魔法つかいプリキュア!第41話感想 それはかけがえのないあなただからできたこと。

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きっとこんな毎日がいつかキラキラの宝物になる。だから!

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(主観的)あらすじ

 魔法界とナシマホウ界が近くなったので、毎日学校が終わってから魔法学校に放課後留学することにしました。魔法学校の授業はワクワク。魔法学校の友達もワクワク。毎日がもっと楽しくなりました。
 魔法学校の寮でお泊まり会もします。ジュンはリコが変わったと言います。けれどそれはジュンやみんなも同じで、そうして変わったのはみらいがワクワクを運んでくれたおかげだとみんな口を揃えます。みらいからするとワクワクは自分が運んできたのではなくて、みんなで生みだしたものだとも思うのですが。
 だからデウスマストが世界をメチャクチャにするというなら、それはやっつけなければいけません。楽しい毎日がずっとずっと続くように、プリキュアは今日もドンヨクバールと戦います。
 そうして続く、友達と過ごすみらいたちの楽しい毎日を、校長先生はひとり眩しそうに見つめます。

 みらいの世界観が拡張する、日常回。魔法つかいプリキュア!においては事件よりも日常の方が重要で、作品テーマ的に重要なエッセンスは大きな事件よりも当たり前の日常の方に多く含まれます。一見ぱっとしない作品に見えるのはそういう構造上の必然で、けれどこういう構造だからこそ描けるステキを、この物語は余すことなくとってもステキに描いていると思います。
 「悲しいお別れはもう嫌なの」 みらいの抱える問題を解決する糸口が今回提示されました。最近の魔法界でのエピソードはミトメールがないからか、こういう足場固めが多く描かれますね。映画で描かれた流れとはちょっと違ってきそうで楽しみです。
 映画といえばジュンの部屋にさりげなく風船の絵が飾られていて、なんとなくまた映画を観たくなっちゃいます。こういうのもサブリミナルっていうんじゃなかったですっけ?

人生を豊かにする

 「友と賑やかな夜を過ごす、その楽しみも人生を豊かにする貴重な経験じゃ」 大人であればあるほど子どもに「よく遊べ」と言うものですね。それがどれだけステキなことかを知っていますから。心からそう言い切れる大人に、私もなりたいものです。言ってあげられる子どもはいませんけどね。
 学校の先生というのは子どもが好きでなければ割に合わないメンドクサイ仕事で、現実の子どもたちのままならなさにウンザリしながらも、基本的に彼らは人並み以上に子どもが大好きな人ばかりです。普段は口うるさい教頭先生もそのひとりですね。校内の秩序を守る役目を負っていながら、それでも「人生を豊かにする」と言われたら強く出ることができません。
 第2話でリコに対して「退学もありえますよ」と脅しつけながら、いざリコが言いつけを破って教室から飛び出したのを見つけると「退学になるつもりですか!?」と取り乱していたように、彼女もまた子どもたちの幸せを祈る大人のひとりです。
 プリキュアシリーズの大人たちはみんな善人ですが、今年は子どもたちを見守る大人たちの優しい視線がひときわ目立って描かれますね。彼らはしばしばプリキュアですら庇おうとします。みらいたちのワクワクもんな毎日は大人たちの愛によって守られているんですね。

 そうして保障されたワクワクもんな毎日は、実際子どもたちの人生を豊かにしていきます。
 「魔法界とナシマホウ界が近くなったって、あいつらエライ喜んでて、毎日通い詰めでさァ。間に合うときは魔法学校の午後の授業にも出たりしてて、今日も・・・」 報告というにはずいぶんはずんだ口調ですね。「喜んでて」とかそういう心情にまで踏み込んだことなんて今までは報告から抜いていました。実際オルーバもそのあたりには興味ないでしょうしね。
 チクルンは変わりました。「情が移った」とでも表現すればいいのでしょうか。みらいたちに親しみの情が湧いたという意味だけではなく、文字通りみらいたちの楽しいという感情が伝染しちゃっています。
 報告のなかについつい心情を織り交ぜてしまうのは、その気持ちをチクルンも一緒に共有しているから。もうすっかり友達です。

 一方で校長先生は親友クシィを失った悲しみに胸を痛めている様子。みらいたちの前向きさに励まされつつも、ひとりで世界を守ろうとした英雄は今もひとりぼっちのままです。
 たぶん、どこかで何かしらの救いを見つけられるでしょうけれどね。今年の映画は春も秋も、死に別れた思い出とすら手を繋いでみせる物語を含むものでしたから。
 「人生を豊かにする」経験は、たとえどんなことがあっても損なわれません。うっかり忘れてしまうことはあっても。豊かな人生はいつか「キラキラの宝物」に変わって、あなたの目の前の世界を色鮮やかに彩ってくれるでしょう。

