超人女子戦士ガリベンガーV 第31話感想 キャラが濃い生徒たちと、キャラが濃い授業テーマ。

生徒役:電脳少女シロ、カルロ・ピノ、花京院ちえり

やったー! もう歩いていきます、90分。ウフフ。

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→ TVerアーカイブ配信(放送後1週間限定)

→ 未公開シーンが投稿されているYouTube公式チャンネル

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ → YouTube公式チャンネル

「やっぱり愛されるために丸いフォルムを維持すべく、しかたなく核を守るように、こう、まんまるをね――」
 最近は後輩の前でこそあんまり先輩ヅラしなくなってきたバーチャルYouTuber最古参。信頼できる相手のことはとことん信頼するので、場回しの役目が必要ないと判断したときは思う存分自分のキャラで立ちまわります。お姉さんぽいのも幼児っぽいのも、どちらも電脳少女シロ本来の持ち味。あと平和志向なのも物騒なのも。お上品なのもお尻大好きなのも。あらゆる意味で器用な子です。
 やたらと語録が豊富、そしてやたらと逸話も豊富。というのも彼女は多趣味・多芸なうえ、やたらと柔軟な発想力も持ちあわせ、ついでに傍若無人な性格なため、自由にさせると大抵常人に理解できない奇矯な言動をしはじめるからです。彼女の動画を見てなんともいえない気持ちになったときは「シロちゃんの動画は為になるなあ」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、こう見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

カルロ・ピノ → YouTube公式チャンネル

「大好きです。実はそう、そうなんですよ。実は加茂水族館にも遊びに行ったことあるんですよ」
 虫さん大好き、魚さん大好き、動物さん大好き、実は生きものさんみんな大好き。さりげなく自分の得意分野を1年かけて小出しにしてきた小さな策士です。本当はそこらの生物辞典も真っ青なくらい広汎でディープな知識を持ちあわせています。そのくせガリベンガーVでは正解がわからないふりしてしれっと大喜利を楽しむあたり、いかにも電脳少女シロの後輩。
 この子は鉄壁です。知識の盤石さもさることながら、そもそもどんな話題を振られても動揺するということがほとんどありません。というのも、彼女は日頃からよくものを考えて話すクレバーな子だからです。彼女は自分がどういう人物であり、また周りからどういうふうな期待を向けられているのかを明確に把握しているようです。だからブレません。いつも優雅に穏やかに、ウフフとイタズラっぽく笑っています。
 人気コンテンツは知識を生かした生物講座と、ゲーム内設定を現実に置き換えて考えてみる考察遊び。なにかと頭が回る子なので、今回のようにゲスト出演するときはちょくちょく気の効いた(こまっしゃくれた)コメントを発します。

花京院ちえり → YouTube公式チャンネル

「そうなの。かわいいだけなの、ちえり。かわいいだけでごめん」
 かわいいって言ってあげるとかわいく喜んでくれるかわいい生きもの。そういう自分らしさを何より大切にしているからか、プライベートのことを話すのがちょっと苦手だったりします。アイドルはカメラがまわっていないときもアイドル。そういう幻想があるのならばこそ、カメラがまわっていない間の花京院ちえりはどこにも存在しません。
 花京院ちえりの特徴はなんといってもかわいいことです。彼女は自分の外見がかわいいことを信じていますし、内面もかわいくふるまおうと心がけていますし、ファンにもかわいいと言ってほしいと呼びかけています。理想のため地道にがんばる努力の人です。彼女は花京院ちえりがかわいくあるためにありとあらゆる努力を欠かしません。女は度胸、ちえりはかわいい。今日もちえりちゃんはかわいいなあ!
 そんなわけで彼女の配信の空気は全体的に茶番じみています。まず彼女自身が「ちえりちゃんはかわいい」と宣言し、すかさずファンも「ちえりちゃんはかわいい」と唱和することで、花京院ちえりというバーチャルなアイドルをみんなでかわいく盛り上げていく――。一種の観客参加型演劇が彼女のメインコンテンツとなっています。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:クラゲの謎を解明せよ!

