
要するに、各キャラクターへの理解を深めるために毎年自分用につくっているメモです。今回から名前が変わりました。
あんまり読む人のことを考えた文書ではありませんが、まあ、1年間のセリフを振り返るついでにでも。
蒼風なな(キュアウインク)
【原体験・過去】 ――全ての思考や感情の出発点
a1【誰の役に立ちたいか】
「もしも探しているものが見つからないときはいつでも私を――、私たちを呼んで。どこにだって飛んでいって、何でも話を聞いて、見つかるまで一緒に探すから」(第29話 / なな)

勇気が出なくてその場に留まっている人に寄り添い、背中を押してあげたい。
ななは勇気を尊ぶ子です。そのこだわりは相当なもので、自分や周りの人に“勇気を出させること”そのものが目的化しているとすら言えるほど。
ななはしばしば優しい子だと語られますが、その優しさが発揮されるのは常にスタートアップの場面。誰かが何か新しいことをはじめようとする最初の一歩を、ななはあらゆる手段を使ってサポートします。その一歩を踏みだす勇気さえあれば、あとは自力で全ての困難を乗り越えられると固く信じているかのように。
うたたちのことを友達と認めていいものか迷っていたメロロンに対し、うたが「友達になって」と自分のほうから呼びかけた一方、ななはメロロンを迷わせている障害をひとつひとつ取り除いていくアプローチではたらきかけました。
あくまで、メロロンが自分の意志で最初の一歩を踏み出せるようになることを大切にしたのです。
a2【誰に支えられているか】
「うたちゃんは私に勇気をくれて、それから、私の毎日は変わっていった。知らない子にも話しかけてみようって思えた。・・・私ひとりじゃ一歩を踏み出せなかった。本当は、ずっとみんなと友達になりたかったのに」(第29話 / なな)

最初の一歩を踏みだすウインクのおまじないが、その後も自分の人生をどんどん切り拓いていく、劇的な体験。
ななは自立性の強い子です。お父さんとは不慣れな家事を協力しあう仲、お母さんとはお互いにリスペクトしあう仲で、精神的に対等な関係性を築いています。
このセリフに出てくるうたにも幼少時に一度会ったきり、その後10年近く会えなくても問題なく、自分から会いたいと思うような依存心も示しませんでした。
長年ななを支えつづけてくれたものは、身近な人物などではなく、ウインクのおまじないです。
幼少時のうたがくれたたったひとつの成功体験が、その後の人生において連鎖的に、劇的に、ななの毎日を変えていきました。ななが“最初の一歩”に絶大な信頼を向けているのは、この経験があるからこそです。
a3【嬉しかった想い出】
「どうしたの? 大丈夫のおまじないをあげる。いくよ――。できるよ! 絶対!」(第3話 / うた)

幼少時うたが教えてくれたウインクのおまじないにより、ピアノコンクールでうまく実力を発揮できた成功体験。
うたのお婆ちゃんとの過去エピソードにも、その後のうたの日常にも、このシーン以外一切出てこないウインク。お前絶対その場の思いつきでやっただろ。
しかし、このテキトーなおまじないは、授かったななのその後の人生を大きく変える、劇的な転換点となりました。
「できるよ!」という何の根拠もない励まし。それでいて実際にできてしまうという奇跡のような成果。この鮮烈な成功体験が、ななに「最初の一歩を踏みだす勇気さえあれば何でも叶えられる」という人生観を抱かせることになります。
a4【傷ついた記憶】
「・・・コンクール、失敗しちゃった。ピアノが大好きで、毎日ずっと弾いてきたんだけど、――今はもう、逃げたい」(第3話 / なな)

周りからの期待がプレッシャーとなって、大好きなピアノを楽しむどころではなくなったこと。
勇気ひとつで人生の全てをねじ伏せてきたななにとっての、数少ない挫折です。数々の成功を積み重ね、それゆえにどんどん高くなっていく次のハードル。周りの人たちからの高い期待を乗り越えつづけることに、ついに不安を抱いてしまった瞬間。
この挫折はななが2つのことを再考させるきっかけとなります。
1つは、なぜうたのおまじないが効いたのか。答えは「誰かの期待に応えることができると嬉しいから」。
もう1つは、なぜ自分が勇気を必要としていたのか。答えは「不安に耐えてでもやりたいことがあったから」。
A【絶対に諦められないもの】(a1+a2+a3+a4)
「うたちゃんが勇気をくれたよ。はもりちゃんがピアノを弾くことの楽しさを思いださせてくれたよ。そんなうたちゃんみたいに――、キュアアイドルみたいに、私はなりたい! はもりちゃんのためにピアノを弾きたい! だから私、逃げない!!」(第3話 / なな)

