キミとアイドルプリキュア 第44話感想 キミが救世主だから、私も救世主でいられて嬉しい。

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私も同じ気持ち。キッスとおそろいだよ!

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「キラキランドのひみつ!」

大きな出来事

メインキャラクター:メロロン

目標

 プリルンの念願だった、キラキランド復活を見届ける。

課題

 そもそもメロロンがプリキュアになったのはプリルンの願いを叶えるためだった。そのために女王様からの警告を無視してハートキラリロックを使ってしまいもした。
 プリルンは念願だったキラキランド復活が成し遂げられ、復活した友達みんなと大喜びしている。しかし、いつもプリルンのためだけに行動していたメロロンは、うまくその喜びをわかちあうことができない。疎外感がある。

解決

 復活してなお闇の訪れを怖れ、ひとり森のなかで震えている妖精・フルルンと出会った。
 プリルンと出会う前までいつもひとり洞窟に引きこもっていたメロロンは、彼を安心させてあげたくて、珍しく自分から声をかける。そのことをきっかけに、メロロンも和気藹々とした妖精たちの輪に加わることができた。

 女王様が言うには、闇を知ることができるメロロンは生まれながらの「救世主」なのだという。「救世主」とはプリキュアに与えられる称号。うたたちもそうだし、プリルンもそう。メロロンが「救世主」だという事実は、改めて、みんなと同じ仲間だという証明となった。

バトル

 クラスメイトのるかを素体としたスマートフォン型ダークランダー。

苦戦

 バトル自体に苦戦はない。
 ダークランダーにいつ襲われるかわからないという不安ですら、新たなダークランダーを生む心の闇となってしまうことに脅威を感じた。

勝利

 浄化後、目覚めたるかに「アイドルプリキュアを信じて待ってて」と呼びかけ、安心させることができた。
 人間界で心のキラキラを生み出す行為は、同時に、今も攻撃を受けているビッグキラキラリボンに力を与えることにもつながるようだ。

ピックアップ

「ズキューン!」

 行方不明のプリルンの面影を無意識に求めてのことではあったが、うたは初めて会ったときからキュアズキューン推し。
 たまにこの設定を確認するような描写が出てくる。

疎外感

 メロロンは他のみんなが喜んでいるシーンで、ひとりだけ戸惑ったような表情をしていることが多かった。
 キュアキッスのチーム入り前までちょくちょくあった描写だが、今回久しぶりに再登場。キラキランドが復活すること自体ではなく、それを聞いて大喜びしているプリルンの様子を見て、ようやく喜びを実感した。

キノコ

 田中が住んでいるあの事務所って、キラキランドでは一般的な建築様式だったんだなあ。(いや、異世界に建てるならもうちょっと隠せ。もしくはもっと堂々と街中に建てろ)

チョッキリーヌ

 さっさとダークランダー化して処理するのかと思いきや、もうちょっと引っぱるつもりの様子。彼女がクラクランドの本来の女王だったりするんだろうか?

いかがでしたかブログ

 クソの役にも立たない無味無臭の情報ブログをフォーマットから丁寧に再現。
 最近だと生成AIに聞いたほうが早いからか、それともGoogleに検索順位を下げられるからか、あまり乱立されなくなった。

悪者不在の心の闇

 「ごめんティン! キラキランドをクラクラの真っ暗闇にする手伝いをしてしまっティン!」  「謝っても謝りきれないリン!」

 罪悪感に押しつぶされてしまいそうなカッティンとザックリンは、復活した妖精の仲間たちに誠心誠意の謝罪をします。

 その反応。

 「クラクラ? 何のことポン?」
 「キラキランドはいつもキラキラタフ」
 「一緒にでんぐりコロリンするモリ!」

 ザックリしたものですね。

 すぐあとのシーンに登場するフルルンは闇の侵略のことをおぼろげながら覚えている様子なので、このシーンは優しい妖精たちがしらばっくれてくれたのか、あるいはほんのり設定矛盾を起こしていると考えられます。

 以前もこうでした。

 「反省っティン。自分、なんて自分勝ティンなんティン」
 「自分もリン。またザックリした言葉で傷つけてしまったリン」
(第27話)

