わんだふるぷりきゅあ! 第27話感想 ツチノコなんかに必死になっちゃって。

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ありがとね、ユキ。怖かったのにがんばってくれてカッコよかった。

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「ツチノコに会いた~い!」

大きな出来事

メインキャラクター:ユキ

目標

 ツチノコのガルガルからまゆを守る。

課題

 こむぎたちに誘われてツチノコ大捜索大会に参加することになったユキとまゆ。この手の催しものには普段からやる気を見せないユキだったが、実はユキはヘビが大の苦手。なおさらやる気にならなかった。

 あろうことか今回はガルガルまでツチノコで、ユキ以外のプリキュア全員が石にされてしまった。

解決

 まゆを置いて逃げるわけにはいかないため、覚悟を決めてガルガルと戦った。目をつぶって戦えば怖くない、怖くない。

バトル

苦戦

 ツチノコのガルガルが相手。目を合わせると体を石にされてしまうという特殊な力がある。もともとヘビが苦手でバトルに消極的だったユキ以外、全員石にされてしまった。

 ついでにいうとニコ様の卵が丸飲みにされてしまったのだが、バトルには何の影響もなかった。

勝利

 まゆを守るため覚悟を決めたユキが目をつぶりながら戦うも、どうしても撫でたくないため決着には至らない。そんなとき悟が巣穴の天井を掘り抜いてガルガルに直射日光を浴びせ、まゆたちの石化を解除した。

ピックアップ

鷲尾町長

 「エー。今年もこんなにたくさんのかたがネ、参加してくださったこと、アノー、嬉しく思います。エー、みなさんにアノ、楽しんでもらうことを目的に始まった当イベントですがネ、一番楽しみにしているのは――、このワシだー!!!!! カッカッカッカッカ! 鷲尾だー!!」

 アニマルタウンの住人、自分の名字に魂を支配されてる人多すぎない?
 というかアニマルタウンってこれだけ栄えているのに行政上の扱いも「町」なのね。(財政基盤が盤石だからこそ平成の市町村大合併から逃れられたという考えかたもできる)

 元ネタはプリキュアシリーズの名物プロデューサー・鷲尾天。見た目も話しかたもそっくり。

 「エー。参加者のみなさーん。おつかれさまでしたー。今回も残念ながらツチノコは見つかりませんでした。ウチの子は見つかりました」

 ・・・さらっと流してるけどウチの子って何!?

フルーツサンド

 キウイの粒がやたらちっさい。・・・ということは、もしかしてこれキウイじゃなくてサルナシだろうか? コストコでたまにベビーキウイという名前で売られているやつ。
 ちなみにキウイもサルナシもマタタビの仲間。微量ではあるがマタタビラクトンが含まれているため、好んで食べたがる猫は多い。

 食中毒リスク云々は以前散々書いたので割愛。

猫はヘビが苦手?

 イエネコの起源は紀元前7500年ごろにリビアヤマネコが家畜化されたものだというのが定説である。リビアヤマネコの原産地は砂漠地帯でヘビが多かった。ある程度大きなヘビならヤマネコも捕食するため、猫の遺伝子にはかつて天敵だったヘビへの本能的な苦手意識が刻まれているという。

 ・・・が、実際のところ猫のためのおもちゃとして蛇を模したものが広く販売されていることからもわかるとおり、猫が本当にヘビを怖がるかというと個体差が大きい。地域によっては猫が本物のヘビを狩って飼い主に見せびらかしに来るという話もよく聞く。
 そもそも野生動物が天敵を怖れるのは遺伝子に刻まれた本能というより、親子間で継承される後天的な知識による部分が大きい。天敵のいない人工環境下で何世代か飼育された動物は、哺乳類だろうが昆虫だろうが、天敵に対する警戒が薄れる傾向にある。本能というものは動物の脳において、一般に想像されているほど強い支配力を持っているわけではないのだ。

ツチノコ

 日本で最も有名なUMA(未確認生物)。日本全国に目撃例があり、古くは縄文時代の土器にもツチノコの絵が描かれていたという話も。ただし、非常にすばしっこく、捕獲された記録だけはない。
 見た目はずんぐりしたヘビのようだが、シャクトリムシのように体を屈伸させて移動するとか、2m以上の高さまで跳びはねるとか、坂道を転がって猛スピードで獲物を追いかけるとか、毒霧を噴射するとか、どこまで本気なのかよくわからない謎の生態が色々と語られている。『妖怪ウォッチ』や『地獄先生ぬ~べ~』などのホラーを題材にした作品で妖怪として扱われることも多い。
 また、日光を苦手としており、昼間は巣穴に篭もっていて夜間に活動するとされる。

