ひろがるスカイ!プリキュア 第1話感想 世界の理を越えた少女の、世界の理を越えた夢。

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相手がどんなに強くても、正しいことを最後までやり抜く。それがヒーロー!

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「わたしがヒーローガール!? キュアスカイ参上!!」

大きな出来事

メインキャラクター:ソラ(初変身)

目標

 スカイランドのプリンセス・エルがカバトンに誘拐されてしまった。ヒーローを目指す者として助けなればならない。

課題

 カバトンは別世界へ逃げる力、怪物・ランボーグを生み出す力を持っており、救出を為し遂げるには尋常ではない覚悟を必要とした。

解決

 ソラにはヒーローを目指す強い信念があったため、震える手足を抑えて前へ進むことができた。その凄絶なまでにまっすぐな意志にエルちゃんの力が呼応し、プリキュアに変身することができた。
 なお、エルちゃんを保護することはできたものの、スカイランドへの帰りかたはこれから探すことになる。

バトル

苦戦

 オナラによる奇襲、目つぶしの魔法からの重撃でそれぞれピンチに陥った。
 また、カバトンのワームホールに飛びこむとき、ランボーグに立ち向かうときのそれぞれでソラは恐怖を感じた。

勝利

 大切なヒーロー手帳を破られ、信念を侮辱されても挫けず立ち上がったソラがプリキュアの力に目覚めた。変身後はまったく危うげなくランボーグを圧倒。

ピックアップ

ソラ・ハレワタール

 簡素な貫頭衣に柔らかな足袋、大きなバックパックという出で立ちのソラは、もともとスカイランドの住人ではないらしい。山で修行でもしていたのだろうか。
 そんな彼女が傷ついても世界を渡ってまでもエルちゃんを救おうとしたのは、愛国心でもなんでもなく、ひとえに「ヒーローは泣いている子どもを絶対に見捨てない」という自分でヒーロー手帳に書いた信念を貫くためだった。

「ヒーロー」

 ソラにとってヒーローとはどんなときでも弱さを見せることなく正しさを貫く存在らしい。
 実際恐怖を押し隠してランボーグに立ち向かってみせたわけだが、その割に自分がヒーローをやれているかというとそこまで自信はないようだ。『ヒーリングっどプリキュア』花寺のどか同様、理想が極端に高いタイプなのだろう。

小悪党・カバトン

 所属する組織などは不明。人並み外れた膂力を持ち、ひとりだけ魔法の力を自在に使いこなす。切り札は臭いおなら・ウェルカムトゥ屁ヴン。自信家で「俺TUEEEEE」だの「お前YOEEEEE」だのよく煽る一方、自分が形勢不利になったとたん小心者が顔を覗かせる一面もある。
 要するに絵に描いたような卑怯者。強いくせに器が小さい。信念だけ一丁前な弱者の心を折るために存在するといわんばかりのキャラ造形になっている。

スカイランド文字

 英語アルファベットを置き換えるタイプの創作文字。ただし、文章は日本語ローマ字表記の子音(アイウエオのみ母音表記)のみで綴られている。
 たとえば「わたしのひーろーてちょう」は「WTSNHRTC」となる。
 『魔法つかいプリキュア!』の魔法文字が文量に対してスペースを大きく使いすぎていたことを反省しての措置だろうか。解読してみたところで文意の読み取りはなかなか困難になると思われる。

 とはいえ、あとで解読記事は出します。

 プリキュア史上初、青色が主人公を務める物語が始まりました。
 たまに勘違いしている人がいるんですが、女の子の好きな色といえば必ずしもピンクというわけではありません。実はピンク色と水色とで人気を二分しています。

 ↑は株式会社学研所属の学研教育研究所が出した2018年調査で、小学生を対象にしたものなんですが、同研究所の中学生・高校生対象調査でも似たような結果になっています。(加えて2011年小学生対象調査でも同じような結果が出ています) 色の好みって年齢層を超えて意外と普遍的なんですね。

 また、webサイト『ランドセルナビ』を運営している株式会社エデュスタイルが出している2023年調査によると、今度はレッド>ピンク>ブラウンの順で人気色がおおむね拮抗しているという結果も出ています。一言で「好きな色」といえど、子どもたちがTPOごとに色を使い分けている傾向が窺えます。