 ダークイーネの介入があったという事情はありますが、そもそもカッティンとザックリンがチョッキリ団に入るきっかけとなった心の闇とはこのようなものでした。

 2人は誰かを憎んでいたわけではありません。ものすごく独りよがりな考えを持っていたわけでもありません。
 今話の謝罪の流れと同じ。2人はそれぞれひとりで勝手に落ち込んで、ひとりでひたすら自分を悪く思い、ひとりで気持ちを沈ませていました。その自己否定を他責感情に挿げ替えたのは、あくまでダークイーネの力によるもの。
 カズマも、ダークイーネに見出される前は表向きカイトにエールを贈るくらいの善性を持っていましたよね。カイトに対する複雑な思いは隠し通したまま、必死に彼から逃げて。
 今作における「心の闇」とは、誰かへ向ける悪意や敵意のことではありません。自分を悪く思い、他人をまぶしく思い、「住む世界が違う」と自分から孤独の闇に引きこもってしまうことを「闇」と呼んでいます。

 設定上多少違和感のある言動にしてまで妖精たちに何も気にしていない素振りをさせているのは、このカッティンとザックリンの“独り相撲”感を際立たせるための演出なのでしょう。

 まずはこの前提を確認したうえで、さて本題。

 「いよいよ、ビッグキラキラリボン復活のときが来たのです」
 「やったー!」
 「キラキランドが元に戻るプリ!」

 女王様からもたらされたとびきりの吉報に、なぜだかメロロンだけ蚊帳の外な反応。別の世界の住人であるうたたちよりも明らかに反応が薄いです。
 メロロンだって、チョッキリ団の襲撃を受けたときはたくさん怖い思いをしました。あれがあったからこそ、なおさらプリルンの光に強い憧れを抱いたわけですから。
 それなのに、メロロンは一拍おいて、プリルンが嬉しそうに飛びまわるのを見てからようやく喜びを噛みしめます。まるでキラキランド復活よりもプリルンが喜んでいることのほうが嬉しいみたいに。

 事実、そうでした。

 プリルンにはキラキランドの復活を一緒に喜んでくれる友達がたくさんいます。
 メロロンにはそういう仲間がいません。プリルンだけです。

 その場にプリルンがいることに気付いてくれる子はたくさんいます。
 でも、メロロンがその場から黙っていなくなっても気付く子はいません。プリルン以外。

 「お姉様はキラキラしている。けれど、私は・・・」

 それが、メロロンとプリルンの違い。メロロンが、プリルンの喜ぶ姿を通してでしか、キラキランドの復活を喜ぶことができない理由。

 メロロンは孤独でした。孤立していました。
 「闇を知る者」として生まれてきてしまったから。キラキラしてないから。
 闇に染まりきっていないのはプリルンのおかげです。プリルンが自分をひとりにしてくれなかったおかげです。
 そうじゃなければ、ずっとひとりで、あのチョッキリ団襲撃の時も暗い洞窟のなか独りで震え、やがて石にされていたことでしょう。
 全部、プリルンのおかげ――。

 「フルフルフル。フルフルフルフル。真っ暗闇が来るフル・・・。怖いフル・・・」

 と、そこに。

 メロロンは過去の自分と出会いました。

洞窟に差しこんできてくれた光へ

 「あの・・・」

 メロロンには震えるフルルンの気持ちが痛いほどよくわかりました。

 プリルンと出会うまで心のどこかでずっと感じていたあの辛さ。あの寒さ。
 「心の闇」とは誰かに向けられる悪意や敵意のことではありません。自分自身を傷つける、孤独な不安感のことです。

 放っておけず、思わず声をかけたメロロンの声に、フルルンはいっそう恐怖心を露わにします。
 メロロンも昔はそうでした。プリルンに力づくでお日さまの下に連れ出されたときは、はっきりいって余計なお世話だと思っていました。
 でも――。

 「フル!? フルルンを捕まえに来たのフル!」
 「違うの。もう真っ暗闇は来ないから、大丈夫って伝えたくて・・・」

 メロロンは拒絶されても諦めず、声をかけつづけました。
 だって、自分はそれが嬉しかったから。そうしてもらえたおかげで救われたんだから。

 「・・・あなたは誰フル?」

 言葉に詰まります。

 私はメロロン。
 「闇を知る者」として生まれてきてしまった子。
 みんなとどこか違っていて、ずっとひとりで。
 本当ならこんなふうに自分から誰かを元気づけようだなんて、できっこなかったはずの引きこもり。
 今だって本当に自分にそんな力があるとは思ってない。
 私をみんなと同じように扱ってくれたのは、世界で唯一、プリルンだけ――。

 いいえ。

 「あなたのぬくもり。今も、あのときも、私を強くしてくれるのはあなた――。だから大丈夫メロ。ねえたまと一緒にいると、メロロンがんばれるメロ!」(第17話)

