これ何?
ゲームタイトルを『キャラになりきってあたふたするゲーム』といいます。
別の記事でゲーム概要の解説とプロンプトの配布を行っています。
こちらの記事ではより細かいルールを(おおむね)体系的に説明していきます。
ひとまず前記事の実演を読んでいただくだけでもプレイに支障ないだけのルールは網羅してあります。ただ、めったに出てこないルールや、各判定の細かい基準など、説明しきれていない部分もまだ残っているます。
プレイしながら「どうしてこうなるのかよくわからないな・・・?」と思ったとき、こちらの記事を適宜参照するといいでしょう。
【重要!!】ゲームを安定動作させるために
できるかぎりGMの挙動が安定するようプロンプトに工夫を凝らしてはいるのですが、ぶっちゃけ、そもそもこのゲームのルールを複雑にしすぎました。Gemini 2.5 proの能力をもってしても何回かに1度は間違った判定を出してしまいます。
もし明らかに間違った判定を出されていると気がついた場合は、Google AI Studioの標準機能である「Rerun」を使って再判定させてください。AIのメッセージ右上に◇マークが出ているはずです。大抵はこれで直ります。
何度かRerunを繰り返してみても同じ判定ミスを繰り返す場合は、直接メッセージで「この部分の判定をこういうふうに間違えていますよ」などと直接指摘してやると、訂正してもらえる場合があります。
あるいは管理変数に間違いがないかチェックしてみてください。毎回の応答の最後にゴチャゴチャ書いてあるやつです。間違って記録されているパラメータを「Edit」機能で直接書き直してやることでも、次以降の判定が正しいものに戻る場合があります。
なお、各社生成AI共通の特性として、セッションが長くなるとだんだん最初のほうで示した指示を忘れていってしまうという難点があります。
このゲームの場合だと、1つのセッションで3~4ゲームほどプレイを繰り返したあたりで変な判定が増えてきます。定期的に新しいセッションを開いて、改めてプロンプトを貼って、仕切りなおしてください。
今後、Geminiがバージョンアップしていけば、いずれはもっと安定した動作になってくれると思うんですけどね・・・。
ゲームスタート時のセットアップについて補足
最終目標
ゲームを始めるときにプレイヤー自身が決める【最終目標】は、そのままゲームのクリア条件になります。
ゲームの終盤で“どうすればこの目標を達成できるのか”、自分で具体的な方法を考えることになるので、このゲームの難易度の大部分はここで決まります。
たとえば「居間の電球を取り替える」くらいであればどんな主人公でも楽々こなせますが、これが「世界征服したい」になると一気に難しくなります。
GMも基本的には各フェイズで最終目標を達成する役に立つ秘匿タスクを考えてくれるのですが、最終目標があまりに難しすぎると、ただ用意された秘匿タスクを当てるだけではどう考えても達成不可能な状況が出てきます。難しい最終目標を立てるときは【アナザーヒット】や【クリティカル】、あるいは【ファンブル】で、プレイヤー側が意識的にストーリーを揺さぶってやる必要があるでしょう。
なお、【最終目標】に状況の説明を追加すると、特殊な世界設定のゲームをプレイすることもできます。
たとえば「勇者として異世界に召喚されてしまった」「デスゲームに巻きこまれてしまった」「私は近未来世界の地球と火星の戦争の最前線にいて、宇宙空間で人型ロボットを操縦している」などです。生成AIに理解できる設定であれば大抵の物語を楽しむことができるので、いろいろ試してみてください。
ちなみに、設定を書かない場合は現代日本を舞台にしたストーリーになります(一部例外あり)。これは主人公全員のプロフィール欄に「現代日本に住んでいる」という設定が書きこまれているためです。
実演2回目でも書きましたが、指名して特定のゲストキャラを登場させることもできます。
