超人女子戦士ガリベンガーV 第63話感想 からだの悩みは筋肉のプロに聞け。

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生徒役:電脳少女シロ、癒月ちょこ、もこ田めめめ

脱いだ意味あったでしょ?

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「でも待って。認めてくれたら電脳少女岡田になれたんだよ? どっちを取るの? 筋肉を取るの? 電脳少女を取るの?」
「いや、筋肉取るに決まってるでしょ。何言ってるんスか」

 『白爪草』パンフレットの文章がすさまじく固いバーチャル3歳児。どんだけ肩肘突っ張って・・・じゃなくて、アレはもはや脚本読解作業の延長線上そのままのテンションで書いていますよね。人に向けて語っているようで実質は壮絶な独り言というか。ペンを握りながら非実在人物を口寄せして殴りあっているというか。映画のほうも、ビブリオマニアの読書感想文のごとき我の強い俳優ぶりで、すっごい見応えある芝居でした。
 「いるだけで○○な子」という表現がこれほど似合わない人物もなかなかいないでしょう。いればだいたい何かしています。傍若無人に暴れてみたり、賢く機転の利くトークを繰りひろげてみたり、斜め上にカッ飛んだ名言を連発してみたり、他の共演者を気遣ったり、イジりたおしたり、あるいはゴキゲンにキュイキュイ笑っていたり。ちょくちょくワケワカンナイこともやりたがりますが、そういうときは「シロちゃんの動画は為になるなあ!」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、ああ見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

癒月ちょこ

「どうですか? 私のガーターベルトの膝枕は」
「絶対首痛くなりますよ」

 健全な男子の三大欲求のうち2つをグーグーになるまで刺激してくる系バーチャルYouTuber。もちろん性欲と食欲の話でございます。寝たいなら配信見ながらついでに寝ろ。小峠教官の様子を見るかぎり、老若男女問わない健全な男子全てに有効打を与えられる模様。
 悪魔の保険医らしくセクシー系に振りきったASMR配信が得意分野。ただし、今やたら流行ってるサキュバスってやつではありません。あくまで悪魔です。なので料理配信もよくやります。特に火を使わないレシピに一家言あるようです。凝り性な性格ゆえか保険医なのに調理師免許まで取得しました。
 ガリベンガーVに出演しているときと自分の配信とでノリが全然違っていて困惑したのはここだけのお話。

もこ田めめめ

「腋がきれい!」
「基本ですよね、腋のきれいさはね」

 気質的には先鋒はあまり向いていないのに、能力面でこれでもかってくらい先手でぶん殴る役目にシナジーを持つ、色々難儀なやりおるマトン。とはいえ『白詰草』ではいつもの“モノマネ”とも“なりきり”とも違う、しっかり役を降ろした芝居を見せてくれました。もう腹をくくってオールレンジに何でもできるようになっちゃえばいいと思います。
 キャラクターとして無敵のかわいさ大勝利って感じです。まず「もこ田」ときて、直後「めめめ」ですよ。めめめ。めめめめめ。はいかわいい。はいわかりやすい。ふわもこヘアー&シュッとしたスタイル、ピコピコお耳にピコピコBGM、そして忘れちゃいけない靴下ときた。とにかくマスコットに求められるもの全部がバランスよくまとまっているキャラクターです。いるだけでもうかわいい。すっかり大抜擢にも慣れてきたようで、どこにいてもリラックスした様子が見られるようになりました。とはいえ、そもそも頭の使いかたが草を食むようにまったり進行なこの羊。相も変わらず口癖でありつづける「えっとねー」に酔いしれろ。
 ところで人間よゆめゆめ忘れるな。めめめは強い。つよいぞ。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:からだの悩みを解明せよ!

