長しました。友達が増え、経験も増え、変身の力になんか頼らなくたってできることがたくさん増えました。でも、そのくらいのことは歴代のプリキュア全員がやってきたこと。
 他のプリキュアたちはそれぞれ、もっと他にも何か別の成長を果たしてきました。
 うたにも何かあるはずです。じゃあ、うたの場合、それは何か?

 キュアアイドル、アイドルプリキュアとして、これまでうたはたくさんのファンとともに歩んできました。
 みんなアイドルプリキュアのことが大好きです。たくさん応援してくれます。だけどその応援は、けっしてうたたちのために尽くしたくてそうしているのではなく――。

 今話の冒頭、増田さんは掲示板を見ながらしょんぼりしていました。

 ダークランダーを怖がっている増田さん。
 クリスマスイルミネーションが中止になるのもしかたないと思える増田さん。
 だけどその本心は。

 本当は、彼女もイルミネーションを楽しみにしていたはずなんです。

 だから実際にクリスマスイルミネーションの中止が決まってしょんぼりしました。
 ダークランダーが怖いというクラクラな気持ちが強すぎて、クリスマスイルミネーションを楽しみにするキラキラな気持ちに自らフタをしようとしていただけであって。

 「あ、増田さん! 見てて! はなみちタウンのクリスマスをキラッキランランにするから!」

 そんな増田さんの目の前で、誰よりも心をキラキラ輝かせてみせたうた。

 心が震えました。

 増田さんが早々に諦めたこと。今年はクリスマスイルミネーションなんかできっこないって。残念だけどしかたないって。
 なのに、うたは違う。やろうとしてくれる。諦めないでいてくれる。たとえ現実的には無理、不可能なことだったとしても、挑戦することに臆したりはしない。

 あんなふうに負けない人がいる。
 どんなときでも希望を失わない人がいる。
 いつも楽しそうに笑っている、心の強い人がいる。

 憧れますよ、そりゃ。

 かつてレジェンドアイドルにすら敬意を抱かせた、天性のアイドル。
 これが咲良うたです。

 では、アイドルに憧れたファンは次に何をするか?
 これも私たちはこの1年を通してずっと見てきました。

 「私も手伝うよ! 私たち見てたの。だから、一緒にいいかな?」

 応援するんですよ。

 アイドルがこれからもキラッキランランに輝けるように。
 そして、自分自身もキラッキランランになれるように。

 アイドルは。
 うたは。
 その応援のおかげで不可能を可能にしていきます。

 はなみちタウンに風が吹きます。プリキュアが巻き起こした風が吹きます。
 クリスマスイブのこの日、みんなの心をキラキラにしてあげたいと祈って企画したこのライブステージで、雪の代わりに花びらを散らし、ホワイトクリスマスを演出するべくハートの木を揺らした一陣の風。

 「――桜?」

 アイドル・咲良うたがはなみちタウンに吹かせた風。
 ステージの中心にはキュアアイドル、咲良うた。周りを他のプリキュアたちが固め、そしてそのさらに周囲には彼女たちのファンが、はなみちタウンが囲みます。
 その、自分を取り囲むもの全てに向けて、誰よりもキラッキランランな咲良うたがまず風を吹かせるのです。

 「諦めちゃダメだよ! こんなときこそ笑顔にっこり! はなみちタウンがキラッキランランじゃないなら、私たちでキラッキランランにしようよ!」

 そう言わんばかりに。

 うたは、アイドルとしてたくさんの人たちとの間で心のキラキラを交換しあえるプリキュアです。

 だからこれは、『“キミと”アイドルプリキュア』という名の物語。

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    コメント

    1. ピンク より:

      田中の行き場所ならプリルンがいるじゃないですかあwww

      だいぶ長台詞の負け惜しみを吐いた割には、うたたちのキラッキランランなリクエストに正面から向き合ってくれてありがとうございます。
      でもやっぱり、食べ物数千人前をいきなり頼むのは無謀だと思います。あと、雪はスノーマシンという(街全域レベルに対応できるかはさておき)便利なものがあってですね……。

      • 疲ぃ より:

         プリルンの隣にはメロロンとかうたとか、なんかいっぱいいるのでアッシー扱いからは逃れられない可能性。

         まあ、たった一本の木で街中に花びらを散らすのもムチャなのでそこは。というか言われてみれば、仮に仕入れられたとしてあの食材の量を何人のカッティンで捌くつもりだったんでしょうか。

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