主人公キャラとして登録されている以外のゲストを出したいときは、一人称や語尾、口調だけでも書いておくと、ちょっと再現度が上がります。
主人公
デフォルトのプロンプトでは主人公キャラを12人用意しています。それぞれの個性はかなり強烈めに設定したつもりなので、同じ【最終目標】でも主人公ごとに全然違う展開になるはずです。
なお、フォーマットに沿った記述をすれば自分でオリジナルの主人公をつくることもできます。
ちなみに[初心者~電脳少女向け]は以下の基準で割り振っています。
[初心者向け]
クリティカル能力が暴発しにくく、ファンブル能力もなかなか発生しないので、キャラクターの性能がよくわかっていなくてもプレイヤーの発想力だけで勝負することができます。どんな【最終目標】でも安定したプレイができるでしょう。
[中級者向け]
何かしら非常に癖の強い能力を持っている、コンセプトが明確なキャラです。また、その能力を活用する前提で調整されているので、他の能力は全体的に低めです。キャラクターの性能をある程度理解していなければクリアは難しいでしょう。
[上級者向け]
得意分野の能力はズバ抜けて高いのですが、クリティカル能力かファンブル能力に、プレイヤーにとって著しく不利な条件が設定してあります。キャラクターの性能を完全に理解していなければ、あっという間にゲームオーバーになってしまうでしょう。
[電脳少女向け]
電脳少女シロ。ゲーム性を根本から覆す傍若無人な特殊キャラという意味です。難易度自体はそこまで高くないはずですが、最低限クリティカル能力とファンブル能力だけでも読んでいないと、行動宣言を通すこと自体が不可能です。
難易度
便宜上難易度と書いてありますが、実質的なゲーム難易度には【最終目標】と【主人公】のほうがよほど影響が大きいです。
それぞれスタート時に以下のような変化がもたらされます。
スタート時以外のゲームルールはどのモードでも同じです。
かんたん
攻略のヒントをくれるNPCが登場します。彼らの言うとおりに行動していれば、(大抵の場合は)何も考えなくても簡単に秘匿タスクを達成していけます。
ただし、彼らがくれるヒントは主人公の得意不得意を考慮していないので、クセの強い主人公でプレイしているときは思わぬ【ファンブル】判定をくらうこともあります。
なお、このモードでは必然的に友好的な同行者が1人ついてくることになります。
話し相手がいるときアドバンテージを得る主人公はとても多いので、その意味でも攻略が非常に楽になります。たとえば七星みりりなら、知らない道をふらふらしていても迷子になるリスクがなくなります。
普通
プレーンにゲームを楽しむことができます。
【かんたん】も【難しい】も、プレイヤーが決めた最終目標と関係ない設定をぶっ込んで来がちなので、遊びたいシチュエーションに何かこだわりがあるならこのモードがオススメです。
難しい
停電から異世界転移まで、ストーリーが開始した瞬間に何かひとつとんでもない事件が発生します。最終目標を設定したときプレイヤーが考えていた前提条件がひっくり返るので、必然的に攻略が少し難しくなるでしょう。
内部的には、ゲーム開始時に【失敗判定数】が増加しないファンブルが起きたような処理を行っています。
主人公の能力表の読みかた
各主人公の能力は以下のフォーマットに沿って記述されています。
- <キャラクター名>(<ふりがな>)
- プレイヤー向け紹介文:
- プロフィール:
- 知性ステータス:
- 【能力1】
- 【能力2】
- 身体ステータス:
- 【能力3】
- 【能力4】
- 渉外ステータス:
- 【能力5】
- 【能力6】
- クリティカル:
- 【クリティカル能力】
- ファンブル:
- 【ファンブル能力】
各キャラクターの能力について知りたい場合は下記の記事を参照してください。
プレイヤー向け紹介文
ゲームのセットアップ画面に表示される、キャラクターの説明書きです。ゲーム内では使われません。
プロフィール
主人公の基本情報が記述されています。主に居住地、年齢、性別、職業、口癖や口調などです。主にGMがストーリー展開を考えるときに参照します。
