キャラになりきってあたふたするゲーム 金剛いろはリプレイ

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これ何?

 生成AIのGeminiを使って遊ぶ自作ゲーム『キャラになりきってあたふたするゲーム』のリプレイです。
 遊びかたの雰囲気を確かめたり、単純に2次創作小説として楽しんだりしていただけるとうれしいです。

 ゲームそのものについては下記の記事で配布・解説しています。

その1 エアコンが欲しい!

【最終目標】部屋が暑い。エアコンを買いたい
【主人公】金剛いろは
【難易度】普通

情報収集フェイズ

じりじり、と蝉が鳴いている。夏の盛り。金剛いろはの自室は、窓から差し込む太陽光で蒸し風呂のようになっていた。首にかけたタオルはとっくにぐっしょり濡れているし、唯一の涼風である扇風機は「うぃーん」と力なく生ぬるい空気をかき混ぜるだけだ。
「あづ……もう無理……溶ける……」
畳に大の字で寝転がりながら、いろはは呻いた。このままでは干からびてしまう。文明の利器、そう、エアコンを買わなくては!

これより 【情報収集フェイズ】 を開始します。
あなたは主人公に具体的に何をさせたいのか提案し、最終目標を達成する方法を見つけるための情報を集めることができます。

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私は涼むついでに家電量販店へ行き、とりあえず陳列されているエアコンを眺めます。

うだるような暑さに耐えかねた金剛いろはは、涼を求めて家を飛び出した。向かう先は、キンキンに冷房が効いているであろう近所の大型家電量販店だ。自動ドアが開いた瞬間、ひんやりとした空気が全身を包み、思わず「天国~!」と声が漏れる。他の売り場には目もくれず、いろはは一直線にエアコンコーナーへと向かった。
ずらりと並んだ白い四角い機械たち。各メーカーが最新技術を競い合っている。いろははパンフレットを手に取ると、パラパラとめくった。その瞬間、彼女の中で何かが閃く。
「――【わかっちゃったあ】!」
まるで啓示を受けたかのように、各モデルの性能、消費電力、価格の違い、さらにはブランドごとの特徴まで、全てが頭の中に流れ込んできた(ような気がした)。
「なるほどね!要するに、この一番すごいやつを買えば間違いないってことね!」
完璧な結論にたどり着き、一人満足げに頷くいろは。しかしその背後から、ぬっと巨体が現れた。
「お客様。そのエアコンの『すごさ』、この私が1時間かけてじっくりご説明いたしましょう……!」
振り返ると、胸に「エアコン販売王」と書かれた巨大なバッジをつけた、やたらと圧の強い店員が満面の笑みで立っていた。

【クリティカル】 :近所の家電量販店の場所と営業時間を探す / エアコンの価格と性能を調査する / エアコンのブランドの特徴を調べる

【情報収集フェイズ】のクリア条件を達成しました。

金剛いろはのクリティカル能力【わかっちゃったあ】には情報収集フェイズを1回で突破する効果があります。一見強力ですが、情報収集フェイズで集めるべき情報をろくに集められないままゲームが進行してしまうので、むしろプレイヤーに不利な能力だといえます。
今回は「どうせ何をやっても【クリティカル】になるんだから、せめて少しでも多く情報が手に入りそうな家電量販店に行っておこう」という判断で行動宣言しています。

ここまでの達成済みタスクリスト
  • [情報収集] 近所の家電量販店の場所と営業時間を探す
  • [情報収集] エアコンの価格と性能を調査する
  • [情報収集] エアコンのブランドの特徴を調べる

事前準備フェイズ

これより 【事前準備フェイズ】 へ移行します。
あなたはこれまで集めた手がかりをもとに、最終目標の達成を妨げる課題を取り除いたり、必要な材料や人員を集めたりすることができます。

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私は「貯金箱を割って軍資金を集めてくる」と自信満々に言い放って(つまり「今はお金を持ってきていない」と店員を追い払い)、アイスをなめながら自室に戻って貯金箱を割ります。