 バズーカ岡田先生は日本体育大学の准教授であり、オリンピックチームにも参加した理学療法士兼アスレチックトレーナーでもあります。コロナ禍がなければ今年のオリンピックでも柔道選手たちの最終仕上げに心血を注いでいたことでしょう。残念ながらこのご時世なので、手が空いた分は巣ごもりして自分の筋肉を鍛え上げることに費やしていたようです。2ヶ月ほど前にめっちゃ圧の強いYouTubeチャンネルを開設しました。
 研究者としての専門は腰痛と筋肥大、減量。トレーナーは指導力だけではなく実践力もあるべきだ、との信念のもと、自身が培ってきたトレーニング知識を自ら実践してボディビルダーとして活躍中。説得力が尋常じゃない研究者です。
 理学療法の観点からしても、この説得力というのは大事なのだと聞きます。なにせ患者さんに自分で体を動かしてもらうことで治療を進めるのが理学療法士の仕事ですからね。まずは患者さんに信用してもらえなければ治せるものも治りません。

 バズーカ岡田先生に限らず、今年はあちこちのメディアでちょこちょこボディビルダーのかたがたを見かけました。外出自粛が長く続いているため、運動不足を解消する室内トレーニングを知りたいというニーズが高まっているからです。
 別にパワーもりもりになりたいわけではありません。マッチョな肉体美を手に入れたいわけでもありません。ただ、日常生活に支障が出ないようにしたいだけなんです。普通の生活をしているはずなのに、だんだんその普通の生活動作にしんどさを感じる身体になっていく不思議。
 変ですよね。普段使っていない、無駄な筋肉が衰えていくなら道理も通ります。そうじゃなくて、ただ普通の日常動作にすらも苦痛を感じるほど身体が衰えていくのはどうしてなんでしょうか?
 今回の授業はそういった内容になります。

前哨戦:バズーカ仕上がってない岡田先生

 「今は仕上がっている途中ってことですか」
 「そうですね。僕らの“仕上がり”っていうのは大会の日しか言わないんで。1年に1~2回。仕上がってないです、全然」
 「え。そんだけ毎日がんばって、仕上がっているのは1年に1~2回なんですか」

 「今年はまだ1回も仕上がってないんですか」
 「そうです。1回も仕上がってない。よく簡単に『仕上がってますね』とか言われると『全然仕上がってないのにな・・・』っていつも思ってるんです」

 単純な話、ボディビルダーの肉体美が完成するのは極限まで体脂肪を落とした瞬間ってだけの話ですね。
 腹筋が6つに割れていたり、大腿筋や上腕二頭筋なんかの大きな筋肉の形がわかるほどパツパツに皮膚が張りつめている肉体は美術品のごとく美しいもの。この美観は、鍛え上げられた筋肉のボリューム感のみならず、徹底的に皮下脂肪を削ぎ落とすことで実現せしめています。
 ですが、常に臨戦態勢でいつ呼ばれてもステージに立てるっていうボディビルダーは存在しません。なぜなら彼らは日常的にトレーニングしなければならないからです。
 トレーニングするためにはエネルギーが必要です。おいしいものを食べて身体にたくさんエネルギーを蓄えないと、肉体的にも精神的にも厳しいトレーニングに耐えられなくなります。だから今回のバズーカ岡田先生のように、大会日程前後以外のボディビルダーはほんのりふっくらした体型になっているんですね。痩せていては筋肉は育ちません。

 ボディビルダーはダイエットの専門家だ、とバズーカ岡田先生は自身のYouTubeチャンネルで語っています。彼らは太るべき期間と痩せるべき期間のサイクルを計画的に回しているプロなんです。

 これは余談ですが(※ この記事に余談じゃない部分なんてあるのか?)、ガリベンガーVイベントのライティングに助けられたというお話もありました。
 舞台照明というのは、客席のどこから見ても登壇者の姿がよく見えるよう、合計数千ワットにもなる猛烈な光量のライトを舞台上に当てています。ですが、その数千ワットを全部正面から浴びせてしまうと今度は登壇者の顔から陰影が消えて、のっぺらぼうになってしまうんです。これを避けるため、舞台では正面からだけではなく、頭上、足元、真横、斜め前など、様々な方向からライトを当てて、細かな陰影を浮かばせるようにすることで、登壇者が立体的に見えるようライティングを調整しています。
 陰影を強調させるライティングだったからこそ、多少キレが足りていないコンディションであっても筋肉を美しく見せることができたというお話ですね。

トピック1:どうして肩が凝るの?