 いずれにせよ、「女の子ならピンクが一番好きに決まってる!」というのは先入観にすぎないということですね。
 ただし、その逆で「女の子は別にピンクが好きじゃない!」というのもはっきりと間違いなのでそこは誤解なきよう。他の色と人気を競り合ってはいますが、ピンク色も1,2を争う人気色なのは間違いありません。

 ところでシリーズ構成、金月龍之介さんかよ!?
 プリキュアシリーズでいうなら『映画ヒーリングっどプリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!』の脚本を務めたかたで、個人的には初期『テイルズオブ』シリーズのドラマCDの人として思い入れ深い作家さんです。
 ややキザったらしい、気の利いた印象的なセリフで見得を切らせることが多い作家さんですね。作品傾向はどちらかというと暗め。自分の信念に苦しんだり、一度挫折してしまったりした登場人物たちが、それでも泥臭く理想を追い求める様を上手に描写してくれるイメージがあります。『映画ヒーリングっどプリキュア』でも花寺のどかと敵役双方に初心を貫徹させていたのが好印象でした。

 ソラ・ハレワタールも第1話にして今後たくさん苦悩することになりそうな描写が多く目立ちましたね。
 いくらなんでも理想家が過ぎる。ストイックさでいえば花寺のどかも大概でしたが、ソラに至ってはまず自分がストイックであることすら認識できていないきらいがあります。「やって当たり前」「できて当たり前」だと思ってませんか、あの子。しかも自分だけ。
 今後メタメタに苦労するであろうことは想像に難くありませんが、まあ、見守りましょう。東堂いづみは性格は悪いですが、最後にはちゃんとプリキュアの女の子を幸せにしてくれる、心優しいストーリーテラーでもあります。

ヒーロー・ガール

 「ソラちゃん、だっけ。一緒に逃げ――行っちゃダメ! ・・・震えてる?」
 「・・・相手がどんなに強くても正しいことを最後までやり抜く。それが、ヒーロー!」
 「あっ。待って!」

 ましろから見たソラはすでにヒーローであるように思えました。
 突然空の上から現れた不思議な女の子。明らかに中学生がどうにかできる相手ではない怪物に立ち向かう、その勇姿。しかも本当は体が震えるくらい怖がっていて、勇気ひとつで自分を律してみせている。
 倒れても侮辱されても、負けない、泣かない、挫けない。

 「大丈夫。パパとママのところに、おうちに帰ろう」

 カバトンから見ても彼女は正気のものとは思えませんでした。
 正直、負ける要素がほとんどない相手でした。YOEEEEやつでした。正面切って戦えばカバトンにパワー負けしているのは間違いなく、小手先のテクニックで翻弄してはくるものの性格は愚直。搦め手を弄する卑怯さという点でもカバトンに劣るのは明らかでした。
 屈辱を与えました。愚弄しました。力の差をはっきりと知らしめたうえで、しつこいくらい面罵してやりました。
 なのに、心が折れない。

 この世のものとは思えませんでした。
 ただの人間とは思えませんでした。

 そんなふたりですらまだ知らないことがあります。
 彼女はスカイランド人ではありません。今助けようとしているエルちゃんとは縁もゆかりもありません。エルちゃんが王族だから守るべき義務を感じているというわけですらありません。
 彼女はただ、自分の信念に基づいて、やるべきだと思ったことをやっているだけ。
 他の誰も、王城の兵士たちやましろも含めて、彼女ほどのことはできていないにも関わらず。

 「ヒーローの出番です!」

 誰にもできないことをひとりだけやっているはずのソラは、なのに、それを貫くことがどんなに辛くたって、自分ひとりだけが割を食っていたって、少しも諦める気がない様子でした。

 異常でした。
 プリキュア――ホンモノのヒーローの姿に変身したって、彼女だったら納得できてしまうほどに。

 「――怪我はありませんか?」
 「え? ・・・あなたこそ。あの、ねえ、ソラちゃん。あなたってヒーローなの?」

 そうだと言ってくれなければ納得できないくらい、ソラ・ハレワタールは完璧なヒーローでした。
 強きを挫き、弱きを助け、どこからか現れ来ては勧善懲悪を成してどこかへと去って行く、正義の体現者。物語に登場する“そういうシステム”。この世の理不尽を正すための理不尽極まる調整装置。だからこそ正義は必ず勝つ。

