映画キラキラプリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ! ざっくりふわっと感想

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この記事は未視聴者向けとして、一応ネタバレに配慮しているつもりです。
他の記事はネタバレガンガン踏み込んでいるのでもし興味があればどうぞ。

雑感

 去年はモフルン人気で動員数が増えてるみたいな書き方をしましたが・・・違うわ。間違いなくプリキュア人気自体が息を吹き返しているわ。
 今年も昨年と同水準、実に8割以上もの席が埋まっていました。
 遊園地以外でもあれほどの子どもたちの活気を見られる機会ってあるものなんですね。今まで着ぐるみショー以外では見かけることのなかった、プリチューム着用のガチ勢すらいましたよ。

 そして肝心の映画の方も、そんな子どもたちの期待にバッチリ応えて素晴らしい出来でした。

 やー、良かったなあ。去年の魔法つかいプリキュア!の“笑いあり、涙あり、燃えあり”の作風からガラリと変えて、“笑いあり、笑いあり、そして笑えよオメーら。笑った? じゃあもっかい笑え”って感じのノリでしたね。
 いつも以上に子どもに向けて全力投球です。しみったれたシリアストークはほとんどありません。ヘタしたら全上演時間の7割くらいはギャグかコメディかも。悪役も怖くはない(はず)、総じてとってもチャイルドフレンドリーな作風でしたね。
 それからなんといっても今回はミラクルライトが良かった。私あんなにたくさんのミラクルライトを見たのは初めてです。ものすごく振りやすいタイミングで、振りたくなる雰囲気をつくってくれるんですよ。
 ぜひお子さんを連れて観に行ってください。絶対喜ぶと思いますよ。

 あ、子ども向けだからといってオッサンオバサンは侮らないでくださいね。
 あくまでコメディ色が強いだけであって、テーマの織り込みっぷりは相変わらずガチです。「大好き」がどうとか、「悪意」がどうとか、テレビシリーズで描いてきたテーマ性を完全地続きで引き継いでいます。むしろわかりやすーいシリアスがない分、油断していると大人に染みる部分を見逃しますよ。
 あとテレビシリーズでは批判され気味なバトル要素とスイーツ要素もこれでもかと高品質なのを詰めこまれていますので、そっち方面のオタクさんも「こういうのが見たかったんだ!」と満足することうけあい。

 不満があるとすれば、アレだ。
 TOHOシネマズさん、お願いですから平日18時以降も上映してください。毎日観に行きますから。

前説

 今年はゆかりとあきらのお姉さんコンビが担当です。いちかたちはチビキャラ化しての賑やかし。
 久しぶりにゆったりしたテンポで前説してましたね。
 こういうところひとつとっても今年の本編がコンパクトに良くまとまっていることがよくわかります。

短編『Petit ドリームスターズ!』

 ペコリンたちが仲よくクッキーづくりをしていると、ひょんなことからコワーイドラゴンさんに襲われて・・・といったスジ書き。

 3年目にしてついに短編の文法が完成したように思います。そのくらい安定感のある良い出来でした。
 物語は極力シンプルに。
 ダンスなどの観客参加型コンテンツは全廃止。
 ミラクルライトもここぞという1回だけに集約。
 映画の冒頭じゃまだ場が暖まりきっていないわけですから、例年のようにあんまり色々織り込もうとしてもうまくいくわけがなかったんですよね。ミラクルライトのチュートリアルに徹して大正解。

 ちなみに今年はプリキュア不参加。
 演出としてはミラクルライトがあるので、別にプリキュアのアクションなしでも妖精たちだけで充分派手な絵はつくれるわけですよ。
 むしろプリキュアがいない分、ペコリンのスイーツの先生感、モフルンのお兄さん感、パフのドジっ子感がきわだって表現されていましたね。アロマ? ああ、あの鳥いっつも苦労してんな。
 トコトンかわいく、ちょっぴりハラハラ、そして良い感じに本編と差別化できていて面白かったです。

本編『パリッと!想い出のミルフィーユ!』

 意外とシエルばっかり目立つわけではありません。
 むしろ一番面白いところで妖精化してしまうので活躍は地味めかも。

 というかゆかりさんよ。テレビシリーズといい、着ぐるみショーといい、この映画といい、ホント妙なところでいちいち目立つなこの子。かの来海えりかの再来といって差し支えないかも知れません。
 正直シエルよりも誰よりもずっと印象に残りました。大好き。

 ああ、「誰よりも」は言いすぎか。ゆかり以上に妙な存在感を発揮していたキャラがいました。
 ジャン=ピエールです。
 なんでこの人公式サイトではあんなシリアスげな表情してるの。実際はとんでもない奇人のくせに。
 まだ映画を観ていない人向けには「春映画の烏天狗よりもさらに強烈にコメディリリーフしてる。しかも本人はいたって真剣」といえば少しは伝わるでしょうか。あるいは「プリパラのあじみ先生をダウナーにした感じ」でもいいかも。コック帽にでっかい薔薇を咲かせているだけありましたよ。

 ジャン=ピエールがあんまりにもあんまりなキテレツっぷりなので、子どもにはどうして彼があんなことをしていたのか理解できないかもしれません。でも大人でもあんなの理解できる人はそう多くないでしょうから、「すっごいバカ」という解釈でも問題ないと思います。むしろあの人はよくわからないからこそ魅力的なんだと思います。
 かの問題児ゆかりさんだって深く掘り下げるとやたら複雑なキャラクターですが、単純に「気まぐれお姉さん」として見てもすごくカワイイお姉さんですからね。ジャン=ピエールもそれと同じ構造です。

 ジャン=ピエールがクマタやつむぎちゃんのように私たちの共感を呼ぶキャラクターじゃない分、今回の映画ではプリキュアたちが例年以上に主人公らしく大活躍します。
 プリキュアの映らないシーンがほとんどありません。

 特にテレビでも紹介された、いちかたちがいつもと違う動物に変身してしまうシーン。あそこは本当に面白かったですよ。それに思ったよりも長尺でじっくり描いてくれています。
 しかもあれ、個性が違えば活躍の仕方も違うってことでちゃんと最終的には作品テーマに結びついていくのがまたステキ。

 孤高のパティシエ・ジャン=ピエール(と書けばかっこよく見えなくもない)に対して、プリキュアたちが「大好き」の大いなる価値を伝えようと奮闘する。しかしそれを邪魔する悪意の存在がプリキュアの前に立ち塞がる。プリキュアはバラバラの個性を生かしてソイツをやっつける。
 話のスジとしては今テレビシリーズでやっているのと同じパターンを踏襲しているんですよね。
 プリキュアがしっかり主人公している分、例年以上にテレビシリーズと映画のノリがシームレスにつながっているんです。
 今作はテレビシリーズをそのままものすごく豪華に描いた作品といえると思います。

 だからテレビシリーズのキラキラプリキュアアラモードが好きな人はこの映画も絶対気に入るでしょうし、この映画を面白いと思ったならきっとテレビシリーズの方もますます好きになれるんじゃないかと思います。
 まあそんなわけで。
 観れ。

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