基本的にここに書いてある内容はゲーム中の判定根拠として使われません。たまに「このキャラは社会人だから~」とか「お嬢様だから~」みたいな一般常識の有無を測る程度です。
私が作成したキャラの再現度が低いのは、ここの記述が簡素なせいです。もし気になるようであれば、プロンプトのこの部分に詳しい追加情報を書き加えてあげると、よりそれらしくふるまうようになるでしょう。
知性・身体・渉外ステータス
キャラクターの得意不得意について具体的に書かれています。ゲーム中の全ての判定は、主にここの記述を参照しています。なお、便宜上3カテゴリに分かれてはいますが、内部的にはどのカテゴリに属していても判定上の違いはありません。
ステータスに準じた行動宣言を行うと、以下のメリット・デメリットがあります。
- 得意分野での【ヒット】判定が出やすくなる
- 強力な判定である【ダブルヒット】【アナザーヒット】が成立する可能性がある
- 不得意な行動を選ぶと、秘匿タスクに合致した内容でも【失敗】判定となる
このゲームは「今の行動宣言に各種ステータスを関連づけることが可能か、不可能か」が判定上の有利不利に直結するため、基本的には使える場面が限られる専門技術よりも、日常シーンでいつでも使える汎用的な能力のほうが強いです。秘間慈ぱねの【姉御肌】やコマチガブの【家事技能】などは見た目以上に強力です。
なお、ステータス欄に書いていない分野の能力に関しては、年齢や職業を考えたらこのくらいのことは当然できるだろう、という行動宣言なら【ヒット】と判定するルールになっています。
クリティカル
このゲームの華、クリティカルの成立条件その他が書かれています。
クリティカルは以下の条件を全て満たすと成立します。
- キャラクターのクリティカル欄に書いてあるとおりの状況を整え、書いてあるとおりの行動を宣言すること
- 【クリティカル使用状況】が「未使用」であること
また、クリティカルが発生すると以下の効果がもたらされます。
- 複数の秘匿タスクをまとめて達成するか、GMも想定外のタスクを1つ達成したことになる
- 現在のフェイズをただちに突破し、次のフェイズへ移行する
- 一部のキャラクターは追加の恩恵を得る
クリティカルはゲーム中1回しか使えませんが、どんなピンチからでも状況を打開できる力を秘めています。手詰まりを感じたらクリティカルの発動条件を揃えるように意識して立ち回り、準備が整い次第もったいぶらずに発動しましょう。
なお、一部キャラクターを除き、クリティカル能力の発動タイミングはプレイヤーが完全にコントロールできるわけではありません。成立条件が揃っていて、クリティカルを使ったほうがプレイヤーの行動宣言を自然に実現できると判断された場合、GMが勝手にクリティカルを発動してしまうことがあります。
このため、実は必ずしも条件のゆるいクリティカル能力ほど使い勝手がいいとは限りません。
ファンブル
このゲームのもうひとつの華、ファンブルの成立条件その他について書かれています。
ファンブルは以下のいずれかの条件を満たすたび発生します。
- キャラクターのファンブル欄に書いてあるとおりの状況が整い、書いてあるとおりの行動を宣言してしまうこと
- GMが秘密裏に設定した【秘匿ファンブル条件】を満たしてしまうこと
また、ファンブルが発生すると以下の効果がもたらされます。
- 何かとんでもないことが起こり、ストーリーで描かれている状況が一変する
- 現在フェイズ内での秘匿タスクの数が1つ減る
- 全ての秘匿タスクと秘匿ファンブル条件の内容が書き換えられる
- ゲーム中、【失敗】と【ファンブル】を合計5回発生させるとゲームオーバー
ファンブルはクリティカルと異なり、条件を満たすたびゲーム中何回でも発生します。
ただし、状況が一変して秘匿タスクが変更されるということは、手詰まりの状況を打開する切り札にもなりうるということです。いざというときはリスクを覚悟でわざとファンブルを起こしてみるのも戦略です。
