キミとアイドルプリキュア 第27話感想 キミのリクエストに応える私。

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見てくれるキミをキラッキランランにしちゃおう!

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「キュアチューブはじめました!」

大きな出来事

メインキャラクター:うた

目標

 カッティンたちの話によると、アイドルプリキュアの動画には心にキラキラを取り戻す力があるらしい。夏休みを利用していろんな動画をアップしたい。

課題

 動画撮影自体はみんな好き勝手やりつつも滞りなく進んだ。問題は、うっかり変身前の姿で動画に映りこんでしまったせいで、同じクラスの宇釣木くんに一目惚れされてしまったことだ。

解決

 うたが何かするまでもなく、いつの間にか宇釣木くんはキュアアイドルに推し変していたようだ。自分がフラれたみたいな構図になっているのは釈然としないが、動画も好評なようだし、アイドルプリキュアの活動は順調そのものだ。

バトル

 宇釣木くんを素体としたラブレター型クラヤミンダー。

苦戦

 特に苦戦はしなかった。

勝利

 全員の技をひととおり使ったころにはノックダウンできていた。

ピックアップ

ファンクラブその後

 なぜ外注しないのか。
 前話で専用サイトがあるのにアイドルショップでも入会登録できるようにしてあったの、事務コストを一部外部委託化できてて賢いなと思っていたのに、一番外注しやすい会員証の生産を自分のところでやるのか。

タコさんウインナーを食べてるだけの動画

 アイドルチャンネルをマジメに献立の参考にする人はいないと思うので、むしろこの路線が正解なんじゃないかな!
 認知度の低い配信者が新規ファン層開拓のためバズ狙いで本格的な料理動画を出すのはアリ。

美白ライト

 「ライトボックス」や「ソフトボックス」などと呼ばれているもの。LED光源の明かりを被写体に直接浴びせるのではなく、一旦布製のデフューザー(フィルターみたいなやつ)で乱反射させてから浴びせることで当たりを柔らかくする。
 光線が直線的ではないぶん被写体に陰影が表れにくく、つまり顔の小じわなどをうまく隠すことができる。

一昼夜ポエムショー

 たぶん今回撮った動画のなかで一番再生数を稼げるやつ。

 昨今の配信者はお互いパクりパクられが大前提で、「誰が」「何をやった」の組み合わせをウリにして活動している。なろう小説みたいなもん。もはやアイディアだけで独自色を出せる時代ではない。
 そのぶん、こういう「誰にもマネできない」「マネしようと思えない」タイプの企画を出せると、その斬新さだけで大きな話題になることも少なくないようだ。

映りこみ

 田中は何を編集したんだ。

 うたがピンで映っている瞬間まであるらしい。

 「キュアチューブはさっそくたくさんの人に観てもらってますから、うっかり映らないように注意したほうがよさそうですね」

 なぜ他人事なのか。

コール&レスポンス練習動画

 手堅いが、「運営はどうしてキュアキュンキュンにだけ仕事くさい動画を担当させるんだ! 他の子たちみたいに自由に活動させろ!!!!!」などと、先鋭的なファンが舞台裏の人間関係を妄想して勝手に噴き上がっちゃうやつ。

アイドルとファンの関係

 「おいしい木の実見つけティン! 全部ひとり占めっティン!」
 「カッティン。ひとり占めはひどいッポ」

 「ザックリン。似顔絵描いたからあげるタム!」
 「別に要らないリン」
 「ひどいタムー!」

 2人とも、うっかり自分勝手な言動をして周りの子を傷つけてしまい、自分の心も傷ついていたところ、ダークイーネにつけこまれてしまったようです。

 ちゃんと悪いことをしたと反省しているあたり、ほんの少し相手の気持ちを考えることが足りなかっただけで、根は悪い人たちじゃなかったわけです。
 行為自体も小さな子(このアニメの視聴者層)ならどちらも悪気なくやってしまいそうな内容で、物語テーマとしてその行い自体を咎めているわけではないことがわかります。あくまで、周りの人とつながりあえない関係性のほうを問題視しているわけですね。