 奥泉先生はクラゲ展示で有名な加茂水族館の館長さんです。例によってクラゲ飼育の世界的権威でもあります。大学で学んだ研究者ではありませんが、長年クラゲの飼育員として培ってきたノウハウの豊富さには目を見張るものがあり、教えを請うべく世界中の水族館から視察者がやって来ます。
 何を隠そう「22年前にたまたま湧いて出たクラゲを大きくして見せたらお客さんドッカンドッカン」と言っていたのは、若き日の奥泉先生ご自身の功績です。当時廃館スレスレの経営状態だった同水族館を復活させた会心の一手であり、現在世界一のクラゲ展示種類数を誇っているユニークな水族館が生まれたきっかけでもありました。

 透明なボディと丸っこいフォルム、優雅な泳ぎ姿が人気のクラゲ。種としての歴史は古く、なんと5億年以上昔の地層から化石が発掘されています。多様性も豊富で、世界中で約3000種ほども確認されているんだとか。研究対象としての興味深さはまさに縦にも深く、横にも広くといったところ。
 クラゲは見た目の印象どおり繊細な生きもので、飼育が難しいとされています。最近は家庭でも飼育できる専用の水槽やキットも販売されるようになりましたが、こういうのも奥泉先生や他の水族館の飼育員による長年のノウハウ蓄積のたまものですね。

トピック1:クラゲの傘はなんのためにある?

 「さあ、面白い答えを! どうぞ!」
 表情筋硬めな割に言動がいちいちファンキーな奥泉先生。

 「やっぱ上のほうだから、髪の毛なんだよ。あそこは。ヘアスタイル。オシャレさんだよね、クラゲさんは」
 誠に遺憾ながら(遺憾ながら)クラゲに髪はありません。それどころか心臓も血液もありません。人間でいうところの血管に相当する“水管”という器官はありますが、中を流れているのは海水です。
 この水管を通して各細胞へ栄養素や酸素を届けている(※ 水管は番組で紹介された放射管と接続しています)はずなのですが、ところがクラゲの体には心臓に相当する器官がないわけです。水流を生みだすポンプがなければ、海水だろうと栄養素や酸素だろうと体内を循環しないはずなのに。

 「人体の謎を解明せよ!」(※ のどちんこだのおしっこだのの話題があった樋口先生初登場回)で“足ポンプ”という概念が紹介されました。人間の血流は心臓だけでなく、地面を踏みしめる足裏の圧力も補助動力にしているという説です。
 こういう生態をしているのはどうやら人間だけではないらしく、たとえばクマムシ(※ この生きものも心臓がありません)なんかも歩行することによって体液を循環させているといわれています。

 クラゲもこの“足ポンプ”と同じことをしているのではないか、というのが今回先生が紹介した学説です。すなわち、クラゲが傘を動かすのは移動のためだけでなく、体内に水流をつくりだして栄養素や酸素を運ぶ、ポンプの役目も担っているのではないか、と。

 「クラゲっていうのはイソギンチャクと同じで、口から食べて口から出すんですよ」
 ちなみにこのお話もどこかで聞いたことがありますね?
 これはプラナリアと同じ身体構造です。前口動物といいます。動物の進化の歴史において、初期の時代に多く見られた特徴です。ガリベンガーも30話を越えて、このように以前習ったこととリンクする内容が出てくるようになってきました。
 こういうのを見つけると、ますます勉強するのが楽しくなってきますね。「あっ、これ進研ゼミでやったところだ!」

トピック2:なぜクラゲは刺すの?