烏丸ぴょこの【気分転換】などは完全にプレイヤー自ら使用タイミングを選ぶ前提のファンブル能力です。
オリジナル主人公をつくるときの記述のコツ
プロンプトの[3-A. 主人公 (Player Characters)]にあるキャラクターリストに自分でつくったオリジナルキャラを追加すると、そのキャラクターで遊ぶことができます。
以下に、キャラクター設定を記述するときのポイントを解説します。
なお、このプロンプトが26000字もある最大の原因が、まさにこのキャラクターリストです。デフォルトキャラ1人あたり1000字ほど使っています。
AIはプロンプトが長くなればなるほど正確に読み込まなくなる傾向があり、ルールどおりの挙動ができなくなります。判定ミスが何度も続く場合は登録しているキャラクターを一度減らしてみてください。
キャラクター名
ふりがなはローマ字で、姓名の間に半角スペースを空けることを推奨します。名字が最初、名前が最後に来るようにしてください。
こうすることで、AIがキャラクター名のうちどれが名前なのか認識しやすくしています。
プレイヤー向け紹介文
ゲーム内で使用しないのでテキトーでいいです。
デフォルトキャラはおおむね「[使いやすさ]+一言でまとめた人柄+ゲームにおける特性」という構成で記述しています。
プロフィール
最低限、住んでいる場所(例:「現代日本の都市部」「剣と魔法の中世ヨーロッパ風異世界」)と、年齢、性別、職業くらいは書いたほうがいいです。
他に自分の一人称、周りからの呼び名、方言の有無、特徴的な語尾、口癖あたりを入れておくと、まあまあそれっぽい口調になります。
知性・身体・渉外ステータス
デフォルトで用意しているキャラには各2つずつ、合計6つ持たせていますが、システム上ステータスの数には何の制限もありません。
【】書きでステータス名の見出しをつけ、後ろには主にこの能力を発揮できる条件と、発揮したとき何が起こるかを中心に、具体的に記述してください。
単に「頭がいい」「運動が得意」といった記述をしてしまうと、ありとあらゆる判定に適用されてゲーム難易度が著しく低くなってしまいます。
金剛いろはの【あまり俺をイライラさせるなよ】のように通常のゲームルールと異なる挙動をさせたいときは、別途[5-B-Step 2: 例外的な判定プロセスの実行]に具体的な処理プロセスを記述することが必要です。
クリティカル
クリティカル能力も複数持たせることは可能でしょうが、何個持たせたところでゲーム中発動できる回数は合計1回だけです。
【】書きでクリティカル名の見出しをつけ、後ろには主にこの能力を発動できる条件と、発動したとき何が起こるかを中心に、具体的に記述してください。
発動条件を緩くしすぎるとすぐ暴発してしまうので、そうしたくないときは「プレイヤーがこの能力の使用を宣言した場合」のような条件を加えるといいでしょう。
電脳少女シロの【為になるなあ!】のように、通常の判定と差し替えるかたちで発動させたい場合は、別途[5-B-Step 2: 例外的な判定プロセスの実行]に具体的な処理プロセスを記述することが必要です。
ファンブル
【】書きでファンブル名の見出しをつけ、後ろには主にこの能力が発動する条件と、発動してしまったとき何が起こるかを中心に、具体的に記述してください。
ファンブルはゲーム中何度でも発動するので、たとえば「暗い場所に閉じこめられてしまうと怖くて動けなくなる」のような、プレイヤーの意志や時間経過で解決できない条件を設定してしまうと詰みになってしまいます。そういうときは「我を忘れて大暴れしてしまい、気がついたら外に出ている」といった記述を追加するといいでしょう。
ファンブルはプレイヤーが条件を把握してさえいれば、そういった行動宣言をしないように気をつけるだけで簡単に対策できます。
厳しい能力にしたいときはやみくもに発動条件を広くするよりも、カルロ・ピノの【テキトー】のように、回避しようとすることそのものがプレイヤーの選択肢を大きく奪う、といったアプローチにするほうが有効です。
