キミとアイドルプリキュア 第23話感想 私がキミをキラッキランランにできること。

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キラッキランランになってくれて、私までキラッキランランになっちゃいました!

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「これが私のサイン!」

大きな出来事

メインキャラクター:うた

目標

 ファンに喜んでもらえるサインを書けるようになる。

課題

 そもそもPretty Holicの企画で書くことになるまでキュアアイドルのサインなんて考えたこともなかった。
 サインのデザインが完成する前に一度サインを書くことになってしまったのだが、その場に居合わせたカイトはサインが未完成であることそのものではなく、むしろ書いているときの目線がファンに向いていなかったことを問題点として指摘してきた。

解決

 カイトがサインを書いているところを観察すると、彼は快く引き受けたうえで、目の前にいるファンに応援してくれていることへの感謝を伝え、“サインを書いてもらう”という体験そのものを楽しんでもらっていた。

 その観察をもとにして、うたももう一度実践する。
 納得のいくサインを書くのはもちろんのこと、目の前のファンによく話しかけ、会話を楽しみ、一緒によく笑いあった。
 カイトもキュアアイドルの成長ぶりに驚いたようだった。

バトル

 アイドルファンを素体としたサイン色紙型クラヤミンダー。

苦戦

 空中に書いたサインを射出してくる能力が厄介。

勝利

 サインを攻撃の道具として使うことに怒ったうたたちがクラヤミンダーのペンにしがみついて動きを止め、その隙にプリルンがズキューンバズーカでノックアウトした。
 プリルンのリクエストに応え、今回の浄化技の演目は『Awakening Harmony』ではなく、久しぶりの『Trio Dreams』となった。

ピックアップ

ハーブティー

 カイトが毎回注文している飲みもの。いつ見てもそれしか頼んでいない。

 厨房の備品を見るかぎり、喫茶グリッターはコーヒーが主力(ハンドドリップからサイフォン、エスプレッソマシンまでひと通り揃えている)だと思われるのだが、このハーブティーは誰のセンスでメニューに加わったものなんだろうか?
 珍しいよね。コーヒー喫茶で紅茶どころかハーブティまで押さえているの。

丸山プロデューサーとその部下

 色紙を持ち歩いていたあたり、局の関係者である立場をいいことに最初からキュアアイドルの楽屋に行くつもりだったものと思われる。

 実際こういうのよくあるよね。ライブ会場設営のボランティアに行ったとき、一緒に参加した友人が仕事終わりに楽屋に突撃し、Tシャツにサインをもらっていたこともあった。・・・汗でビショビショだったのによく応じてくれたもんだ。
 私も欲しいか聞かれたけどさすがに断った。(※ 今思うとそれはそれですごく失礼だな!)

サイン

 カイトは「えー?」みたいな顔をしていたけれど、実際駆け出しのアイドルって凝ったサインを持っていないものよね。
 えるすりー初出演のVTuberとか見ても、高確率で今回うたが書いたようなただの署名みたいなサインでお茶を濁しているし。昔見たテレビのお宝鑑定団なんかでも、活動初期と中期以降でデザインが違うことを考慮して鑑定額を決めていたし。

 一方で、小中学校のクラスに3~4人は自分のサインを決めている人がいたものでもある。主に声優やマンガ家志望の子。
 私の交友関係が狭かっただけで、実際にはもっといたかもしれない。

ザックリー

 過重労働にフォーカスが当てられるようになって、独特の情緒不安定さにもある程度納得できるようにはなってきたが、・・・それにしてもコイツの仕事スイッチどうなっとるんじゃ!? 恐いよ!

