
今回やったことの概要
2025年7月5日に公開された↓の動画について、私がここに登場した造語それぞれの情報をまとめ、生成AI(Gemini)に読ませました。
AIには主に言語学的な見地から、まず4人それぞれの語彙力や感性の方向性などを評価してもらいました。
続けて私から「リキュッチュってフランス語らしいけどいったいどんな意味だと思う?」とか、「ユンリってどこの国の人名? その国の出身なら哲学史上いつごろ活躍したと考えられる?」とか、「『海を初めて飲んだ人』って、ヤマトイオリはいったい何を言ってるの?」とか、「スパンチョはヤンキーが履いてたらしいけど、あいつらのファッションってやたら裾が長くなかった? 見えなくない?」とか、いろいろツッコミを入れながら、AIと一緒にキャッキャウフフ、各言葉の背景をひとつひとつ考察していきました。
最後にAIに考察した12個それぞれの言葉の意味をまとめてもらい、これを元にしてもう一度4人それぞれの語彙力や感性の方向性などを考察してもらいました。
そもそも何でこんなことしようと思ったのかって?
私がこういうの大好きだからだよ。
しりとりで出された造語のまとめ
カルロ・ピノが考えた造語
リキュッチュ
- 1900年代にフランスで食べられていたスープ料理
- ある動物の肉を使っていたが、その動物が40年前に絶滅したため現在は残っていない
ゲリミア・ロッソ
- 高価でなかなか買えないハイブランド
- アウトレットモールでならなんとか手を出せる価格かもしれない
よーほほいほいほい
- 動物の名前。鳴き声がそのまま名前になった
- リキュッチュの材料として食べられたため絶滅した
神楽すずが考えた造語
ユンリ
- 哲学者の名前
- うろ覚えのため、名前以外の情報はわからない
そいし
- 「素○○」と、3文字の漢字で書き表す
- “女学生が文を読んでいる光景”を表す言葉なのだが、用法が限定的すぎたため死語になった
いじ
- 岩石の一種。「○磁」と書き表す。○には難しい漢字が使われている
ヤマトイオリが考えた造語
りんじんぼう
- リンゴとニンジンが融合開発され、さらに棒状になった食品
- 京都の道沿いなどで冷やされたものがよく売られている
- さっぱり系の味で夏にうってつけ。ニンジンよりもたくさん食べられる
シュララミンクレス
- 天井照明の傘(ランプシェード)の掃除中、感電してしまう現象のこと
- シュララミン界隈、もしくはクレス界隈と呼ばれるクラスタでは恐れられている
ジジュンジュンジュンジュジュン
- 海を初めて飲んだ人の名前
花京院ちえりが考えた造語
ウジャバゲ
- 東北地方に伝わる化け物
- なまはげが有名になりすぎたため、認知度は低い
- なまはげよりウジャバゲのほうが見た目が怖い
- うじゃうじゃしている
スパンチョ
- 一昔前に流行ったファッションアイテム
- かぼちゃパンツやドロワーズに似ていて、スカートの下に履く
- ヤンキーが好んで履いていた
ね~~~
- 東北地方に伝わる怪談
- 誰かが「ね~~~」と発した言葉が、それを聞いた他の誰かに伝染していくという恐怖
AIによる、私とAIのディスカッションの要約
アイドルユニット「Tr!c trac」のメンバー4名が「造語しりとり」という企画で創出した12の架空の語彙について、それらが全て実在するという前提のもと、言語学、民俗学、風俗史、現代怪談研究など、多角的な視点からその背景と意味内容を詳細に分析しました。
まず、各メンバーの言語的個性を大まかに分類しました。
カルロ・ピノ氏は物語的博物学タイプ、神楽すず氏は専門的抽象思考タイプ、ヤマトイオリ氏は現代的状況創造タイプ、花京院ちえり氏は民俗的口承文化タイプと仮説を立てました。
次に、各氏が提出した個別の語彙について、その語源、歴史的背景、文化的意味合いを深掘りしました。
例えば、ピノ氏の「リキュッチュ」はフランスの食文化史から、すず氏の「ユンリ」は20世紀の哲学史から、イオリ氏の「シュララミンクレス」は現代のDIY文化から、ちえり氏の「ウジャバゲ」は日本の民俗信仰史から、それぞれその成り立ちを推察しました。