 覚えているでしょうか?
 あなたが救われたのは確かにプリルンのおかげですが、その出会いによって、あなた自身も確かに強くなれたことを。

 あなたは、変わりました。

 「大丈夫プリ」

 「メロロンも伝説のアイドルプリキュアポン?」
 「すごいタフ!」
 「メロロンが真っ暗闇をやっつけてくれたフル!? ありがとフル!」

 「心の闇」とは、誰かへ向ける悪意や敵意のことではありません。闇が傷つけようとするのは自分自身。
 もともとあなたは誰も傷つけようとしておらず、また、誰もあなたを傷つけようとしていません。「心の闇」に悪者は存在しません。

 ただ、気がつくだけでよかった。

 「世界は輝きに満ち、私のハートもほっとほころぶ――」

 洞窟の外にある光は、自分にとっても暖かなものであることを。

世界は輝きに満ちている

 女王様に謝らなければいけないことがありました。
 けっして使ってはいけないと言われていたハートキラリロックを使ってしまったこと。約束を破ってしまいました。

 みんなに打ち明けなければいけないことがありました。
 自分が「闇を知る者」であることは事実だったということ。自分だけがダークイーネの接近を感知できてしまうということが何よりの証明です。

 女王ピカリーネは答えます。

 「もう無茶をしてはいけませんよ」

 「いいえ。それは違います。あなたは闇の広がりを止めるために生み落とされた申し子。つまり、生まれながらの救世主なのです」

 心配したと。

 あなたが思っているほど運命は残酷ではないと。

 でも、それはつまり――。

 「メロロンが救世主?」
 「そして、その力を一緒に使ってアイドルプリキュアとなったプリルンもまた、救世主と言えるでしょう」

 その先に当然あるべき新たな孤独感すらも、優しい女王様は先回りして塞いでしまいます。

 メロロンは闇の子ではなく、救世主でした。
 そして、救世主はけっしてひとりぼっちではありませんでした。
 プリルンも救世主。それから、アイドルプリキュアとは伝説の救世主のことなんですから、うたも、ななも、こころも、みんながメロロンと同じ救世主なのでした。

 「その子は運命の子。滅びの運命にあるこのスカイランドを救ってくれるでしょう。あなたたちの手でこの子を育てるのです。ただし、そう遠くない未来に旅立ちの知らせが届きます。あなたたちはそれまでのあいだ面倒を見るだけの、いわば仮初めの親。親としての時間はほんのひととき。それでもよければその子の手を取りなさい」(『ひろがるスカイ!プリキュア』第24話)

 かつて、メロロンと同じく救世主としての運命を背負って生まれてきたプリキュアがいました。
 プリンセス・エル。闇の勢力の復活に対抗するべく過去から遣わされたカウンター装置。子のいない国王夫妻に預けられ、わずかな間しか共に暮らせないと釘を刺されたうえで育てられた、戦うためだけに生まれた子。
 しかし、定められた運命に反してエルちゃんは幸せでした。国王夫妻は我が子同然に愛情深く彼女を育て、また、一時的に預かることになったソラ・ハレワタールら第二の家族もまた、どんなものより大切に守り育ててくれたんですから。

 運命なんてその程度のもの。
 メロロンが生まれながらの救世主だったとして、それがどうした。
 それが孤独を強いられる理由になるものか。

 メロロンは独りじゃありませんでした。
 すぐ傍にプリルンがいてくれて、
 うたがいて、
 なながいて、
 こころがいて、
 救世主ではない女王様やタナカーン、カッティンやザックリン、フルルン、他の妖精たちまで含めて、みんながメロロンの友達になってくれました。

 ずっとひとりぼっちだったのは、ただ、メロロンが自ら閉じこもっていただけ。
 たったそれだけでした。

おそろいの気持ち

 「なぜキラキランドの救世主が“アイドルプリキュア”と呼ばれているのか――。少しだけわかった気がします。この輝きが、いつかキラキランドを救うことにつながるかもしれませんね」(第5話)

 かつて田中は予見しました。キラキランドの救世主が、同時にアイドルでもあるということ。そのことには何か意味があると。

 田中の目に映るプリキュアは、“誰かのため”に戦っていました。けっして“世界のため”などといった、高潔で曖昧なもののためではなく。
 一緒にアイドルの仕事をしたお姉さん。すごく一生懸命で、キラキラしていた。その人を救うためならいくらでもがんばれる。たとえどんなに傷つこうとも、どんなに苦しい戦いであろうと。何度だって立ち上がってみせる。
 そこに、キラッキランランな可能性を見出しました。