ネガティブな思いに振りまわされず、毅然として自分の好きなものに向きあう勇気。
まず基本的な考えかたとして、停滞し何もできずにいる状態は、ななにとって問答無用で悪です。
なぜなら、ななには常にやりたいことがあるから。「本当はやりたいことがある」のに「不安に屈して自ら抑圧している」のは、論理的に考えて好ましい状態ではありません。
だから反対に、一歩踏み出せるよう誰かに応援してもらえる状況は善です。自分以外の誰かに支持され、支援されていると思うと、ひとりでがんばるよりももっと勇気が湧いてきます。
また、結局のところ「勇気を出さなければならない」理由はあくまで「自分のやりたいことをやるため」です。自己都合。なので、当たり前といえば当たり前ですが、本来なら誰かに応援されるまでもなく自力で勇気を振り絞れるようになるべきです。
このためななは、誰かが勇気をくれる幸福に感謝しつつも、自力で勇気を出せるようになることを当面の目標として、プリキュアに変身することになります。
【現在の価値観・行動原理】 ――現状に対して抱く能動的な意志
b1【みんなに広めたい思い】(a2+a3)
「こんな自分嫌いだ。俺には世界をクラクラの真っ暗闇にする、チョッキリ団がお似合いだ! 俺にキラキラは似合わないんだよ!」
「そんなことない! あなたにはちゃんとキラキラがある! そこはザックリしないで!」(第25話 / ザックリー, なな)

誰もが本当はステキな思いを持っていて、ただ行動に移せていないだけだという確信。
ななは幼少時、うたにウインクのおまじないを教わったおかげでピアノコンクールを乗り越えられたわけですが、実際のところ一番ななに上手にピアノを弾いてもらいたかったのはうたではありません。当然のことながら、なな自身です。
その後もななはおまじないがくれる勇気によって、様々な挑戦をしていくことになります。こちらも当然、なな自身が望んでやったことです。
だから、ななは思うのです。今の自分を嫌いだという人、自分の行いに妥協しようとする人、停滞しようとする人とは、つまり少しだけ勇気が足りないだけなのだと。
なながザックリーを救った背景には、彼女が頑なに、ザックリーにも本当はもっと別にやりたいことがあるはずだと信じつづけたことがあります。
b2【許せないと思うこと】(a1+a4)
「題して『お化けなんて怖くない作戦』はどうかな。うたちゃん。おばけが怖いのは、おばけがいるって思ってるからじゃない?」(第38話 / なな)

その人のやりたいことが、いつまでもできないままになっている状況。
ウインクのおまじないをくれたうたにも、どうしても勇気が足りず、長年乗り越えられずにいる障害がある。
その事実を知ったとき、ななは全力でうたを応援したいと思いました。だって、不安を乗り越えて満足に弾くことができたピアノは、やっぱり楽しかったから。うたが届けてくれたその幸福を、今度は彼女にも返してあげたい。
ななは、たとえ相手が誰であろうと、そこにどんな事情があろうとも、停滞することだけは絶対に許しません。
b3【感性が鋭くはたらく対象】(a1+a3)
「あれ? これってみんな、今のままでいたいってことだよね」(第45話 / なな)

周りの人たちが言っていることの本質を見抜くことが得意。
ななの世界観の大前提には、誰もが、常に、何か叶えたい願いを持っているはずだという考えかたがあります。少なくとも自分はそうだから。
その前提があるからこそ、ななのいる世界では勇気と最初の一歩が全てを解決するわけです。
だからななは周りの人と接するとき、何よりも第一に「その人のやりたいことは何か」を考えることを習慣化しています。
アイドルプリキュアチームのなかでも会議の論点整理はななとこころの担当になっていますが、ななが特に得意とするのはこういう視点。人の行動目的を分析する力に秀でています。
b4【自分でやりたいこと】(a2+a4)
「私の、七不思議? ・・・やっぱり変だった?」(第9話 / なな)