 おいしい木の実を食べた瞬間のザックリンの心はキラキラしていたことでしょう。
 友達に話しかけてもらえた瞬間のザックリンの心もキラキラしていたことでしょう。
 そこまでは純粋にいいことです。

 ところが、カッティンは他の妖精たちもおいしい木の実を食べたいだろうと想像できず、ザックリンは絵が欲しいとまでは思わない気持ちを正直に伝えたら相手がどう感じるか想像できず、意図せず誰かの心からキラキラを奪ってしまいました。

 それだけならまだいいんです。
 2人とも悪気はなく、しかもちゃんと反省する心を持っていて、(もしかしたら何度か同じことを繰り返してしまうにしても)いつか言動を改められていたはずですから。

 問題はそのあと。

 「自分たちのなかの真っ暗闇をダークイーネにふくらまされティン」

 ダークイーネにつけこまれた2人は自分を悪いと思い行動を改めたいと願う気持ちを奪われ、代わりに周りの人のキラキラした思いを憎み攻撃しようとする気持ちへと塗り替えられてしまいました。

 今作は“心の闇”という概念の解釈が少し特殊なようです。
 ザックリーを浄化したときななが発見していたように、彼らは善悪の価値観がおかしい人たちではありません。自分たちのやっていることが悪いことだと自覚していつつ、それでいて自発的に悪事に荷担していました。

 彼らの心にあった闇(ネガティブな気持ち)とはつまり、“自己嫌悪”のことでした。
 普通の人ならまずは自分の言動を改めようと考えるはずのものです。自責を問い、自分を変えようと努力することで、「自分のことを好きでいたいという」という、自己嫌悪の裏にある根源的な願いを達成します。
 ところが、チョッキリ団はそれを他責しているわけです。自己嫌悪の原因を“自分が周りより劣っていること”に求め、心がキラキラしている人たちから自己肯定感の根源を奪うことで、相対的に自分の価値を上げようとします。
 それで本当に自己嫌悪感を解消できるかといえば、そんなわけありませんよね。
 なにせ彼らの道徳観はチョッキリ団に堕ちてなお常識的です。やっていいことと悪いことの区別がちゃんとついています。日々悪事をはたらいていて、自分をますます嫌いになることはあっても、好きになるなんてことはありえなかったでしょう。

 彼らは根が悪人だから闇の住人だったわけではありません。
 道徳観念が歪んでいるから闇の住人だったわけでもありません。
 彼らが抱えていた問題は、ただ、自己嫌悪感を解消するために何をするべきなのかを間違えていたことの一点です。

 では、うたたちはこれをどう解決してみせたのでしょうか?

 「こんな自分たちに今できることといえば推し活ティン。それで、お願いがあっティン。キュアチューブにもっとアイドルプリキュアの動画をアップしてほティン!」

 「自分、チョッキリ団にいたとき動画を見て少しずつキラキラを取り戻した気がしティン。これからもキラキラをいっぱい見たくティン!」

 語尾さあ。(※ 我慢してたけどさすがにそろそろツッこみたい気持ち)

 ゴホン。うたたちはつまり、誰にも迷惑がかからないかたちで、彼らに心の充足感を提供していたわけです。

 カッティンとザックリンは妖精だったころ、自分の心をキラキラさせるための言動のせいで周りの心のキラキラを奪ってしまうという、本人にとっても不本意な不整合を起こしてしまっていました。
 ところが、アイドルプリキュアが与えてくれる心のキラキラは動画を見るだけでいいんです。応援するだけでいいんです。誰にも迷惑がかかりません。