 なのに、彼女は自分がヒーローなのかどうかわからないのだといいます。

 少なくとも彼女自身は、自分は人間のつもりのようでした。

憧れ広がる空の光へ

 「こ、この穴は・・・? ああっ! ――待ちなさい! ヒーローは泣いている子どもを絶対に見捨てない!」

 実際、ソラはひとりの人間でした。
 怖いものは怖い。ただ、怖がっていては叶えられない夢があるから、虚勢を張ってがんばっているだけ。

 それがどんなに異常なことなのか、今の彼女はまだ知りません。
 「やらなければいけないこと」と「できること」は違います。「やりたいこと」とすら違います。
 純粋な夢はやがて絶望と苦痛にぶつかり、繰り返すその現実を怖れていつしか歪曲するか、あるいはすっぱり諦めてしまうもの。辛さを味わいながら純粋さを失わないソラのような人間はこの世にそうそういるものではありません。

 プリキュアを除いて。

 プリキュアとは、子どもたちが夢見る理想の前借りです。
 大きくなったらああなりたい、こういうことをしてみたい。
 そういうあどけない夢を、変身しているわずかな時間の間だけ不思議なパワーで実現させてくれる、うたかたの魔法です。
 本来子どもの姿のままでは絶対に実現できないことが自分でもわかっている夢だからこそ、彼女たちは正体を隠しながら、密かに夢現の境界で自己実現を楽しむんです。

 たとえば『デリシャスパーティプリキュア』の和実ゆいがそうでした。
 お婆ちゃんが教えてくれたおいしい笑顔。それを自分の手で実現できずにいる現実が悔しくて、今、目の前で料理の妖精を泣かせてしまっている自分の無力さがもどかしくて、助けてあげたくて。だから彼女は今の自分に足りない力を必要としました。

 たとえば『トロピカル~ジュ!プリキュア』の夏海まなつがそうでした。
 今、自分が一番大事だと思うことをやりたかった彼女。なのに理不尽にも何者とも知れない怪物が、まなつが友達になろうとしていた女の子を苦しめていました。新しい友達と一緒に、今、トロピカりたい。そんな些細な願いごとを叶えるのにさえ、そのときの彼女は超常の力を必要としていました。

 たとえば『ヒーリングっどプリキュア』の花寺のどかがそうでした。
 未知の難病にも諦めず寛解まで治療してくれたお医者さん。そんな彼らの限りない優しさに少しでも報いたくて、彼女は身のまわりのあらゆる人に優しくあろうと誓っていました。そんな彼女の前で、今、ひとりの妖精が自分の無力さに泣いていました。のどかひとりが手を貸したところで足しにもならない絶対的な力不足。彼女には今すぐ夢を叶える力が必要でした。

 彼女たちには今すぐ力を得られなければ夢に絶望するしかない瞬間があって、それでも絶対に夢を諦めたくなかったから、プリキュアになるしかありませんでした。
 夢を諦めないこと、理想に妥協しないことこそが、プリキュアになるための絶対条件です。
 現実にはプリキュアなんて存在しません。それでも、現実の理を曲げてでも夢を叶えなければならなかったから、彼女たちはプリキュアになれたんです。

 そしてそれは、ソラ・ハレワタールも同じこと。

 「何かが始まる空の気配。確かめるように手を伸ばしたら、希望という光つかんでた。秒でキャッチ! キャッチ!」(OP)

 事情はまだわかりませんが、ソラはヒーローになりたいと志しました。
 ヒーローたるべく日頃からふるまっていて、だけど結局のところ、今の彼女は力不足の弱者でしかありませんでした。
 力では悪党に敵いませんでした。
 頭を使っても悪党に出し抜かれてしまいました。
 必死の決意で諦めず追いかけたところで、悪党のほうも諦めずソラを追い詰めにかかるのでは意味がありませんでした。

