わんだふるぷりきゅあ! 第29話感想 悲しい暴力、優しい暴力。

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幾星霜の時が過ぎようとこの怒りは消えぬ。

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「はじめましてニコ様!」

大きな出来事

メインキャラクター:いろは

目標

 世界中の動物と友達になる。

課題

 ニコ様が卵から孵った。
 ニコ様はフレンドリーな人柄だが、メエメエがニコガーデンの外の人間に秘密を話してしまったことには釘を刺し、また、いろはたちニコガーデンの外の人間が動物たちを助けてくれたことを不思議に感じている様子。

 時同じくして、動物たちをガルガルに変えた張本人のガオウが活動を再開。
 ガオウは人間たちへ復讐するための手駒としてガルガルをつくったようだ。仲間のザクロとトラメも含め、彼らはオオカミを絶滅させた人間を許す気がない。

未解決

 ザクロとトラメに明確な敵意をぶつけられ、しかもその原因が人間の側にあることを知って、いろははひどく悲しむ。
 世界中の動物と友達になりたい。だけど、もし人間と動物の間に消えない憎しみの火があるのなら、それでも仲よくできるものだろうか?

バトル

苦戦

 ガルガルの強化体、サルのガオガオーンが相手。4体に分身する能力も厄介だし、フレンドリベラーレもアミティルミエールも効かない、何より人間に明確な敵意を持つザクロとトラメががバトルに参加してくるのが精神的に辛い。

敗北

 4人とも為すすべなく負けた。特にいろはは悲しみに、まゆは恐怖に打ちのめされた。
 サルのガオガオーンは街に解き放たれた。

ピックアップ

水引き

 ガオウの帯は黄白の結切りになっている。これは主に関西地方で葬儀の際に用いられる水引きと同じ。
 一般的に物忌みに用いられる黒が京都では皇室を示す特別な色だったため、それを避けて黄色を用いるようになったんだとか。
 結切りは「真結び」「男結び」「駒結び」などとも呼ばれる。簡単で丈夫な結びかたのため、男性の帯締めや役畜の手綱の固定など、市井でも幅広く用いられている。水引きとしては、一度結ぶとそうそうほどけなくなる性質から「一度きりでありますように」「繰り返すことがありませんように」という願いが込められる。

狛犬

 もとは飛鳥時代に中国から伝わってきた文化であり、その起源は古代オリエント。本来は犬ではなく獅子(ライオン)の彫像だった。つまりスフィンクスと同源。古代オリエントでは魔除けとして獅子の像を用いる流行があったという。
 日本では近代まで生きたライオンの姿を見る機会がなかったため、獅子は長らく想像上の動物と認識されていた。胡摩犬(「海外の犬」という意味)とも呼ばれていたため、時代を経るごとに日本独自の形態に、ネコ科というよりイヌ科っぽい姿へと変化していった。なおかつ想像上の動物だから現実の犬そのものの姿は避けられた。

 なお、神道における八百万の神々はそれぞれ特定の1種類の動物(キツネ,イノシシ,オオカミなど)を遣いとするため、神社ではそもそも狛犬の像の代わりに祭神に合わせた動物の彫像を設置することも少なくなかった。
 オオカミを遣いとする主な神々は大物主大神(オオモノヌシノオオカミ),大国主神(オオクニヌシノカミ)など。里の土地を貸し与え、畑を荒らす害獣の脅威から人の営みを守護する。

 全然「はじめまして!」のテンションではない読後感。プリキュアってこういうことする。

 というか、ニコ様の卵ってオモチャとして発売されるんですね。もう割れちゃったけど大丈夫? 売れる?
 そして来週同時発売! 新浄化技用アイテムのダイヤモンドリボンキャッスル! 紹介ページを覗いてみると、あれ? 大福の影もかたちもない??? ひょっとしてマジで追加戦士になるんでしょうか。映画限定かもしれないけど。

 しっかしニコ様・・・。

 かわいー!!!!!