ヘビの丸飲み

 ヘビの顎骨は左右に分かれており、さらに上下の接続もバネのような構造になっているため、見た目の何倍も大きく開くことができる。肋骨も大きく開閉できる構造で、これによりヘビは自分の断面積の何倍も大きい獲物であっても丸飲みしてしまう。飲みこんだ獲物は数日かけてゆっくり消化する。
 大物を丸飲みしたときの異様な姿からツチノコ伝説が生まれたという説も。

 なお、鳥の卵だけを狙って丸飲みするタマゴヘビなんて種までいる。いくらヘビの胃液が強力だといってもさすがに炭酸カルシウムを溶かすことはできないため、飲みこむとき喉の骨で卵殻に穴を空けて、中身だけを消化吸収しているようだ。消化後は卵殻だけ吐きだす。
 ・・・なんというか、無事で本当によかったね、ニコ様。

石化

 ツチノコは一応実在する生物とされているため、こういうファンタジーな能力を持つという説は一般的ではない。(毒霧はファンタジーじゃないのか?)

 ゲームやアニメでもあまり見ない設定なので類似の例を少し探してみた。2010年に放送された『天装戦隊ゴセイジャー』において、“ツチノコのト稀ヅ”という怪人の毒を受けたヒーローが石化したエピソードがあるらしい。
 たまたま東映つながりで見つかったがたぶん関係はない。

 プリキュアの夏。弱点暴露大会の夏。

 なんか去年もこんなフレーズを書こうとしていた記憶があるのですが、そういえばそうだ、去年も夏休み期間にソラ・ハレワタールのおばけ嫌いが明らかになったんでしたね。一昨年は2名ほど宿題に苦戦していました。それからその前の年もおばけ嫌い。

 夏休みだしツチノコだし、と予想していたよりは案外マジメなエピソードでした。
 ユキは何でもソツなくこなせる優等生。こういう子はどうせいつも褒めそやされてばかりなんだから、こういう隙を見せたときくらいイジってもいい――、なんて思わず、どうかちゃんと褒めてあげてくださいね。
 普段から優等生をやってる子って、ちゃんと“努力したこと”に気づいてもらえる機会がなかなか無いので。

かわいいのはわかるけどカッコよくない

 「今日のためにみんないっぱい準備してきてるからね」
 「あなたもね」
 「ギクッ」

 今日は「ツチノコ大捜索大会」とかいう胡乱なイベント。
 オカルトに片足半つっこんでいるのであまり本気になるのも少し気恥ずかしいような気がしますが、第2話や第15話などで語られているとおり、悟はもともと絶滅動物と未確認生物に強い関心がある子です。将来は生き延びた絶滅動物を見つけてみたいと思っています。そんなわけで今日はでっかいガンマイクを持ち込むガチ勢の一角。恥も外聞もなく全力でがんばります。
 マイクがクソデカなのにシャベルは園芸用の小さいやつっていうのもポイント高いですね。一般に、遺跡の発掘現場なんかで使われるのもこっちの小さいタイプです。雑にまとめて掘り返すと土に埋まった遺物を損傷しかねないため、少しずつ慎重に掘る必要があるのです。悟はツチノコが土のなかに巣をつくるということを下調べしていたんでしょうね。ダウジングロッドで巣の位置を探り当てて、ツチノコにケガをさせないよう慎重に掘り起こす作戦だったと思われます。

 大荷物を背負って心底楽しそうにUMAを探す悟。
 そんな悟の様子を、ユキは鼻白んだ表情で眺めていました。

 「ねえ、まだ探すの? そろそろ休まない?」

 悟ほどではないにしてもマジメに参加しているまゆに声をかけます。

 悟が言うには、ツチノコというのはまだ誰も捕まえたことのない謎の生き物なんだそうです。
 そしてこのイベントは毎年開催されているという。
 それってつまり、どんなにがんばったところで今日本当にツチノコを見つけられる可能性は限りなく低いということなんでしょう。

 ユキはもともとにぎやかな場所が苦手です。これまでもこういうイベントに乗り気だったことは一度もありませんでした。
 それにしたって、今回はいつにも増してバカバカしく感じるのです。参加したくないし、退屈。退屈なのに、混ざりたくはない。
 まゆが一緒に来てほしいというからしかたなく付きあってるだけでした。早く飽きてくれたら一緒に帰れるのに・・・。

