スタートゥインクルプリキュア 第40話感想 怖さも諦めも乗り越えて。

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私はみんなを守りたいルン。みんなと一緒にいたいルン!

(主観的)あらすじ

 いつもの制服。いつもの学校。いつもの「おはよう」。ララの暮らす毎日はとっても楽しいです。だって友達がたくさんできたから。

 ――だけど、今日はなんだか様子が変でした。
 クラスのみんながララを避けているのです。実はまどかのお父さんが宇宙人の調査に絡めてララのことを聞き回った結果、クラスのみんなもララを疑いはじめてしまったのです。
 まどかのお父さんによると宇宙人は怖いらしい。記憶を奪われるらしい。そういえば自分も気絶して、直前のことを思いだせなかったことがある。そしてそんなときはいつも、ララがいた。
 ・・・怖い。

 もはやララにはどうしようもないことでした。だって、全部本当のことなんですから。誤解じゃないんですから。怖い宇宙人というのだけは違うけれど。
 地球のことが知りたくて、みんなのことが知りたくて、たくさんたくさん勉強してきました。少しはわかってきたつもりでした。
 ・・・それでも、わかりあえないだなんて。

 カッパードが襲いかかってきます。みんなの歪んだイマジネーションを狙っています。もう隠しとおせません。宇宙人のことも、プリキュアのことも。
 ララはひかるたちと一緒に、クラスのみんなの前で変身しました。
 私のことはわかってもらえなくてもいい。ただ、私に優しくしてくれた、大事な友達を守りたい――!
 そう叫んで。

 最初にカッパードが気付きました。――いつの間にか歪んだイマジネーションがなくなっていることに。
 続いてララが気付きました。――さっきまで自分を怖がっていたはずのみんなが応援してくれていることに。
 そしてみんなが気付きました。――ララのなかでトゥインクルイマジネーションが完成したことに。

 クラスのみんな、ララが宇宙人だということもプリキュアだということも秘密にしてくれました。
 ララが守りたかった楽しい毎日は、ララとみんなが力を合わせることで守りきれたのでした。

 ここまで見てきたかぎり、トゥインクルイマジネーションを完成させるにはどうやら条件が4つあるようです。
 ひとつは、自分のやりたいことを見つけること。
 ひとつは、自分のやるべきことを見つけること。
 ひとつは、他人を知りたいと望むこと。
 ひとつは、自分を知ってほしいと願うこと。

 このどれが欠けてもトゥインクルイマジネーションは完成しません。
 なぜならトゥインクルイマジネーションとは、人の手で呼び起こす、誰にも想像しえなかった奇跡のことだからです。
 “やりたいこと”と“やるべきこと”が結びつけば、どんな荒唐無稽な夢にだって叶えるための道筋が見えてくるでしょう。
 他人に“興味を持ち”、自分も“興味を持ってもらう”相互関係を築くことができれば、ひとりの力では実現不可能なことだってやり遂げられるようになるでしょう。

 かつて誰もが不可能だと思い込んでいたことを、今はみんなができると信じて協力しあう、そんな奇跡みたいな心のきらめき。
 それがトゥインクルイマジネーションです。

怖い

 「おっしゃっていましたわ! 世界中で宇宙人によって連れ去られた人々が記憶を奪われているって! アブダクションっていうのでしょう? 宇宙人が地球人を連れ去って、人体実験をするっていう!」

 まどかのお父さんは他人の気持ちを考えることがヘッタクソな人です。
 自分の言動によって相手が何を思うか全然想像できないアホの子です。
 そのせいでまどかはいつも苦労してきました。

 何故にこの人は“ララの日常動向調査”と“危険な宇宙人についての啓蒙活動”を同時にやってしまうのか。

 これまでの彼を見てきたなら確信できます。この萌えパパ、今回も絶対悪気ゼロだなって。

 「最近起きた――、特別講師のジョー先生が突然消えたり、学校に巨人が出たって噂に、羽衣さんが関係なさっているかもって」
 「思い出しましたの。以前意識を失って、目が覚めると、羽衣さんと星奈さんたちがいらしたわ!」
 「俺も気ぃ失ったことが。そんときやっぱりさ、ララルンと星奈たちがいた」
 「私たちの身のまわりに異変が起きたのは羽衣さんが現れてからですわ!」