 なぜといわれても、まあ、実験を見てわかるとおり、ぶっちゃけ反射運動です。クラゲには刺細胞(刺胞細胞)といって、毒液と針が入った袋状の細胞が全身にあります。クラゲの体が何らかの刺激を受けると、この袋がゴム鉄砲のようにパチンと弾かれて、中に入っている針と毒液がものすごいスピードで飛び出てくる構造です。
 反射運動なので、自分から獲物に触っても、外敵から不意に触られても、どっちにしろ同じ反応になります。だからこそ砕けた破片からも毒針が飛び出してくるわけですね。

 「びっくりしちゃって、こう、悪気はないんだけど、ビュンって」
 そういうわけで、カルロ・ピノの回答がほぼ正解です。
 ただ、クラゲは精細な生きものなので、そもそも外敵と接触してしまった時点でアウトなのでは?と思わなくもないような。そもそもクラゲを積極的に捕食する動物というもの自体そう多いわけでもありませんしね。実際のところどのくらい敵に対して毒針を使う機会があるんでしょうか。
 そのあたりの理由から、先生としては「エサをとるため」という部分をより強調したかったのかもしれません。

 死亡事故の代表例として紹介されたイルカンジクラゲは傘の大きさが3センチ足らずのごく小さなクラゲです。波立つ海のなかで人間が肉眼で見つけるのはほぼ不可能。そのくせ毒性はコブラの100倍ほどもあるといわれています。
 余談ですが、先生は死亡例が60例以上あると言っていましたが、実際のところ中毒死として報告された例は10例あるかどうかといったところです。じゃあ残り50例以上はどういうことかといえば・・・。クラゲに刺されるときというのはどういうときか想像してみましょう。はい、そういうことです。激痛→パニック→溺死のコンボです。怖い怖い。

 イルカンジクラゲの毒はとにかく全身に凄まじい激痛が走り続けるのが特徴で、先生も刺されたというカギノテクラゲは全身が痛いのに加えて咳・鼻水・寒気などのインフルエンザ様の症状も出るのが特徴です。どっちにしたってイヤですね。
 「それでも好きってことはホンモノの愛だね」
 「真実ですね」
 「ホンモノの愛かどうかしてるかどっちかだよ」
 それが愛かどうかは本人が決めたらいいと思う。花京院ちえりの朝礼がカルトな儀式のように見えるか、かわいいから仕方ないと思うかの違いみたいなもの。

 「キューピッドの矢みたいな感じで刺しちゃうんだと思う」
 「うん。先生が鼻で笑いましたね」
 「笑った。笑った」
 それにしても、能面ぎみな奥泉先生すら吹き出させてしまうちえりちゃんはかわいいなあ!

トピック3:クラゲはどうやって増える?

 「人間と一緒です。リキんだら出ます!」
 そういえば我々はいったいどうして生殖器と排泄器官とをご近所さんにしてしまいがちなんだろうか・・・。生まれながらにしてケガレを背負うべしとかなんかそんな感じの、そう、なんかそれっぽい、宗教的な理由か何かだろうか・・・。シロちゃんの回答は為になるなあ!

 「生きものが生まれるというのはみな等しく、コウノトリさんが運んでくるんですよ」
 その全ての生命みな平等!感あるメルヘンもステキですが、クラゲの繁殖方法はむしろ独特の特徴があることに面白みがあります。
 クラゲはとても古い生物種です。つまり、地球上の進化の系譜のごく初期段階から分岐し、ひたすら独自路線を歩みつづけた生きものというわけです。私たちがサルから進化する以前、どころか、脊椎を獲得してやっと魚類になれたのよりもっと以前から、クラゲはクラゲでした。そのためか、クラゲは私たちの常識を越える、想像を絶する、驚くべき生態をいくつも持っています。

 以前勉強したプラナリアは環境によって交尾(有性生殖)か分裂(無性生殖)のどちらかを使い分けていました。奇妙ではありましたが、それぞれの繁殖方法自体は他の動物と類似するぶん、まだどうしてそうなったのか想像できる範疇ではありました。クラゲはもっとワケワカラン増えかたをします。