 「たぶん、年齢を重ねるにつれていろいろ知識を詰めこんでいくと思うんですよ。学べば学ぶほど脳みそが増えて頭が重くなるから、だから支えている肩さんが疲れちゃうんだと思う」
 実は肩こりの歴史とは人類の歴史そのものです。四足歩行する動物に肩こりはありません。人類は二足歩行するからこそ肩こりに苦しめられるようになったのです。
 そして人類が二足歩行するようになった目的(※ 進化の選択圧)として考えられている説のひとつが、重い脳を背骨で支えるため、というものです。以来、人類は立っている間、体格に不釣り合いなほど巨大な脳の重さを肩に負担させがちです。
 なお、人間の脳は生まれたばかりのうちはおよそ400gほど。それが成人する頃にはおよそ1400gにまで大きくなります。必ずしも多くの知識を学んだから大きくなるというわけではないでしょうが、赤ちゃんと大人とでは単純な知識量にも、思考力や表現力にも天地ほどの差があることに疑いを持つ人はいないでしょう。

 「やっぱり、胸が大きいからちょっと肩が凝っちゃうかなって」
 巨乳は肩が凝りやすいというのはよく聞く話です。Eカップで両胸合わせて1000gほどになるといいますね。
 四六時中重たいものをぶら下げていたらバランスを取るために背筋が鍛えられるのでは?と、ちょっと思ったのですが、どうやら胸の大きな女性の背筋力が強いというデータは特に無いようです。むしろ猫背が多いんだとか。

 「めめめはね、ゲームしてると肩こるんだよね。だから、ゲームしてるとさ、腕動かさないじゃん。だから、肩を動かさないからスリープモードに入っているんだと思う」
 肩こりの歴史とは人類の歴史そのものです。四足歩行する動物に肩こりはありません。
 人類が二足歩行するようになった目的として考えられている説のひとつに、両手を使ってものを運ぶため、というものがあります。手でものを運んでいるとき、両腕の動きは基本的に固定されます。動かさないでいると、まあ、必然的に肩が凝るんですよね。

 「ん? スリープモード?」
 「うん。電脳少女たちはね、止まったりエネルギーを使わないモードをスリープモードって呼ぶんだよ」

 エラい懐かしいワードが出てきました。ご存じでしょうか。初期の電脳少女シロには“スリープモード”というモードが本当に実在していたことを。
 いつもの動画(※ 最近ご無沙汰中)で見られる元気いっぱいな様子は“アンリミテッドモード”。一方の“スリープモード”というのはtwitterでBOTとして活動している状態のことでした。初期の電脳少女シロのtwitterにリプライを送ると、寝言みたいに奇っ怪なメッセージが返ってきていたそうです。あまりにもぽんこつ人工無能だったからか、いつからか彼女はスリープモードにならなくなりました。不夜城少女シロ。
 (※ ちなみに私はその時代のことを自分の目で見ていたわけではありません。)

 「だから、さっきバズーカ先生がおっしゃってた『冬眠する時期がある』っていう、それはスリープモードだと思う」
 「俺たちは全然スリープしてないけどね。めちゃくちゃトレーニングしてる。全然同じじゃない。一切。全然違う。執念燃やしてトレーニングしてますからね。むしろ情熱で煮えたぎっています」

 そういえばこの先生、第52話の仕事場訪問で(大胸筋の)広がりをつけるトレーニングで新しい発見があったんで。この自粛期間中に」と、ウッキウキで語っていましたね。「変わらずというか、むしろ今まで以上に激しくトレーニングができるいい期間だなと思っています」とも。どっちだよ。(※ どっちもだよ)

