わかったぞ。ホムラを戦争の道具にするつもりだろ!
第2話「機械仕掛けの人形」は、ブレイド周りの設定開示をするとともに、子どもだけの小さな英雄譚を描く物語。
・・・ところで贅沢をいうならシーン回想それぞれをもうちょっと小分けにしていただけると嬉しいのですが。
(主観的)あらすじ
ホムラのブレイドとしての力と育ての親である爺ちゃんの助力によって辛くも船から脱出したレックスは、スペルビア帝国植民地・グーラ領に漂着します。
レックスはイーラの一員でありながら脱出を支援してくれたお人好しの少女・ニアと同行していたのですが、街にたどり着いて間もなく彼女は駐留軍に拘束されてしまいました。レックスは街で出会ったノポンの少年・トラの助けを借りてニアを助けるために奮闘します。悪徳地方領事を倒し、行く手を遮る軍人を退け、レックスはいよいよトラとニアとともに楽園を目指す旅を始めます。
感想
友達を処刑しようとする悪徳地方領事をやっつけろ! 邪魔する悪い軍人もやっつけろ!
まっすぐなレックスはまっすぐな物語を紡ぎます。ひたすらシンプルな勧善懲悪。こっちは正しい。お前は間違ってる。
今話はプレイヤーもレックスと視線の高さを同じくして、どっぷり甘い夢に酔いしれるのが良い楽しみ方なんでしょうね。せっかくブレイドという強大な力を手に入れたんですから、ヒーローになってみましょうよ。
地方領事モーフは間違いなく悪いヤツです。汚職はするわ、ニアを捕まえるわ、ブレイドの扱いは非人道的だわ、気持ち悪いブ男だわ。
悪いヤツです。ブ男=悪いヤツ。これファイアーエムブレム紋章の謎あたりから広まったゲーマーの常識です。疑う余地もありません。
勧善懲悪やるならうってつけ。
「モーフって男はロクな領事じゃないと思っていたんだが、実は腕は良かったのかもしれないな」
レックス少年はまだ知りません。世の中そう単純に二元論で片付けられるものではないことを。
今話は子どもの物語です。ニアとトラ、ふたりの仲間もレックスと同じくらい子どもで、レックスの単純すぎる考え方にもあっさりと賛同してしまいます。
同行人のなかには爺っちゃんやホムラ、ビャッコといった比較的大人な面々もついてはいるのですが、どうやらそれぞれ思うところがあるようで、今のところ子どもたちを信じて決断を任せているようですね。
「そのブレイドが真に天の聖杯であるのなら、私にはやるべきことがある。空を割き大地を割るその力――、二度と世界を灼かせるわけにはいかない」
レックス少年はまだ知りません。世の中そう単純に二元論で片付けられるものではないことを。
心に芯の通った優しい少年は信じるべきパートナーを疑うことができず、代わりに目の前の軍人に憎しみをぶつけることで、勧善懲悪の綻びから目を背けます。
「わかったぞ。ホムラを戦争の道具にするつもりだろ」
「そのような力を野放しにできない、と言っている」
「いやだ、と言ったら?」
ゲームの主人公がここまでズレた問答をするのも珍しい。まるで相手の話を聞いていません。あるいは信じようとしていません。完全に目の前の軍人が悪だという前提で話をしています。
もちろんその一本気と善性自体は、戦いのあとでメレフも認めるとおり、とても好ましいものです。とはいえ、それを加味するにしてもやっぱりこの子危なっかしいですね。
ホムラはレックスに肝心なことを何も教えてくれません。
どうして楽園を目指すのか。楽園に何があるのか。何のためにレックスの力を必要としているのか。
だって、そもそもレックスが何も聞こうとしないから。レックスが少しも疑ってくれないから。
だから彼女には話す必要性が生じませんし、話す機会もありません。
レックスの世界の見方は自分ひとりのなかだけで閉じています。自分の目で見ている以外の世界の有り様が存在しうるという発想自体がありません。自分の信じるものこそが正しいと信じて疑いません。
だから綻びから目を背けます。だから何も聞こうとしません。
この子これから苦労するだろうなあ・・・、と加齢臭漂う上から目線で少年を見守り、さて第3話へ。
たしかアルス船を修理したあたりでプレイが止まっていたので、いよいよここから初めてプレイする範囲に突入します。
ちなみにレアブレイドはレックスのところにライコ、ニアのところにくまみこナナコオリがやって来ました。タンク専業のトラがいるからレックスにタンクロールは要らない・・・と思いきや、トラの回復が間に合わないときにターゲットを奪って助けられるので意外と安定しますね。
中断前のプレイではレックスにウカ、ニアにイダテンでした。必殺技の溜まりが早いうえ、そこそこコンボをつなぎやすい組み合わせだったのでこちらも悪くなかったです。
やり直すたびにプレイフィールが変わって、でもちゃんと戦える同調システム、思っていたより楽しい。
ところで『Tiger! Tiger!』ってたしか復讐もののSF小説のタイトルだったと思うのですが、それでいいのかトラのお爺さん。
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