
要するに、各キャラクターへの理解を深めるために毎年自分用につくっているメモです。今回から名前が変わりました。
あんまり読む人のことを考えた文書ではありませんが、まあ、1年間のセリフを振り返るついでにでも。
プリルン(キュアズキューン)
【原体験・過去】 ――全ての思考や感情の出発点
a1【誰の役に立ちたいか】
「プリルンはキラキランドを救うためにアイドルプリキュアを探してこの町に来たプリ。だけど、もう、それだけじゃないプリ。うたとみんなとの毎日はすっごく楽しくてキラキラで、プリルンの宝物になったプリ」(第16話 / プリルン)

最推しのうたを守りたい。
一目惚れでした。プリルンがうたを選んだ理由は。
諸々の背景事情を考えると、きっとプリルンも並々ならぬ決意ではなみちタウンに来たはずなのですが、(特に序盤は)作品自体の軽さの関係でそのあたりあまり掘り下げられません。
プリルンがアイドルプリキュアについて知っていたのも「キラキラーっと闇を照らす救世主」だということだけ。どういう人を見つけたらキラキランドが救われるのかはっきりしないなか、プリルンはうたの歌に強く心惹かれます。プリキュアへの勧誘を一度断られた後も、「やっぱりうたがいい」と未練たらたら食い下がるほどでした。
この物語はプリルンの個人的な推し感情によって始まります。
だからうたたちのアイドルとしての活動が成功するにつれて、彼女たちの一番のファンであるプリルンにとっても日々刻々、嬉しいことが加速度的に増えていきます。
その一方で――、彼女たちを“自分の選り好みで”プリキュアへと祭り上げたプリルンへの双肩には、相応に重い責任感がずっしりとのしかかってくるわけなのですが。
a2【誰に支えられているか】
「嬉しいプリ! プリルン、“キラッキランラン”プリ! あのときもプリ。歌を聞いた人もキラッキランランになってたプリ。うたが歌うと、聞いてる人みーんなキラッキランランプリ!」(第1話 / プリルン)

みんなをキラッキランランにするうた。
プリルンはうたが喫茶店で歌うのを見た瞬間から、早くもうたのことが大好きになっていました。
そのうたが、自分のプリキュア探しを手伝ってくれて、あげく自分のためだけに即興で一曲歌ってくれたのです。
もし、推しのアイドルがそんなふうに親身になってくれたら、ファンはどう感じるか? 考えるまでもないですよね。
こうして、プリルンは何の根拠もなくうたに、アイドルプリキュアに、全幅の信頼を置くことになります。
別に救世主としての適性を見て彼女たちを選んだわけでもないのに、「うたたちに任せていれば全部うまくいく」と無邪気に信じるようになっていきます。
終盤のうたたちの頼もしさを見てからなら慧眼だと言って差し支えないのですが、まあ、序盤のプリルンは舞いあがって、盲目になっていたと言うほかありません。
a3【嬉しかった想い出】
「プリルンも一緒にがんばろう。プリルンもアイドルプリキュアのメンバーでしょ」
「プリ? プリルンもアイドルプリキュアのメンバープリ? ・・・嬉しいプリ。とってもとっても、嬉しいプリ!」(第16話 / うた, プリルン)

ずっと応援してきたアイドルプリキュアに、自分も対等な仲間だと認めてもらえた瞬間。
幸せな気分がピークに達した瞬間です。このあとプリルンは悪辣な東堂いづみによって上げて落とされます。
持ち上げかたが実に丁寧。同じアイドルプリキュアオタクのこころがプリキュアへの変身を果たした直後の第8話、プリルンは自分だけアイドルプリキュアじゃないことに一度疎外感を感じたことがあったんです。それを踏まえたうえで、ここでプリルンも仲間だと言わせているんです。
プリルンの無力さをこれ以上なく明白に突きつけるために。
この作品、『キミとアイドルプリキュア』なんですよ。アイドルとファンが互恵関係にあることを描いた物語。
なのに、ここで一度プリルンは「ファンはアイドルに何もしてあげられない」という現実をイヤというほど思い知らされることになるんです。
a4【傷ついた記憶】
「プリルン、といいましたなあ。お主ダメダメですなあ。こんな『イェーイ!』などと浮かれた者を頼りにするとは。お主がこやつを選んだせいで、世界はクラクラの真っ暗闇になるのですぞ」(第2話 / カッティー)

自分はうたに余計な苦しみを押しつけているんだという罪悪感を刻みつけられた。
うたがカッティーにバカにされてしまったことはプリルンを深く傷つけました。
だって、実際プリルンは自分の推し感情によってうたにプリキュアになってもらうことを望んだわけですから。それがキラキランドや世界の命運を左右する重大事だなんてこと、そのときはほとんど意識していませんでした。
図星でした。
推し感情で勝手に祭り上げて、そのせいで推しに余計な苦しみを味わわせてしまっているというのが、このときのプリルンの現実。
このときはうたが自主的に救世主の使命を背負ってくれたからプリルンの心も軽くなりました。しかしその後、こころをプリキュアに勧誘した件や、プリキュア全滅の事態など、プリルンにはうたたちをプリキュアに選んでしまったことへの罪悪感を突きつけられる出来事が何度か襲いかかることになります。
A【絶対に諦められないもの】(a1+a2+a3+a4)
「ねえたまの宝物――、咲良うたとの想い出は全部なくなっちゃうメロ。それでもいいメロ?」
「いいプリ! それでキュアアイドルを守れるなら、プリルンは大丈夫プリ・・・!」(第17話 / メロロン, プリルン)

