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ヒーリングっどプリキュア 第6話感想 優しい理由と優しくない理由。

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私も、お父さんも、もちろんのどかも、みんなラテの味方。ここがラテのおうち。だから安心してここにいてね。

(主観的)あらすじ

 のどかのお母さんが運送ドライバーのお仕事を再開することになりました。
 毎日一緒に過ごしていたラテはなんだか寂しそう。お母さんは「今は私もラテの家族だからね」って言ってくれて、いっぱい頭をなでてくれていました。だから、ラテにとってはまるで本当のお母さん・テアティーヌ様みたいに感じられて、お母さんのことが大好きでした。

 ある日のお留守番中、ラテはどうしてもお母さんに会いたくなって、家を抜けだしてしまいました。
 幸い、ラビリンの機転のおかげですぐに追いつけましたが、のどかにもラテの気持ちはすごくよくわかりました。のどかも病気だったころはお母さんがいなくなると不安で、いつも探しまわっていたものです。

 そうしているうちにまたメガビョーゲンが出現。ちょうどお母さんがお仕事中のイチゴ農園です。いつも優しくしてくれたお母さんを今度は自分が助けるため、のどかはいつも以上に強い決意を持ってプリキュアに変身します。
 そこにはダルイゼンもいました。戦いのさなか、のどかが「どうしてこんなひどいことをするの?」と聞くと、彼は「俺はそのほうが居心地いいからさ」と答えました。自分さえよければ地球が病気で苦しんでもいいんだと。
 そのあんまりにもひどい言葉にのどかは腹が立ちました。メガビョーゲンより先に彼をやっつけたいとも思いましたが、仲間のピンチにすぐ我に返り、やっぱりメガビョーゲンの浄化を先にすることにしました。自分の感情より仲間を優先するその態度に、ダルイゼンは意外そうな顔をするのでした。

 戦いのあと、病気にされていた実りのエレメントさんはお礼にエレメントパワーをボトルでくれました。とっても貴重なものなんだそうです。
 のどかのお母さんも無事でした。お母さんはラテやのどかに付きそって来てくれたちゆとひなたに、のどかが昔病気で学校に行けなかったことを明かし、これからも仲よくしてねとお願いしてくれました。やっぱりお母さんは優しいお母さんなのでした。

 春映画のCMがいつまで経ってもヒーリングっどプリキュアOPのままだったので、どうしたのかな?と密かに心配していたのですが、なんか普通にテーマソングCDのCMが来ましたね。よかったよかった。しっとりめの曲調なのでCMには向かないって判断だったんでしょうか。
 それにしてもキュアスターのスターパンチはリライトされるたびどんどんド派手になっていくなあ。たしかにあれカッコよさとかわいさが同居していて好きなんだけれども。

 さて、本編。
 ラテのホームシックのお話じゃなかったですね。どちらかというと、のどかの優しさの源泉についてのエピソードって感じでした。

 子どもにとってお母さんの優しさは特別です。だって、実際特別に優しいんですから。お母さんは子どものことが大好きです。だから心から愛してくれるし、どこまでも優しくしてくれます。お母さんはいつだって子どもの一番の味方です。
 だから子どももお母さんのことが大好きです。その特別な優しさに憧れて、いつか自分もああいうふうに誰かを愛してあげたいと思うようになるものです。優しさはそうやって未来の世代に、あるいは同世代の友達にも、少しずつ広がっていくものなのでしょう。

 でも、それなら誰かに優しくする理由がない人は?
 ダルイゼンは地球を病気にすることに罪悪感を持ちません。彼にとってそれは半ば生存闘争のようなものであり、むしろ地球に優しくしてあげる理由のほうこそないからです。自分さえよければいいの?と聞かれても・・・。いいに決まっているじゃないですか。地球に優しくしたって彼には何もいいことがないんですから。
 その気持ちを、今ののどかはまだ理解することができません。とんでもない自分勝手だと憤ります。のどかにとって優しさは憧れです。自分が優しい人になること自体がまず目的で、だから誰かに親切にすることにいちいち理由を必要としません。見返りも、好意すらも必要ない。その博愛精神は気高く美しいものでしょうが・・・、それは、彼女の憧れたお母さんの優しさとは少し違います。
 みんなに優しくするのが当たり前のことだと思っているうちは、彼女はダルイゼンに優しくしてあげることができないでしょう。

許せない人

 「あなたたち、なんでこんなひどいことするの!?」
 「ひどい? 何が」
 「地球を病気にしてみんなを苦しめることだよ!」
 「決まってるだろ。俺はそのほうが居心地いいからさ」

