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正解するカド 枝葉の話 犬束総理の決断とワムのもたらす未来について。

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 歴史にも政治にも科学技術にも疎い人の妄言なので本気にしないでください。

 第5話、人類の出血を覚悟でワムを世界中に拡散させることを決意した、犬束総理はおそらく人類史に名を残すでしょう。
 おそらく最悪の汚名として。

 彼の決断は政治家失格です。民主主義国家において、代議士が何のためにいると思っているのでしょうか。
 彼らは国民のために、国民に代わって彼らの生命や財産を守るため、国民の信任を受けて政治を執り行っています。何か事件があるたびに税金の無駄ってくらい熱心に邦人の安否情報を集めているのも、それが彼ら本来の職務だからです。
 然るに、いくら人類の進歩のためだからといって国民の出血を伴う決断を行ってしまうのは代議士としてあるまじき背任行為です。今回はさらに世界中の人類の信任を得たわけでもないくせに勝手に世界中に大いに影響を与える決断を行っているので、そりゃあ「これは日本の暴走だ!」「日本人は責任を取れるのか!」などとなじられますとも。
 あの場面において常識的な感性を有していたのはむしろ国連側です。人命を軽視して許される政治家なんていていいはずがありません。

 無限のエネルギー源ワムは確かに人間社会を飛躍的に発展させるでしょう。エネルギー利権は失われますが、同時に資本を持つこと自体も無意味になるので誰も貧しくはならず、全人類が平等に健やかな暮らしを営めるようになるでしょう。

 ただし、それはワムという爆弾がすべてを上手に吹き飛ばしてくれた場合の話です。
 エネルギー利権が無意味となった社会では、生産技術がこれまで以上の価値を持つようになるでしょう。家庭用3Dプリンタが市販されていてもCADを扱えない大多数の人にとっては無用の長物であるように、いくらワムによる無限のエネルギーが供給されても、生産技術がなければそれをモノやサービスに変換できないからです。
 結局そこに利権が生まれ、寡占され、富は分配されずに再び格差を生むでしょう。
 これを打破する方策なしにワムを拡散しても無意味です。無用の混乱を招き、多くの人命が失われるだけで、結局社会は今までどおりに硬直します。

 これを回避するためには、ワム拡散後の混乱への諸々の対策を研究しつくし、万全の体制とセットにして初めて拡散するという手順が必要になるでしょう。
 196対のワムなんかさっさと国連に処分してもらって、自分たちは新たにヤハクィザシュニナに分けてもらうなり品輪博士につくってもらうなりして秘密裏に研究すればよろしい。
 ただしこれも民主主義国家の代議士としては失格です。民主主義国家においては主権が国民にあるので、国民の代表が国民のあずかり知らぬところでそんな世界を揺るがす研究をすべきではありません。こういうのが許されるのは主権が特定個人に掌握されている君主制国家だけです。
 ・・・まあ、現実には民主主義国家にも色々とあるらしいですけどね。(あやしげ陰謀論)

 かといってワムを放棄するのもそれはそれでいうまでもなくヤハクィザシュニナの信頼を蹴ることになるので、それはそれで一人類として失格だったりして、結局のところワムに巻きこまれた時点でどうしようもなかったりします。
 どっちにしてもダメなら、せめて劇中のように一人類としての矜持を示す方が真摯な態度だといえるんじゃないでしょうか。

 客観的で絶対的な唯一の“正解”なんてそもそもどこにもないんです。だったらせめて目の前に並ぶ可能性を吟味して、その中で一番マシな“正解”を選びましょう。それを繰り返して歩んでいく先に、きっと誰もが幸せになれる究極の“正解”もあるかもしれませんし。

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