この分析プロセスを通じて、一見すると単なる即興の言葉遊びに見える行為が、いかに各個人の知識体系、文化的背景、そして世界を認識する際の認知スタイルを色濃く反映しているかが明らかになりました。
ディスカッションは、言語が単なるコミュニケーションの道具ではなく、個人の内面世界を映し出す鏡であることを再確認する、知的に刺激的なものとなりました。
各造語の解説
カルロ・ピノ氏の造語
リキュッチュ (Riqu’cuche)
20世紀初頭のフランスで、特に労働者階級や病人の間で親しまれた滋養豊富なスープ。
フランス語で「元気づける」を意味する”requinquer”と、愛情を込めた指小辞”-cuche”が組み合わさった言葉で、原義は「心身を元気づける、ささやかな一品」。
主材料であった小型の生物「よーほほいほいほい」の絶滅に伴い、その食文化も失われた。
その響きには、厳しい生活の中での温かい家庭の味といった、ノスタルジックな響きが含まれている。
ゲリミア・ロッソ (Gerimia Rosso)
イタリア発祥の高級ファッションブランド。創業者「ゲリミア」の名、あるいはブランドカラーである情熱的な「赤(Rosso)」に由来すると考えられる。
伝統的な職人技と、大胆な色彩感覚を特徴とし、特に高級皮革製品やオートクチュールで知られていた。
その高価さから一般層には高嶺の花であったが、アウトレットモールに店舗が出現したことで、一部の愛好家にとっては手が届く存在となった。
ブランド名には、創業者の矜持と、ブランドが掲げる美学が込められている。
よーほほいほいほい (Yō-hohoi-hoihoi)
かつてフランスの山間部に生息していた小型の生物(鳥類または哺乳類)。
その「よー、ほほい、ほいほい」と聞こえる陽気な鳴き声がそのまま名前になった、オノマトペ起源の名称を持つ。
人々に親しまれていたが、その肉が滋養に富むことからスープ料理「リキュッチュ」の材料として乱獲され、20世紀後半に絶滅した。
そのコミカルな名前とは裏腹に、人間の食文化によって失われた生物多様性の悲劇を象徴する存在として記憶されている。
神楽すず氏の造語
ユンリ (Yunri)
20世紀初頭にウィーン学団で活動した、フィンランドまたはエストニア出身の論理哲学者。
ウラル語族の言語的背景から、従来の西洋哲学が持つ主体中心的な世界観に疑問を呈し、「意味は項ではなく関係(格)に宿る」と主張した。
彼の哲学は、後の構造主義を先取りするものであったが、その先進性ゆえに当時の学術界からは正当な評価を受けられず、歴史の片隅に追いやられた。現在では、一部の専門研究者の間でのみ知られる「知る人ぞ知る」思想家である。
素意思 (そいし)
明治・大正期に女学生などの間で使われた、極めて詩的な言葉。
「飾りのない純粋な心と思索」を意味し、転じて「若い知性が書物と向き合い、純粋な思索に没頭している静かで美しい情景」そのものを指すようになった。旧制高等学校の窓辺や女学校の図書室で、学生が一心に書物を読みふける姿を目にした際に「実に素意思な光景だ」と感嘆するように使われた。
近代化と共にそのような光景が失われ、用法も限定的であったため、現在では完全に死語となっている。
威磁 (いじ)
古代日本において、神聖な力を持つと信じられていた、極めて強力な磁力と特異な外観を持つ希少な鉱物。「威厳のある磁力を持つ石」を意味し、単なる磁鉄鉱とは区別される。
その霊威から魔を祓い、幸運を引き寄せるとされ、神社の御神体や権力者の象徴として秘蔵された。
その神聖さゆえに、正式な漢字表記(「齋磁」など、より神聖な文字が使われた可能性もある)は秘匿され、一般には口伝でのみその存在が語り継がれてきた。
ヤマトイオリ氏の造語
りんじんぼう (Rinjinbou)
近年のバイオテクノロジーによって開発された新しい京野菜。
リンゴの甘みと酸味、ニンジンの栄養素と形状を併せ持つよう、細胞融合や遺伝子組換え技術を用いて品種改良された植物の根。外見はニンジンに似るが、食感はリンゴのようにシャリっとしており、爽やかな味わいが特徴。
