メロロンのアークチャート

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そもそもアークチャートとはなんぞや? という話はこっちで

 要するに、各キャラクターへの理解を深めるために毎年自分用につくっているメモです。今回から名前が変わりました。
 あんまり読む人のことを考えた文書ではありませんが、まあ、1年間のセリフを振り返るついでにでも。

メロロン(キュアキッス)

【原体験・過去】 ――全ての思考や感情の出発点

a1【誰の役に立ちたいか】

「あなたのぬくもり。今も、あのときも、私を強くしてくれるのはあなた――。だから大丈夫メロ。ねえたまと一緒にいると、メロロンがんばれるメロ!」(第17話 / メロロン)

闇に交わりに来てくれた光、プリルン。

 光と闇は溶けあわない――。ずっとそういうふうに考えていたのがメロロンという子です。
 そして、メロロンは闇の子。外で楽しそうにしているみんなは光。だから、自分がみんなと友達になることはない。外のみんなも自分に興味を持つことはない。なら、自分はきっといつまでもずっとひとりぼっちなんだろう。そう思っていました。

 プリルンに出会うまでは。
 プリルンは光でした。どこからどう見ても明らかに光の子でした。なのに、洞窟に引きこもっていたメロロンを見つけてくれたのです。
 別にメロロンじゃなきゃいけない用事があるわけでもなく、別にメロロンのことだけ特別に気に入っていたわけでもなく。光の下にいるたくさんの友達とまったく同じように、メロロンのことも友達のひとりとして扱ってくれました。

a2【誰に支えられているか】

「大丈夫プリ。ふたりでいれば怖くないプリ。どんなことがあってもメロロンはプリルンが守るプリ。プリルンはメロロンのお姉さんになるプリ!」(第15話 / プリルン)

いつも傍にいてくれるねえたま、プリルン。

 交流を重ねていくにつれ、メロロンの目にはプリルンの特別なところが見えてきました。
 優しくて、優しくて、底抜けに優しいのです。
 キラキランドがチョッキリ団に襲われて、自分だって怖いはずなのに、それでもメロロンのことを守ってくれると約束してくれました。きっと、メロロンのことを見つけることができたのも、この優しさがあるからだったのでしょう。

 ズキューンときました。
 なんといってもその心根に。思いやりに。勇気に。優しさに。
 普通なら「自分が特別なんじゃないか?」と自惚れたくなるところ、メロロンには自分が闇の子だという認識があったため、そういう錯誤には陥りません。
 ただただ、「プリルンが特別なんだ」としか思えなくなります。

a3【嬉しかった想い出】

「何してるプリ? こっちのほうがあったかいプリ! メロロンのリボン、取れそうプリ。結んであげるプリ!」(第12話 / プリルン)

引きこもって自らひとりぼっちになっていた自分をプリルンが救ってくれた。

 実際、プリルンにはメロロンしかいない、なんてことはありません。
 もともとキラキランドにたくさん友達がいましたし、たった2人の生き残りなのにメロロンを置いて平気で旅立つ程度には共依存していませんでしたし、後になってメロロンが追いついてみれば、うたたちと楽しそうにこちらの世界を満喫している彼女の姿がありました。

 その意味でも、メロロンにとってプリルンと出会えたことは本当にかけがえのない幸運。
 メロロンが引きこもっていたのは、闇の子として生まれてきてしまった自分の運命であり、それ以外特に理由もなく誰のせいでもなく自ら塞ぎこんでいた自分のせいでした。
 誰も悪くなくて、だから誰にもメロロンを救済しなければならない理由もなくて、・・・なのにプリルンは、それでもメロロンを救ってくれたのです。

a4【傷ついた記憶】

「プリルンもメロロンと一緒プリ。プリルンはアイドルプリキュアにハートをズキューンと撃ち抜かれたプリ!」(第15話 / プリルン)

自分が一番の仲よしでありたかったプリルンをうたたちに取られた。

 プリルンが自分のものではないことを、メロロン自身が一番よくわかっていました。
 プリルンにとって、自分が特別な存在というわけではないことも。
 だからこそ必死に猛アピールしました。プリルンの“一番”になりたくて。

 だけど、ダメでした。
 プリルンにとっての“一番”は、どう見てもうたでした。アイドルプリキュアでした。

 メロロンにとっての“一番”は考えるまでもなくプリルンです。だって、メロロンにはプリルン以外に友達がいないんですから。
 だからこの思いに釣り合いを取るにはプリルンに自分を“一番”だと思ってもらうしかなかったわけですが、それは最初から不可能なことでした。