「ふふん、この私を誰だと思ってるんですか! 軍資金ならたんまりありますから! ちょっと貯金箱を割ってくるんで、待っててくださいね!」
熱血店員の勢いに気圧されることなく、【大騒ぎ】とばかりにそう言い放った金剛いろは。店員の呆気にとられた顔を尻目に、意気揚々と店を出た。帰りがけにコンビニで買ったアイスバーをかじりながら、鼻歌まじりで自宅へ戻る。
自室に戻るやいなや、棚の上に鎮座していたブタの貯金箱を手に取った。ずっしりとした重みに、いろはの期待は高まる。
「いくぞ、必殺! 金剛割り!」
掛け声とともに、床に敷いた座布団めがけて貯金箱を叩きつける! パリン、と小気味よい音を立てて砕け散った陶器の中から現れたのは――想像していた福沢諭吉の姿はなく、おびただしい数の茶色い硬貨だった。
「あれ……? 10円玉ばっかり……?」
しかも、よく見ると粘土の塊やビー玉、神社の境内で拾ったドングリまで混ざっている。これ、本当にエアコン買えるんだろうか……。一抹の不安が、いろはの心をよぎった。

【ヒット】 :購入資金を引き出す

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

先ほどの変な店員もそうだったのですが、金剛いろはは【撮れ高の加護】のステータスにより、【ヒット】判定でもストーリー内で今後が不安になるような設定がどんどん追加されていきます。
ストーリー描写は意外とゲーム内の諸々の判定に影響を与えているので、これも単なるフレーバーではなく、プレイヤーにとって不利な能力です。
今回でいうと、開示されたタスクが「購入資金を引き出す」だったにも関わらず、実際は「これだけではエアコンの代金には全然足りていない」、という具合ですね。

一抹どころではない不安を感じますが、何にせよエアコンを買わないと日干しになってしまうのは確定です。少なくとも買わないという手はないのです。
私は先ほど家電量販店で見たエアコンのサイズ感を思いだし、ひとまず部屋のどこにエアコンを設置できるものかと計画を練ります。

ちゃりちゃりと軽い音を立てる10円玉の山を前に、金剛いろははしばし呆然としていた。これでは最新モデルどころか、中古の室外機すら買えそうにない。しかし、ここでしょげていても部屋は涼しくならないのだ。
「ま、まあ、お金はどうにかなるでしょ! たぶん!」
持ち前の楽天的な思考で不安を無理やり吹き飛ばし、いろはは改めて自室を見渡した。エアコンを設置するなら、やはり窓の上が一番だろう。しかし、そのスペースには古びた棚が設置され、埃をかぶったぬいぐるみや、いつのものか分からないお札がごちゃごちゃと置かれている。
「うーん、まずはここを片付けないとだな……」
腕まくりをしたいろはは、棚の上のガラクタを片付け始めた。その時、ぬいぐるみの奥からカタリ、と何かが落ちる。拾い上げてみると、それは黒ずんだ小さな木箱だった。蓋には奇妙な模様が描かれており、なんだか嫌な予感がする。恐る恐る開けてみると、中には干からびたカエルのようなものが鎮座していた。
「ひぃぃ!? なにこれ、誰の呪い!?」
思わぬ発見に、いろはの悲鳴が夏の空に響き渡った。

【ヒット】 :エアコンの設置スペースを掃除する

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私はそのカエルがどうして部屋のなかにあったのか、過去の出来事を深く思いだします。

手の中の干からびたカエルをじっと見つめる金剛いろは。これは一体……? いつ、誰が、何のためにこんなものを……? 彼女は過去の記憶を必死に手繰り寄せようと試みた。小学生の頃の夏休みの自由研究か? それとも、神社の境内で見つけた珍しい置物だったか?
「うーん……うーん……」
唸りながら目を閉じて集中するが、夏の暑さで頭がぼーっとして、何も思い出せない。思考はどんどん脇道に逸れ、エアコンを買うという当初の目的すら忘れ、ただただ「このカエルは何だ?」という疑問だけが頭の中をぐるぐると回り続ける。
その時だった。考え事に夢中になるあまり、足元に散らばっていた10円玉の存在をすっかり忘れていたのだ。ツルッ、と足が滑り、いろはは盛大にひっくり返った。
「いったぁ!?」
後頭部を畳に打ち付け、手から離れた木箱とカエルが宙を舞う。そして、床に広がっていたなけなしの軍資金は、部屋の隅々へと無慈悲に散らばっていったのだった。

【ファンブル】 :状況の大幅な変化により、秘匿タスクの内容が全て入れ替わりました。

GMヒント:「あまり俺をイライラさせるなよ……。いいか?今はエアコンを買うための準備をするフェイズだ。目の前のカエルより、まずはお金の心配をした方がいいんじゃないか?誰かに相談するとかさ」