「ねえたま。2人で行くメロ!」

 今回ストーリーの中心にいなかったため出番は控えめだったが、うたたちと距離を取りたがる言動はむしろ今まで以上に目立っていた。
 起死回生の一手だったお料理勝負で引き分けてしまい、いよいよどうすればプリルンの隣の座を守れるのかわからなくなってしまっているんだと思われる。

 私はファングッズ的なもの全般に興味がない人間なので、今話を見て「なるほどー。サインってそういうものなのかー」って、ただただ感心していたんですが、そういえば2枚だけ有名人のサイン色紙を持っています。

 ひとつは某大相撲力士のもの。個人的には正直全然興味がなかった人なんですが、学校の生徒会活動で縁があり、その場に10人くらいいた役員全員分書いてもらいました。
 マネージャーと手分け(判子を押したり手形を押したりするのに)して効率的に書いていたのが妙に印象的で、なんだか工業製品みたいだなあと(冷めたことを考えながら)眺めていました。
 現在、捨ててはいませんがタンスの肥やしになっています。

 もうひとつは某VTuberのもの。推しです。ちょっと頭のおかしい企画案件があって、悪ノリで参加したときにもらったものです。直筆サインではあるんですが、宅配便で送られてきたものであり、目の前で書いてもらったわけではありません。
 さっき書いたとおり私はグッズ的なものに関心がないので、他のファンに悪いと思いつつ、こちらもタンスの肥やしになっています。

 他にも大学の特別講義とか、アルバイトとか、ボランティアとかでもらったサイン本やCDが何枚かあった気がしますが、いずれにも特別な感慨はありません。

 もしかしたら“推しに”“目の前で”書いてもらったものであれば、もっと感慨深いというか、想い出の一品になっていたのかもしれませんね。サインを欲しがる人の気持ちがやっと少しわかったかもしれない。
 ちょっと体験してみたい気持ちが無いでもないのですが・・・、うーん。私、だいぶコミュ障こじらせてるタイプのオタクなのよね。がんばってそういうチャンスを掴み取れたとしても、推しとコミュニケーションが取れる機会を体験してみて、結局嬉しいと思えなかったらどうしよう? それはいくらなんでも推しや他のファンに対して申し訳なさすぎるな・・・。

プロフェッショナルの来歴

 「ねえ。君、何者なの? 突如現れた謎のアイドル。ネットにアップされた動画は歌い踊る姿だけで、その正体は誰も知らない」

 一旦、響カイトがどういう人物だったのかからおさらいしてみましょうか。

 「カイトさんが“アイドルとして大切にしていること”って何ですか?」
 「そうだなあ・・・。俺は“また会いたくなる人”でいたいと思ってる。次会うことを楽しみに思ってもらえるような人に」(第4話)

 カイトは子どもからお年寄りまで幅広く愛されるレジェンドアイドルでした。
 表向きは「海外留学するため」という名目でしばらく活動休止していたのですが、数ヶ月前に日本に帰ってきていて、最近ちょくちょく喫茶グリッターに顔を出す常連客になっていました。

 特筆するべきは仕事に対する真摯な態度。
 彼はあらゆる方面で万能の才能を表すマルチタレントですが、実はけっして天才だからそうできるというわけでもありませんでした。たとえばドラマにウェイター役で出演するときは実際にアルバイトの経験を積んで、いざとなれば本物の喫茶店でヘルプスタッフとして即戦力になれるくらい、完璧な役づくりをしたうえで撮影に臨みます。

 そこまで完璧にやりきる彼の熱意の源は、“また会いたくなる人”であろうとする思いにあるそうです。
 彼は歌をきっかけにアイドル活動をはじめるようになったようです。それなのに、先ほどのようにドラマ出演においてもけっして手を抜いたりはしません。何事にも妥協しない、この誠実な態度はあくまでファンに喜んでほしいからこそ。たしかに。そこまでがんばってくれるアイドルなら、見ているファンも応援したくなっちゃうでしょうね。

 「世界中のどこにいても、365日24時間、俺は響カイトしてます」(第4話)

 彼は活動休止中のプライベートタイムですらも、“響カイト”でありつづけました。
 物腰はいつも柔らかく、親切で、頼りがいもあって、それこそ何度だって“また会いたくなる人”。
 うたたちが出会った彼がまさにそんな人柄だったからこそ、響カイトにとっての“アイドルとして大切にしていること”とは“また会いたくなる人”であることだという言葉には、とてつもない説得力があったのでした。

 「キミの歌すごくいいね。“また会いたく”なりそう」(第4話)

 そんなカイトが、うたの歌声に興味を示します。

 当時うたはまだちゃんとしたアイドルデビューをしていませんでした。そもそもカイトはキュアアイドルの正体がうただということを今でも知りません。
 実際、カイトが聞いた歌はいかにもアイドルらしいステージで歌われたものではなく、もっと身近な、うたがお客さんの赤ちゃんをあやすために即興で歌ったものでした。