みらいが私たちにワクワクを運んでくれた

 友達と遊ぶのがどうして人生を豊かにすることに繋がるのかといえば、そこに発見があるからです。先ほどのチクルンについてもそういうことですね。リコや、ジュン、ケイ、エミリーはみらいと出会って新しい自分を見つけました。
 補習授業、みらいは持ち前の行動力で終始みんなをリードしていました。行動力を育む課題から始まる一連の補習はみらいの気質に相性良く、逆をいえばそういうカリキュラムが必要だと判断されていた4人には難しいものでした。みらいは4人に欠けていたものを運んでくれたのです。

 それぞれもうひとつずつ、個別にも見てみましょう。
 リコはいうまでもなくかけがえのない友達を得て、今まで見えていなかった新たなものの見方を発見しました。
 ジュンは憧れのナシマホウ界から来たみらいと別れたことで、胸を張って憧れの世界に行きたいという夢をますます強め、勉強に打ち込むための強い動機を発見しました。
 ケイはみらいの提案によって、忘れ物をなくすためにメモすることを覚え、新しい知識を収集するという新しい楽しみを発見しました。
 エミリーは空を飛ぶという苦手分野でみらいに先を越されたことで、自分も挑戦したいというチャレンジ精神を自分の心の中に発見しました。

 全てみらいがきっかけです。より正確にはみらいとの出会いが、でしょうか。
 あくまで「きっかけ」でしかなくて、それも「発見」なので、みらいからすると自分が運んできたものだという認識は薄いでしょうね。けれどみらいと出会ったからこそ4人が変われたの紛れもない事実で、みらいはその事実をきちんと受け止めなければいけません。みらいのしてきたことはみらいでなければできないことで、みらいだからできたことです。
 みらいだって言ってたじゃないですか。「私はリコじゃなきゃ嫌だ!」って。みらいにとってリコがかけがえのない存在であるように、4人にとってみらいはかけがえのない存在です。そのことを、彼女はそろそろ受け止めなければいけません。かけがえのない自分を発見しなければいけません。
 きっとそれが、「悲しいお別れはもう嫌なの」とひとりでなんでも抱えこもうとしてしまう、みらいの悪癖を打破する鍵になるでしょうから。

 みらいはドクロクシー戦ではーちゃんを失って以降、自分の日常の幸せはみんなが自分にくれるもの、けれどその日常は自分の手で守らなくてはいけないもの、といった感じの矛盾したバランス感覚をつくってしまっていました。
 元々兆候はあったんですけどね。リコの補習合格のため図書館の奥に飛び込んで自分が心細くなってしまったり、まゆみの落とし物のために自分の都合を脇に置いて協力してしまったり。その気質をあのとき拗らせちゃいました。
 「私思うんだ。ワクワクは私ひとりで運んできたんじゃない。みんなと出会って生まれたんだって」 だから、今回「出会って」と、幸せを生みだすことにも一定の能動性を自覚できたことは僥倖です。近い将来にやって来るであろう大きな転機において、自分が誰かのかけがえのない存在であるという自覚は、きっと彼女の救いになってくれると思います。

キラキラの宝物

 あなたのワクワクもんの毎日は、あなたがみんなと一緒にワクワクを生みだしたからこそです。
 あなたのワクワクもんの毎日は、あなただけでなくみんなで一緒に守ってきたものです。
 だからこそあなたにはキラキラの宝物に見えるし、その一方で参加していない外野には「なんだかよくわからない」んです。  

 そこにあなたが参加しているからこそ、いつか思い出になった日々はあなたにとって「キラキラの宝物」に変わります。あなたがつくった幸せで、みんながつくってくれた幸せで、あなたが守った幸せで、みんなが守ってくれた幸せで、その全部だからこそ、あなたの全部だからこそ、それはかけがえのないものとしてあなたの人生に刻まれます。
 巡り会うことは奇跡で、繋がることは魔法で、そしてそれは幸福を生みだすステキなものです。誰にでもできることではありません。だからもしそれを導くことができたなら、あなたは(誰かにとって、そしてあなた自身にとって)かけがえのない人です。思い出をキラキラの宝物にしてしまえるすごい人です。

 かけがえのないあなたがいたからこそ、巡り会えた奇跡は繋がろうとする魔法へと続き、繋がろうとする魔法は幸福を育みました。
 ムホー一味が標榜する「混沌」はそんなステキをメチャクチャにします。全てが入り交じる混沌においては「かけがえのないあなた」という個が存在することなく、従って巡り会う奇跡も、繋がる魔法も、育まれし幸福も生まれることができません。「混沌」の中にはあなたがいないから。
 全ての力を独り占めしたドクロクシーはふたりのプリキュアに負けました。全てをごちゃ混ぜにしてしまったドクロクシーの中にはクシィという「かけがえのないあなた」が残っていなかったから。
 だから、ムホー一味が「混沌」を標榜する限り、それは否定されなければいけません。