 今日。

 「ダークランダーはどこにでも現れる。いつ現れるかは予想できない――。どうしよう、今襲われたりしたら・・・」

 ダークランダーが現れました。ダークイーネの尖兵たるチョッキリ団はもういないにも関わらず。
 うたのクラスメイトのるかでした。ダークランダーの存在が公になって以来、ずっと不安そうにしていた子。
 ひとりで抱えきれなくなった心の闇が、ついに溢れてしまったのでした。
 ダークイーネは神出鬼没。ちょっとした社会不安が起きている今のはなみちタウンでは、いつどこで新たなダークランダーが現れるかわかったものではありません。

 「まさか、不安の闇に飲まれて――?」

 周りを見渡してみれば、改めて実感します。
 自分ひとりじゃないと。

 世界は輝きに満ちていて、そして、案外至る所に日陰が、洞窟が、暗がりが存在するものだと。

 「待っていて。あなたを暗い場所でひとりぼっちになんかしない。私たちが、絶対に、あなたにキラキラを届けるから!」

 自分やフルルンみたいにひとりで不安に苦しんでいる子は意外とそこかしこにいて、たとえばるかのように、今にも心を押しつぶされそうになっている子もいる。

 戦うだけじゃ救えない。だって、彼らは救いを求めない。
 彼らはひとりぼっちだ。誰かに嫌われているわけでも、いじめられているわけですらもない。
 そして、彼ら自身誰かを憎むことがない。当たり散らすことがない。
 世界とつながっていない、だけど寂しがり屋な人たち。そんなの、誰も気づいてあげられないじゃないか。

 メロロンの場合はたまたまプリルンに見つけてもらえました。
 フルルンを見つけてあげられたのも本当にたまたまです。
 るかはダークイーネに見初められたせいで結果的にプリキュアに見つけてもらえました。
 だけど、この様子ではいつダークランダーになってもおかしくない人たちが、世界中至るところに、数えきれないほどに、いるかもしれません。
 人の心の闇が集まるクラクランドは、キラキランドと対になって、ダークイーネが動きだす以前からずっと存在していたようです。
 プリキュアは彼ら全てを救えるでしょうか?

 戦わなければ人の心を救えない救世主に、暴れることすらなく静かに自分を傷つけるだけの心の闇が、いったいどうして救えるというのでしょうか?

 だからこそのアイドルプリキュア。

 世界のためではなく、キミのために戦う。
 たくさんのキミと出会い、たくさんのキミとつながり、キミとの関係のなかに救うべき理由を見出していく。
 どうか、この光が世界中ありとあらゆる暗がりにまで、くまなく届きますように。

 「大丈夫。もしまた不安になっても私たちアイドルプリキュアがいる。だから、信じて待ってて」

 バトルのあと、メロロンはるかに呼びかけます。
 どんなときでもあなたはひとりじゃないよ、と。・・・メロロンがそうだったように。
 「闇を知る者」は、それゆえに光をも知りました。

 「私、アイドルプリキュアになってよかった」

 メロロンがアイドルプリキュアになったのは、プリルンの願いを叶えるためでした。プリルンの願いがメロロンの願い。最初はそれだけでよかった。
 だけど、プリルンやうたたちのようにまぶしい光は、どんどんいろんな人の心とつながっていって。だから一緒にいたメロロンも、どんどんいろんな人の心につながっていって――。

 「キッス! 私も同じ気持ち。キッスとおそろいだよ!」

 光は光。闇は闇。光と闇は溶けあわない――。

 かつてそんなふうに考えていたこともありましたが、・・・いいえ。今のメロロンは光でした。疑いようもなく光でした。ずっと憧れていたプリルンと同じ、暗がりに閉じこもったみんなを照らすことができる、暖かな光でした。
 メロロンにとって、こんなに嬉しいことはありません。

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    コメント

    1. ピンク より:

      本来ビッグキラキラリボンが復活すれば、キラキランドを襲った闇はひとたまりも無いそうですが(17話)
      どうやら現実のクラクランドも、ただ易々と倒されるだけではない様子……ジョギが最後にでっかい仕事をしてくれちゃいましたからね。

      • 疲ぃ より:

         言われてみればマスコミバレしたのってジョギのサドッ気のせいでしたっけ。
         今回明かされた設定を考えると、あれ私たちが思っていた以上にインパクトがあったんでしょうね。そりゃダークイーネもクリスマスを待たずに行動開始してくるわ。あの人の神出鬼没ぶりだとダークランダー出し放題のビュッフェ状態ですもんね、今のはなみちタウン。

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