どんなバカバカしく思えることでも、まずは試して、周りの反応を伺ってみたい。
他人から向けられる期待にはときにプレッシャーとなって勇気を萎えさせる恐ろしさもありますが、基本的には応援としてむしろ勇気を奮い立たせてくれる、善いものです。
ななは自立した子なので、割と自分ひとりの意志だけで突拍子もない行動に踏み込めてしまえる、アンチェインな一面もあるわけですが、あまり支持されないとわかると素直に引っ込めます。どうせなら応援してもらえるに越したことなし。
自分ひとりで自立していることと周囲との関係性をないがしろにしないことのバランスを、ななはこのようにして合わせています。
B【努力する理由】(b1+b2+b3+b4)
「昔の私だったらザックリーさんのことを考えるだけで、『何かできるかも』なんて、きっと思えなかった。みんなと出会って、一歩踏みだす勇気をたくさんもらったから、話してみようって思えた」(第25話 / なな)

たくさんの人に応援してもらえるとたくさん勇気をもらえるから、自分のほうからもいろいろな人に関わって、関係性を広げていきたい。
「一歩踏みだす、Win-Win ウインク!」という決めゼリフにも表れるように、ななにとっての“勇気”はWin-Winなものです。
ななが勇気を出して新しいことをはじめると、自分だけでなくファンも喜んでくれるし、ファンが思いきって勇気を振りしぼってくれても、ファンもななも2人とも嬉しくなります。たとえば第3話で出会ったはもりがそうで、このセリフがあった回のザックリーもそうでした。
初めは大勢の人に期待されるプレッシャーから心折れそうになっていたなな。しかし、多くの人に期待してもらえることの心地よさ、高揚感を知って、彼女の“勇気”はどんどん拡大していきます。
期待すること、期待されることは、どちらも互恵的な関係です。
【夢への道筋】 ――過去と現在を統合した自己分析
c1【尊敬もしくは軽蔑している人】(a1+a2+b1+b2)
「ピアノばかりじゃなくてもいいのよ。今のななにはいろんな友達と遊んで、世界に触れて、自分を知る。それが一番大切なんじゃないかなって思うの」(第9話 / ななのお母さん)

1つの道に縛られずに様々な体験をすることの大切さを教えてくれたお母さん。
ななのお母さんは、とにかくななに新しい挑戦をしつづけることを推奨していました。
といっても、彼女がピアニストとして渡仏した経緯も小さいころのななに応援されてのことだったので、実はやり返されているだけだったんですが。ウインクのおまじないを教えてくれたうたを、今度はなながバナナの着ぐるみでハロウィン克服に挑ませたのと同じ構図。
ななとお母さんはリスペクトしあう関係。そのうえで、2人とも一歩踏みだす勇気を大切にするという思想部分までそっくり。お互いにお互いを高めあえる、理想的なパートナーという構図になっています。
c2【自分の好きなところ】(a3+a4+b3+b4)
「私、欲ばりかな? いつかママとピアノも弾きたいし、みんなとも一緒にいたいなんて」(第40話 / なな)

どうしようもなく貪欲で、あらゆる物事に興味が向いてしまう好奇心。
ななの成功体験は“一歩踏みだす勇気”に紐付いていて、そして対人関係もまた“Win-Winな勇気”を下敷きにしています。
つまるところ、ななの世界観は新しいことに挑戦したら挑戦するだけ、自分もみんなもたくさんのものを得られる構図になっているわけです。彼女の勇気はほぼ“出し得”みたいな立ち位置にあるんですね。
だから彼女はどこまでも貪欲になります。もはや失敗を怖れず、どこまでもどこまでも自分の可能性を広げようと邁進していきます。停滞は許されません。
C【こうなりたいと本気で目指す夢】(A+B+c1+c2)
「私はママとピアノを弾きたい。でも、うたちゃんたちとも一緒にいたい。みんなと一緒にいろんなことしたい。パパともっと料理もしたいし、学校の行事も頑張りたい。他にも。もっと、もっと!」(第40話 / なな)

好奇心と興味に突き動かされ、様々な体験を経て自分だけのなな色の旋律を磨きあげていく、自由な生きかた。
ななの行動がうまくいくのは勇気を出したときで、うまくいかないのは不安で足踏みしてしまったときです。
タチが悪いことに、ななから見ると自分以外のみんなの行動も、成功を左右するのは勇気の有無ということになっています。
誰もが何かやりたいことを持っていて、そのうえで、それに挑戦できている人と停滞してしまっている人の2種類がいる。それがななのいる世界です。
だからななはこれからも勇気をもって挑戦しつづけます。
周りの人たちにもどんどん新しい一歩を踏みだすことを推奨していきます。
何か新しく興味が湧くものを見つけたとき、その場に勇気さえあれば、きっと絶対に新しい発見を得られるのです。
ななはそういう真実を誰よりも深く理解しています。
これからも体現していくことでしょう。勇気とともに。
その生き様こそが、なな色。



コメント