A【絶対に諦められないもの】(a1+a2+a3+a4)

「メロロンの大事なものも封印するプリ? メロロンは何を封印するプリ?」
「・・・内緒メロ。さあ、ねえたま。鍵をかけるメロ!」(第17話 / プリルン, メロロン)

大切な人のために自分の全てを捧げること。

 メロロンにとって一番大事な願い――。それが何であるか、このころのメロロンはどうやら自覚できていなかったようです。
 けれどハートキラリロックを使う場面になったとき、メロロンは自分の本当の願いをよく理解しないまま、あっさりとフタをしてしまいました。

 自分の願いを叶えることよりも、プリルンの願いを叶えることのほうがずっと大事でした。
 メロロンにとってプリルンとの絆は絶対に失うことのできない大切なもので、だけどそれに見合う何かを自分が持っているかといえば、そのとき彼女の手元には他に何もありませんでしたから。

 いつか、もしかしたら、自分が本当の願いを叶えられるようになるかもしれない、かすかな可能性の未来。
 過去と現在の自分を嫌っているメロロンが差し出すことができたのは唯一、未来だけでした。
 だけど、それを差し出せてしまうくらい、メロロンにとってプリルンとの絆も、絶対に諦められないものだったのです。

【現在の価値観・行動原理】 ――現状に対して抱く能動的な意志

b1【みんなに広めたい思い】(a2+a3)

「メロロンから言うメロ。『メロロンとお友達になってほしいメロ』――。これからはみんなと仲よくしたいメロ!」(第29話 / メロロン)

自分も本当はみんなと友達になりたかったんだということを知ってほしい。

 メロロンの認識では、彼女がハートキラリロックに封印したものは「ねえたまとの未来」ということになっていました。しかし実際の描写を見ると、どう考えてもその認識と食い違っています。
 メロロンがハートキラリロックに閉じこめられたトリガーになった思いは、この引用にあるセリフ。
 プリルン以外の子たちとも友達になりたいという、切々とした願いでした。

 メロロンにとってプリルンの隣が唯一の居場所だったのは、プリルンのほうから「友達になりたい」と呼びかけてくれたからです。あげく、メロロンが拒否してもガン無視して強引に手を引いてくれたからです。
 逆を言えば、メロロンさえ友達になることを拒否しなければ、プリルン以外にも友達ができる可能性はもともとあったわけです。少なくともうたたちは初めて会ったときからメロロンと友達になりたがっていたのですから。
 この物語における「クラクラの闇」とは、周りにいる誰とも繋がりを持たず孤独に引きこもることを指します。当初のメロロンが“闇の子”だったのは、けっして生まれのせいなどではなく、彼女が「自分は孤独であるしかない」と最初から周囲との繋がりを拒否してしまっていたせいでした。

b2【許せないと思うこと】(a1+a4)

「そんなのもったいない! 夢の学園生活はバラ色なものなのに!」(第32話 / メロロン)

大好きな人やみんなと一緒にいられることは幸せなんだということ。

 プリルンはメロロンのものではありません。だというのに、こうしてこれからもずっといられるようになった幸福。
 それだけでも充分幸せなのに、本で読んで憧れていた夢の学園生活までも得られるようになりました。

 引用したこのセリフは、プリルンともメロロンとも特に関係のない、教育実習生の持田先生に対するメロロンのコメントです。
 当然、持田先生にとっての学校の価値は、そこにプリルンがいることではありません。プリルンや、他の特定の誰かと一緒にいられることを目的としているわけではありません。彼は生徒たちみんなにカッコいいところを見せたかった人物です。
 そういう前提を踏まえたうえで、メロロンは「夢の学園生活はバラ色なものなのに!」と言っているわけです。
 つまり、この時点でメロロンはプリルンでもうたたちでもない、たくさんのみんながいる学校での生活に、大きな価値を認めていることになります。メロロンの居場所は、すでにプリルンの隣だけに縛られなくなっています。

b3【感性が鋭くはたらく対象】(a1+a3)

「闇。それはキラキラを消してしまう暗い気持ち。メロロンは生まれながらにそれらを感じ取り、誰とも分かちあうことなくひとりで抱えて過ごしていました。だからこそ大切なものを失うことの重みも理解できる」(第25話 / メロロン)

