「恋は○○に似ている」って色んな人が色んなものに当てはめて語っていますが、つまりはそれだけ恋というものが私たちにとって普遍的な関心事だということなんでしょう。
オタサーの聖女ペア
「なら、我が輩は帰るであります。プリンはふたりで食べるでありますよ」
「・・・じゃあ、私、これで」
山根隆夫(緑髪四白眼) × 栗原ちよ(栗色ヘルメットヘア)
+ 本山友道(坊主眼鏡出っ歯)・・・聖人
関係性:電車男(バスだけど)
チグハグ要因:オタク特有の極端な自己卑下
基本的には難聴系ヒロインペアの男女逆転版と考えていいかと思います。高野さんを男性にしてオタク要素を付け足すだけでこんなにもウザくなるなんて! いえ、いい人なんですけどね。もっと自信を持っていいのに。
一方の栗原さんは菅原くんのヘタれ要素をなくしたバージョン。何その聖人。
ついでに友人の本山くんもケチのつけようのないド聖人。
聖人だらけの布陣に山根くんのダメっぷりが際立ちますが、まあこの子もこの子で聖人たちに好かれるだけあっていい人なので、いいから自信持て。
そしてがんばれ本山くん。いや過労死しちゃいそうだからほどほどにがんばらないで本山くん。いやいや放っといたらこのカップル自然消滅しかねないしやっぱり死ぬ気でがんばれ本山くん。あと、えーと・・・何回あったっけこのパターン。とにかくがんばれ本山くん。
プリンは意外とお手軽につくれるうえにだいたいみんな喜んでくれるので、いつでも思い立ったときにつくって贈ることができます。反面、崩れやすいうえに生ものなので、どうでもいい相手のために持ち運ぶのはひたすらカッタルイです。もうこのチョイスを見ただけで栗原さんの人となりや山根くんへの思いがわかるというものですよ。(原作者がそこまで考えているかはこの際問題にしない)
それにしてもこのエピソードの栗原さん、珍しくヘタれていてかわいい。
誤解畳みかけペア
「ううん。言っても嫌われるだけだから。ゴメンねもやもやさせて」
「俺がお前を嫌いになるわけないだろ。上根、俺はお前の彼氏だろう。どんな思いも受けとめてやる」
剛田武(あずき色日本男児) × 上根綾香(群青色ゆるふわおさげ)
関係性:両思いカップル(暴走気味)
チグハグ要因:お互い思ったことを中途半端にしか言葉にしないこと(ほぼ解消)
精神的に安定している剛田くんの方がチグハグ主要因になっているという不思議なペア。上根さんも言うべきことを最後まで言わないメンドクサガールではあるけど、あれだけ押せ押せされたら普通は察せると思うんだ。ニブチンめ!
内気な割にやたら強かという上根さんの生っぽさが同性視聴者に好かれるのかちょっと心配なところ。剛田くんの朴訥さは完璧にファンタジー入っているのでたぶん両性ともに好かれるはず。
嫉妬はメンドクサガールの嗜み、とでも言わんばかりの我らがクイーンオブメンドクサイ・上根さん。でも本物のメンドクサガールは大量に注文つけるどころか、あそこまで言ってもらえても意地になって口を割らないものですからね? あれだけ言えるあなたがステキ。しかもちゃんと大事な条項厳選できるし。
剛田くんもスっとぼけたニブチン要素は何気に心の中にしまっておける人で、口に出す言葉はだいたい男前成分だけなんですよね。客観視と自己コントロールができるオトナの男です。カッコイイ。ちっさいスクールバッグを運動部背負いするようなかわいいところもあるくせに。
幼馴染みペア
「いや、剛田くんが正しい! 千秋に無いのはあの積極性だよ!」
「見た? あの上根さんが、あ、あれですよ。女の子から行ってもいいってことだろ!?」
内山千秋(茶髪ショート) × 飯島香奈(茶髪ロング)
関係性:長いことツルんできた幼馴染み
チグハグ要因:恋愛観の相違
夫婦漫才が持ち味と見せかけて意外と重い話だらけのペア。
千秋くんの言動にいちいちサイテー感が付きまといますが、これ本人の人格に問題があるわけではなくて、ふたりの「好き」の質が根本的にズレているのが原因なんだと思うんですよね。
千秋くんの恋愛観は、例えるなら自宅でまったり過ごす夫婦みたいな感じ。恋人関係に求めるものは安定した関係性で、飯島さんとはいつまでも気の置けない付き合いがしたい。一方飯島さんの恋愛観はテレビドラマのようなロマン。キスにこだわることからもうかがえるように、彼女は恋人というものに劇的な変化、刺激を求めています。恋愛に求めるものが180度違うのですから噛み合うわけがありません。
千秋くんサイテーの最低。今回で一番のドン底まで行ったのであとは這い上がるだけです。がんばれ。
千秋くん見所なしなエピソードの直前にデバガメエピソードを挿話してくれたおかげで、原作よりも千秋くんの印象が若干マイルドになりましたね。あの流れからなら私は同情できる。何を置いてもキスして“あげなきゃ”ダメな気になっちゃいますもん、あんなの。やらかしたことがサイテーなのはことに変わりないけれど、千秋くんなりに悩んで、何はともあれよくがんばった。そのガッツにエールを送ってあげたい。
常在戦場では気付けない問いもあります。本当は相手が何を望んでいたのか。自分は何がしたかったのか。相手に何をしてあげたかったのか。どんな自分を見せたかったのか。頭が冷えていなければ出せない答えもあります。
すれ違いは冷却期間。恋の炎が冷えてしまうのは悲しいことだけれど、恋の微熱もまた甘いもの。しょっぱなから何段か踏み飛ばして突き進んできたふたりにとって、きっとこれは必要な時間のはずです。がんばれ。
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