
『APPLAND Newyear fes.星祭』の昼夜どちらの公演でも聞けます!
↓アーカイブ視聴期間は2月24日まで↓
前置き
これは『APPLAND Newyear fes.星祭』で発表された、どっとライブ及びぶいぱい共同の全体曲『星願い』の歌詞について語った記事です。
とりあえずざらっと全体を通した感想を語るなら、まるで大河のような歌ですね。
『星鏡』がどっとライブの直面した壮絶な苦難とそれに対決するタレントたちの気高さを歌ったものなら、こちら『星願い』はアップランド所属のタレントたちが、日々の苦悩を憧れの人やファンとの絆で乗り越えていく、世代間の暖かい関係が歌われています。
昔バーチャルYouTuber界隈で(ちゃんと言葉どおりポジティブなニュアンスで)よく語られていた、“優しい世界”ってやつですね。
歌詞について語るにしても原詞全文は載せたくなかったので、できるかぎり抜粋に留めようと思ったんですが、結局あんまりうまくいかなかったかもしれません。
なんというか、テクニカルなんですよね。構成が。1番で「笑い顔も泣いた声も」と歌った話が2番で視点を変えて「キミが言った『大丈夫」」に返ってくるところとか特に。削れるところが全然見つからない。
それだから感想記事を書きたいくらい好きになったわけですが。
本題
1st
今日は夜空が綺麗だ
窓がディスプレイみたい 君に見せたい景色
どんな些細なことも 伝えたくなる
かけがえない宝物みたい
全ては“好き”と“伝えたい”から始まりました。
夜空の星々がきれいで、とっても感動したから、誰かとこの思いを共有したくなった。
ウチみたいな感想ブログは完全にこのパターンですね。プリキュアだったり、バーチャルYouTuberだったりを観て、胸に湧きあがる感情を誰かと共有したかったから、毎回数時間手間暇かけて自分の気持ちを言語化しています。
アップランドのタレントたちもおおむね似たようなきっかけから活動を始めたものと理解しています。電脳少女シロやばあちゃるは「キズナアイっていいよね!」から始まったプロジェクトでしたし、旧アイドル部はシロ組さんの集まりで、みりくるんも先輩がた、特にもこ田めめめへのリスペクトが強い世代でした。ぶいぱいも大半は活動前からどっとライブや他箱のファンをやっていた子たちです。
自分もあの星々のうちのひとつになりたい。・・・とすら、最初は思っていなかったでしょう。
この歌詞にはそういった大望は語られていません。もっとずっと素朴な物語になっています。
彼女たちが憧れた先人たちはいずれもキラキラとした輝きを放つ特別な存在(アイドル)。世界人口およそ81億人、バーチャルYouTuber人口およそ2万人、そのなかでも一際強い輝きを放つ、ごく限られた特別な存在。自分も彼女たちと並び立てるという確信を持って活動を始められる人はそう多くないはずです。
五里霧中の何もかも手探りなそのなかで、何を楽しみに、そして何を励みに活動を続けられるかといえば――、そこは先人たちと同じ、ファンとの双方向コミュニケーション。
瞬く想い出 星のよう無数で
とりだして眺めたら 未来もっと輝いた
これからもずっと 絆を繋いでいたい
好きなものを好きなだけ語る配信活動はきっと楽しいものでしょう。憧れの人がやっていることを自分も同じようにやってみるのもまた楽しい。そこは私も文字媒体ながらやっていることは同じなので共感します。
さっきもちょろっと書きましたが、好き語りって、ぽやっとした自分の気持ちを一度言語化して明確にするところから始めなきゃいけないので、こういう活動を続けていると結果的にもともと好きだったものをもっともっと好きになるんですよね。ひとつひとつどんどん深掘りしていっちゃう。
世界人口およそ81億人、バーチャルYouTuber人口およそ2万人、そのなかでも一際強い輝きを放つ、ごく限られた特別な存在(アイドル)。さらにそのなかでも自分の個人的な推しなんて、せいぜいほんの数人です。
窓がディスプレイのように見える満天の星空のなかでも、自分の推しだといえる“特別な存在”なんてそのくらい少ないものです。それなのに、好き語りなんてそれこそ無限にできちゃうもの。
たとえ1つ2つの星についてですら、そこに込められた想い出を語りだしたら、それだけでまた一個の星空のように無数に広がっていきます。
それだけの 小さな願い
いついつまでも好きなものを「好きだ」って語りつづけていたい。
だって、たったそれだけのことが心から楽しいって思えるんだから。
2nd
今日は夜空が見えない
窓が暗いのを キミに伝えられない
ほんの少し綻んだ あの日素直に
なればいいのにごまかしたから
・・・ただ、いざ活動を始めてみると、“好き”だけじゃやってられない困難がつきまといます。
“好き”だけを原動力に活動するのって、自分でやってみるまで案外気付かない苦しみがあるものです。特にお金にならない場合は。だって、少なくないプライベートの時間をこの活動のためのコストとして支払っていますから。
