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超人女子戦士ガリベンガーV 第60話感想 アンモニアの臭いを嗅ぐとストレスで疲労臭が出るらしい。

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生徒役:電脳少女シロ、名取さな、八重沢なとり

だあぁっ! あー、臭っせえ!!

出演バーチャルYouTuber

電脳少女シロ

「1個言わせてください。シロが疲れたときにするニオイはホワイトピーチの香りになってます」
「いや、ドブ臭ですね」

 そういえば新衣装を全身すべて初めて披露したのは土曜日にあったガリベンガーイベントが初めてだった気がする電脳3歳児。意外とエチュード劇が下手っぴなところもチャーミング。お仕事もりもりで息をつく間もないくらい忙しいようですが、私は動画投稿が再開される日をいつまでも心待ちにしています。
 「いるだけで○○な子」という表現がこれほど似合わない人物もなかなかいないでしょう。いればだいたい何かしています。傍若無人に暴れてみたり、賢く機転の利くトークを繰りひろげてみたり、斜め上にカッ飛んだ名言を連発してみたり、他の共演者を気遣ったり、イジりたおしたり、あるいはゴキゲンにキュイキュイ笑っていたり。ちょくちょくワケワカンナイこともやりたがりますが、そういうときは「シロちゃんの動画は為になるなあ!」と、とりあえず納得しましょう。彼女はあなたが為になることを望んでいます。
 まるでアブない人のようですが、そして実際アブない人なのは確かなのですが、ああ見えて彼女は共演者をよく見ています。聡明です。共演者の対応力を推し測り、ギリギリ捌ききれる程度のムチャ振りを仕掛けるのです。おかげでいつのまにか人脈の輪がずんどこ広がってきました。タチが悪いったらありゃしない。

名取さな

「ひとりカラオケ何が楽しいの? 俺ちょっとわかんないんだけどさ」
「そん・・・え・・・、だって、いないんだもん!」

 このあいだついに宮城県名取市にやって来て、現地ファンの生き血を片っ端から搾り取っていったらしいバーチャルナース。今月あともう何回か襲撃する予定があるようです。バーチャルサナトリウムってそんなに輸血しなきゃいけないような病気の患者を受け入れることがあるんだろうか。
 普段は雑談配信を中心として“せんせえ”たちとワイワイじゃれあいながら暮らしています。ふらっとラフになる独特の口調と気安い距離感による、殴りあいじみた双方向コミュニケーションが魅力。かなり極まったオタクであり、重度のヒキコモリでもあるため、古今東西のジャパニーズインターネットミームに精通しているところも特定方面のかたがたのハートをわしづかみです。そもそも貧乳+八重歯+露出の少ない衣装という鉄板の組み合わせが超かわいい。
 ネット上の面白いことに貪欲で、特にバ美肉(バーチャル美少女セルフ受肉:男性俳優が本来の性別を公言しつつ女性キャラクターとして活動すること)勢の大ファンであることをちょくちょく主張しています。

八重沢なとり

「臭ってる臭ってる。臭ってるよ」
「臭ってねえよ、緊張してねえんだから。臭ってるんだったら漏らしてんだよ」

 風紀の乱れは八重沢の始まり、とっても裾丈の長いミニスカートがトレードマークのバーチャル風紀委員長。最近新しくステージ衣装をあつらえてもらいました。歌って踊ってツッコミ待ちまでできちゃう八重沢劇場の開演に乞うご期待です。
 彼女の最大の持ち味はなんといっても親しみやすさでしょう。イラストが上手かったりリズム感が優れていたり、何をやらせてもたいがい器用にこなす優等生のはずなのですが、なぜだかいつも隙だらけ。ついつい軽口を叩いて怒らせたくなってしまいます。感受性高く、涙もろく、隣に座ってころころ変わるいろんな表情を眺めていたくもなります。
 ちなみにスカートの話は取り締まり対象なのでご注意を。あなたが言わなくても向こうから話を振ってきます。罠だ! 稲穂を振りまわして攻撃してくるので、うまく躱してお煎餅でご機嫌取りしましょう。それで風紀が守られます。

授業構成おさらい(+ 補足事項)

超難問:体臭の謎を解明せよ!

 今話の授業テーマは体臭。実質的には1年前にやった同テーマ授業の続きとなっています。今回メインで取りあげた疲労臭って、実は前回授業でも軽く触れられていたんですよね。体臭の原因が皮膚表面から出るガス物質であることや疲労臭を抑えるためにシジミが効く話など、前回説明した関連知識はバッサリ省略したうえで授業展開しているので、もしあなたが全話録画しているのであればこの機会に復習しておきましょう。

 関根嘉香先生は東海大学の理学博士で、環境化学が専門です。主に大気汚染の浄化や、室内空気汚染(シックハウス症候群)の予防に関する研究を行っています。言うなればニオイとガスの専門家ですね。研究の一環として人体から出る生体ガスにも詳しく、加齢臭や疲労臭といったテーマでしばしばテレビ番組に呼ばれています。
 前回出演はミライアカリとの共演回。つまり小峠教官が初めて英二呼びされた伝説の一話です。いつにも増して個性スパコーンだったバーチャルYouTuberたちを相手取り、こちらも負けじと唐突に5歳児発言を繰り出してきた関根先生は強い。お子さんが中学校教師をやっているということはこの人何歳だ?という話の流れからの5歳児発言だったのでなおさら強い。

トピック1:疲労臭ってどんなニオイ?