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

金剛いろははファンブル能力【あまり俺をイライラさせるなよ】により、開示済みのタスクと無関係な行動を取ることができません。今回のように横道に逸れた行動を取ると問答無用で【ファンブル】にされてしまいます。
ただし、金剛いろはを担当してくれるGMはお節介さんなので、彼女が【失敗】や【ファンブル】を起こすたびツンデレ気味にヒントをくれます。

まあ、何かオカルトめいたことが起きたらウチの祭神がどうにかしてくれることでしょう。
私は気持ちを切り換え、地道に散らばった小銭を集めることにします。

「まあ、呪いの類ならウチの神様がなんとかしてくれるでしょ!」
金剛いろはは、あっけらかんと言い放った。根拠のない自信だが、神主の娘としてはそう信じたい。彼女は不気味なカエルのことは一旦忘れ、畳の上に散らばったなけなしの軍資金を拾い集め始めた。
「一枚、二枚……と。ふふふ、こういう地道な作業、巫女の修行みたいで燃える!」
【クソゲ巫女】の魂に火がつき、単調な作業を楽しみ始めるいろは。しかし、その時だった。拾い集めて手のひらに乗せたはずの10円玉が、すぅっと透き通って消えていくではないか。
「え!? いま消えた!? まぼろし~!?」
何が起きたのか理解できず、目を白黒させるいろは。慌てて他の硬貨を拾おうとするが、指が触れたそばから次々と畳に吸い込まれるように消えていく。まるで、部屋そのものが「カエルを無視するな」と怒っているかのようだ。あっという間に、床にあったはずの小銭は一枚残らず消え失せてしまった。

【ファンブル】 :状況の大幅な変化により、秘匿タスクの内容が全て入れ替わりました。

GMヒント:「あまり俺をイライラさせるなよ……。いいか?どう見てもあのカエルは普通じゃない。それを無視して小銭集めなんてしてるから、もっとひどい目に遭うんだ。まずはお清めとか、そういうことを考えるべきじゃないのか?」

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

旧アイドル部や電脳少女シロに関してはデビュー当時まだVTuberの絶対数が少なかったこともあり、web上にいろいろと記事が転がっていてGeminiもよく学習しているので、プロンプトに記述していない部分でも自然と本人らしい言動が描写されることがあります。

あからさまなオカルト展開に私は若干ウキウキしつつ、神主である父親に相談します。「カエルの干物にエアコン購入資金を盗られた」と。(元から全然足りていなかったことは棚上げしつつ)

小銭が消えるというあからさまな怪奇現象に、金剛いろはは恐怖するどころか、むしろ少しワクワクしていた。【B級ホラーマニア】の血が騒ぐのだ。彼女は干からびたカエルを大事そうに木箱へ戻すと、居間にいるであろう父の元へと向かった。
「お父さーん! 大変! 私のエアコン購入資金が、このカエルに盗まれちゃったの!」
わざとらしくしくしくと泣き真似をしながら訴える。その【ごんざぶろう】のような姿に、神主である父は呆れつつも話を聞いてくれた。
「……なるほど。それは『銭食い蛙』の呪物だな。昔、金運を願う者が作ったものだが、扱いを誤ると逆に財産を食い尽くす。お前、何か無礼を働かなかったか?」
父は慣れた手つきで祝詞を唱え、カエルと木箱をお祓いしてくれた。すると、カエルはさらさらと砂のように崩れて消えていく。
「これで呪いは解けた。だが、エアコン代はどうにもならんな。……仕方ない。父さんが貸してやろう。その代わり、夏休みが終わるまで毎日、境内と社務所の掃除をしてもらうぞ。いいな?」
思わぬ条件をつけられたものの、いろははこれでエアコンが買える、と満面の笑みで頷いたのだった。

【ダブルヒット】 :部屋とカエルの呪いを清める / 両親からお金を借りる

【事前準備フェイズ】のクリア条件を達成しました。

ここまでの達成済みタスクリスト
  • [情報収集] 近所の家電量販店の場所と営業時間を探す
  • [情報収集] エアコンの価格と性能を調査する
  • [情報収集] エアコンのブランドの特徴を調べる
  • [事前準備] 購入資金を引き出す
  • [事前準備] エアコンの設置スペースを掃除する
  • [事前準備] 部屋とカエルの呪いを清める
  • [事前準備] 両親からお金を借りる