恨み

 「あんた知ってんの? 昔このあたりで暮らしてた私たちオオカミがどうしていなくなったのか」
 「人間はオイラたちオオカミを危険な獣だと決めつけて攻撃してきた」
 「私たちは住み処を追われて数を減らし、そして絶滅した。絶滅したのはあんたたち人間のせいなんだよ! そんな相手と仲よく友達になんかなれると思う?」
 「なれるわけねえ! なりたくもねえ!」

 第7話の感想文でも書きましたが、ニホンオオカミの絶滅には人間の活動が大きく関わっています。
 第1段階として江戸中期、海外から狂犬病ウィルスが流入してきたことにより、犬の仲間全般への恐怖心から積極的にオオカミの駆除が行われたこと。
 第2段階として明治初期、新興住宅用地等のため山野を開発し、細々と生き残っていたオオカミたちの住み処を奪い去ったこと。
 主にこの2つの出来事によりニホンオオカミは絶滅に至りました。

 その一方、もっと古い時代の人間にとってニホンオオカミはむしろ友人でした。
 ニホンオオカミは山奥に住んでいて、縄張りを荒らされない限り人間を襲うことがありませんでした。
 彼らの主な獲物はシカやイノシシ。これらの動物はときおり里に下りてきて、人間の田畑を荒らすことがありました。そんな害獣を駆除してくれるんですから、人間にとってニホンオオカミはありがたい存在であったのでした。

 「むかしむかし、このあたりでは人間と動物が仲よく平和に暮らしていました。ある日、もっと人間と仲よくなりたいと望んだ動物が神様にお願いしました。『神様。人間と話せるようにしてください』 ――すると神様が、不思議な力を持つキラキラ光る石をくれました。その石にお願いをすると、動物は言葉を話せるようになって、人間と仲良く暮らしました」(第16話)

 元来、気持ちが通じあわず、住み処も遠く離れていたからこそ、逆に利害が一致していた人間とニホンオオカミの共存関係。
 史実では当然のことながら、ニホンオオカミの側から人間に歩み寄ろうとした事実はありません。人間が過剰にオオカミたちを恐れ、あるいはオオカミたちの住み処を欲した結果、私たちは一方的に彼らの生を脅かすばかりの侵犯者となってしまいました。

 「光の力を感じる・・・。人間たちの笑い声が聞こえる・・・。何故だ!? 解き放った黒き獣たちはどうした!」

 そんな歴史とは少しだけ事情の異なるアニマルタウンのガオウは――、人間と言葉を通じあわせた先に、いったいどんな絶望を体験したんでしょうね。

 「でも、どうしてウチの子たちを助けてくれたの?」
 「困ってる子たちを放っておけないし、それに私、世界中の動物と友達になるのが目標だから!」

恐れ

 「どーも。ニッコでーす! みんなー、ニコニコしてるー? みんな元気そうー!! ニコ、うれしくてニコニコしちゃうぞー!」

 このシーン、どうして悟は無表情なんでしょうね。
 いろはに負けないくらい動物好きで、絶滅動物のこともたくさん勉強している彼にとって、そういった動物たちまで生き延びているニコガーデンは聖地のような場所でしょうに。彼らが幸せにしているのは何より喜ばしいことでしょうに。

 「・・・メエメエ。ニコ言ったよね? 無闇にニコやニコガーデンのことを喋っちゃだめだよって。ちょっと喋りすぎじゃないかなあ? 秘密を守れない子は執事に向いてないかもー?」

 「メエメエ。緊急用のトランクをあげちゃったの・・・?」

 圧よ。

 まさかメエメエの心の狭さが本当にニコ様の意向通りだったとは誰も予想するめえ。

 今話ではガオウの活動再開に乗じて上手いことはぐらかされてしまいましたが、ニコ様の本音はまだほとんど明らかにされていません。
 ちょいちょい気になる言動はあります。いろはの「世界中の動物と仲よくなりたい」という夢を聞いたときのリアクションとか、メエメエに強いているやりすぎなくらいの秘密主義とか、あと、ユキとこむぎだけ構っていろは、まゆ、悟にはろくに挨拶を返していないところとか。あざといくらい愛想がいいからこそ、妙なところで塩対応なところが引っかかります。

 「鏡石の評判を聞いて、たくさんの生きものがやってきて、道ができ、アニマルタウンができた。でも、集まった生きものたちが争うようになってしまって――。神様は悲しんで、鏡石をただの石にしてしまった」(第16話)

 第16話でいろはのお父さんお母さんから聞いたアニマルタウンの昔話によると、ユニコーンの神様はオオカミの願いごとを叶えようとして失敗してしまったようです。

 このとき起きた争いが人間対他の動物たちの構図だったなら、ニコ様のこの態度もガオウの憎しみもシンプルでわかりやすくなるのですが・・・。第16話のイメージ映像を見る限り、実際は人間と他の動物たちが入り交じって互いにいがみあってたんですよね。
 それに、ガオウが人間を襲うにあたってわざわざニコガーデンの動物たちを尖兵に仕立てたのも不可解ですし。ニコ様、別に人間の味方ってわけでもなさそうなのに、どうしてガオウたちと敵対関係になっているんでしょうか。