 とても楽しそうな光景でした。赤ちゃんも、そしてうた自身も、すごく楽しそうに笑っていました。
 どうしてカイトがそんなシロウトの素朴な歌に興味を持ったのかはまだはっきりとは語られていませんが、うたの歌にある特別なところといったら、そういうキラッキランランな思いがこもっているところでしょう。

 今話でカイトが喫茶グリッターに通う理由のひとつとして「君もいるしね」と語っていたのは、そういうわけです。

 「友達のななちゃんとこころも手伝ってくれてるんです! 『このお仕事はどう?』とかいろいろ一緒に考えてくれて。へへ。2人と一緒にいるととても楽しくて!」
 「それってさ――、そこにあるかもよ。君の夢。夢はひとりで追うものとは限らない」(第11話)

 また、カイトはファンとの関係だけでなく、一緒に夢を追いかける仲間というものに対しても何か特別な思い入れがあるようです。

 「歌うのは小さいころから好きだったんですけど、アイドルになるとは思ってなくて。でも、ある人に言われたんです。『お前の歌、好きだよ』って」
 「お友達?」
 「ええ。少なくとも、俺にとっては」

 いったい何があったんでしょうね?
 どこか影を感じさせる彼の言葉には、活動休止に至ったのには留学以外にも何かもうひとつ理由があったんじゃないかと思わせる響きがあります。

 具体的に何があったのかまではまだ明らかになっていません。ただ、彼は以前、こんなことを語っていました。

 「ニューヨークに行く前はいつもこの場所で空に歌、聞かせてた。俺の秘密の場所なんだ」(第4話)

 単に、人知れず努力を重ねていたというだけのことかもしれません。
 だけどあるいは、本当は自分の傍で歌を聞いていてほしかった誰かがいたのかもしれませんね。

 「君、戦ってたよね。あれからずっと気になってた。・・・キュアアイドル。君のこと」
 「あれは、あれは・・・、撮影。撮影! ドラマの!」

 ちなみに、カイトはアイドルプリキュアがチョッキリ団と戦っているところをガッツリ目撃しています。目撃どころか、今話にも登場した常連客のお爺さんを助けようとして、キュアアイドルと会話までしています。
 思いっきり危険に巻きこまれたアレがドラマの撮影だなんて、そんな言い訳が今さら通用するわけがありません。

 ただし、ひとつ改めて認識しておかなければならないことは、カイトはうたとキュアアイドルが同一人物だという事実をまだ知らないということです。
 カイトがうたに興味を持った理由と、キュアアイドルに興味を持った理由は、それぞれ分けて考える必要があります。

 さて。ざらっと思いついた順に並べていきましたが、カイトについて確認しておくべきことはだいたいこんなところでしょうか。

プロフェッショナルの視点

 「ねえ。君、何者なの? 突如現れた謎のアイドル。ネットにアップされた動画は歌い踊る姿だけで、その正体は誰も知らない」

 では、どうしてカイトはキュアアイドルに興味を持ったというのでしょうか。

 どうやら単にバトルに立ち会ったからというだけではないようです。
 この口ぶりだと、謎の怪物と戦う戦士としての側面だけでなく、一種の覆面アイドルとしての一面も気になっているようですね。

 まあ、動画を上げるたびに100万再生、好評価率に至っては100%という驚異的な記録を叩き出す、驚異の大型新人ですからね。そりゃ興味を持って当たり前。

 そんなニュースターが自分のサインすら持っていない? 何でよ。
 サインを書きながらファンの目を見るという基本すら身についていない? 何でよ。

 カイトにしてみれば、妙にチグハグな新人だという印象だったことでしょう。

 だってこの子、怪物とのバトル中にも無関係の人が巻きこまれないよう気を配っていた程度には、ちゃんとした良識というか、優しさを持ち合わせていたはずなんです。
 そのうえで、アイドルとしてそんじょそこらのベテランを軽く凌駕するような圧倒的な実力。
 能力があることは確かで、人柄も善良。・・・だったらどうして、ファンサするとき普通なら気がつくべきことに気付けない? どうしてアイドルとして必要最低限の用意すらできていない?

