キラキラプリキュアアラモード第3話感想 高らかに! 全力で! ただ自分らしく!

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今叫べ、高らかに! ただ走れ、全力で! もう誰にも追いつけやしないだろう?

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(主観的)あらすじ

 いちかはある日、カッコイイ女の子と出会います。立神あおい。ロックバンドのボーカルで、恐い高校生にも敢然と立ち向かいます。そんなあおいが同じ中学生だと知っていちかは大喜び。いつも追いかけて回ります。
 一方あおいの方はコンテスト用の歌詞がうまく書けずに悩んでいました。憧れのボーカリスト・岬さんに認めてもらいたくて一生懸命ウケる歌詞を考えますが、バンドメンバーからは「あおいらしくない」とダメ出しを食らってしまいます。
 追い詰められるあおい。けれどいちかがつくってきた差し入れのアイスクリームを見て悩みは氷解します。青空に吠えるライオンのようなそのアイスは、いちかがあおいをイメージしてつくったものです。そのイメージはあおいの原体験にも繋がっていて、だからあおいはそのアイスのおかげで自分らしさを取り戻します。
 悪い妖精・ホットーが暴れたせいでコンテストはメチャクチャになってしまいましたが、あおいはもう気にしません。ただ自分が歌いたいから、自分らしい歌を青空に向かって歌い上げます。

 バンド回。最近は音楽がテーマのアニメがたくさんつくられていることもあって、今話のストーリーにはさほど新鮮味はありません。それだけにプリキュアらしさというか、キラキラプリキュアアラモードの目指す方針がわかりやすいともいえますけどね。
 今話はどちらかというとお菓子づくりの描写やバトルを楽しむ構成です。ちょうどアイスクリームはお菓子づくりに不慣れなお母さんや子どもでも失敗なくつくれますので、この機会に親子で挑戦してみてはいかがでしょう。

ファンとして

 ライブで一目惚れして、個人的に親切にしてもらったり偶然プライベートで再会したりをきっかけに付きまとうなんて、いちかさんオッカケか何かですか。

 今話のいちかは最初から最後まで部外者です。あおいの悩みを知りはするものの、それに対してあれこれ口出ししたりはしません。歌詞の候補をいくつか聞いて「あんまり立神さんっぽくないかな」とファン視点の意見を出す程度です。らいおんアイスだって、それを食べてあおいに何か気付いてほしいとかそういうのではなく、単に喜んでもらいたいというだけの差し入れに過ぎません。
 おせっかい焼きにありがちな素人の生兵法を説くようなことはせず、あおいの悩みはあおいの悩み、自分がしたいことはまた別と、いちかはきちんとわきまえ切り離して考えています。魔法つかいプリキュア!の哲学ですね。
 この広い世界には「私という個人」とは独立した「誰かという別の個人」が存在します。あなたの尺度で誰かの世界観を推し測ってはいけません。たとえ同じものを見ているようであっても、人によってそれぞれものの見方が違いますから。いちかはどうやら初めからそれに気付いている賢い子のようです。

 いちかにとってあおいはとってもカッコイイ、憧れの存在ですが、それだけにいちかにはあおいの悩みを解決してあげることができません。自分と違うからカッコイイのであり、自分にないものを持っているから憧れるんです。いちかとあおいは別の人間です。
 だから、いちかにできることは、最大限に頑張ったってせいぜい「自分から見たあおいらしさ」を表現することしかありません。キラキラキラル・キラキラル! らいおんアイスできあがり!
 ・・・やっぱりただのファン活動じゃん!

 第1話からそうですが、キラキラプリキュアアラモードのスイーツに対する姿勢は既存の料理ドラマのパターンから少し外れていて面白いですね。普通ここは料理を通じて相手を諭すところのはず。

孤独な戦い

 そんなわけで、あおいはひとりで自分の悩みと戦わなければいけません。いちかだけでなく、より親しいバンドメンバーですら、彼女にしてやれるのはちょっとした助言だけ。「これがあおいの書いた歌詞?」「なんかいつもと違うな」「そろそろ曲と合わせておかないとね」
 なにしろコンテストに出る目的自体あおいの個人的な都合ですからね。それを受け入れ、付きあってくれるだけでも彼らはとびきり優しい。「お前が満足する歌詞じゃなきゃステージに立つ意味がないだろ」 見た目通り、彼らは大人ですね。