 そんなわけで、今話はララへの猜疑心から物語がはじまります。
 不思議と誰もひかるのことは疑いません。「恐怖は思考を停止する」(第1話)というように、ララへの疑念と恐怖心がセットで植えつけられた結果、“悪いものは全部ララのせい”という思い込みが発生しているからです。
 とりあえず全部ララが悪くて、状況的には同じくらい疑わしいはずのひかるに何かあるとしても操られているかも?ってくらい。とにもかくにも今はまずララが怖い。ララだけが怖い。

 そう。みんなララを疑っているわけじゃないんです。そんな段階一足飛びに跳び越えて、いきなり「怖い」と思っているんです。
 口ではララのことを知りたいと言っているようで、誰も本人に聞こうとしません。弁解しようと口を開きかけたひかるの言葉にすら誰も興味を持とうとしません。
 知りたくないんです。怖いから。怖いもののことなんてそれ以上知りたいと思えないから。
 たとえば怪談だってそうでしょう? 怪談を楽しめるのは、少なくとも今は自分の身が安全だって信じられるときだけ。気持ちに余裕があるときだけ。本当に怖いときは怪談の続きなんて知りたくなくて、せいぜい興味を持つことがあるとすれば、呪いの解きかただとかお話の主人公が生き残ったかとかくらい。

 「怖い」という思いは対象を知ろうとする気持ちを無意識に阻害します。だから「恐怖は思考を停止する」んです。
 それ以上を知ろうとしないから、よほどのことがないかぎり対象に対する印象は永遠に固着したまま。しかもネガティブな感情で固定化されるので、お互いの関係性まで断絶してしまいます。いわゆるトラウマってやつです。
 まどかのお父さんも今回ばかりはよーく反省してください。こういう不安の煽りかたは絶対にやっちゃいけないことなんです。

 怖い。怖い。怖い。

 一度凝り固まってしまった他人の思考を解きほぐすには、いったい何をしたらいいんでしょうか?
 それはとても難しいことです。
 「・・・わからないルン。地球人の考えは、私にはわからないルン」
 「なによ。ララちゃんなんか、ララちゃんなんか・・・大キ――」
(第3話)
 だって本人が理解しようとしないから。わからないものをわからないままにしておくつもりだから。それ以上思考する気がないから。
 すでに耳をふさいでしまった人に何を語りかけたってどうせムダです。関係性が途切れている以上、言葉はどうせ届きません。

 相手の思考が固定化しているときどうしたらいいのか、ララは昔からよく知っています。
 「私の星では13歳で大人ルン。だから、ロケットを直してプルンスたちを連れていくっていう、大人の責任があるルン」(第2話)
 他人が変わらないのなら、自分が変わるしかないじゃないか。
 「いや、状況はわかるルン。マザー、助けを呼ぶルン! 調査員・ララがプリンセスのペンを奪う気ルン!」(第29話)
 ・・・もっとも、自分が変われることと他人が変わってくれるかどうかは、そもそも無関係の話なのだけれど。
 変わってもらえない現実から目を背けるための逃避でしかないのだけれど。

 「本を読みたくて、がんばって字を勉強したルン。本は楽しいルン。地球人の考えかたもわかったルン。でも――。みんなのことはわかったつもりだったルン。・・・やっぱり私はサマーン星人。地球人からしたら異星人ルン」

 怖い。
 全部ムダだったんだって現実を見据えることが、怖い。

ララの守りたかったもの

 「ステキです。ララ様。ですが、そろそろ学校の時間が」
 「わかってるって。あとちょっとルン」

 ほんの昨日まで、ずっと欲しくて欲しくて仕方なかった大切なものが目の前にありました。

 「おはよー」
 「おはようルン」
 「おはよう、ルンちゃん」
 「ごきげんようですわ」
 「おっす。星奈、ララルン」

 自分らしくいられる場所。
 大人だなんだと背伸びしてムリをしなくても認めてもらえる場所。
 とっても楽しそうで、そしてその楽しさに自分も加えてくれる場所。

 まるで奇跡のような場所でした。
 惑星サマーンではどんなにがんばっても得られず、地球に来てからも自分ががんばっただけじゃ同じ失敗を繰り返すばかりで。そのはずなのに、向こうのほうから自分を受け入れてくれた不思議な居場所。
 きっとみんなが優しかったからです。失敗してばかりの自分のために、たくさん、いろいろ、心を砕いてくれたほどに。
 「ひかる。ララじゃなくて、ルンちゃんになってるルン」(第13話)
 今、私がこんな幸せを享受できているのは、きっと私じゃなくてみんなのおかげ――。