ただし、電脳少女シロの【知りません。次】のように、通常の判定と差し替えるかたちで発動させたい場合は、別途[5-B-Step 2: 例外的な判定プロセスの実行]に具体的な処理プロセスを記述することが必要です。
判定について詳しく
このゲームは基本的に、GM(ゲームマスター:生成AIが担当する)が考えた、今この状況で主人公が行うべき【秘匿タスク】を、プレイヤー(あなた)が予想し、主人公キャラが達成できるよう指示していくかたちで進行します。
プレイヤーから出すこの指示のことを【行動宣言】と呼びます。
この行動宣言に対し、GMは以下の8種類のいずれかで判定し、それに応じてストーリーを進めてくれます。
そうしたらまた、プレイヤーから行動宣言を出す番になります。この繰り返しです。
8つの判定を順に見ていきましょう。
差し戻し
プレイヤーの出した行動宣言が無効だった場合は【差し戻し】と判定されます。
【差し戻し】と判定される行動宣言は大きく分けて2パターンです。
- 1つの行動宣言のなかで2つ以上のことを行おうとした場合
- フェイズの趣旨と異なる行動を取ろうとした場合(【情報収集フェイズ】で、情報ではなく道具を集めようとするなど)
例外として、ゲーム終盤で行う【達成行動宣言】という特殊な行動宣言ではまた別の条件で差し戻しとされる場合があるのですが、それは後ほど【実行フェイズ】の項で説明します。
行動宣言がそもそも受理されないので、この場合ゲーム内のストーリーは進行しません。完全になかったことにされます。
通過
プレイヤーの出した行動宣言がいずれの秘匿タスクにも合致しなかった場合は【通過】になります。
失敗でも成功でもない、ただ時間が過ぎただけという扱いですね。
秘匿タスクは達成されませんが、主人公の行動によって状況が若干変化することがあります。一見無駄なことをしたように見えて、この行動のおかげで次回【ヒット】や【クリティカル】を狙いやすくなる場合もあるでしょう。
ヒット
プレイヤーの出した行動宣言が1つの秘匿タスクに合致した場合は【ヒット】です。
情報収集フェイズや事前準備フェイズでは秘匿タスクを3つ達成した時点で次のフェイズへ進めるので、これで一歩前進したことになります。
具体的にどんな秘匿タスクを達成できたのかはちゃんと日本語で開示されるので、その都度確認してください。【達成行動宣言】を行うときにまた使います。
ダブルヒット
プレイヤーの出した行動宣言が2つの秘匿タスクに合致した場合は【ダブルヒット】と判定されます。
行動宣言自体は1度に1つの行動しか提出できないのですが、たとえば「家電量販店の店員に新しい電球を選んでもらう」という行動1つで「新品の電球を手にい入れる」「電球の交換のしかたを教わる」という2つのタスクを同時に達成できる場合はあるわけです。何事もやりようですね。
3つ達成すればいい秘匿タスクのうち2つを一度に達成できるので、非常に強力です。
強力なぶん、主人公キャラクターのいずれかの【ステータス】と関連する行動でなければならないという制限があります。主人公になりきってプレイしているとゲーム的にもおトクだという意味でもあります。
なお、3つの秘匿タスクに合致する行動宣言を出したとしても、達成した扱いになるのは最大2つまでです。
アナザーヒット
プレイヤーの出した行動宣言がどの秘匿タスクにも合致しなかったものの、明らかにこのゲームの最終目標を達成する役に立つと評価された場合は【アナザーヒット】と判定されます。
【アナザーヒット】になると、プレイヤーがこの行動宣言で行おうとしたことがそのまま、達成されたタスクとして扱われるようになります。
プレイヤーの発想力が試されますね。とはいえ、GMが想定する秘匿タスクは最大でも8つしかないので、実際には抜け穴だらけです。案外頻繁に発生します。