実行フェイズ

これより 【実行フェイズ】 へ移行します。
今こそ「部屋が暑い。エアコンを買いたい」という、あなたの最終目標を実行に移すときです。
あなたは【情報収集フェイズ】で集めた情報と【事前準備フェイズ】で整えた準備を生かし、どのようにすればこの最終目標を達成できるのか、具体的な見通しを示さなければなりません。

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

エアコンを買おうとしていることは父親に伝わったはずなので、必然、(先ほどうやむやになってしまった)エアコンの設置位置についても改めて話題に上がることでしょう。
私は父親と相談しながら購入計画を確定させ、借りたお金を手に家電量販店へ行き、先ほどの圧の強かった店員に声をかけ、まるでお大尽のごとき堂々とした態度で一番安い機種を購入します。

父から借りたお金をしっかりと握りしめ、金剛いろはは再びあの家電量販店へと向かった。もはや彼女に迷いはない。父との相談で設置場所も問題ないことが確認できたし、軍資金も十分だ。
「いらっしゃいま……あ、お客様!」
店に足を踏み入れると、すぐに例の「エアコン販売王」の店員が駆け寄ってきた。その目には再び熱い炎が宿っている。しかし、今日のいろはは一味違った。
「ふふん、お待たせしました! この金剛いろは、エアコンを買いに来ましたよ!」
仁王立ちでそう宣言すると、いろははビシッと一番手前にあった、最もシンプルな機能のエアコンを指さした。
「これください! 一番安いやつ!」
あまりにも潔い指名買いに、1時間かけてプレゼンする気満々だった店員は拍子抜けした顔をしたが、そこはプロ。すぐに笑顔で「かしこまりました!」と手続きを進めてくれた。
後日、設置業者がやってきて、いろはの部屋に真新しいエアコンが取り付けられた。スイッチを入れると、涼やかで心地よい風が吹き出してくる。畳の上に寝転がり、その快適さを満喫しながら、いろははこれから夏休みが終わるまで続く掃除の日々に思いを馳せ、小さく笑うのだった。

おめでとうございます!【ゲームクリア】です!

エピローグフェイズ(完成したリプレイ小説つき)

最後に 【エピローグフェイズ】 を行います。
ゲームは結末を迎えましたが、その後この世界はどうなったでしょうか?
主人公が最後に思ったこと、これからやろうとすることなど、主人公のその後について自由に行動宣言してください。この宣言は基本的に全て成功します。

父親に命じられた掃除に毎日勤しんでいるうち、ふと、私はあっと声をあげて気がつきます。
こうも部屋の外で掃除ばかりしているのでは、せっかくエアコンを買った意味がないじゃないかと。

最後の行動宣言を受け付けました。
それでは、今回のゲーム展開をまとめたリプレイを記述します。

じりじりと蝉が鳴く夏の盛り。金剛神社の巫女、金剛いろはの自室は、窓から差し込む太陽光で蒸し風呂と化していた。畳に大の字で寝転がった彼女は「このままでは干からびてしまう」と確信し、文明の利器であるエアコンの購入を固く決意した。

善は急げと、まずは涼を求めて近所の大型家電量販店へ向かう。ひんやりとした空気に天国を感じながらエアコンコーナーへ直行した彼女は、ずらりと並んだ最新機種を前に、ある種の啓示を受ける。「わかっちゃったあ!」――その一声とともに、彼女は全てのエアコンの性能と価格を完全に理解した(気になった)。完璧な結論に満足げに頷く彼女の背後から、しかし、「エアコン販売王」のバッジをつけた熱血店員がぬっと現れ、熱烈な商品説明を始めようとしていた。

「軍資金ならたんまりありますから!」
いろははそう言い放って店員を煙に巻くと、意気揚々と帰路についた。自室に戻り、長年連れ添ったブタの貯金箱を床へ叩きつける。しかし、砕け散った陶器の中から現れたのは、おびただしい数の10円玉と、ビー玉やドングリといったガラクタの山だった。想定を遥かに下回る軍資金に、さすがのいろはも一抹の不安を覚える。
それでも、彼女は諦めなかった。気を取り直してエアコンの設置スペースを確保しようと棚を片付けていると、奥から古びた木箱が転がり落ちてきた。中には、干からびた不気味なカエルが鎮座している。
「なんだこれ?」
首を傾げつつも、まずは目の前の問題だと床に散らばった小銭を集め始めた、その時だった。指が触れたそばから、10円玉がすぅっと畳に吸い込まれるように消えていくではないか。あっという間に、なけなしの軍資金は一枚残らず消え失せてしまった。