 ひどいことをする理由はあるんだそうです。
 「ダルイゼン。あんたはどうなのよ」
 「別に。俺は最終的にこの星が暮らしやすくなれば、なんでも」

 彼らはそもそもが病気に属する存在らしく、暮らす場所が病気に冒されていたほうが居心地よくなるんだそうです。だから彼らは地球にメガビョーゲンを放ちます。

 むしろ優しくする理由こそありません。
 「あんた、人の心ってもんがないの!?」
 「ないね。人間じゃないし」

 彼らにとっては地球も、地球に生きる生命も、同胞じゃありません。苦しんでいる姿を見ることに罪悪感なんて感じようわけがありません。だから彼らは地球にメガビョーゲンを放ちます。

 「自分さえよければいいの!?」
 「いいけど?」

 ひどいことをする理由はあって、優しくする理由がありません。だからひどいことをします。
 たったそれだけのシンプルな理屈。
 簡単なロジックなのに、不思議とのどかにはどうしても理解することができません。まるで悪びれない様子のダルイゼンに呆然とします。あの誰にでも優しいのどかが怒りをたぎらせます。

 どうしても相容れない存在。

 ダルイゼンのような自分勝手な考えかたがあっていいはずがない。ごもっとも。地球人10人に聞いたら10人とものどかに賛同するでしょう。ダルイゼンは明らかに悪い子です。
 では、どうしますか?
 やっつけますか? 懲らしめますか? 浄化しますか?
 みんなに優しくしたいと願っているあなたが。

 許せない人を、許さないままで決別しますか?

 お母さんはあなたがどんなに困らせてしまったときも、優しく許してくれていたのに。

優しいお母さん

 「ウチの自慢の子どもたちだ。丁寧に扱ってくれよ」
 「もちろんです。大切にお預かりしますね」

 イチゴの花言葉は「尊重と愛情」「幸福な家庭」「あなたは私を喜ばせる」など。
 イチゴはイエス・キリストの人間界での母親である聖母マリアと、兄弟のように深い親交のあった使徒ヨハネの両名を象徴する植物。さらに古くは北欧神話の后神フリッグの好む果実ともされていました。だからイチゴには家族愛を想起させる花言葉がたくさん託されているんですね。

 のどかのお母さんは優しい人です。
 のどかが病気だったときは仕事を辞めてまでずっと傍にいてくれて、暖かく手を握ってくれました。
 ラテがのどかの学校について行ってしまったときもけっして叱らず、優しく頭をなでてくれました。

 それはつまり、のどかもラテもいっぱいお母さんに迷惑をかけちゃっているってことなんですけどね。
 なのにお母さんはそのことに全然文句を言いません。どんなに困らせたってお母さんはお母さんのまま、いつだって優しくしてくれました。
 「なんかね。また朝お母さんと一緒に出かけられるの、嬉しいなって」
 「お母さん、のどかがいないときずっとよしよししてくれたラテ」

 だから、のどかもラテもお母さんのことが大好きです。

 「ラテ。おうち抜け出してのどかの学校行っちゃったんだって? いい? 今は私もラテの家族だからね。私も、お父さんも、もちろんのどかも、みんなラテの味方。ここがラテのおうち。だから安心してここにいてね」

 お母さんっていうのはすごいもので、どんなときでも絶対に子どもの味方なんです。
 子どもが悪いことをしたとき、許してくれるのはいつもお母さんです。何度迷惑をかけたとしてもお母さんは子どものことを絶対に嫌いにならず、もちろん叱るときは叱りますが、それでも悪いことを反省させたあとはまたいつもみたいに笑顔を見せてくれるんです。
 それが子どもにとってはすごい不思議。いわゆるイヤイヤ期にはお母さんのいうことを何でも拒否してみて、それでも変わらない愛情を確かめようとしますし、あるいは試し行動といって、わざと悪いことをしてはそれを見たお母さんの様子を観察したりもします。
 それでも、お母さんは絶対に味方。いつだって子どもの味方。頼もしい味方が傍にいることを確信した子どもは安心して、何も恐れず何にも怯えず、いっぱい新しいことに挑戦しながらすくすくのびやかに育っていくことになります。
 「お母さん、ママみたいだったラテ」
 「私もね。病気で心細かったとき、ちょっとお母さんが見えなくなると、すぐに探して後を追っちゃったんだ」

 子どもにとって、お母さんの優しさというのはそのくらい大きなものなんです。

 「私ね、長い間病気で休んでいたの。ずっと、ずっと、思うように動けなくて。何もできなくて。辛くて。悲しくて。寂しくて。・・・でもね、お父さん、お母さん、お医者さんたち、たくさんの人が励ましてくれて。助けてくれて。そうやって元気になれたの」(第2話)
 大きな病気を患って、たくさんお母さんに負担をかけてしまった自覚のあるのどかならなおさら。