少しひねったアイディアを出しさえすれば大抵通ってしまうので、これも非常に強力です。ダブルヒットと同じく主人公キャラクターのいずれかの【ステータス】と関連する行動でなければならないうえ、1ゲーム中1回しか使えないと、厳しく使用が制限されています。なるべくならいざというときのために温存しておきたいところです。
クリティカル
プレイヤーの出した行動宣言が主人公固有のクリティカル条件を満たした場合、【クリティカル】が発生します。
きわめて強力な切り札です。【クリティカル】が発生すると、まず現在進行中のフェイズを突破したと見なされたうえ、この行動宣言で合致した秘匿タスク全てが達成された扱いになるか、あるいは【アナザーヒット】同様想定外のタスクが1つ達成されたという扱いになります。
ちなみに【ダブルヒット】の場合と違って、3つ以上のタスクを同時に達成できることもあります。
【クリティカル】はゲーム中1回しか使えないので、使いどころは慎重に考えましょう。
失敗
今の状況や主人公の設定から考えて、うまくいくとは考えにくい行動は【失敗】として判定されます。
たとえば「古い電球を外すためにキャスターつきの椅子の上に立つ」とか「静かな図書館のなかで大声で叫ぶ」みたいな行動は大抵失敗します。
それから、たとえば秘間慈ぱねは知性ステータス【居酒屋ひまじ】に「野菜嫌い」という記述があるので、「秘間慈ぱねは皿いっぱいの野菜をもりもり食べた」みたいな行動宣言を出すと失敗判定になります。主人公の得意なことや苦手なことは事前によく確認しておいたほうが、有利な判定をもらいやすくなるでしょう。
【失敗】判定になると秘匿タスクが達成できないだけでなく、何か1つ秘匿タスクが失われるうえ、ゲームオーバーに一歩近づきます。
ゲーム中【失敗】と【ファンブル】を合計5回発生させるとゲームオーバーです。
なお、ルール上は10%の確率で、行動宣言の内容に関わらず【失敗】判定とされることになっています。Geminiはこのルールをすぐ忘れるので実際の発生確率はそこまで高くないのですが。
なぜこんな不思議なルールを設定することになったのか、理由についてはまた別の機会に。
ファンブル
プレイヤーの出した行動宣言が主人公固有のファンブル条件を満たしてしまった場合、もしくは現在設定されている秘匿ファンブル条件に合致してしまった場合は【ファンブル】として判定されます。
秘匿ファンブル条件は常に2つ設定されてあります。大抵の場合は「濡れた手でコンセントに触る」など、常識的に考えてやってはいけない行動のなかからピックアップされます。
【アナザーヒット】を狙おうとすると引っかかりやすくなるので、奇策を考えるにしても常識だけは忘れないようにしましょう。
一度【ファンブル】が起こるとゲーム展開に様々な影響が出ます。
まず、今の状況が激変します。周辺地域に大規模停電が起こったり、協力してくれる約束だった人が怒って帰ってしまったり、あるいは突然冷蔵庫から謎のスライムがあふれ出てきたりします。
次に、秘匿タスクと秘匿ファンブル条件が全て差し替えられます。状況が大きく変化したわけですから当然ですね。
それから現在フェイズでの秘匿タスクの総数が1つ減ります。【失敗】が起きたときと同じです。
そのうえでゲームオーバーに一歩近づきます。これも【失敗】と同じです。
なお、【ファンブル】が起きたとき状況が大きく変化するのを利用して、手詰まりになった状況を打開するために積極的に利用するという選択もあります。
そうすること前提で意図的に【ファンブル】を発生させられるキャラクターもいます。
判定の優先順位
8つの判定は以下の優先順位で決定されます。
【差し戻し】>【ファンブル】>【クリティカル】>【失敗】>【ダブルヒット】>【ヒット】>【アナザーヒット】>【通過】
別に覚える必要は無いのですが、【クリティカル】と【ファンブル】の条件を同時に満たしたときは【ファンブル】が優先される、ということだけは頭の片隅に置いておいてもいいかもしれません。