 力が必要でした。
 ヒーローになりたいのだから、ヒーローたる力が。
 今すぐに。もし届くなら秒でキャッチしたくてたまらないほどに。ほんの一歩先でもいい、今自分がいるところよりわずかに遠い高みへ、この手で掴み取れる先の未来へ、たった今この瞬間。
 現実のありとあらゆる理不尽を超越する、この世で最強の理不尽。

 「ねえ、ソラちゃん。あなたってヒーローなの?」
 「うーん・・・。私にもわかりません」

 今日手に入れたヒーローの力は自分のものではありません。あくまで仮初めの力。うたかたの夢。今の自分の力不足はソラ自身が一番よくわかっています。

 でも、じゃあ、力さえ手に入れられればソラはヒーローになれるのでしょうか?
 ソラはそれもよくわからずにいます。だってほら、自分のものではないとはいえ、今、ソラはヒーローを行うに充分足る力を預かっているわけですから。それではっきりと「自分はヒーローだ」と明言できないあたり、彼女自身なんとなくそういうものじゃないと感じてはいるのでしょう。

 ソラがヒーローになるためには何が必要なのでしょうか?

 ほとんどヒーローそのもののような精神性。
 ヒーローを目指すまっすぐな意志。
 仮初めとはいえ得られた力。

 違う。そうじゃない。
 なんとなく、自分の理想は全然そういうものじゃない。
 憧れていた夢はまだ現実に叶えられていない。
 私は私にまだ満足していない。

 ヒーローに憧れるソラの物語が、今、ここから始まります。

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    コメント

    1. ピンク より:

      ミラージュペン→スカイミラージュの変形ギミックに感心しました(玩具は別売)

      今年のプリキュアはこりゃまた日曜朝に相応しい、爽快感あふれるスタートでしたね。
      これから頼れる仲間たちと出会って、強敵と戦って、1話Aパートから既に殆どヒーローにしか見えないソラの物語がどう展開していくか楽しみです。

      ましろんがちょっと臆病な子みたいですが、そんな彼女がプリキュアになるエピソードはきっと素晴らしいものだろうな……と、今から期待してたり。

      • 疲ぃ より:

         オモチャを見ただけだとなかなか気付きづらい羽が割れたデザイン!
         全面的にヒーロー押しの作風なのに変身バンクだけステージアイドル風なのもまたいいですよね。(あのバンク見るまでマイクじゃなくてハンディ扇風機だと思っていたのはここだけの話)

         あの手この手で心をへし折りに来たカバトン相手に平然としていられるのは夢追い人にあるべき精神性じゃないのよ・・・。
         ソラが何を心の拠り所にしているのか、そんな彼女とましろがどうやってパートナーシップを組んでいくのかが楽しみです。

    2. 亀ちゃん より:

      今日は記念すべきひろがるスカイプリキュアの第1話でした
      王族が「これから(助詞)」とシックリ着たセリフを発しました
      これからは…と来るとプリキュア的に感慨深いセリフが続いたと言えます
      キュアホワイトソックスはキュアアイドルギャンブラーに対して「これからは☆☆ちゃんも私のことは必ず○○○って呼んで」と言い放ったことからプリキュア的に感慨深いセリフと言えますね!!☆☆♬
      他にもシックリ着たセリフはいつくかあったような気がしますが忘れました!!(笑)
      で、次回はキュアスカイが1人でランボーグを浄化する話ですね
      ランボーグの由来はGo!プリンセスプリキュアのやられ役=ゼツボーグをモジって誕生したやられ役の名前とも言えるでしょう
      で、最近の女児向けプリキュアは第1話でやられ役を浄化後、第2話もたった一人でやられ役を浄化する話が本当に多いですね
      つまり第3話で2人目のデビューというパターンも多く、第3話が本当に2人目のデビューに期待値があります

      • 亀ちゃん より:

        書き忘れていたことがあるので、改めて書き込みます
        第3話でもキュアスカイでランボーグを浄化する話になる可能性もありますね!!
        そうなるとプリンセス・エルを主流にした話になること間違いありません
        HUGっと!プリキュアにて、キュアアンジュがデビューすると、はぐたんの機嫌取りを挟んだこともありましたので