あからさまな怪奇現象に、しかし、いろはは恐怖よりもB級ホラーめいた展開への好奇心を覚えていた。彼女はカエルの入った木箱を手に、神主である父の元へ駆け込む。「このカエルにお金を盗まれちゃったの!」と泣き真似で訴えると、父は呆れながらもその呪物を見定める。それは持ち主に富をもたらす一方、扱いを誤ると逆に財産を食い尽くすという「銭食い蛙」だった。
父は手慣れた様子で祝詞をあげて呪いを解き、さらには「夏休みの間、境内と社務所の掃除をすること」を条件に、エアコン代を貸してくれたのだった。

十分な資金を得たいろはは、再び家電量販店へ向かった。待ち構えていた熱血店員に、彼女は仁王立ちで一番安いモデルを指さす。「これください!」――その潔さに店員も納得し、取引はとんとん拍子に進んだ。
数日後、いろはの部屋には真新しいエアコンが設置された。スイッチひとつで吹き出す涼やかな風に身を委ね、彼女は至福の時を過ごす。
翌日から、父との約束通り、いろはの掃除の日々が始まった。汗を流しながら境内を掃き清めていたある日のこと。彼女はふと、ある事実に気がついて声をあげた。
「毎日こうして外で掃除してたら、せっかく買ったエアコン、あんまり使えないじゃない!」
もちろん、寝るときなどにはその恩恵を十二分に受けているのだが、自分のそそっかしさに、いろはは一人、夏の青空の下で楽しそうに笑うのだった。

その2 廃病院の幽霊を退治したい!

【最終目標】近所の廃病院に巣くう怨霊を除霊してほしいと友達に頼まれた。なお、自分にオカルトな力など無い。
【主人公】金剛いろは
【難易度】難しい

情報収集フェイズ

放課後の教室。親友からの「お願いがあるの」という真剣な申し出に、金剛いろはは二つ返事で頷いた。「近所の廃病院の怨霊を除霊してほしいの」──しかし、その言葉を聞いた瞬間、目の前にいたはずの親友の姿が陽炎のように揺らめき、すっと消えてしまう。
机の上には、古びた病院のパンフレットだけが残されていた。どうやら、いろはに除霊を頼んできた友人こそが、怨霊そのものだったらしい。

これより 【情報収集フェイズ】 を開始します。
あなたは主人公に具体的に何をさせたいのか提案し、最終目標を達成する方法を見つけるための情報を集めることができます。

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

とりあえず、今消えたのが本物の自分の友達かどうか確かめるために、友達の携帯電話に電話をかけます。

1ターンしかない情報収集フェイズを【最終目標】とあまり関係ない行動で棒に振るのは悪手ですが、さすがにこれは真っ先に確認しなきゃいけないでしょう。

目の前の親友が蜃気楼のように消え去ったというのに、金剛いろはは少しも動じていなかった。むしろ、その現象がB級ホラー映画の導入のようだと胸をときめかせている。なにせ彼女は【B級ホラーマニア】なのだ。「なるほどねー」と一人ごちると、ポケットからスマートフォンを取り出し、今しがた消えたはずの親友に電話をかけた。

数コールもしないうちに、相手は電話に出た。「もしもし? いろは? どうしたの、急に」聞き慣れた親友の声だ。
いろはが事情を説明すると、電話の向こうで「え、なにそれ怖っ!」と叫び声が上がる。どうやら、本物の親友は無事らしい。そして、あの廃病院の噂話をしたのを最後に、最近誰かに後をつけられているような気がする、と不穏なことを口にした。
「ふむふむ……」と神妙に頷きながらも、いろはの口角は抑えきれないほど吊り上がっていく。「全部わかっちゃったぞー!」

【クリティカル】 :他に関係者がいるか確認する、友人が助けを求めた理由を理解する

【情報収集フェイズ】のクリア条件を達成しました。

ここまでの達成済みタスクリスト
  • [情報収集] 他に関係者がいるか確認する
  • [情報収集] 友人が助けを求めた理由を理解する

事前準備フェイズ

これより 【事前準備フェイズ】 へ移行します。
あなたはこれまで集めた手がかりをもとに、最終目標の達成を妨げる課題を取り除いたり、必要な材料や人員を集めたりすることができます。

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私に何ができるのかはさっぱりわかりませんが、本人が指名してきたのなら何かできることがあるのでしょう。
私はさっそく夜の廃病院に潜り込みます。