 「ベッドで食べるお菓子も、先生の物まねも」
 「ビックリ箱の奥に本当のプレゼントを見つけたことも」
 「その全てが友と出会って生まれたかけがえのないもの」

 かけがえのないものを生みだしたのは、かけがえのないあなたと、かけがえのない友達との、かけがえのない出会いです。たとえどんなにささやかなものであろうと、世にふたつと替わるものはありません。みらいも。リコも。はーちゃんも。ジュンも。ケイも。エミリーも。教頭先生も。チクルンも。校長先生も。クシィも。それから、あなたがつくった幸せな毎日も。
 手を繋ぎましょう。それはあなたにしかできない、かけがえのない奇跡の魔法です。

今週の魔法文字

教頭先生の教科書:「MAHOUKAINOTIRI」「-OUKAINOTIRIHAMAHOUJU -HINIHAKATARENAI.-NOKINOTIMEIWOOBOERUKOTO-SEKAIWOSHIRUDAIIPPONI -RUKOTODAROU.-ASHITATINOSEIKATUNI ETHUNIKAKAWARU OKINOKOTOTOWO OSYOUDESETUMEISURU.」
「魔法界の地理」「魔法界の地理は魔法樹抜きには語れない。この樹の地名を覚えることが世界を知る第一歩になることでしょう。私たちの生活に密接に関わるこの樹のことをこの章で説明する」
 一部かなり強引に補完したので日本語訳は間違っているかもしれません。樹の地名ってさりげなくトンデモワードですね。
 ところで「母なる樹」なのか「魔法樹」なのかどっちなんですか、教頭先生。

アイザック先生の教科書:「8 KOUTUBUNKA」「GENNZAIMAHOUKAINIHA TAKUSANNNOKOUTUBUNKAGA SONZAISURUGA.SONONAKADEMO DAIHYOUTEKINANOGA KATATHUMURINIADAROU.MAHOUKAITONASHIMAHOUKAIWO IKIKISURUTAMENOYUIITUNO SYUDANTONARUKONONORIMONO NOREKISHIHA.IGAITOSHIRARETEINAI.」「HOUKI」「MAHOUTHUKAINONORIMONONON.AKADEMOTTOMO IPPANNTEKI.MOTOMOTOSOUZINODOUGUDEA ARUHOUKIGANAZENORIMONON.INATTANOKA.IMADANIHUMEINABUBUNHAOOI.」「JUUTAN」「NORIGOKOTIDE IUNARABASAIKOU KONONORIMONO WOUNTENSURU TAMENIHAMENKYOGAHITHUYO.KOZINDETOOKUNIIKUSAIHA HISSUTONARUNORIMONO.」
「8章 交通文化」「現在魔法界にはたくさんの交通文化が存在するが、そのなかでも代表的なのがカタツムリニアだろう。魔法界とナシマホウ界を行き来するための唯一の手段となるこの乗り物の歴史は、意外と知られていない」
「ほうき」「魔法つかいの乗り物の中で最も一般的。元々掃除の道具であるほうきがなぜ乗り物になったのか、未だに不明な部分は多い」
「絨毯」「乗り心地でいうならば最高。この乗り物を運転するためには免許が必要。個人で遠くに行く際は必須となる乗り物」

 今魔法界に最も欠けているものは間違いなく博物学ですね。ケイさん、チャンスですよ。「不明」とか「謎」とかでお茶を濁しまくっている魔法界の書物に風穴を開けましょう。ほんっと呑気な世界です。

アイザック先生の板書:「MAHOU IDOUSYUDAN KOUTSUU」「HOUKI JYUUTAN KATATSUMURINIA」
「魔法 移動手段 交通」「ほうき 絨毯 カタツムリニア」
 板書をノートに写しても役に立たなくて、しっかり口頭説明を聞かなきゃいけないタイプの授業ですね。このスタイルって生徒に好かれないですよ、アイザック先生。私は自分の気になることだけメモしていられるので好きですが。

ジュンの寮室:「KNOCKx2 AND JYUN NO HEYA」
「コンコンしてね。ジュンの部屋」
 OがGに見えて初見で読めませんでした。こういう癖字もアリなんですね。訳のセンスがジュンのキャラじゃない? いやいや、この子密かにこういうノリが好きなタイプでしょ。(決めつけ)
 それにしても自分の名前よりノックを大きく書くこの女子センスよ。

コンパス:「(12時の位置から時計回りで)N E W S」
「北←→西、東←→南」
 私たちの世界と配置が違うのは単なるミスでしょうか、それとも何かの裏設定でしょうか。台に描かれている針の数が16もあるのがまた不思議。たぶんミス。

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