 しかたなく、といえば。

 「ユキって本当にかわいい。つやつやな毛並みも、涼やかな顔も、全部全部好きー」
 「・・・やりすぎニャ」
 「ネコパンチもいい。そういうつれないところもかわいい」

 まゆのいつもの猫かわいがりも正直なところ少し苦手でした。
 まゆのことはもちろん大好きだし、自分の“キレイ”を見つけてくれたことにも深く感謝しています。カワイイっていってくれること自体は嬉しい。

 ・・・でも、やりすぎです。こんなに何度もかわいいかわいい言われたところでこっちが困ってしまいます。
 自分の毛並みと顔つきがキレイなことは事実です。飼い猫になった最初の日にまゆがそういってくれたんですから。
 だけどこれは生まれついてのもの。毛づくろいとかのお手入れならいつもやっていますが、どんなにまゆがたくさん褒めてくれて、どんなに自分もその気になったところで、これ以上のものにする努力はなかなかやりようがないのです。

 褒めてくれた。
 うれしい。
 自分がかわいいのはよくわかった。

 だからそれ以上は、うん、できればあんまり過剰にしないでほしい。困っちゃうから。

カッコよくないのに、カッコいいって

 「ムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリムリ」
 「・・・もしかして、怖いの?」
 「怖い? そんなわけないでしょ。全然怖くな・・・にゃいぃー!!」

 「あ! 猫はヘビが苦手なんだった」
 「そうなの? じゃあニャミーは無理しないで」
 「うん。逃げてもいいからね!」

 煽りおる。

 それにしても、珍しくカッコ悪いところを見せてしまいました。
 どんなときでもまゆを守る。まゆのためなら何だってできる。それがユキ。それが誇り。
 ただ、ヘビだけはどうしても苦手なのでした。
 まゆの前ではいつでもカッコつけていたい気持ちがあるのですが、今日ばかりは、ヘビが目の前にいるときだけは、そう気取っていられません。

 情けない。
 今日のガルガルはなかなかの強敵で、まゆの体が半分石にされてしまいました。こむぎといろはも。
 だから、ヘビは苦手とか言っていられません。自分がまゆを守らなければ。いつにも増して、いつものように凜々しく、カッコよくしていなければならないのに――。

 そんなユキのあずかり知らないところで、悟が懸命に穴を掘っています。
 急いで穴を掘るには向かない園芸用の小さいシャベル。土のなかでプリキュアがピンチになるなんて想定していなかったから、今日はこんなのしか用意していませんでした。大変な労力が求められます。なおかつ、最大限急ぐ必要があります。
 自分は本来頭脳労働担当。体を動かすのはどっちかというと、ものすごく苦手なほう。こういうのには向いていません。

 ムダの多い、バカみたいで泥くさい、みっともない姿。

 だけどやるしかありません。
 やるんだ。

 「私が逃げる? 笑わせないで。・・・しかたない。構ってあげる! こっちよ!」

 視点戻して、土のなかではユキが悪あがきを始めていました。

 目をつぶって、おまじないみたいに「怖くない、怖くない」と必死に唱えつづける、カッコ悪い戦いぶり。目をつぶっているからみんなに方向を指示してもらってやっとギリギリ戦えている感じ。しかも、よしんばガルガルを押さえつけることができたとして浄化のしようもないのです。
 状況を打開できる見通しなんて全然立たない、その場しのぎのただの時間稼ぎ。今のユキにはそのくらいしかできませんでした。
 涼しい顔で何でもできていたいつもと違い、必死に全力を尽くしたところでそれだけしかできませんでした。
 だけど、やる。

 悟の必死の肉体労働とユキの悪あがきの合わせ技で、なんとか今日もガルガルになってしまった動物を助けることができました。
 ひどくカッコ悪くてギリギリだった戦い。こんなみっともない姿、できればもう二度とまゆに見せたくないと思いました。

 なのに。

 「ありがとね、ユキ。怖かったのにがんばってくれてカッコよかった」
 「・・・全然カッコよくなかった」
 「ううん。とってもカッコよかった!」

 結局誰も何の成果も挙げられなかったツチノコ大捜索大会の閉会式で、まゆはいつもみたいに褒めてくれました。
 本当は全然カッコよくなんかなかったはずなのに。
 ただの骨折り損のくたびれ儲け。
 だけど、いつもの猫かわいがりとおんなじように、ユキのことをたくさん、たくさん褒めてくれました。

 それがなんだか妙にくすぐったくて。
 いつものまゆの膝が不思議といつも以上に心地よくて。

 今日はいつもより少しいい日だったな、とユキは思うのでした。

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    コメント

    1. ピンク より:

      目をつぶってでも戦う勇気に心を打たれたり、直後撫でることができなくてか困る姿に悶えたり、

      • ピンク より:

        ああ、途中送信してしまった……orz

        キュアニャミーの新たな魅力が詰まった回でしたねえ。
        悟もいろは絡み以外で冷静さを欠いた姿は普段なかなか見られないので、新鮮な光景でした。

        そういえば、ツチノコが実在する前提の扱いってのは知らなかったです。丸呑みした蛇が元ネタならなるほど納得。
        石にする能力は、最早日本のUMAですらないですし、あれ多分創作物だってこと前提ですけど……メデューサが由来だったり?
        まあ実際蛇を直視するの、怖いですけどね。

        • Overseas Reader より:

          > メデューサが由来だったり?

          石にする能力はバジリスク(basilisk)かコカトリス(cockatrice)を連想させた。面白い考えだね。

          (翻訳機を使っているので、間違いがあったらごめんなさい)

      • 疲ぃ より:

         ヘビはメデューサの死体から発生した生物だっていう説話もあるらしいんですよね。(もちろんモチーフ的にはヘビから着想してメデューサが出てきたんでしょうけど) で、メデューサの邪眼は本来目を合わせた相手を石化させるんじゃなくて、メデューサの顔を見た者が恐ろしさのあまり石になった“みたいに”動けなくなるという能力だったそうな。
         そのあたり勘案すると、もしかしたら日本のことわざでいう「ヘビににらまれたカエル」みたいなのを見た人が、メデューサの設定を思いついたんじゃないかなとも思うんですよね。
         それならヘビが石化能力を持つのも一周まわって納得がいきます。(ヘビじゃなくてツチノコだってば)

         弱点をさらけ出した子はみんなかわいい。

    2. 亀ちゃん より:

      今日は町長が催すツチノコを探すことになる話でした
      まず第一にキュアワンダフルが「私に任せて」と口にしたのはシックリ着ました!!☆☆♬
      8割以上の割合でプリキュア的に感慨深いですね!!☆☆♬
      さらにキュアワンダフルは「すごい、すごい」とTVerで口にしたのを確認し、これもシックリ着ました!!☆☆♬
      私が単行本を買ったドカベンに収録されていて、私が好きな二次元作品的に感慨深いですね!!☆☆♬
      そしてキュアフレンディも「あとは私達に任せて」と口にしたもシックリ着ました!!☆☆♬
      マジレンジャーの第1,2話から始まって、日曜の7時30分から9時までに終わる子供向けのニチアサ的に感慨深いですね!!☆☆♬
      でもって今日のわんだふるぷりきゅあは私のお母様が何回も面白いと口にしました!!☆☆♬

      >で、プリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談は岡山の西隣県の広島県のご当地グルメのことで
      私が2015年の夏の広島大会の決勝の時以降、10回から20回(台)にかけて行きつけている尾道の東珍康(トンチンカン)にて、今週の火曜はたこ焼きラーメンの2回目を食べました
      ちなみにこの日はPay pay払いもする気マンマンだったので、1杯850円のたこ焼きラーメンに150円の替え玉をつけて食べました!!☆☆♬
      するとたこ焼きは紅ショウガだけが普通に美味かったですね!!☆☆♬
      麺も替え玉の方が良い感じに仕上がっている食感でした!!☆☆♬
      だから今度尾道の東珍康に行った時は、麺も6,7回目に食べに行った時以上に美味さが復活していることを願いたくてウズウズしています!!☆☆♬
      それとたこ焼きも紅ショウガが普通に美味いのは継続は力なりですよ!!☆☆♬

      • 疲ぃ より:

         「任せて!」→任せらんない→「任せて!」→任せらんない→「しかたない。構ってあげる」
         ・・・こう考えると本当にしかたなかったんだな!

    3. 匿名 より:

      ユキは方向を指示してもらったわけではなく、自分で動きを感知して避けてましたね。さすがユキです。

      • 疲ぃ より:

         最初の何手かはそのとおりだったんですが、その後のいろはたちの方向指示に感謝していましたからね。目をつぶっていられたのも最初だけで途中から目を開けていましたし、仲間の助けがなければすぐに限界が来ていたんじゃないかと。
         ・・・とかなんとかは建前で、本当は第21話以降まゆ以外とも連携が取れるようになったユキの成長をちゃんと褒めてあげたくてこういう書きかたにしたわけですが。

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