私の場合は土日休のうち1~2日をそれぞれ半日ほどブログを書くのに消費しています。多くのバーチャルYouTuberは週に4日とか5日とか活動していますから、準備も含め、プライベートの時間の大半をこの活動のために捧げていることでしょう。
そうなると、ですよ。
思ったようにリアクションが返ってこないとモチベーションの維持が難しくなるんですよね。たとえば視聴者数(私の場合は閲覧数)が伸び悩んでいたりとか、コメントが少なかったりとかすると。
たかが好き語り。一見何のコストもかかっていないように見えて、実際には結構な時間的コストを支払っているわけで、それに見合う反響を得られないとマジでやる気が削がれます。
本業が忙しかったり、病気になったり、あるいは相手にしていて不快な視聴者がいたりして、また別の理由でやる気が削がれる場合もあるでしょう。でも、それで活動量を減らすともちろんもらえるリアクションもまた減っちゃうわけですよ。
自分が好きでやっていることなので文句は言えませんが、“好き”をいちいち言語化するのって結構な労力で、しかもその“好き”を言語化すること自体が割と楽しい。ただ、多くの人がチラシの裏に書いているだけでは全然続かないのを考えればわかるとおり、これって独りで楽しむだけだと割に合わないんですね。
だから、今っていい時代です。配信活動をすれば(あるいはブログを書けば)それだけで気軽に視聴者と双方向コミュニケーションが取れますから。
余談ですが、1番の歌詞で「君」と漢字で書かれていたのが、2番では「キミ」と表記が変わっています。
不特定多数としての漠然とした「君」が、この主人公が配信活動を始めたことによって、ファンという特定の「キミ」へと解像度が上がったんですね。
当たり前じゃない儚さ
知って怖くなって とまどって
最初は“好き”と“伝えたい”から始まりました。
たったそれだけの小さな願い。
だけど、そんな簡単なことすら自分ひとりの力では続けられない、“好き”が“好き”だけじゃなくなってしまう、ちっぽけな自分の弱さに向き合わなければならなくなります。
あふえる想いで 話した感情
キミが言った「大丈夫」 軽くなるこの心
ありがとう手を取って 絆を繋いでくれて
無様で、卑屈で、自分が情けなくなります。
本来なら“好き”だけを伝えるべきだった自分のファンにネガティブな感情を発信することになってしまうなんて。
ただ、この主人公はひとつ大切なことを忘れてしまっています。
誰か特別な存在(アイドル)を推している人なら誰しも感じたことがあるであろう、あの思い。
笑い顔も 泣いた声も
その全部全部が 好きだから
かつて“好き”が昂じて配信活動に踏み出したあなたが、憧れの人の笑い声も泣き声も含めて全部好きだったように。
今あなたを“好き”になってくれたファンも同じく、あなたの笑い声も泣き声もまとめて全部好きでいてくれるんです。
双方向コミュニケーションが取れる、というのはここが強いですね。
伝える側と受け取る側が、(心情的には)すごく近い立場を共有できるというか。
憧れの人と“好き”でつながったあなたの絆。
あなたと“好き”でつながったファンとの絆。
全部全部、ずっとずっと、つながっていきます。
つながってくれる人がいるから、私も、あなたも、独りじゃない。
なによりも 大きな希望
それが、この“好き”を続けたい気持ちを支えてくれる、何よりも大きな希望。
Last
重なる
瞬く想い出 星のよう無数で
とりだして眺めたら 未来もっと輝いた
これからもずっと 絆を繋いでいたい
全ては“好き”と“伝えたい”から始まりました。
夜空の星々がきれいで、とっても感動したから、誰かとこの思いを共有したくなった。
満天の星空のなかでも自分の推しだといえる“特別な存在”なんてせいぜい1つ2つで、なのに、それについての好き語りなんて無限にできてしまう。
自分もあの星々のうちのひとつになりたい。・・・なんて、最初はそんな大それた思いを掲げていたわけではありませんでした。
だけど、気がついたら自分も星になれていました。
憧れの人と同じキラキラ(好き)をまとい、誰かにとってのかけがえない宝物(好き)にしてもらえていました。
全ては絆のおかげ。
憧れの人と“好き”でつながった私の絆と、私と“好き”でつながってくれたキミとの絆。
過去から現在、現在から未来に渡って、全部全部、ずっとずっと、つながっていく絆。
“好き”を伝えたいと願う、永遠の“絆”。
いつか、今度は私に憧れた誰かもまた、“好き”を誰かと共有する活動を始めることでしょう。
絆はどこまでも連なっていきます。
いついつまでも好きなものを「好きだ」って語りつづけていたい。
最初に抱いたのは、それだけの小さな願い。
叶えるんだ 小さな願い
叶えるんだ。私と、憧れの人と、キミと、みんなで。
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