たとえ自分が何を失ったとしても、絶対にうたたちを守らなければならない。
うたたちが傷つくのをもう見ていられなくなったプリルンが最後に選んだ行動。
かくして、プリキュアシリーズでは非常に珍しい、自己犠牲の精神によって変身する力を得たプリキュアが誕生することになります。
本当に100%純粋な気持ちによる自己犠牲。通常、プリキュアは自分自身に何か叶えたい願いがあって変身に至るものですが、このときのプリルンは自分が幸せになることを一切考えていません。うたたちを守ることができるなら自分はどうなっても構わない。そんな自暴自棄な感情の爆発が描かれました。
ここまでのプリルンの物語には、うたに対する負債があまりに多すぎました。
プリルンの熱意みなぎる応援(無断配信など)があってこそ、うたはアイドル活動ができるようになったわけですが、しかしその結末はこれ。メリーバッドエンド。
現実にプリルンが本当に何の役にも立っていなかったかどうかは、この際問題ではありません。あくまでプリルン自身がどう感じていたかが焦点です。
プリルンはここで一度自分を見つめ直す必要がありました。
自分は、大好きなうたたちに何をしてあげられる存在なのか。何ができるようになれば、自分はうたたちと一緒に幸せになることができるのか。
【現在の価値観・行動原理】 ――現状に対して抱く能動的な意志
b1【みんなに広めたい思い】(a2+a3)
「応援してもしなくても一緒メロ」
「そんなことないプリ。『ガンバレ!』は届くプリ!」(第13話 / メロロン, プリルン)

応援することで誰かに力を与えられるのだという事実。
プリルンにできること。それはなんといってもまず応援です。
記憶を失う前も、失っている間も、そして思いだした後もずっと、プリルンは応援が大好きでした。
応援には力があるんだと、プリルンは信じます。
そうでなければ何度頭をモサモサにされても懲りずに動画をアップしつづける、なんてことはできません。
もし本当にうたたちがプリルンをアイドルプリキュアの仲間として頼りにしていたとしたら、あのころプリルンにできていたことは唯一、応援だけです。
まずは認めなければなりません。プリルンには応援という、うたたちのためにできることがちゃんとあったのだということを。
b2【許せないと思うこと】(a1+a4)
「無事じゃないメロ! すぐにメロロンもみんなみたいに――。プリルン?」
「大丈夫プリ。ふたりでいれば怖くないプリ。どんなことがあってもメロロンはプリルンが守るプリ。プリルンはメロロンのお姉さんになるプリ!」(第15話 / メロロン, プリルン)

誰かを孤独にさせてしまうこと。
メロロンはプリルンを慕ってくれています。それがどれほど切実な思いなのか、そこまではプリルンにはわからないけれど。
ただ、きっかけのひとつが自分のお姉さん宣言であることくらいは認識していました。
どうやら以前はひとりぼっちだったらしいメロロン。彼女を孤独の闇から解放させてあげられたのは、プリルンでした。
そうしてあげられたのはいいことだったと、プリルン自身も思います。
b3【感性が鋭くはたらく対象】(a1+a3)
「ドングリ落ちたプリ。ドングリ落ちたプリ――。おまじないプリ。なくなったものが見つかるプリ。・・・ここの何か、なくなっちゃったプリ。穴がぽっかりプリ」(第21話 / プリルン)

自分が失ってしまったらしい記憶が、みんなにとって大切なものであったという事実。
記憶を失う、とはどういうことでしょうか? 単にプリルンひとりが不幸になるだけで済むことでしょうか?
何か大切なものを失ってしまった気がして、落ち着かない気分。
そんなプリルンを見て、何故だかいやに辛そうな顔をするメロロン。
そして何より、自分以上に深く悲しんでいる様子のうた。
自分を中心にして、よくわからない不幸が広がっていくことを肌で感じます。
b4【自分でやりたいこと】(a2+a4)
「ねえ、どうして? ふたりともどうやってプリキュアになったの!?」
「キュアアイドルを守りたくてなったんだよ。・・・けど、あれ? どうやってなったんだっけ?」(第19話 / うた, プリルン)

うたを守ること。
キュアズキューンになって以降、プリルンの生きる目的はうたを物理的に守ることだけに純化します。
けれど、それで本当にうたを守ることができているかといえば、甚だ疑問。
うたはむしろ、プリルンが記憶をなくす前よりも心が追い詰められている様子です。
プリルンがキュアズキューンになったのは、力のない自分ではうたのために何もしてあげられないと思ったからでした。
力を手に入れた今、うたを笑顔にしてあげられないのであれば、この力に意味はありません。
B【努力する理由】(b1+b2+b3+b4)
「初めて会ったときも、うた言ってたよね。『諦めずにキラッキランランにするんだ』って。――うん! 思いだしたプリ! うたのことも、みんなのことも、全部プリ!」(第21話 / プリルン)

