ID:INVADED 考察 飛鳥井木記がカエルちゃんであるとしたら。

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カエルちゃんは椋じゃない。

 「死体からでもなく、衣装からでもなく、寝室から思念粒子が出たな。・・・くそ」(第8話)

 第8話に登場したイドの世界の元となった思念粒子は、百貴の自宅の寝室で検出されました。ならばこれはやはり百貴のイドの世界ということで合っているのでしょう。
 そもそも思念粒子とは、人が強い殺意を抱いた場に生成され、なおかつ密閉空間でもなければ風などで次第に拡散されてしまう物質なのだそうです。
 現在も人が住んでいる家屋なら、まして毎日使うであろう寝室なら、当然日々の生活のなかで自ずと換気されるものでしょう。事実、松岡元刑事が思念粒子を検出したときも部屋の襖は全て開けられていました。死後何年経過したともわからない白駒を殺害した当時の思念粒子なんて残っているはずがありません。
 あれは最近になって生成された思念粒子です。
 つまり、何者かが彼の寝室に侵入して第三者を殺害したなどというのでもない限り、あの思念粒子は部屋の主のものとなります。百貴の家とタイマン邸は条件が異なるんです。

 ではなぜ、百貴は自分の寝室で殺意を抱いたのでしょうか。誰に対する殺意なのでしょうか。
 これまでのものと異なり、彼のイドの世界には被害者らしき人物が登場しません。死んでいたのはカエルちゃんと謎の“時計泥棒”。少なくとも現時点でイドの世界を手がかりにすることは難しいでしょう。

 ・・・ああ。ひとつだけ、考察すべきものがありましたね。イドのなかのコックピット。行き先は飛鳥井木記のイド。
 「はい。鳴瓢秋人と同様に、彼のイドにもコックピットがあるはずです」(第8話)
 なぜか早瀬浦局長が事前にその存在を確信していて、
 「俺の・・・? やめさせろ! 今すぐイドから出すんだ!」「イドから出せ! 全部罠だ!」(第8話)
 百貴自身も異様な焦りをみせていたもの。
 あれは何なのでしょうか?

 同じものが鳴瓢のイドの世界にもありました。
 鳴瓢といえば、前々からずっと気になっていたことがあるんです。
 「カエルちゃん! ・・・ああ。助けたかったのに」
 「知ってるよ。そのために何度もこの世界に来てくれたんだもんね」
 「最初の銃弾で君が死ぬまでに時間があるみたいだったから」
 「うん。事件の捜査なんてどうでもよかったんだよね。そんなふうにどうでもよくなる仕事なら――」「どうして私たちが死ぬ前に傍にいてくれなかったの?」
(第3話)
 事件解決後のあのシーンは何だったんでしょうね? ただの夢? でもその割には――、
 「君の選んだ死は首つりなんだ。ドリルで貫かれることじゃなくて。そうしてあげるべきだったんだ。カエルちゃんのために。・・・今度あのイドに潜って、時間があれば――。きっと、酒井戸ならそうしてあげられるだろう。名探偵だから。絶対に」(第2話)
 鳴瓢はまるで事件解決後も何度も同じイドに入る機会があるような口ぶりでした。
 彼は囚人であり、ミヅハノメを自由に利用できる立場ではないはずなのに。まして、イドで得た情報を悪用して殺人犯を自殺に追い込むような人物です。犯人確保以外の目的で彼にミヅハノメを使わせる機会なんてそんなにあるものでしょうか。

 以下は第8話時点ではあまりにも根拠薄弱な、しかもとりとめのない妄想です。

 鳴瓢はひょっとして、独房のベッドで寝ながらももイドの世界へ侵入しているのではないでしょうか。第2話や第3話のあのシーンは、鳴瓢が実際に見たイドの世界での出来事なのではないでしょうか。自分のイドの世界にある、あの飛鳥井木記行きのコックピットを使って。
 これまでのところ唯一第3話でのみ発言したカエルちゃんの声は、スタッフロールを見ると飛鳥井木記の声ということになっています。
 飛鳥井木記がカエルちゃんであるならば、彼女も花火師や本堂町のイドの世界の姿を知っているはずです。彼女なら、それらイドの世界の光景を自分のイドの世界に投影することも不可能じゃないのかもしれません。

 「どうして私たちが死ぬ前に傍にいてくれなかったの?」(第3話)
 妙に悪辣なのが気になるんですよね。
 これが鳴瓢の見たただの夢だというならただの自責の念、特に不審のない話です。ですが、もし仮にこれが本当にイドの世界で見た光景だったなら、これを見せているのは飛鳥井木記です。わざと鳴瓢を追い詰めてる?

 これと同じようなものを、もうひとりイドの世界にコックピットを持つ人物、百貴も見せられているとしたら・・・。
 そりゃあ、寝ている間に殺意くらい誘発されるかもしれないなあ、と。鳴瓢も自分のイドの世界で自分を殺していましたし。

 第8話に出てきた飛鳥井木記の経歴情報によると、彼女は小学1年生から不登校となっていたようです。ずっと引きこもっていたため知人は少なく、高校退学時にはついに両親からも捨てられて天涯孤独の身。その後タイマン邸で保護されて病院に入院するも、数日後の夜に看護師13人が一斉に意識を失う集団昏睡事件発生、同時に失踪したとのこと。自殺未遂、過去に4回。
 彼女、ひょっとして自分と知りあった人物を強制的にイドの世界に招き入れてしまう特異体質・・・というか、超能力を持っていたのでは? だから学校に出ることを拒否したり、病院では集団昏睡事件を起こしてしまったり。
 手がかりがまだ少なすぎて完全に妄想になってしまいますが、ミヅハノメというシステムは彼女をコアにして稼働しているのかもしれないと思っています。彼女自身がミヅハノメだから、カエルちゃんも名探偵が訪れるのに合わせてイドの世界に登場することができる。そして毎回殺される。

 鳴瓢がタイマンを殺害した日、このとき百貴も一緒にタイマン邸を訪れていたんだそうです。飛鳥井木記に接触したのは2人ともこのときが最初でしょうか。

 実はそのタイマンにも不審な点があるんですよね。
 彼は自宅に殺人試合用の闘技場を持っていました。ほとんどの被害者はここで殺されています。
 では、どうして鳴瓢の娘・椋はこの闘技場ではなく彼女の家で殺されたんでしょうか?
 抵抗されて誘拐することができず、その場で殺すしかなかった? ――いいえ。彼はいかにも死闘と呼ぶにふさわしい凄惨な戦いを行っています。中学生の女の子相手に。すでにプロレスラーすら殺している男が。彼がその殺人を楽しんでいたことは明らかです。
 ではなおさら、なぜそれをご自慢の闘技場でやらなかった?

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