 ララは意外とそういう子です。
 「私が変なことばかりしてたら、ひかるやえれなやまどかまで変な目で見られるルン。いえ、見られてしまう。・・・がんばるルン。いえ、がんばります」(第13話)
 自分の失敗よりもさらに、友達に迷惑をかけてしまうことをもっとずっと気にする子です。それだけ大切に思っているからです。
 最初にララの居場所になってくれたのはひかるたちでした。どんなに失敗しても、どんなに悪態をついても、どんなに困らせてしまっても、嫌いにならず傍に居つづけてくれたのがひかるたちでした。ひかるたちがいるからこそ、ララはたくさんの新しいことに挑戦しにいくことができました。
 彼女たちに支えられながら手に入れたのが、たとえば学校という新しい居場所。

 「本当に羽衣さんは宇宙人なのではなくて?」
 痛い。傷つく言葉。だけどそんなものよりも。
 「あなた、羽衣さんに操られているのではなくて!?」
 眉間から熱いものを強制的に絞り出されるような、もっと痛く突き刺さる言葉は他にある。

 ララは優しい子です。
 そして、優しい人たちに助けられてきた子です。
 どんな理不尽な目に遭おうと、みんながくれた大切な場所はもちろん守らなければなりません。
 賢い子です。
 こんなとき、彼女は自分のやりたいこととやるべきことを冷静に見据えることができます。

 私は――、大事な友達を守りたい。
 どんなことをしてでも。たとえ宇宙人だとかプリキュアだとか、秘密にしてきたこと全部が知られてしまったとしても。

 「そんなことないルン! みんないい子ルン! 私に優しくしてくれたルン。学校に慣れない私をひかると一緒に日直にしてくれたり、ハロウィンで一緒に仮装したり、優しくしてくれたルン!」

 ・・・トゥインクルイマジネーションは輝きません。

 「わかってもらえなくてもいいルン! 私のことは・・・、わかってくれなくても。私にとっては大事な友達ルン!」

 たとえどんなに殊勝なことを叫んでも。たとえどんなに心優しい真心をつまびらかにしても。
 それではトゥインクルイマジネーションは完成しません。
 そんなことでは奇跡は起きません。

 わかっていることでしょう?
 たとえこの戦いに勝ったとして、その先にどんな未来が待っているのか。
 宇宙人を怖がっているみんなの前で自分がその宇宙人だと認めた時点で。みんなの不安の元凶だった事件の関係者だと認めた時点で。
 ララがどんなにがんばったって、ララがどんなに善戦したって、それでもララの本当に守りたかったものはけっして守ることができません。
 ララの力ではどうしても守りきることができません。

 「ステキです。ララ様。ですが、そろそろ学校の時間が」
 「わかってるって。あとちょっとルン」

 あの幸せだった日常は。

人の手で呼び起こす奇跡

 「わかってもらえなくてもいいルン! 私のことは・・・、わかってくれなくても。私にとっては大事な友達ルン!」

 心を震わす言葉が響きわたります。
 彼女が何を守ろうとしているのか、痛いほどよくわかります。
 そのために何を犠牲にしようとしているのか。
 何を諦めようとしているのか。

 やりたいこととやるべきこと。
 ララは、もはやララの力で幸せだった日常を守りきることができません。すでに手遅れです。宇宙人だって知られてしまったのだから。
 だから、それはもう諦めます。代わりに別のものを守ることにします。
 みんなを。大好きだった場所をくれた、大事な友達みんなを。そのくらいならララにもできます。
 そしてそのためならララは何でもできます。たとえば宇宙人だとかプリキュアだとか、秘密にしてきたこと全部を知られてしまうようなことだって。

