ポプテピピック 第12話感想 「________」

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それこそが大人ってもんだ。文句言うな。誰も文句言ってないだろ。君以外は。がんばってない証拠だぞ。

―― 模範的アニメ視聴者。

 ポプテピピックとともに耐え忍んだ今年の冬の寒さ、忘れません。(4月までは)
 ポプテピピック放送中にベーコンをつくった回数、忘れません。(たしか2回)
 ポプテピピックの前に見ていたプリキュアの面白さ、忘れません。(録画勢)

 私にとってポプテピピックとは結局何だったのでしょうか。
 少なくともクソアニメではありませんでした。
 そもそもアニメだったかどうかも疑わしい。
 毎週エンドレスに流していましたが、通しで画面見てたの正味2回かそこらだし。

 ただ、空気のような存在ではありました。
 そこにあって当たり前というか。
 目に映っても特に気にならない存在というか。
 来週からはこれがなくなってしまうんですね。
 来週からはフツーに部屋の中の空気がポプテピピックの役割を代替するものと思われます。
 こないだ空気清浄機を買いました。

 いかにポプテピピックを楽しむべきか、最初はたくさん考えました。
 考えた果てに、私にとってポプテピピックは空気になりました。
 思えば初回放送を見たときから一切何の感情もわき上がってきませんでした。
 クスリともしませんでしたね。
 ですが、なんか心地よかった。
 ポプテピピックを流しながらネットサーフィンしたり、枕に顔を埋めてどうでもいいことを考えたり、部屋から離れて明日のお弁当をつくったり。
 そういうものすごくザツな接し方をしながら、たまにふとポプテピピックを流していたことを思い出し、そして泡沫のごとくすぐさま忘れる、そんな製作スタッフに対して失礼千万な距離感を気に入っていました。

 我ながらアンチなのかアンチごっこしているだけなのかよくわかりませんでしたけどね。

 アニメ視聴者はアニメに対して真摯になるべきです。
 アニメ視聴者はアニメに主体的に取り組むべきです。
 アニメがつまらないのはあなたがつまらないからです。
 あなた自身が楽しむための努力を怠っているからです。

 その意味において、私はポプテピピックの良い視聴者であったとはいいがたいです。
 もっとーー何か、今の私には想像もつかない大々的な思考の転換を行えたなら――もしかしたら毎週腹を抱えて大いに笑えていたかもしれません。
 ですが、それはそれとして、結局のところ私は今のままのポプテピピックも好きでした。

 私は私なりにポプテピピックとの付き合い方を考えて、私にとって一番心地良いかたちでポプテピピックと同じ時を過ごすことができました。
 たぶん他のアニメだろうが部屋のなかの空気だろうがどんなものでもポプテピピックの代替はできたでしょうが、現実として私がこの冬をともに過ごすパートナーに選んだのはポプテピピックでした。
 私はポプテピピックと出会えて幸せでした。

 私にとってポプテピピックとはそういうものでした。
 あなたにとってポプテピピックとは何だったでしょうか。
 それが良いものであったならいいなと、私はまるっきり他人事としての立ち位置でのんべんだらりとあなたの幸せなアニメ視聴体験をお祈りします。

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