 まさかこの子が本当にガチの新人で、ほんの数ヶ月前まで普通の中学生として暮らしていたとは思ってもいなかったはず。
 だからたまらずツッコみます。

 「いや、アイドルとしてはまだまだだなって。――サインを書くとき、黙って下ばかり見てたでしょ。目の前にファンがいるのにただサインを書いていた。ファンは君のことが好きだからそれでも喜んでくれると思うけど。考えたほうがいいかもね、それでも“アイドル”って言えるのか」

 普段一般人のうたとして接しているときには聞いたことのない、辛辣な批判でした。怒気すら含まれていることを感じ取り、うたは落ち込みます。

 指摘としてはごく真っ当で、成長を促す素晴らしい助言であると言うこともできます。
 ですが、それはそもそもカイトが誰に対しても好人物だからというだけのこと。このときカイトはキュアアイドルに関心を失い、背中を向けて立ち去っています。別に育てようと思って厳しい叱咤をしてくれたわけではないのです。

 つまるところ、カイトはキュアアイドルに幻滅したわけです。

 あの怪物との戦いに垣間見た気高さと優しさはどこへ消えた?
 結局はこの少女、急成長する自分の実力と人気に天狗になっているだけの愚者なのか?

 「俺は“また会いたくなる人”でいたいと思ってる。次会うことを楽しみに思ってもらえるような人に」(第4話)

 テレビ局の廊下で出会ったキュアアイドルの第一印象は、レジェンドアイドル・響カイトのポリシーとは正反対の、まるで自分の才能に増長した人物であるかのように見えたのです。

学ぶ人の観察

 「うたちゃん?」
 「素敵なサインができたのに元気ないですね」
 「うん。昨日サイン書くのに集中しすぎて、ファンの人のことキラッキランランにできてなかったかもって・・・」

 幸い、キュアアイドル(うた)はカイトが思っているような人物ではありませんでした。

 まるで生まれたばかりの子鹿のように、たまたま生まれつき歩み始めるのが上手だっただけで、実際はまだ右も左もわかっておらず、本当は不安でいっぱいで、だからこそこれからどんどん学んでいこうという成長過程にある少女でした。

 今度はうたの姿で、彼女はカイトという最高のお手本のふるまいをじっくりと観察します。

 「プライベートのところすみません! 本当に会えると思わなくて・・・! あの。サインとかもらえたりって――」
 「もちろん。名前聞いてもいい?」
 「あ。カイ友のメイです!」
 「メイさん。いつも応援してくれてありがとう」
 「あ・・・、はい! うわあ。ありがとうございます!」

 キラッキランランでした。

 昨日自分がサインを書いたときとは全然違う。
 厳しいことを言われてしまったのも当然です。うたはサインひとつでこんなにもファンを喜ばせてあげられるんだって、想像もできていませんでした。

 サインってこんなにすごかったんだ。
 カイトさんってやっぱりすごい人だったんだ。

 厳しくも示唆に富んだアドバイスと、具体的な実践例を間近に見ることができて、まるで目の前が一気に拓けたようでした。
 世のOJT全部こうあってほしいものですね。(唐突に愚痴)

 「ぐふふ。クラヤミンダーのサインだぜー!」
 「こんなのサインじゃない! サインは“キミをキラッキランランにするもの”だから!」

 今日までうたはファンがどうしてアイドルのサインを欲しがるのかよくわかっていませんでした。単にPretty Holicのキャンペーンで必要だからデザインを考えることになっただけで。いかにもアイドルらしいことだから挑戦してみようって思っていただけで。
 “どのようにすればいいのか”はなんとなく想像できても、“どうしてそうするのか”には全く思考が行き届いていませんでした。
 今日カイトを観察してみて、初めてサインというものがこんなにもキラッキランランなものなんだって、実感とともに理解することができました。

 「キュアアイドル! 私、ステージ見たい!」

 ちょうどそんなときにプリルンからのリクエスト。そういえばテレビ局でもそんなことを言っていました。

 これはサインの話とは全然関係ないことです。
 だけど、今のうたにはサインとステージパフォーマンスとがひとつの線でつながっているように見えました。

 あれもファンサ。これもファンサ。
 アイドルがファンのためにしてあげることは全部、ファンのみんなに喜んでもらうためにある!