一度繋いだ絆を大切に守りつづけるため。
守るだけではダメでした。
自分を犠牲にするのでは意味がありませんでした。
だって、うたはプリルンのことが好きでした。
プリルンは自分のことが好きじゃなかったかもしれません。自分のことなんかどうなってもいいと思っていたかもしれません。
でも、それはうたの気持ちを考えていませんでした。うたはプリルンのことをすごく大切に思っていたのに。
プリルンのうたとの想い出は、うたのプリルンとの想い出でもありました。
この物語における「クラクラの闇」とは、周りにいる誰とも繋がりを持たず孤独に引きこもることを指します。
プリルンはうたを思うあまり、うたとの繋がりを絶とうとしました。でも、それは自ら闇に堕ちようとするのと大差ありません。本当にうたのことを大切に思うのであれば、プリルンは記憶を封印するべきではありませんでした。
【夢への道筋】 ――過去と現在を統合した自己分析
c1【尊敬もしくは軽蔑している人】(a1+a2+b1+b2)
「プリルンは最初、何もできなかったプリ。――でも、今はキュアズキューンになってキラキラにできるプリ! メロロン。プリルンの願いを叶えてくれてありがとプリ」(第44話 / プリルン)

どんどん強くなっていって、プリルンのことも一緒に強くしてくれる、メロロン。
終盤のプリルンはあまり直接はストーリーに絡まず、メロロンと2人での言動が多くなります。
それも、主体になるのはいつもメロロン。序盤はプリルンが引っぱっていく立場だったのに、いつの間にか主導権が移っていきました。さびしがり屋だからプリルンがついていてあげないといけないと思っていた妹分。記憶を失っていた時機ですら、プリルンがメロロンを振りまわす関係だったというのに。
いつの間にか。まぶしいほどでした。
最初のころはキュアアイドルを推していたプリルンが、やがてキュアズキューンとして推される立場となり、さらに対等なアイドルプリキュアのメンバーへと収まっていく。
それと同じようなことが、プリルンとメロロンの関係性の間でも起きていました。
『キミとアイドルプリキュア』。アイドルか、ファンかなんて違いは、ほんの些細なものだったのかもしれません。
c2【自分の好きなところ】(a3+a4+b3+b4)
「私もキラキランドを、みんなとの未来を守りたい。これからもお姉様と、みんなと一緒にいたい。私、アイドルプリキュアになってよかった!」
「キッス! 私も同じ気持ち! キッスとお揃いだよ!」(第44話 / メロロン, プリルン)

みんなと一緒に力を合わせることができるところ。
始め、プリルンは自分だけアイドルプリキュアになれないことをさびしがっていました。
やがてうたたちにアイドルプリキュアの一員だと認めてもらえて、だけど直後、自分の無力さをイヤというほど突きつけられます。
そのあとはズキューンキッス。プリルンの記憶が失われていたり、メロロンがうたたちと友達になれなかったりしたせいで、これまた不本意にもうたたちと力を合わせることができませんでした。
今、やっとプリルンの願いが叶っています。
うたたちとも、メロロンとも、心ひとつにしてみんなでアイドルプリキュアができています。
この未来は、プリルンひとりだけでは絶対につくれないものでした。
C【こうなりたいと本気で目指す夢】(A+B+c1+c2)
「キュアアイドルのキラキラならどんなに離れても見つけられる。だって、私が初めに見つけたんだよ。うたのキラキラを!」(第48話 / プリルン)

自分を誇れるようになる未来。
プリルンにとって、うたを最初に見出したことは最大の自慢であり、そしてかつては最大級の悔恨でもありました。
どうして推しが傷つかなければならないのか。どうして推しに過酷な戦いを強いなければならないのか。
責任の取りようがない自責の念に囚われて、ついには誰も喜ばない自己犠牲にはしってしまったこともありました。
プリルンを救ってくれたのは、その自己犠牲の精神ではありませんでした。
救ってくれたのはうたでした。メロロンでした。ななやこころ、田中、それからたくさんのみんな。
今、プリルンの毎日を充実させてくれているのは、プリルン自身の力によるものではありません。みんながプリルンのために手伝ってくれたものです。
でも、もうプリルンは「自分は何もできない」なんて思いません。今ではプリルンにも自身を持ってできることがちゃんとあります。
もっとも――。
うたのアイドル活動を応援したり、メロロンを洞窟から引っぱり出したり。プリルンにだって本当はすごいところ、誰にでもできることではないことはいくつもありました。プリルンは自分で思っている以上にたくさんの人に大きなきっかけを与えています。
それがプリルンの自尊心にはつながらなかっただけで。
力をくれたのはみんな。
できることを教えてくれたのはみんな。
プリルンは、これからもみんなと一緒に成長していくことでしょう。この物語は『キミとアイドルプリキュア』です。



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