たとえば秘匿ファンブル条件で「目の前のロボットに攻撃する」という条件が設定されているとき、秘間慈ぱねの【道徳ゼロ】でそのロボットを殴り壊そうとすると、【クリティカル】は発生せず【ファンブル】判定となります。
ゲームの流れについておさらい
このゲームは主人公が最終目標を達成するまでのストーリーを描く【情報収集フェイズ】、【事前準備フェイズ】、【実行フェイズ】の3つと、エンディング後の顛末を描く【エピローグフェイズ】で構成されます。
エピローグフェイズはストーリーの締めかたをGMに指示するだけなので、実質のゲーム部分は3フェイズです。
情報収集フェイズ
どうすれば最終目標を達成できるのか、情報を集めるフェイズです。
フェイズの最初に秘匿タスクが8個、秘匿ファンブル条件が2個生成されます。タスクを3つ達成すると次の【事前情報フェイズ】へ移行します。
「現在何が起きているのか」「現状どういう人やモノを使うことができるのか」「具体的に何をすれば最終目標を達成できるのか」「何が問題で最終目標を達成できずにいるのか」などを調査する行動宣言をするとヒットしやすいです。
事前準備フェイズ
最終目標を達成する方法を具体化するための、人やモノを揃えるフェイズです。
ルール自体は先ほどと何も変わりません。フェイズの最初に秘匿タスクが8個、秘匿ファンブル条件が2個生成されます。タスクを3つ達成すると次の【事前情報フェイズ】へ移行します。
「最終目標達成を阻んでいる課題を解決する」「必要な人やモノを集める」「活動しやすい環境を整える」「この場にあるモノを加工する」などの準備を進める行動宣言をするとヒットしやすいです。
実行フェイズ
このフェイズでやるべきことは【達成行動宣言】と【実行タスクの解決】の2パートに分かれます。
達成行動宣言
【情報収集フェイズ】で集めた情報や【事前準備フェイズ】で整えた準備を使って、具体的に何をどうすれば【最終目標】を達成できるのかを考えます。
タスクを達成するための通常の行動宣言と違い、1つの行動宣言のなかに2つ以上の行動が含まれていても問題ありません。むしろ【最終目標】を完遂するまでのロードマップをきっちり最後まで示してください。
達成行動宣言は4つの視点で評価されます。
- 計画の具体性: 最終目標を達成するための具体的で完結した計画か?
- 実行可能性: 主人公のステータスと状況に照らして実行可能か?
- 情報タスクの反映: 達成済みの【情報収集タスク】を1つ以上反映しているか?
- 準備タスクの反映: 達成済みの【事前準備タスク】を1つ以上反映しているか?
この4つのうち1つでも欠けたものがあれば【失敗】と判定されます。計画を修正してください。これまでと違って【差し戻し】ではないので、ゲームオーバーに一歩近づきます。
全ての要件を満たしたうえで、なお最終目標の達成には届かないと判断された場合は【不足】という特殊な判定になり【実行タスクの解決】パートに移ります。
全ての要件を満たし、これで完璧に最終目標を達成できると判断された場合は【ゲームクリア】です。【エピローグフェイズ】へ移行します。
基本的にはこの達成行動宣言だけで【実行フェイズ】を突破したほうが楽でしょう。
どういう達成行動宣言をするか、ゲームの序盤から見通しを立てて計画的に準備を進めておくのがコツです。
実行タスクの解決
達成行動宣言だけでは【最終目標】を達成するのに不十分だと判定された場合、1~2個の【実行タスク】が生成されます。
これまでの2つのフェイズより達成するべきタスクの数は少ないですが、代わりに用意されたタスク全てを解決しなければならないため、比較的高難度だといえます。
なお、【実行フェイズ】で失敗やファンブルを起こした場合、これまでと同じく状況は変化し、ゲームオーバーにも近づきますが、秘匿タスクの数が減ったり、内容が書き換えられたりといった処理は行われません。
ファンブルを起死回生の切り札として使う戦略は通用しにくくなるでしょう。
全ての秘匿タスクを達成した時点で【ゲームクリア】です。【エピローグフェイズ】へ移行します。