 誰も傷つけないまま自分の心をキラキラにできるという体験は、そのまま2人の自己肯定感を高めるきっかけとなりました。だって悪いことしなくていいんだもん。いいことしかないもん。
 アイドルプリキュアさえいれば、カッティンとザックリンはわざわざ周りを自分よりネガティブな人だらけにしなくても、絶対評価で自分のことを好きでいられます。

 その生きかたで本当にいいのか――、については1つ2つ、まだツッコミどころがありますけどね。そこらへんは追々でしょうね。

 「なぜキラキランドの救世主が“アイドルプリキュア”と呼ばれているのか――。少しだけわかった気がします。この輝きが、いつかキラキランドを救うことにつながるかもしれませんね」(第5話)

 さておき、2人の存在は図らずとも以前田中がうたたちのアイドル活動を認めた理由の一端を証明してみせたわけです。(ウチのブログの第5話感想文だと別の論点から語っていたんですけどね)

 コミュ障が原因で自分の心を思うようにキラキラさせられない人たちにとって、誰にも迷惑をかけなくて済む推し活はとても使い勝手がいい“キラッキランラン”だったのです。

個人同士としての関係

 今サイコーにキラッキランランしている人がいました。

 「好き好き💝スキップターン💓💓💓、と❗ 手紙💌😘読んでくれたかなァ😅 嗚呼💦ドキドキしてきた🤓😂😎 咲良サン😼これってやっぱり恋🐟😍❗❓ な~んて❗❗😘😘😘😘😘 ランランラン✨ドキッとターン🧡💚💛^^;」

 ひとり言の愉快さ炸裂していますが、このテンション感でよくぞラブレターを書いているときは(当社比)正気を保っていたものです。いったい何がここまで彼を歪ませてしまったのでしょう。辛うじて思春期の範疇と見なすべきか、はたまた早すぎるおぢ化の片鱗か。さっぱりわかりませんが、とりあえずひとつ言えることは、彼にミーハーな傾向が見て取れるということです。
 クラスメイトだぜ? 顔くらい夏休み前まで毎日突き合わせていたってのに、ちょっと人気の動画に知りあいが映っていただけでここまで前のめりになります? これでアイドルプリキュアとお近づきになりたいからうたに接触してきたっていうならまだわかりますけど、どう見ても1回目のラブレター時点では本気でしたよね。マイナー指向なのか、はたまたワンチャンいけると思ったのか。

 「うたのファンプリ?」
 「いや、これはファンとかじゃなくて、ちょ、ちょっと違う感じの・・・!」

 いやあ、これはプリルンが正解だと思うなあ。

 ちなみにこの宇釣木くん、キャラはやたら濃いですがストーリー上は割とぞんざいな扱いです。本人の移り気が早すぎるせいで、うたが本格的に葛藤しだす前に話が解決してしまいます。
 もしこれでちゃんとした恋愛展開に入っていっていたら、うたとしては結構悩ましいことになっていたでしょうね。

 というのも、ほら。今回動画撮影していたのはそもそもカッティンのリクエストによるものだったので。

 先ほど書いたとおり、カッティンたちにとってのアイドルプリキュア動画って、一方的に心のキラキラを与えてもらえる、誰かと関わらずとも楽しめるコンテンツだったわけですよ。
 撮影シーンを観ていると、うたたちはうたたちで自分たちが楽しめること第一に好きなように撮っていました。

 ところが、これが恋愛となるとお互い自分勝手じゃ済まなくなります。去年の『わんだふるぷりきゅあ!』の悟なんてその相互関係のことでどれだけ悩んでいたことか。
 後々改めて真剣に考えるならともかく、今の段階で急に相互的な関係性をテーマとして取り上げられても、現段階のうたではまだ準備が整っていないはずなんですよね。