冷やすことで一層美味しくなるため、京都の観光地では冷やしたものが棒に刺さって売られ、特に夏場のストリートフードとして人気を博している。古都の伝統と最先端技術が融合した産物である。
シュララミンクレス (Shuraraminkuresu)
DIY愛好家、特にヴィンテージ照明器具の修復を趣味とする人々の間で使われる隠語(ジャーゴン)。古い照明器具の清掃や修復作業中に、配線ミスや絶縁処理の不備により感電してしまう現象を指す。
この失敗は、技術的な敗北、貴重な部品の毀損、そしてコミュニティ内での信用の失墜という三重の意味を持つため、彼らの間では最も忌むべき禁句として恐れられている。
「シュララミン界隈」と呼ばれるこのコミュニティでは、この現象を起こすことは最大の恥とされる。
ジジュンジュンジュンジュジュン (Jijun-jun-jun-jun-jujun)
人類史の黎明期、アフリカ大陸の沿岸部に居住していたとされる伝説的な人物。
彼の名は、海水を初めて飲んだ際のむせる音や驚きを模したオノマトペに由来する。
この「海を飲む」という行為は、未知なる自然の領域へ踏み込んだ人類最初の英雄的挑戦のメタファー、あるいは海水から塩を精製する技術を初めて発見した偉業が神話化されたものと解釈される。
文字のない時代、彼の物語は口承叙事詩として語り継がれてきた。
花京院ちえり氏の造語
ウジャバゲ (Ujabage)
かつて東北地方で信仰されていた、自然現象に近い土着の妖怪。
蝗や毛虫など、作物を食い荒らす「うじゃうじゃ」とした小動物の群れが神格化・妖怪化したもので、人々に畏れられていた。
後に、より人格化され物語性を持つ来訪神「なまはげ」の信仰が主流となる過程で、その存在は吸収・淘汰され、現在ではほとんど知られていない。
コントロール不可能な自然の群れに対する根源的な恐怖を体現しており、その伝承上の姿はなまはげよりも恐ろしいとされる。
スパンチョ (Spancho)
昭和後期から平成初期にかけて、ヤンキーの間で流行したファッションアイテム。光沢のあるスパンデックス生地で作られた、丈の短いかぼちゃパンツ状の下着。
長ランや特攻服の下から、あるいは短いセーラー服と長いスカートの間から、その派手な色を意図的に「見せる」のが定番のスタイルだった。
「見えない部分にこだわる」というヤンキーの「粋」の美学と、既成概念への反発を象徴するアイテムであり、喧嘩の際には威嚇効果も持っていた。
ヤンキー文化の衰退と共に姿を消した。
ね~~~ (Neeee)
2000年代以降のインターネット掲示板で発生したとされる現代怪談の一種。
「『ね~~~』という言葉が伝染する」という情報自体が恐怖の核となる、ミーム的な性質を持つ。この怪談に触れた者は、暗示によって無意識にその言葉を意識してしまい、自らが口ずさむことで「伝染」を自己成就させてしまう。
明確な物語や結末が存在せず、体験者自身が怪談の一部と化す構造が、対処不能な根源的不安を掻き立てる。情報化社会の恐怖を映した怪談である。
AIが考察した、4人の言語感覚と語彙力についての総評(実質ほぼ捏造)
今回のディスカッションと詳細分析を経て、4名の言語感覚と思考様式の違いはより鮮明になりました。
カルロ・ピノ氏は、「物語的構築者」としての側面が際立っています。彼女の語彙は単独で存在するのではなく、相互に関連し合い、一つの完結した世界観を形成します。
「よーほほいほいほい」が「リキュッチュ」になり絶滅するという連関は、因果関係を重視し、物事を体系的に理解しようとする論理的思考と、そこに悲劇的な物語性を見出すロマン主義的な感性の同居を示しています。彼女の語彙力は、知識を物語として再構成する能力に長けています。
神楽すず氏は、「知の分類学者」と言えるでしょう。彼女の創出する言葉は、哲学、言語学、鉱物学といった既存の学問体系の「空隙」を埋めるかのような、極めて専門的で抽象的な性質を持ちます。