 最初はオスの精子とメスの卵が結びついて、プラヌラと呼ばれる幼生体が生まれます。ここまでは普通。魚類にも割とよく見られる有性生殖です。
 ところがここからがキテレツ。プラヌラはしばらく海中を泳いだあと、海底などに根を張って、今度はポリプと呼ばれる形態に変態します。見た目はクラゲというよりイソギンチャク。ちなみにこの形態でもエサを食べます。
 そしてこのポリプ、なんと無性生殖で分裂して増えます。まるで竹みたいにぽこぽこ自分のクローンを量産しはじめます。大人のクラゲから有性生殖で生まれたくせに、この形態になってから今度は無性生殖するんです。
 やがて、特定の環境条件になると(※ こういう環境条件を特定・再現できるのが奥泉先生ら飼育員のプロフェッショナルなところ)、ポリプの体がくびれはじめ、自然に千切れます。プラナリアの自切みたいなものですね。これも一種の無性生殖です。この千切れた部分をエフィラといい、メタフィラという形態を経て大人のクラゲへと成長していきます。

 いわば、クラゲはクラゲ状の体とイソギンチャク状の体の2形態を行ったり来たりしながら、有性生殖・無性生殖両方を経て繁殖しているんです。
 普通に有性生殖しかしていない私たち人間からするとメチャクチャに意味不明で複雑怪奇な繁殖方法。ですが、有性生殖の環境適応力を得つつ、無性生殖による爆発的な繁殖力をも両立していて、これで効率的に数を増やしているのも事実。本当に根本から違う進化の道を歩んできたんだなあって感じがしますね。

トピック4:このクラゲの特徴は?

 「これ、あの、もし間違ってたらすごい恥ずかしいんですけど、もしかして・・・ベニクラゲさん、ですか?」
 ついにガリベンガーVでも虫食いキャラから生きもの全般博士へとキャラクターイメージを刷新したカルロ・ピノ。YouTubeでのイメージの変遷をそのままこっちでも踏襲しているようで、なんだか感慨深いですね。
 そのとおり。ここで登場したクラゲはニホンベニクラゲです。
 「ベニクラゲさんて、不老不死、なんですよね」
 ちなみに英名をimmortal jellyfishといいます。

 不老不死というと多少語弊がありますが、実際ベニクラゲ類は独特な生態を持つクラゲの中でも輪をかけて特徴的な性質があります。
 大人のクラゲが、精子や卵の過程を経ず、そのままポリプに変態するんです。もちろんそこからまた無性生殖で仲間を増やしつつ、大人のクラゲへと再び成長していきます。で、やがてポリプに戻る。
 いうなれば大人から赤ちゃんに若返っているようなものですね。ひと続きの個体が14回もこのサイクルを繰り返したケースも観察されています。

 全ての生命にはテロメアという染色体があって、これによって個体の細胞分裂の回数に限界が定められているとされています。身体構造レベルで寿命というものが存在しているので、たとえどんなに健康に生きつづけていても、普通の生きものは死から逃れられないんです。
 ところがベニクラゲはそういう生命の摂理お構いなしに、ひと続きの個体が半永久的に生命のサイクルを繰り返しています。テロメアガン無視です。なんか、消耗したテロメアを自己修復できるみたいです。
 そんなわけで、ベニクラゲは不老不死研究の対象として注目されている生きもののひとつとなっています。
 ちなみに不老不死といえばプラナリアもそうでしたね。無性生殖する生きものは基本的に不老です。もっというと植物にも不老のものはたくさんあります。樹齢1000年を超える大木とか、ちょくちょくありますしね。

 人間が老いる生きものなので不老不死がなんだかとてつもなくすごいことのように語られがちですが、意外とその例外に属する生きものというのは少なくないんです。
 「自分がそうだから間違いない」という思い込みは危険だと身につまされるお話しですね。

トピックex:美しきクラゲの世界

 サムクラゲは別名卵の黄身クラゲ。英名もfrid egg jellyfish。白っぽい傘から透けて黄色い核が見えるのが特徴です。かき玉汁みたいなふわふわした触手も印象的ですね。ミズクラゲをエサとするので、飼育するにはまずエサの確保で苦労させられるようです。

 シロクラゲは透明の傘に4本の白い線がかわいい小さなクラゲ。春頃にしばしば大量発生します。

 キタユウレイクラゲは最大で全長40mほどにもなる世界最大のクラゲ。たまに大量発生して漁業被害をもたらします。ちなみにコイツも猛毒持ちです。

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