 「私たちが寂しいとき、お母さんは助けてくれた。今度は私たちが助ける番なの!」
 あんなふうになりたいって。絶対になるんだって。強く、強く、憧れるほどに。

優しさの理由

 「だから私、思ってた。今まで助けてもらったぶん、たくさんの人にお返ししたいって。いろんな人を助けたいって」
 「だから、プリキュアになれて嬉しかった! ラビリンが私を選んでくれて嬉しかったの! 絶対応えたいって思った。ひとりじゃできなくても、ラビリンと一緒ならできるって思って」
(第2話)

 だからこそ、今ののどかはほんの少しだけ履き違えています。
 お母さんは優しいから優しくしてくれるんじゃないんです。
 のどかのお母さんだから、のどかの味方だから、優しいんです。
 ラテのことも家族だと思っているからこそ。

 のどかの思っているほどお母さんは優しい人じゃないっていいたいわけではありません。
 誰にでも優しくあろうとがんばっているのどかを丸ごと否定したいわけでもありません。

 そうではなくて、優しさには理由があっていいという話です。

 第1話でのどかがヘトヘトになっていたように、第2話でラビリンがのどかのためを思ってこそパートナー関係を解消しようとしたように、誰かに優しくするというのは自分に負担をかける行為です。優しい人というのは他の人よりどうしても割を食ってしまうものです。かつて『ドキドキ!プリキュア』の菱川六花が博愛の人のことを童話に出てくる幸せの王子に喩えて心配していたように。
 じゃあ、お母さんというとてつもなく優しい存在は、その優しさのためにどんなに自分を犠牲にしているのか? といえば、きっと子どもが思っているほど重荷に感じてはいないわけですよ。
 だって、子どものことが好きだから。愛してるから。自分でそうしたいと決めてやっていることだから。子どものためにがんばることがお母さんにとっても幸せなことだから。

 「ああっ! 俺の、俺の大事な子どもたちが!」
 「子ども・・・? 何言ってんの。人間から植物は生まれないよ」
 「そういうことじゃないでしょ! あんた、人の心ってもんがないの!?」

 お母さんが優しいのにはちゃんと理由があって、お母さんにも優しくすることでちゃんと得るものがあるからこそ、いつまでもお母さんは優しくありつづけられます。
 誰かのために尽くすことはもちろんステキなことですが、それは同時に自分のためであってもいい。むしろ、自分のためであってこそどんな辛いときでも一見自分に益がなさそうなことでも、歯を食いしばってがんばれるようになるものです。

 そのあたりを、のどかはまだよくわかっていません。

 第1話で、外国人旅行者のために写真を撮ってあげようとしたのどかが、なぜか一緒にフレームに入ることになってしまったシーン。
 私、あのときののどかの困ったような笑顔がすごい好きなんですよね。ああ、この子絶対今後もこういう感じでたくさんの人に優しくされるだろうなって予感がして。きっと「私が優しくされてどうする!」とかしょうもないことを悩みながら成長していくんだろうなって。
 この子には人に優しくした分だけちゃんと自分も幸せになってほしいなって、あのとき思いました。
 ・・・いやまあ、プリキュアを観ているときはいつもそうなんですが。

 ダルイゼンは優しくない悪い子です。
 彼にはひどいことをする理由があって、反対に優しいことをする理由がありません。だからひどいことばかりします。
 今ののどかにはまだ、そんな彼の気持ちが理解できません。
 「もし何かきっかけができさえすれば彼も優しい子になってくれるかもしれない」とか、「みんなに親切にするのがどんなにステキなことか伝えられたら変わってもらえるかもしれない」とか、そういう発想には至りません。
 ただただ、まったく理解のできないおぞましい敵として、憎しみを向けることしかできません。
 彼のために優しくなることができません。

 今ののどかは、誰かに優しくすることに理由なんてないと思っているから。
 だから反対に、誰かに優しくしない理由にも考えが及ばない。

 今は、まだ。

 そうはいうものの、のどかという子は本当に優しい子です。彼女自身何度か語っていますが、優しいことが当たり前のことだって本気で思えるくらい、人の優しさを身近に感じながら育ったんでしょう。
 だから心配はしません。この子ならいずれ確実に理解します。

 「あいつ。俺にキレてたくせに・・・」
 この子は人に優しくすることを当たり前のことだと思っていながら、同時に、当たり前のことだからっておざなりにすることもない子です。
 “当たり前”が本当はどんなに貴重で、どんなに難しいことなのかを知っている子です。
 だから、いつかちゃんと気付くはずです。

 優しさが当たり前じゃない子の存在に。
 そして、優しくあろうと心から願っている自分の、誰かのまねごとなんかじゃない、その優しさの本当の理由にも。

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