 ニコガーデンはどうして、平和な楽園のままでいられなかったんでしょうか。

 「ニコはガルガルを卵に封じたんだけど、力が足りなくて黒い卵になっちゃったの・・・」

悲しみ

 ガオウの闇の力を与えられたザクロとトラメ。
 鏡石から光の力を授けられたプリキュアたち。
 両陣営とも尋常じゃない力を身に宿して相対します。

 それを見てどこか沈んだ表情を浮かべるニコ様。
 いったい何を思っているんでしょうか?

 「一緒に、ってこと? それは、一緒にいるとわんだふるだからだよ! みんな元気で、みんな仲よし。そういうの、わんだふるっていうんだよ!」
 「そう。私たちはニコガーデンの子たちを助けたいだけ。あなたたちとも争う気はないの。友達になろうよ!」

 犬がどうして人間の味方をするのかと問われたこむぎがいつもの人懐こい調子で答え、さらにいろはも心を込めてその言葉を引き継ぎます。
 たぶん、アニマルタウンで昔起きた争いとは少しだけ構図が違うと思うんですが、そこのところどうなんでしょうね。ニコ様なら知っているでしょうか?

 残念ながらこむぎたちの善性は、ザクロとトラメの人間への憎悪によって袖にされてしまいます。

 こむぎがピンチのときはいろはが駆けつけ、まゆが怖がっているときはユキが救援に入り、チームワークはいつもどおり良好。ただ、それでもガオウの闇の力が相手では力及ばないのです。
 優しい思いだけでは世界は変わらない。暴力は良い心も悪い心もたやすく塗りつぶして、蹂躙してしまう。古来より人間と共存関係にあったニホンオオカミは、目の前の問題を暴力で解決することを選んだ人間たちの手によって、絶滅させられてしまいました。
 今度はその暴力というものが人間に向けられただけ。

 「でも、どうしてウチの子たちを助けてくれたの?」
 「困ってる子たちを放っておけないし、それに私、世界中の動物と友達になるのが目標だから!」

 たったそれだけのことで、善意も、夢も、全て踏み潰されてしまう。
 体も、そして心までも理不尽に傷つけられてしまう。

 そもそも何のためにプリキュアに変身したんでしたっけ?

 飼い主と同じ言葉でお喋りしてみたかったから。
 ガルガルになってしまった動物たちを放っておけなかったから。

 だけど直接的なきっかけはもっと別にあったはずで。

 いろはを守りたかった。
 こむぎを守りたかった。
 まゆを守りたかった。
 ユキを守りたかった。

 凶暴なガルガルに立ち向かうには生身の人間や犬や猫の姿では力不足で、だからプリキュアになる必要がありました。
 プリキュアの超常的な力は第一に、大切な人を守るためにどうしても必要なものだったのでした。

 「・・・いろは?」
 「悪いのは、私たちなの・・・? オオカミたちはすごく怒ってる・・・。当然だよ。仲よくしたいけど――」

 優しくあるためにも、夢を叶えるためにも、大切な人を守るためにも、結局力が必要でした。

 ガオウとその眷属たちはいろはたちの持てる力を上回る暴力でもって、彼女たちの思いを拒絶し、蹂躙しました。
 世界中の動物と友達になりたい。そんな平和な思いですら、ガオウたちがプリキュアより強い力を持っている限り、叶わないのです。

 さて、どうしましょうか?

 たとえばニコ様の力を借りて、彼らの暴力を上回る強い力をふるえるようになれば解決でしょうか?
 平和で優しい暴力でもって、彼らの怒りや憎しみを蹂躙し返してしまえば仲よしでしょうか?