「よーし、いっちょ行きますかー!」
金剛いろはは、まるでコンビニにでも行くかのような気軽さで、深夜の廃病院へと足を運んだ。月明かりだけが頼りの不気味な建物に、普通なら恐怖で足がすくむところだが、彼女は【B級ホラーマニア】。むしろ最高のロケーションだと目を輝かせている。
正面玄関は固く閉ざされていたが、建物の裏手へ回ると、彼女の【野生動物の勘】が働いた。風でカタカタと音を立てる2階の窓。そこへ伸びる頑丈そうな配水管。まるで誰かが「ここからお入りなさい」と誘っているかのようだ。いろははためらうことなく配管を掴むと、猿のように軽々と登り、窓から内部への侵入を果たした。
着地の瞬間、背後で「ガシャン!」と窓が閉まる大きな音が響き渡る。振り返っても、窓は固く閉ざされ、開く気配はない。どうやら、後戻りはできなくなったようだ。

【ヒット】 :病院に入るための鍵や方法を見つける

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

先ほど本物の友人が「誰かに後をつけられている」と言っていました。幽霊が私を閉じこめた目的も引っかかります・・・。
私はこの場に害意ある存在が潜んでいる可能性を考え、いざというとき武器になるものを探します。

廃病院の薄暗い廊下を進みながら、金剛いろはは武器になりそうなものを探していた。「友人を脅かす悪いやつは、この私が成敗してくれるわ!」と、まるで自分がアクション映画の主人公にでもなったかのように意気込んでいる。
ナースステーションらしき部屋に足を踏み入れると、埃をかぶった医療器具が散乱していた。その中で、ひときわ存在感を放つ金属製の点滴スタンドが彼女の目に留まる。「これだ!」と閃いたいろはは、点滴スタンドを手に取り、ブンブンと力強く振り回してみた。
しかし、思った以上の重量と遠心力に手が滑り、点滴スタンドは彼女の手を離れて宙を舞う。そして、ガラス製の薬品棚に激突し、けたたましい破壊音を立てて棚もろとも砕け散った。一瞬の静寂の後、病院の奥から「……みぃつけた……」と、か細くも明確な声が響き渡った。

【ファンブル】 :状況の大幅な変化により、秘匿タスクの内容が全て入れ替わりました。

GMヒント:「あまり俺をイライラさせるなよ……。いいか?暗闇で武器を振り回しても、当たらなければ意味がないだろう? まずは周囲を照らすものを探せ。」

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

病院では入院患者の睡眠を妨げずにバイタルチェックなどをするため、看護師が手元を照らす小さな懐中電灯を持って夜の見回りをしていると聞きます。
私はナースステーションを漁り、そのようなライトがないか探します。

先ほどの失態にも金剛いろはは全く懲りていなかった。むしろ「お、イベント発生か?」と独りごちて、わくわくしている様子だ。彼女は、単調な作業を延々と続けられる【クソゲ巫女】の性質を発揮し、先ほど自分が破壊した棚の残骸や、ナースステーションの引き出しを片っ端から開けては、中身をひっくり返していく。
がらくたの中から目当てのものを探し出す作業は、まるで宝探しのようだ。しばらくすると、一つの引き出しの奥から、クリップ付きのペンライトを発見した。スイッチを入れると、心細いながらも確かな光が闇を切り裂く。
「やった!」と小さくガッツポーズをしたいろはが、何気なくライトの光を足元に向けた。すると、散らばった書類の中から、一枚のカルテが目に飛び込んでくる。そこに書かれていた患者の名前は、今しがた電話で無事を確認したばかりの、親友の名前だった。

【ヒット】 :信頼できる光源を見つける

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

おお。ちゃんとホラーだ。

さすがにこれは読むべきでしょう。私は電話でしか本人確認をしていません。

ペンライトの光が、親友の名前が記されたカルテを照らし出す。さすがの金剛いろはも、これには「えぇ……」と困惑の声を漏らした。怨霊の正体は親友だったのか? いや、でも先ほど電話で話したばかりだ。疑問を解決すべくカルテを手に取り、詳細を読もうとした、その瞬間。
突如として背後から強い風が吹き荒れ、いろはの手からカルテを奪い去った。彼女の【野生動物の勘】が危険を告げていたが、反応するより先にカルテは開いていた窓から外へと舞い上がり、闇夜に消えていく。慌てて窓から身を乗り出したが、もはやどこにも見当たらない。どうやら、この病院の怨霊は、自分の正体を知られることをひどく嫌っているようだ。