 疲労臭というと聞き馴染みがない言葉かもしれませんが、このニオイ自体は誰もが日常的に嗅いでいるものと思われます。さて、どこで嗅いでいるでしょう?

 「下水道。湿度の高い、こう、じっとりとしたような感じ」
 名取さなの言わんとするイメージはよくわかります。実際、疲労臭=蛋白質が分解されたニオイだと思えばだいたい合っているので、下水道のニオイにも疲労臭と同等の物質は含まれます。

 「体育館のニオイ。みんながこう、バタバタ走ったりとか運動したあとの、誰もいなくても臭う体育館独特のニオイというのが臭うからそれかなと思いました」
 筋繊維が破断・分解されたときも疲労臭は生成されるので、八重沢なとりの回答も正解。個人的には体育館のニオイって、ツンとした刺激臭よりカビ臭さが先に来るイメージなんですけどね。地域性もあるんでしょうか?

 「天ぷらを揚げるときとかにしばらくその油を放置してしまうと酸化した油のニオイがするんですよ」
 自信満々そうだった電脳少女シロの回答は残念ながら不正解。酸化した油のニオイは加齢臭と共通する成分です。加齢臭は前回の授業ですでに大きく取り扱いました。

 正解のニオイ物質はアンモニア。
 人体に有害で、ツンと鼻に刺さる刺激臭があります。小峠教官が若手リアクション芸人バリの良いリアクションを3度も披露してくれました。
 模範解答としてはトイレなどを挙げればよかったことになりますね。

 このトピックでのキーワードはオルニチン回路。
 オルニチンと聞いてピンと来る人は濃い目のシロ組さんかもしれませんね。このワードは前回の授業でも出てきました。電脳少女シロの好物であるシジミの味噌汁に多く含まれる成分です。
 オルニチン回路は肝臓で行われる代謝活動のひとつで、アンモニアを尿素に変えるものです。アンモニアは人体で自然に生成される物質なのですが、たいへん有害です。なので、通常は肝臓で無害な尿素に変えたうえで尿として排出されるようになっているのですが、肉体的・精神的疲労、もしくは過度の飲酒などで肝臓の働きが弱るとオルニチン回路が充分に機能せず、アンモニアは血液中に残留してしまいます。
 ところで、前回の授業において体臭が発生する原因となる生体ガスの放散経路をいくつか説明されていたことを覚えているでしょうか。この経路のひとつとして血液中のガス成分が皮膚から放散されるというものがありました。すなわち、これが疲労臭です。
 尿素に置き換えられず血中に残留していたアンモニアが皮膚から漏れ出ることで疲労臭となるんです。

 番組冒頭で小峠教官が腕に巻いていた腕時計状の器具を“パッシブ・フラックス・サンプラー”といいます。名前はやたらかっこいいですが、要は皮膚表面から自然に漏れ出る生体ガスを採集してインジケーター(指示薬)と反応させるだけのシンプルな器具ですね。今回はアンモニアの分泌量を計るのが目的なので、インジケーターは中学校理科の実験でおなじみフェノールフタレインでしょう。このピンク色、懐かしいですね。覚えていますか?
 関根先生はこのような検査キットを用いて、生体ガスから簡便に健康診断を行えるようにするための研究も行っています。

トピック2:疲労臭を抑えるには?

 そもそもアンモニアは蛋白質などの有機化合物を分解することで生成されます。
 人体内における主な発生経路は3つ。ひとつは食べ物、特に肉類や魚類を消化するとき。ひとつは運動後など筋繊維が分解されるとき。そして最後のもうひとつ。体内でのアンモニア生成割合としてはこれが最も大きいのですが、さて、いったい何でしょうか?