 ・・・そんなわけない。

 そんなわけないとわかっているからこそ、いろはは途方に暮れてしまいます。

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    コメント

    1. 亀ちゃん より:

      今日は遂にこのわんだふるぷりきゅあでもトラメとザクロという敵幹部も登場したみたいで、ガルガルより強いガオガオーンもやられ役として、登場した話でもありました
      で、オオカミも昔の人間のせいで絶滅したというあたり、この辺はフレッシュプリキュアの最終決戦にて、ラスボスのメビウスが人間は時代の進歩と共に間違った方向にも足を踏み出したとも言い、結果的に現代の人間が被害に遭うのが共通点と言えるところですね
      セリフに関しては、今日もリアルタイムで視ることが出来てトラメがザクロに対して
      「何言ってんだ!!?おいらにだッ!!」
      と反論し切ったことは私は思わず笑うほど面白かったですね!!☆☆♬
      プリキュアを視て面白いと感じたこと自体が久しぶりにで、英語ではファニーと表現するぐらい笑い出す程面白かったのはもっと久しぶりのことでした!!☆☆♬
      で、ザクロ・トラメは今日の話で戦ったプリキュアの弱さを感じるも、こんなに弱いプリキュアにやられ続けたガルガルはもっと弱いものだと敵は意識するワケありませんが、毎週毎週楽しみに視ている大人のプリキュアファンには絶対に言えていることですね
      フレッシュプリキュアを視ても同じようなことが言えました
      他にも聞き応えがあったセリフはあったはずなんですが、来週の平日にTVerでまた確認するかもしれませんね
      で、次回は4人が一体になって繰り出す必殺技がデビューする話です
      やっぱり最年少のいとこの姪っ子も今日のプリキュアだって次回予告までセットで視てもらうことで
      さいごまでみてよかったね
      と言えるように出来ている感じでした!!☆☆♬

      >で、プリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談は
      2017年の10月からレンジャー系は7時30分から9時30分に時間帯を引っ越したニチアサ番組です
      その後2018年の4月から10時よりテレビ東京系にて(キラッと)プリチャンが始まると、ちゃお出身の幼稚園児向けのアイドルアニメは断続的に今でも続いていて私には絶好級の気分転換タイムになっています!!☆☆♬
      それはアイドルマスターの時でもやっぱりレンジャー系の直後は絶好級の気分転換タイムでしたね!!☆☆♬
      でもアイドルマスターはオープニングでも歌詞が表示されないこともあって大人向けのアイドルアニメなので、テレビ東京系が地上波で映る都道府県ではやっぱり9時30分から10時30分にかけてはこれからも子供向けの時間にするでしょう

      • 疲ぃ より:

         『フレッシュプリキュア!』のメビウスは、技術的特異点を越えたように見えて、実は自分なりの思考というものを獲得できなかった機械らしい機械というイメージですね。
         ガオウはどこまで考えたうえで行動しているんでしょうか。復讐したい、という気持ちは止められるものではないとはよく聞きますが、それでもやはり復讐が非生産的な行為である以上、願わくばそれを終えた後のことも考えていてほしいところです。そこに目をつぶってしまうと誰とも対話不可能な、孤独な存在になってしまいますから。

    2. ピンク より:

      ニコガーデンを女手ひとつで(?)作っちゃうあたり「それを秘密にするというのは、何か並々ならぬ想いがあるのだろうな」とはうっすら思ってました。

      で、いざ諸々を事後報告したらマジであそこまで怒るほど地雷だったとは。
      そりゃ直属の部下の立場なら可能な限り避けたくもなる……でもメエメエ、言い訳を聞いて最後は許してくれるだけ、ニコ様は話しやすいお方だと思いますよ。

      言われてみれば、何故ガオウたちは真っ先にニコガーデンを襲ったんですかね?
      鏡石が結果的に願いを叶えられなかったので怒ってるとか??

      • 疲ぃ より:

         上の立場の人からあれだけストレートに感情をぶつけられてしまうと誰だって萎縮してしまいますよねえ。ただでさえメエメエは幼児みたいに従順な子なんですから、怒気を受け取るだけで胸いっぱい、やりとりの内容にまではとても目が向かないでしょうに。
         うん。ニコ様とメエメエの関係性だけですでに例年同様、説明が足りない上位存在の片鱗が見えてきたぞー。

    3. 東堂伊豆守 より:

      以前SNS上で見かけた考察に、非常に気になるものがありまして―――もしユニコーン様が鏡石の会話能力付与機能をサービス終了にしなかったなら、オオカミ達は人間達との対話によって滅亡を回避できた可能性があったのではないか?……というものなんですが。
      そもそもユニコーン様=ニコ様は何故、オオカミをニコガーデンに収容して彼らを保護しようとしなかったのか?だいたい、ニコ様は如何なる基準でニコガーデンに収容する動物を決めているのか?
      どうにもニコ様、オオカミ達から相当な恨みを買っていてもおかしくない振る舞いが目立つんですよね……。
      そう考えると、ガオウが最初にニコガーデンを襲撃した理由は―――ニコガーデンアニマル=ニコ様の寵愛を受けた動物を洗脳して「人間の生存を脅かす“害獣”」に仕立て上げ、アニマルタウンを襲撃させることで、人間とニコ様(及びニコ様に愛された動物)の両方に復讐するためだったのかもしれません。
      そうだとすると、これまでキュアワンダフルとキュアフレンディがガルガル化されたアニマルをあくまで保護することにこだわり続けたことは、人間とニコガーデンアニマルが、かつての人間とオオカミのような敵対関係に陥る(まさにそのような関係に両者を追い込むことがガオウの狙いだった?)ことを回避するために、極めて適切な対応だったと言えるわけなんですが……。

      • 東堂伊豆守 より:

        もしかすると、そもそもオオカミがユニコーン様に会話能力を授けて欲しいと望んだ理由は―――人間によって滅ぼされる危機を回避するために、人間と対話による交渉をしたかったから、なのかもしれません。
        で、ユニコーン様は鏡石を与えてオオカミが人間と会話する能力を手に入れられるようにした……んですが、この鏡石、オオカミ以外の動物にも会話能力を授けることが出来る代物だったために、大勢の動物が会話出来るようになってしまい、(ごく限られた人のみが参加するものだったパソコン通信が、インターネットへとスケールアップし大勢の人が参加するようになるにつれ“荒らし”“炎上”“フェイク”などが横行する地獄絵図と化していったように)アニマルタウンは、会話能力を持つ動物達や人間達によるいさかいにまみれた修羅場と化してしまった。
        そこで慌てたユニコーン様は、手っ取り早くアニマルタウンの混乱を収拾するために鏡石を“サービス終了”“コメ欄閉鎖”するという安直な措置に打って出て、それでアニマルタウンはとりあえず平穏を取り戻すに至った、ものの……人間との対話チャンネルという命綱をユニコーン様の短慮によって断ち切られてしまったオオカミは、ニコガーデンに収容されることもなく(この理由が不明なのがまた何とも)万策尽きて追いつめられて、遂には絶滅の憂き目に……。
        もし、この推測が当たっているんだとすれば……うん、そりゃユニコーン様=ニコ様、オオカミから恨まれて復讐されても文句言えないわ。

      • 疲ぃ より:

         ニホンオオカミが人間と対話可能な存在だったら、とりあえず狂犬病を恐れての過剰な駆除は回避できたかもしれませんね。集団ヒステリーみたいなものなので時間は相応にかかるでしょうが、ああいうのって結局のところ、相手のことをよく知らないってことそのものが恐怖の原因になるわけで。
         ニコ様はまあ、同じ種族同士ですらニコガーデンとアニマルタウンに引き離すようなことをしている人ですから。彼女がニコガーデンに引きこもる決意を固めた背景にどんな悲惨な物語が隠れているのやら。

    4. 与方藤士朗 より:

      今回は情報量が多く重いテーマでもあるので、リアルタイムの御意見番はその周辺をぼちぼち書いてお茶を濁して、現在鋭意分析中というところです。

      世界中の動物と友達になりたいとかねて述べているいろはですが、現実社会ではそれはまず無理というもの。国家レベル(あくまでも国単位)では真の友人はできないものですが、個人同士であれば確かに個々の人物同士での友人関係はいくらでも成り立ち得るものの、ではすべての個々人が友人同士となるなどということは、まずもって不可能というものです。もっとも、それを理想にすることを否定はしません。

      この度の主人公の猫組と悟少年はともかく、いろはとこむぎのかかる理想論は、確かに大人から見れば「(くその役にも立たない!)きれいごとにしか見えません。かつて私がかかわった某左翼政党筋の女性(その点男性は幾分マシだったが、五十歩百歩レベル)や養護施設関係の職員の一部(男女不問)にも同じような言動が見られました。

      さて、彼女たちはこの現実をどう受け止め、どのように落としどころというか止揚(アウフヘーベン)していくのかに、私は着目しております。
      そこを描けばどうしてもエグイ話にもなるでしょうが、いくらニチアサ幼児向番組と言えども、そこはごまかせないところです。

      あと、ニコガルテンでニコ様が御機嫌で演説しているところ、いろはやまゆは満面の笑みを浮かべていたのに対して悟少年が極めて無表情というか、よく言えば平静を完全に装っていたところは、私自身はさほど不思議に思いませんでした。