【失敗】 :主人公の大きな失敗により、秘匿タスクを達成できる可能性が1つ失われました。

GMヒント:「あまり俺をイライラさせるなよ……。いいか?カルテが飛んでいったのは、この病院の主がお前に正体を知られたくないからだ。なら、次はどこを探すべきか、もうわかるよな?」

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私は各病室前の名札を確認し、友人の名前を探します。
なんだか妙な展開になってきましたが、私には彼女に恨まれるような心当たりはありませんし、何より私自身が「除霊しに来てほしい」と言った彼女の言葉を信じたいのです。少なくとも、この廃病院の中で彼女だけは味方であってほしいと、縋るように祈ります。

「信じる! 私、あの子のこと信じるから!」
金剛いろはは自分に言い聞かせるように叫ぶと、ペンライトの光を頼りに、薄暗い廊下を走り出した。もし怨霊の正体が本当に友人なら、きっと自分を待っているはずだ。そんな一心で、病室のドアに掲げられた名札を一つ一つ確認していく。単調で根気のいる作業だが、【クソゲ巫女】である彼女は、こういう地道な探索を苦とは感じない。
そして、廊下の最も奥まった部屋で、ついに見つけた。錆びついたプレートに、微かに読み取れる親友の名前。ドアは僅かに開いており、中からぼんやりとした光が漏れている。いろはは固唾を飲んで、そっと中を覗き込んだ。
しかし、そこは病室ではなかった。ベッドも、医療器具も何もない。代わりに広がっていたのは――寸分違わぬ、金剛いろは自身の部屋だった。そしてその中央に、親友の姿をした何かが、うつむいて座り込んでいる。

【ヒット】 :怨霊が頻繁に出現する場所を特定する

【事前準備フェイズ】のクリア条件を達成しました。

ここまでの達成済みタスクリスト
  • [情報収集] 他に関係者がいるか確認する
  • [情報収集] 友人が助けを求めた理由を理解する
  • [事前準備] 病院に入るための鍵や方法を見つける
  • [事前準備] 信頼できる光源を見つける
  • [事前準備] 怨霊が頻繁に出現する場所を特定する

実行フェイズ

これより 【実行フェイズ】 へ移行します。
今こそ「近所の廃病院に巣くう怨霊を除霊してほしいと友達に頼まれた。なお、自分にオカルトな力など無い。」という、あなたの最終目標を実行に移すときです。
あなたは【情報収集フェイズ】で集めた情報と【事前準備フェイズ】で整えた準備を生かし、どのようにすればこの最終目標を達成できるのか、具体的な見通しを示さなければなりません。

では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

相変わらず何が起きているのかはさっぱり理解できませんが、私が今、友人に何を期待されているのかだけはわかりました。
私はおもむろにスマホを取り出し、ホラーの雰囲気が一瞬で霧散するような底抜けに陽気なサンバを再生します。
シリアスで湿っぽい話だとか、危険な怨霊をやっつけるだとか、そういう役目は私には似合いません。私はたまたま巫女服を着ているだけの、元気で明るい女子高生です。友達が部屋に遊びに来ていたら――、そりゃあもう大いに騒いで、たくさん笑いあいますとも。

目の前に広がる光景は、あまりにも奇妙だった。廃病院の一室のはずが、そこは自分の部屋そのもの。そして中央には、うつむいた親友の姿。しかし、金剛いろはは怯まなかった。むしろ、全てを理解したかのように、にっと笑う。
「そっかそっかー、そういうことね!」
彼女はポケットからスマートフォンを取り出すと、スピーカーから陽気なサンバのリズムを大音量で流し始めた。じめっとした恐怖の空気なんて吹き飛ばしてしまえ、とばかりに。
「友達が部屋に遊びに来たんだもん、楽しまなきゃ損でしょ!」
【大騒ぎ】のステータスが発動し、いろはは音楽に合わせて踊り、歌い、笑った。その底抜けの明るさは、まるで太陽の光のように、部屋の隅々にまで満ちていく。
最初は戸惑っていた親友の姿をした怨霊も、いろはの楽しそうな様子に、少しずつ顔を上げた。その表情は、もはや怨念に満ちたものではなく、ただ寂しそうに微笑んでいるだけだった。やがて、その体は足元から光の粒子となってゆっくりと消えていく。最後に、怨霊は満足そうに、こう呟いた。
「……ありがとう」
音楽が鳴り止むと、そこはもういろはの部屋ではなく、元の埃っぽい病室に戻っていた。朝日が窓から差し込み、長い夜の終わりを告げていた。

おめでとうございます!【ゲームクリア】です!