 「――本当に服に書いていいんですか?」

 幸福は三度重なり、うたは昨日と今日とで教わり、観察したばかりの貴重な学びを、今さっそく実践してみる機会に恵まれました。

 「お願いします!」
 「じゃあ――。ありゃ、くすぐったいですよね」
 「くすくす。大丈夫です。ふふふ」
 「メイさん、キラッキランラーン!」

 それはもう、楽しいひとときでした。
 一枚書くだけで疲弊していた昨日とは全然違って、逆にこっちが元気をもらってしまったくらいでした。
 喜んでもらえたのは昨日と同じ。だけど、昨日よりももっと喜んでもらえた気がします。

 確かな手応えがありました。

 「嬉しそうだったね」
 「カイトさん――! そうなんです。キラッキランランになってくれて、私までキラッキランランになっちゃいました!」

 そう。本当にそう。

 カイトも思います。まるで見違えたようだと。

 「キュアアイドル。・・・ここで何かあった?」

 カイトはキュアアイドルとうたが同一人物であることを知りません。
 だから、まさか彼女が自分を観察した結果こんな劇的な成長をしたんだ――、とは全く思いもしていませんし、あの今をときめくニュースターにここまで謙虚に学ぶ姿勢があるなんてことも全然想定していませんでした。

 いったい何が起きたら、昨日の無思慮な少女が今日ここまでアイドルらしい輝きを放つようになるのか。

 彼女を磨いた他山の石が、まさか自分だったとは。――きっとカイトは、今後もこの事実に気付くことはないんでしょうね。

 「カイトさん! ありがとうございました! ・・・ひゃー!」
 「・・・アイドルの俺にファンサするなんて。ハハ。面白いね」

 先日。
 カイトがうたと初めて会った日。

 うたは公園で赤ちゃんをあやして歌っていました。
 伴奏も何もない素朴な歌。おそらく歌い慣れているのだろうメロディに、思いつくままフレーズを当て込んでいるだけだと思われる変な歌詞。
 だけど、赤ちゃんは楽しそうに笑っていました。
 うたも楽しそうに笑っていました。

 数時間後、カイトがいつもの浜辺で空に歌を聞かせていると、またうたが現れました。
 また歌っていました。
 きっとカイトのうたに釣られて歌いだしたんでしょう。そのときの彼女も、とても楽しそうでした。

 カイトとキュアアイドル(うた)のサインの書きかたには、ひとつだけ大きな違いがありました。
 カイトがファンを楽しませるように語りかけるのに対して、キュアアイドルは自分も心から楽しそうにおしゃべりするのです。

 カイトのポリシーは「“また会いたくなる人”でいたい」(第4話)。そこに、自分はどうなのかという視点はありません。

 だから、キュアアイドルとうたの笑顔には、とてもまぶしいものを感じるのです。
 まだまだ駆け出しの、素朴な少女たちに、レジェンドアイドルが持たない素質、ある一点ではレジェンドアイドルをすでに超えている才覚を、しみじみと感じ取るのです。

 「ねえ。君、何者なの? 突如現れた謎のアイドル。ネットにアップされた動画は歌い踊る姿だけで、その正体は誰も知らない」

 とても、不思議なアイドルでした。

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    コメント

    1. ピンク より:

      英語表記のスペルが分からないというスタート地点で、翌日には筆記体を上手に書けたのめちゃくちゃえらいです……しかも可愛くアレンジしてるという。
      私はそもそも筆記体の読み書きが殆どできないので、余計そう思ったり。

      個人的には今回、グリッターの描写が印象的でした。
      アイドルの影響でお店が突如大繁盛なんて、現実はともかくアニメなら笑顔とか幸せそうなBGMで描かれてもおかしくない光景でしょうに、みんな慌ただしい顔した挙句田中が燃え尽きるとはwww
      次回への前フリと同時に、アイドルの良くも悪くも凄まじい影響力を今一度見せとくって感じなんですかね。

      • 疲ぃ より:

         筆記体・・・。私も書けないなあ。読めないなあ。
         たまに今でも授業で教えてくれる学校もあるにはあるらしいですが、あれこそまさに自分のサインを考えるオタクが必要に駆られて自主学習するやつですよねえ。

         バイトは忙しくても給料増えないので・・・。
         うたたち着々と世間への露出を広げていてまだまだ天井が見えませんし、最終回近辺ではカイトみたいに(・・・?)帽子に眼鏡で変装する機会もあるかもしれませんね。

    2. 与方藤士朗 より:

      今日のサインの話を見ていて、後楽園球場に来た王貞治少年がサインをねだって巨人軍の選手にゴムボール(いわゆる軟球?)を差し出していたところ、天下の川上・千葉クラスは当然無視していたところ、日系二世のウォーリー与那嶺要選手が立ち止まってサインをしたエピソードを思い出しました。

      それから思うに(と言って関連性がなさそうですけど)、プロデューサー詩についてきた女性にサインをするキュアアイドルにダメ出しをする響カイト君、確かに厳しいことを言いはしていたが、どうでもいい相手ならそれこそ無視するはず。失望したようなことは言ったが、これは野村克也氏の「無視・賞賛・非難」の非難に値するもので、相手を認めているからこその忠告であると私は受け止めました。三流は無視、二流は称賛、そして一流は非難。彼女は響カイト青年からすれば非難を出すに値するだけの選手もといアイドルであったといえましょう。

      その響カイト青年、彼はその「響カイト」を演じているのが見ていてわかりますが、なるほど、先日亡くなられた長嶋茂雄さんと同じことを述べていました。
      「長嶋茂雄を演じるのも、大変なんだ」
      生前の長嶋さんがおっしゃっていた言葉です。
      彼は野村克也さんに「ひまわり」と例えられましたが、内心、自らを月見草とぼやくノムさんがうらやましかったのかもしれません。
      響カイト青年もまた、彼と同姓同名の名の「アイドル」を演じているのです。
      そして彼もまた、長嶋茂雄のように、一生をかけて「響カイト」になることを目指すしかないのでしょう。
      かつてヘルマン・ヘッセの晩年10年強にわたって文通を続けた四反田五郎という広島の作家さんがいますが、彼はヘッセの生前、自らの主催する同人誌で、
      「ヘルマン・ヘッセは80年をかけてヘルマン・ヘッセになり了せた」
      と書いています。
      長嶋茂雄が長嶋茂雄を演じ切ったように、響カイトも響カイトを演じ、そして響カイトになり了せるべく鍛錬を積むのでしょう。

      さあ、キュアアイドルの咲良うたは、キャンディーズのように絶頂で解散して永遠になるのか、それとも、長嶋茂雄やヘルマン・ヘッセのように、アイドルとしてのキュアアイドルになり了すまでになるのか(イメージとしては、松田聖子さんみたいにね)。
      いずれにせよ、そこは咲良うたチャンの意思次第。ってことで。

      • 疲ぃ より:

         最近(といっても10年前らしいですが)の例だとサッカーのロナウド選手が言った「なぜ笑うんだい?」のエピソードに通じるものがありますね。

         今話のカイトの件、私はラストの「ここで何かあった?」というセリフがどういう意味なのか、という疑問から考えはじめた結果、最終的にあれは“幻滅”なんだと判断したものです。
         あれはキュアアイドルのサイン書きが劇的に改善されたことを受けての発言だから、少なくともバトルについての話題振りではない。そしてカイトはキュアアイドルの正体がうただとは知らないから、カイトがサインを書く様子を観察したからキュアアイドルは成長できたのだ、という事実を知らない。つまりカイトはキュアアイドルの成長の理由に心当たりがない。まったく想像もつかないからこそ本人に質問をぶつけたはず。ならば、中盤にあったあの苦言も別にキュアアイドルの成長を促す意図のものではなかったのだろう。あれが成長を促す意図のものだったなら「ここで何かあった?」という疑問を持たず、自分の叱責を糧にして真摯に努力してくれたんだろうなと考えるはず。――という理屈を積み重ねた結果です。(読みにくいわ!)

         第4話の感想文で「“さだまさし”もバーチャルなんですよ」というさだまさしの名言を引用して語ったように、私もカイトは「響カイト」を一生かけて演じている人だと思っています。

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