自ら塞ぎこみ、ひとりぼっちになろうとしてしまう人の思いに共感できる。

 この物語における「クラクラの闇」とは、周りにいる誰とも繋がりを持たず孤独に引きこもることを指します。
 メロロンは生まれついての“闇の子”でしたが、その真の意味は、みんなの心の闇に気づいてあげることができる感受性。むしろ闇を退けるために戦うことができる、救世主の素質でした。
 その素質を自覚する前に、自らが闇に飲まれてしまっていただけであって。

 でも、それ自体もまた運命だったのかもしれません。
 実際のところ、メロロンがみんなの心の闇に共感できる感性を開花できたのは、自分が長いことひとりぼっち――、あるいはプリルンの隣だけが自分に与えられた唯一の居場所なんだと思い込んでいた経験があってこそです。
 自らが闇を知るからこそ、光に憧れながらも光の下へ踏み出すことへの不安を理解できるからこそ、彼女は自分以外の人の闇にも共感できるようになりました。

b4【自分でやりたいこと】(a2+a4)

「ねえたま――。メロロンは姉様の悲しい顔、見たくないメロ・・・! ――メロロンが探すメロ。なくなっちゃったぽっかり、探すメロ」(第21話 / メロロン)

自分の幸せを諦めてでも、大好きな人の利益を優先し、尽くしたい。

 心の闇に囚われていたころのメロロンには自己破壊的な言動が目立ちます。
 プリルンが記憶を失い、せっかく自分ひとりが彼女を独占できるチャンスを得たというのに、メロロンはちょくちょく自らそれを放棄するような行動に出ます。
 ただ、これって完全に心が闇に染まりきっている人には見られない症状なんですよね。カッティーやザックリーもそうでした。彼らにも一時期自分のありかたを否定する傾向が見られましたが、それはダークイーネによって闇を増幅される直前、あるいはアイドルプリキュアへの憧れによって光を取り戻す兆候が見られた、狭間の時期のことでした。
 メロロンの場合、プリルンが傍にいてくれたおかげで、完全には闇に染まりきらず長いこと中途半端な状態でありつづけたわけですね。

 光と闇は溶けあわない――。それはけっしてこの世の真実などではなく、むしろそうであってほしいという、光と闇の狭間で苦しむメロロンの心からの叫びでした。
 光に憧れてしまうから、闇でしかない我が身を疎ましく思う。
 だけど裏を返すなら、それは自己変革を望む願いそのもの。闇を蔑み光を羨むのは、自分が壊れてしまうことを承知で他人のために尽くそうと思えるのは、(不健全ながら)孤独のままでいたくない、このままでいたくないと願っている証拠です。

B【努力する理由】(b1+b2+b3+b4)

「メロロンは絶対にみんなに本当の思いを伝えるメロ! ねえたま。こころ。なな。うた。――メロロンとお友達になってメロ! みんなと一緒にいたいメロ!!」(第30話 / メロロン)

友達をつくりたいという自分の思いに素直になりたい。

 ダークイーネの誘惑を振りはらい、ハートキラリロックがもたらす試練を乗り越え、自らの心の闇から完全に脱したときのセリフ。
 これがメロロンにとって一番大事な願いです。

 当初のメロロンとプリルンの関係は、メロロンにとって非常に都合のいいものでした。「友達になってほしい」なんていう、口にするだけでも勇気が必要な言葉を言わなくても、勝手に向こうから友達だと思ってくれるわけですから。
 ただ、同時に不安定な立場でもありました。プリルンの意向にのみ依存している都合、メロロンがどんなに大切に思っていようと、プリルンが自分への興味を失った瞬間に途切れかねない関係性でした。
 それゆえに、メロロン自身の自由意志を束縛してしまう側面もありました。なにせプリルンからの関心を保ちつづける必要があります。プリルンの“一番”でありたいがために、自分もまたプリルンが“一番”だとして釣りあいを取ろうとする必要がありました。結果、プリルン以外の子と友達になれる可能性を、自ら放棄しなければなりませんでした。プリルンに一途であるために。

 だから、この状況を打開する一番確実な方法は、誰かと友達になるための主導権を自分のものにすること。
 「プリルンが自分を友達だと言ってくれるから友達」ではなく、「メロロンのほうからプリルンと友達になりたいと願うから友達」という関係性に変換します。
 こうすることでプリルンの興味関心にいちいち不安を感じることがなくなり、安心してうたたちとも友達になることができるようになります。