      あのくらいの能力のある少年なら、ああいう場面を冷めた目で見るものです。私自身が彼とよく似た手合いだったからというのもあるのか、私も、同じ場所に居合わせたら彼以上に冷めた目で見ているでしょうね。
      あるいは運営側に回ってそれこそニコ様みたいな言動をするか。そのどちらかです。

      いずれにせよ、周囲に同調してへらへら、は言い過ぎにしても、ニコついているだけということにならないものです。

      今幼少の女の子らが今日の悟少年の無表情を見ても気付かぬままで終わる可能性は高いでしょうが、いずれ成長して今話を見たときに彼の表情をどのような視点で見るか。
      私としてはそこが楽しみです。

      そこに来てアイヒマン羊さんは笑顔を浮かべているようではあったものの、割に冷静に見ていたようにも思えました。

      • 疲ぃ より:

         いろはのあれは『プリンセスプリキュア』の春野はるかにとってのプリンセスみたいなものだと思います。実現はほぼ不可能ですが、可能性がゼロではないならいつか理想に近づけるかもしれないもの。
         夢を実現するという意味ではおそらく無駄な努力に終わります。ただ、それを本気で目指すための無限の努力が彼女を誰より高めてくれるでしょう。
         実現がほぼ不可能だからこそ、彼女の夢には価値があるんだと思っています。

    5. イガイガ より:

      今回でニコ様、そして敵幹部のガオウ、トラメ、ザクロが初登場しましたね。そして後半のあの衝撃の展開…去年の『ひろがるスカイプリキュア』に続いてこんなシリアスな展開が来るなんて!それで「プリキュア側に悪がいる」という展開は前作で没にされた要素が採用された模様ですね。新しい敵に技が効かずプリキュアの変身が敵の一撃で解かれて全滅、更に「ニホンオオカミが絶滅したのは人間のせい」である事、そしていろはの「世界中の動物と仲良くなる」と言う願いが否定されて一度砕ける…などと色々思う所はありますね。正直この話を見て私はこう思いました。「同じ夏に放送された話でも去年の22話のバッタモンダーの作戦以上にえぐいじゃん!」と。だってこれは現実における重要な問題を映しているのですよ?ニホンオオカミが絶滅した原因は狂犬病が第一の原因だったのですよね?それから…確か狂犬病にかかって数が減ったニホンオオカミが家畜を襲うようになって人間達が彼らにとどめを刺す形で全員返り討ちにした…と聞いたのですが。あと狂犬病を持ち込んだのは外人だったとも聞いた事ありますが…。今、私はこう思っています。もし現実にタイムマシンがあったら、絶滅した動物がいた時代に戻って救ってあげたい…と。以上で今回のプリキュアに関しての感想は暗い話が長くなりましたが、一方で日曜日の朝のアニメで同じ日に放送された他局の作品の方は『ワンピース』では私の大好きなサボが後任が決まって再登場して嬉しくなり、『ひみつのアイプリ』では主人公の誕生日会という楽しい行事の話で癒されました。あと話戻りますが初登場したニコ様面白かったですね(笑)

      • 疲ぃ より:

         正直なところ、私はご先祖様が何をしていたところで罪の意識なんて微塵も感じませんし、対話すべき相手がそのような過去の被害を訴えてきても話しあいが難しくなったなとしか思いません。絶滅動物に関してもその後の生態系への悪影響を心配する程度で、ひとつの種が滅んだこと自体についてはさほど重要な問題だとは考えません。全て私個人には関係ない他人事です。
         仮にタイムマシンを与えられたとしても、おそらく私が絶滅動物のために尽くすことはないでしょう。

         ただ、いろはは違います。私が彼女の思いに共感することはありませんが、彼女の優しさを好ましく思いますし、彼女の一生懸命さを応援したいとは思うのです。
         どうか、彼女が自分の夢を叶えるための努力を諦めることがありませんように。

    6. バードベース より:

      此処は放送日を拝見すると一目瞭然ですが、ポプラ事件の日でプリキュアシリーズでは夏の試練の山場の軍事境界線ですね。

      今作は今迄と違って相手が動物なのでボカスカバキスカと暴力は禁止となってますからね。

      • 疲ぃ より:

         感想文を見ていただけたらわかると思いますが、私は『わんだふるぷりきゅあ』のガルガルとの関わりかたを従来作と全く同じ「バトル」として認識しています。

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