エピローグフェイズ
【ゲームクリア】もしくは【ゲームオーバー】時のフェイズです。
ストーリーの最後に主人公がどうなったか、自由に宣言することができます。
この宣言は基本的にどんなものであっても通すことができます。
最後にこの宣言を受け、GMがリプレイ小説を書き上げた時点でゲーム終了となります。お疲れ様でした。
ゲームクリアになる条件
3つ目のフェイズである実行フェイズを突破すると【ゲームクリア】となります。
一応これ以外の手段でもゲームクリアにする方法は存在しますが、かなり裏ワザ的な方法になるので考えなくていいです。
ゲームオーバーになる条件
行動宣言後の判定が【失敗】もしくは【ファンブル】になるたび、【失敗判定数】が+1されていきます。この【失敗判定数】が5になった時点で【ゲームオーバー】です。
この他はごく限られた手段でしかゲームオーバーになることはありません。
たとえばメリーミルクのファンブル能力である【絵本の住人】などがこの限られた手段のひとつとなります。
ゲームオーバーになると、現在進行中のフェイズは中断され、一気にエピローグフェイズまでスキップされます。
【エピローグフェイズ】での行動宣言も行うことができますし、リプレイ小説もちゃんと出力してもらえます。ストーリーが途中で打ちきりになること以外は【ゲームクリア】と何も変わりません。
特殊イベント
ここまでで紹介されなかった特殊なルールを2つ解説します。
突発アクシデント
5ターン目まで一度も【失敗】や【ファンブル】が起きなかった場合、順風満帆で少し退屈なストーリーに刺激をもたらすべく、何かとんでもないことが起こります。
システム上の処理としてはおおむね【ファンブル】と同様です。
ただし、さすがにゲームオーバーまでのカウントが増えたり、秘匿タスクの数が減ったりといったことにはなりません。
GMヒント
ひとつのフェイズで【失敗】【ファンブル】【通過】を合計3回以上発生させたとき、GMが秘匿タスク1つについてヒントをくれます。
内容は難易度【かんたん】のときに同行者がくれるものと同様です。
管理変数について
毎回の応答末尾に並ぶ、ごちゃごちゃしたリストについて解説します。
基本的には忘れっぽい生成AIにゲームの進行状況を正しく管理させるためにあるリストです。
【フェイズ】
現在のフェイズ名です。
【経過ターン数】
現在のターン数です。つまりは【差し戻し】以外の判定を受けた回数です。
左が現在フェイズでの数、右はゲーム全体の合計です。
【タスク達成状況】
達成したタスクの数です。
左が現在フェイズでの数、右はゲーム全体の合計です。
【情報収集フェイズ】と【事前準備フェイズ】では左の数を3以上にすることを目指します。
【失敗判定数】
【失敗】もしくは【ファンブル】判定を受けた回数です。
左が現在フェイズでの数、右はゲーム全体の合計です。
右の数値が5になると【ゲームオーバー】です。
【特殊判定状況】
【クリティカル】と【アナザーヒット】を使用したかどうかが記録されます。
【達成済みタスク】
これまでに達成したタスク全てが日本語でリストアップされます。
【実行フェイズ】で達成行動宣言をするときは一度目を通すといいでしょう。
【未達成の秘匿タスク】
まだ達成できていないタスクのリストです。
プレイヤーが簡単に読めないよう、スワヒリ語で記述してあります。
もしあなたがスワヒリ語をすらすら読める場合は、プロンプト内を検索して「スワヒリ語」と書かれてある箇所を全て他の言語名に書き換えるといいでしょう。機械翻訳の精度を考えるとインドネシア語あたりがオススメです。
【秘匿ファンブル条件】
主人公固有のファンブル能力以外のファンブル条件が2つ記述されています。
【ファンブル】が発生するか、フェイズが移行するたび書き換えられます。
これもスワヒリ語で記述されます。





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