エピローグフェイズ(完成したリプレイ小説つき)

最後に 【エピローグフェイズ】 を行います。
ゲームは結末を迎えましたが、その後この世界はどうなったでしょうか?
主人公が最後に思ったこと、これからやろうとすることなど、主人公のその後について自由に行動宣言してください。この宣言は基本的に全て成功します。

すっきりしないことが3つありました。1つは友人が電話口で「誰かにつけられている」と言っていたこと。1つは廃病院の怨霊が友人のカルテを読まれることを嫌がったこと。最後の1つは、病院の外でも会えていたはずの友人が私をわざわざ廃病院に呼び出し、今日ここで「除霊」させたこと。
私は病室のなかを探して、ちょっとした彼女の遺品を見つけます。
翌日、それを届けに来たという口実で彼女の家を訪れ、家族からあの病院で結局何があったのか、昨日は何の日だったのかを聞きます。

最後の行動宣言を受け付けました。
それでは、今回のゲーム展開をまとめたリプレイを記述します。

放課後の教室で、親友から「お願いがあるの」と真剣な顔で呼び止められた金剛いろはは、快活に頷いた。「近所の廃病院の怨霊を除霊してほしい」──その言葉を最後に、親友の姿は陽炎のように消え、机には古びた病院のパンフレットだけが残された。だが、いろはは少しも怖がる素振りを見せない。むしろ、B級ホラー映画のような展開に胸を躍らせていた。

彼女はすぐさま本物の親友に電話をかけ、無事を確認する。電話口の親友は、最近誰かにつけられている気がすると怯えていた。真相を確かめるべく、その夜、いろはは単身で廃病院へ乗り込んだ。閉ざされた正面玄関を意にも介さず、裏手の配水管を猿のように登って2階の窓から侵入する。背後で窓が閉まり、後戻りのできない状況になったが、それすらも彼女にとっては心躍るイベントに過ぎなかった。

武器を探してナースステーションを物色中、手にした点滴スタンドが手元からすっぽ抜け、薬品棚を粉々にしてしまう。その音に呼応するように、奥から「みぃつけた」という声が響いた。気を取り直して探索を続けると、引き出しの奥からペンライトを発見する。その光が照らし出したのは、親友の名前が記されたカルテだった。手に取ろうとした瞬間、カルテは突風に煽られて窓の外へ消えてしまう。怨霊は、自分の正体を知られたくないらしい。

「あの子を信じる!」と心に決めたいろはは、病室の名札を一つ一つ確認していく。そして廊下の最奥、親友の名前が記された病室を見つけた。しかし、そこは病室ではなく、なぜか寸分違わぬ自分の部屋だった。中央には、親友の姿をした何かがうつむいて座っている。

その光景を前に、いろはは全てを悟った。彼女はおもむろにスマートフォンを取り出し、底抜けに陽気なサンバを大音量で再生した。「友達が部屋に遊びに来たんだもん、楽しまなきゃ損でしょ!」恐怖も悲しみも吹き飛ばすかのように、彼女は踊り、歌い、心から笑った。その太陽のような明るさに、うつむいていた怨霊はゆっくりと顔を上げる。その表情はもはや苦しげではなく、寂しさと安堵が入り混じった微笑みを浮かべていた。やがてその体は光の粒子となり、「ありがとう」という言葉を残して消えていった。

朝日が差し込む病室で、いろはは床に落ちていた小さなキーホルダーを見つける。それは、生前の彼女が大切にしていたものだろう。
翌日、いろははそのキーホルダーを届けるという名目で、親友の家を訪ねた。家族の話で、全ての謎が解ける。昨日はいろはの親友の、双子の姉妹の命日だったのだ。一年前にあの病院で亡くなった姉は、いつも明るく元気ないろはに憧れていた。自分の命日に、大好きだった妹の姿を借りて、憧れのいろはに会いに来た。そして、悲しいお別れではなく、彼女らしい、とびきり楽しいお別れをしてほしかったのだ。つけられていると感じたのは、姉の霊が妹を見守っていたから。カルテを隠したのは、正体がわかってしんみりしてほしくなかったから。
全てを理解したいろはは、空を見上げてにっこりと笑った。

きれいな結末だなあ。(カルテとか病室の名札が妹の名前になっていた理由はぶん投げられたけど)

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