 もはや闇に甘んじ、自分の殻に引きこもってはいられません。
 メロロン自らの意志で、光の下へ踏み出すんです。

【夢への道筋】 ――過去と現在を統合した自己分析

c1【尊敬もしくは軽蔑している人】(a1+a2+b1+b2)

「それじゃあ、今から友達になってください。――ごめんね。私、ちゃんと言えてなかった。メロロンと出会って、楽しかった毎日がもっと楽しくなったんだ。メロロンがキュアキッスになってくれて、すっごく心強かった。一緒にいられてうれしいんだ」(第29話 / うた)

どんなに嫌っても突き放しても、友情を向けてくれることをやめなかったうたたち。

 メロロンにとって一番大切な人といえば当然プリルンになるでしょうが、メロロンの物語において最も大きな影響をもたらした人物を考えてみると、それはむしろうたということになります。
 うたがいたから、うたと友達になりたかったから、メロロンはプリルンの“一番”に固執する関係性に満足したままではいられなくなります。

 どんなに嫌ってみせても、どんなに突き放してみせても、メロロンのことをずっと好きでいてくれた人。
 あの日のプリルンとそっくり同じことをしてくれる人。
 プリルンと友達になりたいと願ったメロロンからすると、こちらも友達になりたくないはずがない相手でした。

c2【自分の好きなところ】(a3+a4+b3+b4)

「待っていて。あなたを暗い場所でひとりぼっちになんかしない。私たちが、絶対に、あなたにキラキラを届けるから!」(第44話 / メロロン)

孤独な人たちの心を救ってあげられるようになったところ。

 メロロンの物語は、プリルンに手を引かれて洞窟の外へ連れ出されたところから始まり、そしてうたからの友達宣言によってもうひとつの転機を迎えました。
 メロロンの心を大きく揺さぶったのはいずれも、心の闇に閉ざされていた自分の心をこじ開けるように、外から強く働きかけてくれた、一方的な善意でした。
 もっとも、プリルンやうたたちからすればそこまで一方的なつもりじゃなかったでしょうけれど。それでも、少なくともメロロンのほうからがそうしてほしいと頼んだわけではありませんでした。

 孤独に塞ぎ込んだ人たちにとって、その善意がどれほど得がたく、有り難い奇跡であることか、メロロンは自身の経験としてよく知っています。
 だから、自分が闇に閉ざされた人の心を救えるようになったことに、無上の喜びを覚えます。

C【こうなりたいと本気で目指す夢】(A+B+c1+c2)

「私がアイドルプリキュアになったのはお姉様の願いを叶えるためだった。お姉様の願いが私の願い。これまではずっとそうだった。――けれど、私もキラキランドを、みんなとの未来を守りたい。これからもお姉様と、みんなと一緒にいたい。私、アイドルプリキュアになってよかった!」(第44話 / メロロン)

かつて自分を救ってくれたプリルンと同じ目線で、同じことをできるようになっていきたい。

 1つ上の項目とほとんど同じ内容になってしまいますが、つまりそういうことです。

 この物語における「クラクラの闇」とは、周りにいる誰とも繋がりを持たず孤独に引きこもることを指します。
 そして、「キラキラした光」とはその反対、周りにいる誰とも繋がりたいと望み、手を伸ばすことを指します。
 メロロンはこの光に救われた闇の子の代表例です。

 実際のところ、引きこもり気質の人の全員が全員光の下へ出ることを希望しているわけではないでしょうが(私もそうですし)、それでも本当は光に憧れているくせに自分から助けを求めることができずにいる人も一部に存在します。
 メロロンのような子がもし救われたとしたら、きっと彼女と同じことを思うでしょう。
 「今度は自分が誰かを救う光になりたい」と。

 『キミとアイドルプリキュア』――。不特定多数へ向けたキラッキランランな思いが、いつかまた自分のところにキラッキランランな思いとして返ってくる円環。人と人とのつながりのなかで、1人が始めたキラッキランランがどんどん増幅されていく関係性。
 その触媒となりうるひとつの例が、メロロンです。本当はキラッキランランの発信者にもなりうる人間愛者のはずなのに、何らかの事情で周囲の人間関係から切り離され、孤立してしまっている人たち。
 そういう人たちをも救い、結果として自分を含めた全体が幸せになっていくことができるから、うたやプリルンたちが体現する(ときに一方的な)おせっかい焼きはムダじゃない。ちゃんとした意義がある、けっして独りよがりではない尊い行いだといえるわけです。

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