 「コンテストでウケるためには新鮮さが大事なんだよ」「考えなきゃ。岬さんが認めてくれるような、最高の・・・」
 あおいの思考はこの手の音楽アニメによくありがちなダメパターンに陥ってしまっているわけですが、それでもバンドメンバーはじっと待っているだけ。いちかはファン活動をするだけ。残酷なくらいに誰も彼女に干渉してきません。自分の答えは自分で見つけなければいけません。だってあなたと私は別の人間なんですから。
 プリキュアの戦いはいつだって自分を幸せにするための戦いです。たとえ変身前でも、ありふれた日常の中でも。

 けれど、それでいて周りの人との繋がりの中に解決の糸口があるのもまたプリキュアさしさ。
 いちかのファン活動、らいおんアイスによってあおいの悩みは氷解します。このアイスクリームがそのためにつくられたからではなく、あおいがそれを見て自分で気付いたから。
 らいおんアイスは似顔絵のようなものです。「ステージで歌ってる立神さん、青空に吠えるライオンみたいだったから」 いちかは自分の思うあおいの姿を、キャンバスの代わりにお皿の上に表現しました。

 そこに描かれているのは今まで自分の目には見えていなかった、自分とは見方が違う誰かにとっての「あおいらしさ」。私とあなたは別の人間です。たとえ同じものを見ていたとしても、それぞれ別の尺度で、別のものの見方でその姿を捉えています。あおいの思う「あおいらしさ」と、いちかの思う「あおいらしさ」は違います。
 あおいはコンテストに向けて、今までとは違う自分を表現しなければいけないと考えていました。きっと今までの自分ではコンテストに通用しないだろうから。
 けれどいちかは違います。彼女はあおいが大好きです。憧れています。ステージに立つあおいがそのままで誰よりもカッコイイと信じています。あおいをライオンに例えるほどに。
 その見え方の違いが、あおいに新たな自分らしさを気付かせます。

原体験

 あおいの歌にはルーツがあります。幼い頃に聴いたロックバンド・ガナッシュ、そのボーカリスト・岬さんの歌声。その歌声は青空の下で果てしなく情熱的に、どこまでも自由に響き渡ります。
 「今叫べ、高らかに! ただ走れ、全力で!」

 その歌声に憧れて、彼女のようになりたくて、今、あおいはステージに立っています。いちかがライオンアイスとして描いたあおいの姿は、偶然にも彼女が憧れた岬さんの姿にダブって見えました。
 ・・・いいえ。偶然ではありません。岬さんを目指しているあおいの歌が彼女のものに似るのは必然です。そうなるために努力を重ねてきたんですから。過去は現在と連続しています。
 そしていちかの視点からあおいがそう見えるというなら、これまでのあおいは間違っていなかった、そういうことになります。今まで積み重ねてきた努力の延長線上に、あおいの夢は、岬さんは、ちゃんといる。現在と未来もまた連続しています。
 だとしたらあえて新しい自分を模索する必要なんかありません。むしろ過去の自分に根ざさない「新しさ」なんて、そんな薄っぺらいものうまくいくはずがありません。あおいはあおいらしくしていることが今は一番ステキ。
 さあ、新しくも本来的な自分に気付かせた大切なアイスを胸に、これからも戦いましょう。

 ・・・初回でここまで進んだからには、おそらく全く別のテーマと試練がこれからの彼女に課せられるんでしょうけどね。そもそもこの話って魔法つかいプリキュア!で十六夜リコが1年かけて模索してきた物語そのまんまですし。
 新しいプリキュアはこれからまた1年かけて、いったいどんな哲学を深化させていくんでしょう。1年後が今から楽しみですね。

 「なんか歌い足りないなぁ」 先のことなんてどうせまだまだわかりませんし、とにかく今は歌いましょう。それが自分らしさなんだから。
 あの日の憧れのように、心の赴くまま自由に、情熱はるか高く。青空に向かって吠えてみせましょう。

その他細々したことをとりとめなく

 バンド。コピーバンドというんでしょうか? 実はこの歌はオリジナルではなくガナッシュの持ち歌だったようですね。オリジナルもやるバンドだというのに偶然同じ歌を歌って、偶然いちかにあの日のあおいと同じ印象を与えたというのは運命的で、なかなかロマンチック。
 ちなみにバンド名の「ワイルドアジュール」は翻訳すると「野生の青」といったところ。英語とフランス語交ぜるの好きね、今年。

 オープニング。悪い妖精たちの配置は第2話と変わっていません。前回見逃しましたが、ひまりの書斎右側にガミーもいましたね。次回鼻の長いのも出てくるようですが、今年の敵はこの4人で全部なのか、はたまたもっと増えるのか。