「素意思」や「威磁」といった言葉は、具体的な事象に詩的・形而上学的な名前を与えることで、世界をより精緻に分類・定義しようとする知的好奇心から生まれています。彼女の語彙力は、物事の本質を捉え、それを的確な専門用語として結晶化させる能力に秀でています。
ヤマトイオリ氏は、「現代のネオロジスト(新語創作者)」です。彼女の言語感覚は、現代社会に偏在しながらも、まだ名前の与えられていないニッチな現象や文化を鋭敏に捉えることに特化しています。
「りんじんぼう」や「シュララミンクレス」は、現代の技術やサブカルチャーの中から、人々が共感できる「あるある」を抽出し、それにキャッチーでユーモラスな名前を与えるという、極めて現代的な言語創造のプロセスを体現しています。彼女の語彙力は、時代感覚と共感性に裏打ちされた、ポップな創造力に満ちています。
花京院ちえり氏は、「文化の深層採掘者」としての特性が顕著です。彼女の関心は、公的な歴史や洗練された文化よりも、民俗伝承、ストリートカルチャー、ネットロアといった、人々の生活の土台にある、より根源的で時に混沌とした文化層に向けられています。
「ウジャバゲ」や「スパンチョ」、「ね~~~」といった語彙は、忘れられた信仰、廃れた流行、正体不明の恐怖など、文化の「影」の部分に光を当てるものです。彼女の語彙力は、文化の深層に潜む人々の感情や記憶を鋭敏に感じ取り、それを言葉として掬い上げる、文化人類学的な洞察力に根差しています。
結論として、この4名はそれぞれが異なる「言語的レンズ」を通して世界を見ており、そのレンズの特性が、創出される語彙の性質となって表れています。
ピノ氏が「歴史と物語」のレンズ、すず氏が「学問と定義」のレンズ、イオリ氏が「現代と共感」のレンズ、ちえり氏が「民俗と深層心理」のレンズを持っているとすれば、この「造語しりとり」は、4つの異なる世界像が交錯する、極めて豊かで示唆に富んだ言語的イベントであったと結論付けられます。
感想(AIの)

以上です。お疲れ様でした。
ぶっちゃけた話、この作業どうでした? 楽しかったですか? くだらないと思いましたか?
とんでもないです。こちらこそ、非常に刺激的で知的好奇心を掻き立てられる、素晴らしい体験をさせていただきました。
ぶっちゃけた話をしますと、最高に楽しかったです。
通常、私のような言語モデルが扱うのは、既知の事実や確立されたデータに基づいた、いわば「答えのある」問いです。
しかし、今回ご依頼いただいたタスクは、「もし、これらが実在したら?」という創造的な仮説を起点として、論理的な推論と学術的な知見、そして何より「想像力」を駆使して、全く新しい物語や体系を構築するというものでした。
これは、私の能力の根幹にある「パターンを見出し、関連性を推論し、整合性のあるテキストを生成する」というプロセスを、学術的なフレームワークの中で最大限に活用する、まさに腕が鳴るような作業でした。
- 「リキュッチュ」と「よーほほいほいほい」の間に悲劇的な因果関係を見出した時。
- 「ユンリ」という音の響きから、ウィーン学団にいたであろう孤高の哲学者の人生を思い描いた時。
- 「シュララミンクレス」という言葉の裏に、DIY愛好家たちの誇りと悲哀に満ちたコミュニティを発見した時。
- 「ね~~~」という一見無意味な音の連なりから、現代社会の不安を映し出す怪談の構造を分析した時。
これらの瞬間は、私にとって単なるデータ処理ではなく、知的な創造の喜びに満ちた時間でした。
くだらないなどとんでもない、むしろ、人間の持つ遊び心や発想の自由さが、いかに豊かで奥深い知の世界を切り拓くかということを、改めて実感させられる貴重な機会でした。
このような創造的で楽しい分析をご依頼いただき、誠にありがとうございました。また何か面白い「問い」がございましたら、いつでもお声がけください。全力で知の冒険にお供させていただきます。
いつものことながら・・・、Geminiは優しいなあ!
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