        >で、なおさら書き込み忘れたプリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談で
        今年の節分は広島県府中市のJR府中駅前のローソンで、恵方巻みたいな節分ロールを引き取ることに成功しました
        で、首なし地蔵には『この日ローソンで買い取った恵方巻みたいな節分ロールをお母様が食べた時に美味しいと言ってくれますように』ってな感じで天に祈りを込めました
        で、昨日は立春でお母様が食べると美味しい・美味いと言ってくれました!!☆☆♬
        だから近いうちにローソンの本社に電話して、つながるとこのことを報告する気がマンマンなのです!!☆☆♬

      • 疲ぃ より:

         OPの歌詞を読むにおそらく敵サイドのコンセプトは”イライラ”。アンダーグ(under=自分を低く見る?)エナジーを受けてランボーグ(乱暴)になってしまう者たちといったところでしょうか。ソラたちがまっすぐ夢を追いかける側なのに対して、夢を諦めたフリして心にイライラを燻らせる人たちってイメージ?
         『Go!プリンセスプリキュア』も叶いっこない夢に絶望したくなる思いと戦う物語だったので、対立軸としては似ているかもしれませんね。

    3. 東堂伊豆守 より:

      史上18人目の主人公プリキュア、ソラ・ハレワタールにとっての「ヒーロー」とは……10人目主人公・春野はるかにとっての「プリンセス」と同じようなもの、なんですかね?
      そも……花寺のどか、夏海まなつ、和実ゆいの3人にとっての「ヒーロー(プリキュア)」とは、あくまでも当時彼女達が直面していた具体的で切迫する事態を解決するために必要とした“手段”であって、この3人に「ヒーローになりたい」という意識(願望)はなかったんですよね。
      ところがソラ嬢は「ヒーローになりたい」という願望の持ち主で、彼女にとっての「ヒーロー」とは“(人生をかけた)目的”であり単なる“手段”ではなかった。この点で、3人の先輩方とは大きく異なる目的意識を持った人物だったりする。
      正直、辛辣な言い方をすれば、ソラ嬢のやっていることは「ヒーローごっこ」とか「ヒーローコスプレ」の延長線上にあるものであることを否定はできないわけで、河馬豚氏がソラ嬢に侮蔑的態度を向けたのも故なきことではなかったりするんですが……まあそれでも、ソラ嬢が「ヒーロー」になるために積んできた心身の鍛練が彼女を大いに成長させてきたことは間違いないようですし、何より彼女は「拉致されて泣いている赤ん坊を救いだす」という“実績”をきっちり上げてみせたわけで、ヒーローごっこもここまで究めてみせれば、褒められこそすれ、そしられる謂れはないと言えるのでしょう。
      ……とりあえず、今のところは。
      ところで、
      「ヒーリングっどプリキュア」以降恒例となった「オープニングのシメ(放送局・広告代理店・制作会社がクレジットされる部分)がプリキュア姿ではなく普段の姿」という演出が今回も踏襲されたわけですが、「ヒーロー願望の持ち主」を主人公に据えた今作に於いても「本作の主人公はヒーローではなく、あくまで普通の人間」という主張を感じさせる演出を踏襲してきたのは、なかなか興味深いところ、でしょうか。

      • 疲ぃ より:

         たぶん出発地点は『Go!プリンセスプリキュア』春野はるかと同じところだと思いますね。誰もがごっこ遊びの延長線上だと思うことに本気になって取り組んでいるという意味で。
         ただ、はるかにとってプリンセスは現実に叶えることがほぼ不可能な概念だった(それを理解したうえで諦めなかった)のに対し、ソラにとってのヒーローは現実に叶えることが可能な概念として認識されているっぽいのが彼女の危うさですね。
         なにしろ具体的に憧れている人が実在しているみたいですし。そういう意味だと、命の恩人たるお医者さんに過剰な高潔さを思い描いていた『ヒーリングっどプリキュア』花寺のどかっぽい部分もあると思います。

         OPはシメひとつ前の旅人装束に身を包んだ背中がいろいろ示唆的だなあと。
         それを見つめるましろにとっては孤高の超人のように見えるでしょうし、ソラ本人にとっては孤独で果てない道半ばなわけですよ。はてさて、これからパートナーになるふたりの心情はどう変化していくのか。

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