 アイスクリーム。巷ではアイスのクールなイメージとあおいのホットなキャラクターがミスマッチという声も聴かれますが、おそらくはアイスを食べるシチュエーションを加味してのキャラ付けなんでしょうね。アイスは暑いときに食べるもの。食味はとても爽やか。ほら、あおいぴったり。
 アイス担当の妖精と思しきホットーも額に炎を浮かべ、汗っかきというやたら暑苦しいデザインになっています。
 ところで私の住んでいる地域、今朝はすっごい冷え込んでたんですが・・・。(どうでもいい)

 「♪君の瞳に映る切なさがー」「♪ワッショイワッショイ歌うぜワッショイ!」「♪漆黒の天使が舞い降りてー」 ダメ以前にメロディはもうできてるって言ってるでしょうが。
 たぶん元ネタがあるんでしょうけどテレビ見ないのでわかりません。真ん中のコミックソングがジャニーズ系なのはなんとなく察した。

 アイスクリーム屋さん。今回の屋号はCOW’S ICE。全6フレーバーということで追加戦士の色でも占えるかと思いきや、そもそも今話主役のあおいカラーがないというね。
 ところでいちかの「すみまっせーん」って喋り方、第1話にもありましたがキャラ付けなんでしょうか。かわいい。

 アイキャッチ。さっそくスイーツですらないんですが。確かにサンドイッチはお茶菓子ですけども。これだから私はお菓子のことをスイーツと呼びたくないんです。(単に古い人間なだけ)

 「あっ、だったらこれどうでしょうか」 そう言ってひまりが提示したのはなぜかチョコレートとイチゴのアイスクリーム。ベースのレシピだけ参考にするのか、あるいはチョコレートアイスのマーブル模様を応用するってことでしょうか。どっちにしろ案外融通のきく子のようです。

 「あとは何度か混ぜるとアイスになります」 ケーキは空気をたっぷり含ませて、プリンは分量と火加減によって口当たりを柔らかくしますが、アイスクリームは凍らせる過程でよくほぐすことによって柔らかな食感をつくります。同じ目的であっても案外お菓子によって手段は様々なんですよね。
 ちなみにこの工程を突き詰めるとソフトクリームになります。あれは絶えずかき混ぜながら凍らせることで柔らかく仕上げているだけであって、実は材料は普通のアイスクリームとなんら変わりません。牧場のソフトクリームがミルク感濃くてネットカフェのが水っぽいのは、そんなわけで材料に融通がきくからですね。

 幼いあおい。きれいな衣装にバイオリンを持っています。コンテスト帰りでしょうか。たぶんこのあたりの過去も彼女の物語では重要になってくるんでしょうね。彼女がどうしてロックバンドに憧れたのか、ルーツのさらにルーツ。
 ところで幼いあおいのリボンがふんわりしているのに、現在のあおいのリボンが板っきれみたいな描き方してるのは何なんですかね? あえてそういう指定をしているんでしょうか。

 ペコリン。この微塵も隠れる気がない潔さ。そして周りの誰も気にするそぶりがない潔さ。この子には最後までこのノリを貫いていただきたいです。

 キュアジェラートの変身バンク。なんというか、やたら気合いが入っているというか、フェチぃ。ジャケットを引っ張るところとか、靴下を上げるところとか、元気ななかに数フレーム見せる艶っぽい表情だとか、全体的に妙にローアングルなところとか。今年のあざとイエロー枠はこっちでしたか。
 というか変身バンクに限らず今話全体的にアングル低くありません? 膝裏とかスカートの中のモコモコとか、妙に何度も見えてましたけど。

 急に歌うよ! 挿入歌と思いきやリップシンクしているという衝撃。『シンフォギア』じゃないんだから。けれどそれ以上に肉弾戦していることの方に話題が集中していて全然話題になっていないという抜け目のなさ。

 トドメ。ホイップとカスタードを混ぜ合わせたあと凍らせて締め。今回つくったバニラアイスの手順通りですね。

 らいおんアイス。うさぎショートやりすプリンと違って、初心者でも失敗する要素はほとんどないはずです。公式レシピでも難易度星1つ。アイスクリームはイメージと裏腹、本当にお手軽につくれるものなのでぜひお試しください。
 簡単な分、せっかくつくっても他のスイーツ以上に市販品との差が出にくいのだけが難点・・・。

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