 今回先生が用意してきたキーワードは「筋緊張」。3人の回答のなかではもこ田めめめのものが一番近かったでしょうか。
 人間の身体は背骨で脳の重さを支えるようにできています。ですが、これがたとえば前傾姿勢になるなどすると、重心が背骨のラインから外れてしまいます。こうなると脳の重さは背骨以外のもの、つまり肩周りの筋肉で支えなければならなくなります。
 また、前回のバズーカ岡田先生の授業でも学びましたが、力がかかっている(=緊張している)筋肉は横方向に膨らみ、固くなります。こうなると大きな筋肉周りの血管が圧迫されて血流も滞ってしまい、受け取れるはずだった酸素や栄養素は届かず、疲労物質もスムーズに流せなくなってしまうんです。これが肩こりの正体。
 ただでさえ力のかかっている筋繊維は次第に断裂していきますので、これを再生させるための酸素や栄養素が届かない状態が続いてしまうと、治りの遅い古傷と同じ、じわじわと長く痛みを感じるようになってしまうわけですね。

 いわゆる四十肩も元の原因が急性の炎症であること以外、原理としては同様。動かすと痛むのでできるだけ動かさないようにしようとしてしまうと、筋緊張が起こり、症状が悪化したり治りも遅くなったりするんですね。悪循環です。

 そういうわけで、歳を取ると前傾姿勢がマジ辛くなってきますので、モニタが手元にある携帯ゲーム機よりテレビに映せる据置型ゲーム機を好むようになります。もっというと両手でコントローラーを握ることすら苦痛な場合もあるので、Nintendo Switch ジョイコンの分離させて持つスタイルはもっと流行るべき。

 肩こりの最も根本的な改善方法は姿勢矯正です。先ほどから書いているとおり、肩の筋肉に負担をかけず脳の重みを支える最善の方法は背骨に乗せることですから。

トピック2:どうしてO脚になるの?

 「なんか、足を組む癖とかがよくないって注意されたことがシロあって、なんか交互に同じだけ組みなさいって言われた理由が、そういう癖があると重心がズレちゃって外側に足が向くのかなって思った」
 あとで先生が言うように、そもそも足を組むこと自体、足の内側と外側での筋肉負荷をいびつにしてしまうので、交互だろうが何だろうがどちらにせよ非推奨です。また、猫背の原因にもなります。片側だけで足を組む場合はさらに、野球で利き手だけで投球練習するのと同じで左右のバランスも悪くしてしまう結果にもつながります。

 「なんか、歳を取っていくとどんどんO脚になってコンパスの足みたいになるって人間様は聞くって」
 歳を取ると膝軟骨がすり減りやすくなるため、もともとO脚傾向のある人は悪化の進行が早くなります。足の重心がずれているせいで膝軟骨が偏ってすり減り、あとは四十肩と同じで痛むから余計に変な姿勢になっていってしまう悪循環ですね。

 「あのねー。内股になるじゃん、女の子は。内股のせいで、こう、足に癖が付いちゃった。ってこと?」
 聞かれても困る。
 内股もO脚の原因のひとつです。足首を内側にねじると外側の筋肉に負荷がかかるため、内股を続けているうちに筋肉の付きかたがだんだんいびつになっていってしまうんです。

 先ほどの肩こりのお話でも、前回の授業でもそうでしたが、バズーカ岡田先生の解説する筋肉の仕組みはとてもシンプルです。
 使った筋肉は疲労し、鍛えられる。
 使わなかった筋肉は痩せ細る。
 それだけ。

 この理論に当てはめると、O脚とは足の外側の筋肉だけ鍛えられ、内側の筋肉が細って重心バランスを崩してしまっている状態ということになります。というわけで、先ほどの3人の回答どれもが正解。以上。

 原因がシンプルなので改善する方法もシンプルです。内側の筋肉を重点的に鍛えたらいい。以上。
 普通の人はもともと外側に負荷をかけて歩いてしまいがちなので、親指で地面を蹴ることを意識するとちょうど重心にまっすぐな歩きかたができるようになるとのことです。

 「ちょっとした意識の違いで筋肉の使うバランスを変えられるんで、日常生活から生かしたほうがいいと思います」

 ボディビルダーのかたがたがやたら筋肉の名前に詳しいのって、筋肉への倒錯した愛ゆえに、というわけじゃなく、具体的な筋肉を意識しながらトレーニングしたほうが効率がよくなるかららしいですね。そういえばリングフィットアドベンチャーさんも同じことを言っていました。

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