 「たしかに私はサマーン星人ルン。でも、私は・・・。私は2年3組、羽衣ララルン!」

 心を震わす言葉が響きわたります。
 彼女がどうして言いよどんだのかが、胸を焦がすほどよくわかります。
 誰のために自分を犠牲にしようとしているのか。
 何を諦めきれずに苦しんでいるのか。

 私のせいで。私たちのせいで。
 今、目の前にいる宇宙人は自分に得のない戦いをしてくれている。
 本当に守りたかったものはもう守れないって知っているくせに。
 大切にしていた場所にはもう戻れないって悟っているくせに。
 それでも戦ってくれている。戦わざるをえなくなっている。
 私たちはその理由を知っている。――だって、毎日一緒に学校に通った友達なんだから。

 怖い。
 悪い宇宙人は怖い。
 けれど、他にもっと怖いことがある。
 あの子と同じように、私たちにだってどうしても守りたいものがある。
 やりたいこととやるべきこと。今、私たちがやりたいことのためにやるべきことは――。

 考えるんだ。

 「がんばれ! がんばれ、ララルン!」
 「ルンちゃん!」
 「負けてはならなくてよ!」
 「がんばって!」「ルンちゃん!」「がんばれ!」

 ララの友達でいること。
 ちゃんと友達だよって伝えること。
 本当はたったそれだけでいいことだったのに。

 ララが宇宙人だと知ってしまいました。そのせいでララが学校にいられなくなりそうです。
 あの子の力ではもうどうすることもできないようです。言葉の端々からもう諦めていることが伝わってきます。
 でも、私たちが彼女に協力すれば、あの子にできないことだってきっとできる。

 「私はみんなを守りたいルン」
 その夢は叶うでしょう。元々ララひとりでも叶えられる程度の夢です。
 「みんなと一緒にいたいルン」
 その夢は叶うでしょう。ララには無理でも、クラスのみんなの協力があれば叶う夢です。
 「私は・・・私らしくいたいルン!!」
 その夢は叶うでしょう。だって、その夢を叶えてくれた奇跡のような毎日は、これからも続いていくのですから。

 それがトゥインクルイマジネーション。別の言葉に言い換えるなら奇跡とでも呼ぶべきものです。
 どんな子でも諦めてしまうような、叶えるのが途方もなく難しい夢すら容易く叶えてしまうほどの、大きな力。

 「『私は大人ルン』 そう言い聞かせてきたルン。家族やサマーンのみんなに認められたくて。――でも、認めてくれたルン! みんなは、ありのままの私を。サマーン星人の私。プリキュアの私。地球人の私。私は私のままでいていいんだって、みんなが認めてくれたルン!」

 ララの出会った奇跡は偶然のものではありませんでした。
 「羽衣さんは異星人などではありませんわ! 私たちのクラスメイトです!」
 「モチのロン! ララルンは友達っしょ!」
 「そうだよ!」「ルンちゃんは友達だよ!」「うん!」「当たり前だよ!」

 優しいみんながいて、そして彼女たちが友達になりたくなる優しいララがいて、お互いにお互いのことを大好きになれたからこそ、必然的にこの幸せな日常が今も続いています。

 奇跡を起こすのは人です。偶然などではありません。
 それを自在に起こすのが難しいからこそ奇跡と呼ばれますが、それでも奇跡を起こすのはやはり人の思いであり、人の力です。
 諦めることなんてありません。あなたにそれを叶える力がなくとも、他の誰かなら実現できるかもしれません。

 だから、考えることです。
 思考することを諦めず、想像することを怠らず、恐怖を振りきり、いつも、どんなときでも、考えつづけるんです。
 いつか不可能は可能へと変わるでしょう。

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    コメント

    1. 東堂伊豆守 より:

      トゥインクルイマジネーションって、これまでの4例から考えると「”敵”の心情を理解する」そして「”敵”を”味方”として受け入れる姿勢を示す」ことが発動条件であるように思えます。
      ユニ×アイワーンはまさにこの条件に当てはまりますし、今回の羽衣ララも「一旦は”敵”に回った2年3組の面々を、彼らの苦悩を理解したうえで、あくまでも自分の”味方”とみなす姿勢を貫いた」ことで条件をクリアした、と言えます。
      一方、「カッパードを今なお”敵”とみなす」星奈ひかると「テンジョウを”味方”扱いするところまでは踏み込めていない」天宮えれなはトゥインクルイマジネーション不発に終わった……と。
      それでは、次回主役担当の香久矢まどかは……?
      と、ここで気になるのが、今回2年3組の面々がララの”敵”認定を解除したかわりに今度は香久矢冬貴を”敵”とみなして問答無用で圧力かけて排撃してしまったことなんですよ。なぜ冬貴がこれほど宇宙人排斥にこだわるのか、その理由を確認しようとせず、ただ「自分達の友達=”味方”を排撃しようとした」という事実だけで思考を停止させ、”敵”として攻撃してしまう。
      結局、誰が敵で誰が味方かを決める基準を変えただけで、「誰かを敵/味方で色分けする」「敵とみなした者は問答無用で排斥する」態度は全く改まっていない。ーーーーーーこれじゃノットレイダーや宇宙開発特別捜査局と同じじゃないのか?!
      ーーーーーーそういう思考停止に、あろうことか冬貴の娘・まどかまでもが加担して、父親を”敵”とみなしてしまっているんですよね……。
      はたしてまどかは、”敵”香久矢冬貴の真意・抱えている事情に迫って父を理解し、父を再び”味方”として受け入れることが出来るのかーーーーーーが、次回まどかのトゥインクルイマジネーション発動の鍵となるように思えるんですが、さて……。

      • 疲ぃ より:

         この番組の視聴者層である幼児~小学校低学年くらいの世界では、自分と価値観を同じくするのが友達(味方)で、そうじゃない人は友達になれない(敵)という二元論で周りの人との関係を分けがちです。もう少し成長すると、価値観的に相容れない人とでも仲よくなれるようになるんですけどね。
         だからこそ、子どもの世界では親の言うことは絶対なんです。親は生まれつき絶対味方だから、味方である以上価値観も絶対に合ってなきゃいけない。合わせなきゃいけない。・・・けれどそれは相手を理解しようとしているとはいいがたいですよね。その人がどういう人であろうと、単に親というだけで盲目的に信じてしまっている状態なんですから。
         まどかはこれまでお父さんの言うことは絶対正しいと盲目的に信じていました。(そのくせお父さんの指示関係なく自己判断できるようにもなっているわけですが) ここで彼を絶対的な“父親”ではなく、ある種の“他人”として見かたを変えることができたのは、彼女にとって大きな進歩ですね。

    2. ピンク より:

      最後の「異星人じゃない」は冬貴さんからララを庇うための言葉じゃないと思うんです。
      「友達」という言葉に繋がりますが、本当に嘘をついて誤魔化したいなら「地球人です」とかになるでしょう。

      じゃあ何なんだと言われたら……「異星人という言葉なんかで立ち止まりたくない」という意思表示。
      冬貴さん真面目な人なので、中学生の言葉だろうがそれなりに考えてくれると信じてます。

      • 疲ぃ より:

         最近はジェンダーやLGBTがらみで極端すぎる言論が横行し、一方でそれに対する反発も先鋭化しちゃったこともあり、言葉の使いかたひとつひとつに神経質になっている人が増えていますね。「異星人」という表現を問題視する意見をネットのあちこちで見かけました。
         本来大切なのは、その言葉に込めたひとりひとりの意志です。言葉の解釈は単なる文面だけではなく、語った人の置かれた状況や思想・哲学まで含めた総合的な文脈から読み解かれなければなりません。(まあ、そんなのいちいちやってられないんで伝える側にもわかりやすい言葉選びをする努力は必要なんですが)
         おっしゃるとおり、クラスメイトたちは生まれた星の違いを越えてララの友達になりたいという意志を込めつつ「異星人」という言葉を使ったんでしょう。まどかのお父さんもたいがいアホの子ではありますが、あのまどかが反発するほどの事態ということで、ちゃんとわかってくれると思います。

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