 「イカスミパスタをめっちゃ食べて、体の中を墨でいっぱいにする」
 ニオイ物質の吸着効果があるのは木炭ですね。蒸し焼きにすることで原木から炭素以外の成分が抜けて多孔質になるため、その小さな隙間にニオイ物質が入り込むというメカニズムになっています。残念ながらイカスミにはそういう特性はありません。
 ただ、イカスミの主成分であるメラニンには整腸作用があるので、そちらのアプローチでなら改善も見込めるかもしれません。

 「疲労してるときってため息つきがちだと思うので、逆に酸素を多く体に入れることによって改善されないかなって思いました」
 疲れているときにため息が出るのは、体全体が緊張していて血流が滞り酸素がなかなか行き渡らず体がより多くの酸素を欲するため、という説があります。実際、疲れているときやイライラしているときに酸素吸入すると回復が早まることが多いです。先生の求めていた回答ではありませんが、これもひとつの正解でしょう。

 「フルーツを食べると健康に良いっていうのをよく見かけるので、フルーツは全体的に体の中から健康になれるんじゃないかと思います」
 いわずもがなフルーツは体にいいです。果糖やビタミンCは疲労回復に効果があるでしょうし、食物繊維も豊富で整腸作用にも期待できるでしょう。特に現代日本人は全くといっていいほど日常的にフルーツを食べる習慣が無いので、意識的に摂るのは推奨されるべきことでしょう。めっちゃ高いけどね。
 ところで「よく聞く」ではなく「よく見かける」と言っちゃうあたり、バーチャルナースさんが普段どういう生活を送っているのかはお察しですね。

 キーワードはラクチュロース。牛乳に含まれる乳糖を小さく分解した物質です。
 ご存じのかたも多いでしょうが、ほとんどの人間は乳糖を消化できません。ラクチュロースの大きさまで分解してもまだ消化することができません。なので、このラクチュロースは原形を留めたまま腸へ届きます。人間の腸には善玉菌と悪玉菌がいて、その善玉菌のうち最大勢力であるビフィズス菌が、このラクチュロースを好んで食べるんです。
 このことが疲労臭改善に大きな効果を発揮します。

 実は、先ほどのアンモニアが体内で生成される最後の経路が、腸内悪玉菌による生産なんです。
 悪玉菌のなかには胃から流れてきた蛋白質や、せっかく肝臓で無害化された尿素を材料にしてアンモニアを生産するものがいます。
 だから、善玉菌であるビフィズス菌の勢力を広げることで悪玉菌の活動を弱められたなら、体からアンモニアを減らす結果につながります。

 ちなみにラクチュロースは牛乳を加熱することで生成されるものなので、加熱殺菌されている一般的な乳製品を食べていれば自然にそれなりの量を摂取できているはずです。より効率的に摂取したいならホットミルクやクリームシチューなど、牛乳をさらに加熱する食べかたを選ぶといいでしょう。
 また、シロップも市販されていますし、あるいは森永乳業がラクチュロースを多く含んだ特定保健用食品を販売してもいます。先生の言うとおり粉末状のものはなかなか無いのですが、摂ろうと思えば割とお手軽に摂取できます。
 さらにちなみに、ラクチュロースは高アンモニア血症治療のための医薬品としても使われています。日本では1975年の承認ですね。先生が新発見と言うからには何かしら新しい研究発表があったんだと思いますが、ラクチュロースにアンモニア生成を抑える作用があること自体は昔から知られていたことです。

 なお、前回の授業ではシジミに含まれるオルニチンが疲労臭対策に効果的だと紹介されていました。こちらは先ほど出てきた肝臓のオルニチン回路を活性化させることで、アンモニアを尿素に変える効率を高める仕組みとなります。
 どうせなら腸も肝臓も両方元気にしてやったらいいんじゃないでしょうか。

トピックex:体臭を学ぶ

 疲労臭は体の中から出てくるニオイです。なのでニオイを減らそうと思って清潔を心がけてもあまり効果がなく、体質から改善しなければなりません。

 これとは反対に、汗のニオイは体の表面で発生します。
 汗はもちろん体内から出てくるものです。ですが、実は汗そのものにはさほどニオイ物質は含まれていません。汗がニオうのは、皮膚常在菌が汗を食べてニオイ物質を代謝するからなんです。だからこちらは体を清潔にすることがニオイ対策として効果的ということになります。

 汗臭の主要成分のひとつとしてイソ吉草酸があります。
 “吉草”というのはヨーロッパで古くから使われてきた薬草の一種で、英名をヴァレリアン。関係ないですが花言葉は「善良」です。“イソ”ではない普通の吉草酸を豊富に含む植物です。
 そして“イソ”は異性体、分子構造が一部異なる物質を表す言葉です。異性体同士は特性が似ていたり全然違っていたりするのですが、吉草酸とイソ吉草酸の場合はぶっちゃけニオイの種類はあんまり変わりません。どっちも汗のじっとり染み込んだ靴下みたいなニオイです。
 なお、ヴァレリアンは薬草としてだけではなくアロマテラピーにも使われることがあります。ストレスを和らげ気分を落ち着かせてくれる効果があるそうです。度し難いな。

 イソ吉草酸がどれだけ臭いのかという質問で、先生はアンモニアの1000倍から10000倍だと答えていましたが、これはおそらく臭気指数から見た数字ですね。人間の鼻の官能は空気中のニオイ物質の量と比例しないので、このようにある程度幅のある数字となってしまいます。
 アンモニアの1000倍以上も強烈な靴下のニオイをアロマテラピーに使う人が世のなかにはいるということです。度し難いですね。

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