 『キミとアイドルプリキュア』はファンサするアイドルと応援を届けるファンとの相互関係がテーマになっている作品ですが、現状アイドル側もファン側も、自分がそれを楽しんでいるからやっているだけです。たまたま結果的に良い関係を築けているに過ぎません。
 象徴的な出来事として、カッティーやザックリーを救済したのなんかも、うたたちは別に彼らのことを救うために戦ったわけじゃなかったですしね。
 本気で自分以外の誰かのためにがんばったのなんて、ハートキラリロックに大切なものを封印したプリルンとメロロンくらいのものです。
 ゆくゆくはうたたちにも自分の楽しみ以外のために行動することを考える機会は与えられる(※ それが自己犠牲的なものか、はたまたもっと別の価値観かはさておき)んでしょうけど――。どっちにしろ、今はまだそういうテーマに挑む段階にはありません。

 「これからはもう、宇釣木先輩のためにも、動画をどんどん撮っていくしかないですね!」
 「それは賛成! 見てくれるキミをキラッキランランにしちゃおう!」

 だから、個人としてのつながりを求められる恋愛より、単方向でキラッキランランを発信していればいいアイドルの立場のほうが、今はありがたい。

 「嬉しそうだったね」
 「カイトさん――! そうなんです。キラッキランランになってくれて、私までキラッキランランになっちゃいました!」(第23話)

 「ところで、さっきも思ったけど――、キミの歌すごくいいね。“また会いたく”なりそう」(第5話)

 この物語には24時間365日ファンのことを想っている響カイトという大先輩がいて、その彼がうたに“ファンとの双方向の関係性”を築ける非凡な才能を見出している以上、どうせいつかは向きあうことになる話(※ 恋愛かどうかは知らぬ)なのだけれど。

 だけど今は、まだそのときじゃありません。

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    コメント

    1. ピンク より:

      外注先を広げたら、いずれキラキランドが復活する時に色々めんどくさいんですかね……あるいは生々しいから?

      ・キュアアイドル
      ラブレター騒動で失礼ながら大笑いしましたwww
      こういう若さゆえの無茶苦茶さ、見てる分には大好きです。でも全世界に動画を発信してることはお忘れなく……。

      ・キュアウインク
      めっちゃ普通に勉強になるやつ!
      中学生ですし普段は撮られる側でしょうに、流石勉強熱心です。

      ・キュアキュンキュン
      みんなノリノリで可愛い一幕をありがとうございます。
      ヒトカラでああいうコーレスが入った曲を歌うと息継ぎが大変ですが、複数人前提なのでそりゃそうでした。

      ・キュアズキューン
      かっこいいライブと裏腹にタコさんウインナー食べまくる無邪気な姿、どう思われたのやら。
      美人ゆえ高嶺の花っぽく見えつつ、実際は『クラスに1人はいる陽キャ』的な立ち振る舞いではあるので、案外そこまで違和感なく受け入れられるんですかね。

      ・キュアキッス
      これもかなり笑いましたw
      ほんとキュアキッスにしかできないであろう所業ですし、もったいないのでファンクラブ会員宛にポエムショーノーカット版をプレゼントするのはどうでしょう。

      • 疲ぃ より:

        >勉強になるやつ
         美白ライトって概念自体はたまーにテレビで紹介されてるから、その存在は知っていてもおかしくないんですが、具体的にどういう機械でどういう原理を使って実現しているのかは調べないとわからないと思うんですよね。(私も自分で調べてみるまでライトボックスと“美白ライト”が結びつきませんでした)
         なな、やっぱり知らなかったことを深く掘り下げるの大好きなんだろうなあ。

        >ヒトカラでコーレス
         やりますよね! 慣れた曲だと声色をスイッチしてみたり。そこまでやると逆に他人には聞かせられないからヒトカラならではなんですよね。

        >タコさんウインナー女
         あー、そう言われてみると案外今回一番ファンが増えたのはキュアズキューンだったのかもしれません。配信業で人気になるのってテンションが高くて明るい人が大前提ですし。クールなお姉さんキャラって需要が高そうに見えて、こと配信業に限っては意外に登録者数とかの数字が伸び悩むんですよね。

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