もう大丈夫さ。オレも、ホムラとヒカリも。
顔を上げた者と、自らを蝕む者の物語。
(主観的)あらすじ
雲海深く落ちたレックスとヒカリたちは古代文明の廃墟で目を覚まします。けれどこんなときでもレックスは前だけを見ていて、そしてヒカリとホムラは――うつむくことをやめました。
廃墟をさまようなか、レックスたちはイーラの首魁・シンと遭遇します。お互いの仲間と合流するまで一時休戦することにした彼の口から、遠い昔の途方もないない嘆きが語られます。
500年前。人間に味方し、世界を滅ぼさんとするメツを撃破したシンたちブレイドは、しかし強大な力を持つがゆえに、今度は彼ら自身が人間たちによる殲滅を受けることになりました。シンのドライバー戦火のなか倒れ伏し、「シンに忘れられたくない」と悲しみの涙を流します。
シンは、コアクリスタルに戻り想い出を失ってしまう運命から逃れるために、大切な人の身命を食らって独り生きながらえてきたのでした。
天乱剣。効果:ダウン・ライジング・スマッシュ。
てっきりコンボの進行状態に合わせてどれかひとつが適用されるワイルドカードなのかと思いきや、実際にはまさかの全適用ですよ。敵にブレイクさえかかっていればたったの1アーツで数万ダメージを叩き出します。なんだコイツ。
今回はそんなアンチクショウの昔語り。
うん。死にたがっているんなら和解の余地はないですね。これがヒロインならまた別ですが、ヤローじゃしゃーない。まあ、たまーにヒロイン以上にヒロインムーブするライバルってのもいますけどね。
「人間はね、誰かに忘れられることの方がずっと辛いの。だから自分の存在を残そうと足掻き生きる」
「次に目覚めたとき、あなたは私のことを忘れているんだよね。あなたに忘れられるのが――絆が消えるのが、さびしいよ」
暖かな呪縛。
「あるんだ。たったひとつだけ、君と俺が生きる方法が」
彼女はシンの提案を聞いて小さく頷きました。なかなか生っぽい人ですね。嫌いじゃないです。
忘れられたくないという願いは彼女のもので、しかし実際にマンイーターの邪法に手を染めるのはシンです。彼女は自分の願いのためだけにシンに一方的な負担を強いて、それで納得しました。
イヤな女だな、と捉えることもできるお話です。
ですが私はこういう人、嫌いじゃないです。だって彼女がシンに特別な親愛を向けているのは明らかで、そのうえでなお彼女はシンに負担を強いたんですから。
大切な人に不幸になってほしいと願う人はいないでしょう。だから、これはつまり、自分の願いにシンも思いを同じくしてくれる、そういう信頼関係、絆の存在を彼女が強く信じているということでもあるはず。
だからこそシンは自ら望んで彼女に呪縛されました。彼女のくれる暖かな愛と引き換えに。
想い出を忘れないこと。たったそれだけのためにシンは500年の長きを生きながらえてきました。
この人、口ではブレイドが人間のために生きることを呪っているくせに、実際は誰よりも純粋にひとりの人間のためのブレイドでありつづけているんですね。思い人を失って、それでもなお。
それ自体は世界の滅亡を望むことと結びつく話ではないので、たぶんもうひとひねりまだ隠しているんでしょうけれど。
ともかくとして。
「ブレイドの身体に溶け込んだ人間の細胞は特異な能力を開花させる。俺はそれに満足している」
それは単に強い力を得たことを喜んでいる、という意味ではありません。
これは彼女との絆です。彼女がくれた祝福です。愛です。
彼女が善きものをくれたというその事実、それ自体がシンの心の支えとなっています。
その一方で。
「拒絶されても、か?」
今、シンのなかにある彼女の細胞はシンの身体を蝕んでいます。
善きものをくれたという事実の、その反対の事実。
そのことにシンは今ひどく悲しんでいます。彼女がシンを害するということは、つまり彼女がシンを拒絶しているということと同義だから。少なくともシンにとっては。
「望んでいないことはわかっている」
つまりは自己嫌悪。
「あんたの目は悲しすぎるよ。あれは自分が消えたくて消えたくてしょうがない人の目だ。まるで始めて会ったときのホムラみたいだった」
レックスの指摘がズバリ的を射ています。
・・・それにしてもこの子ホント成長しましたね。最初の頃のものを知らないクソガキっぷりがウソのよう。当時は絶対ホムラをそういう目で見れていなかったでしょ、キミ。
そのホムラ(というかヒカリ)はというと。
「だったら、もしハナが世界を、ご主人を壊してしまいそうになったら、ハナを壊してくれますかも?」
ずっと自分の無力に押しつぶされてきた少女は、今回、ハナの悲しすぎる願い(自己嫌悪、あるいは無力感と呼べる類のもの)に正面から向き合います。
「トラくんがつくったあなたはそんなことしない。絶対に」
レックスはホムラを絶対的に信じてくれました。無責任にではなく、彼女のすべてを知ったうえで、すべてを受け入れてなお信頼してくれました。だからこそ今、彼女は自分を信頼できています。
「ヒカリも世界を壊しちゃうのですかも?」
「そうしないように心がけるつもりだから、それはないかな」
「約束しましょ。――もし本当にハナが世界を壊してしまいそうになったら、私はハナの願いを叶えてあげる」
レックスがホムラを信じてくれたのと同じくらい絶対に、ヒカリはハナを信じてあげることができます。
だから、ヒカリはあえてハナの悲しい願いを聞いてあげました。それが絶対に起こりえないことだと信じているからこそ。
ヒカリとホムラは強くなりました。レックスが彼女たちの代わりに前を見てくれたおかげで。
ヒカリは無力感を克服して顔を上げ、シンは自己嫌悪にその身を蝕まれる。
第8話前半部はその明暗のコントラストが鮮やかな物語でした。
ちなみにここからはいよいよ念願叶って世界樹をのぼる物語になるわけですが・・・ウチのレックス一行は地上までのぼったところで途中下車し、現在世界中をウロウロお散歩しています。
寄り道・脇道・迷い道こそがゼノブレイドの真骨頂! たーのしー!
旅のおともに新しいブレイドをお迎えしたく思い、ニアのところにキテレツマッスラーレディ・ニューツを、メレフのところに腕試しオタク・ヤエギリを、ジークのところに桃太郎侍修羅鬼・ヴァサラをそれぞれ召喚しました。レックスはまあ、今さら必要ないでしょ。
ううむ、どいつもこいつも微妙に現在のロールとミスマッチ。でもキズナリングがユニーク狩り祭りのヤエギリさんをこのタイミングでお迎えできたことだけはナイスか。
・・・雷撃のギギって結局どこにいるのよ?
というわけで、次回の更新は少々間が空くことと思われます。このプレイ日記(?)、結局メインシナリオの感想(???)しか書いてませんからね。それでなくてもそろそろプリキュアの総括感想も書きはじめなきゃいけないし。
コメント
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ゼノブレイドプレイ日記の方、なるほど、と頷きながら楽しく読ませて頂いています。
静かながら更新を期待しています。
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コメントありがとうございます。
そしてゴメンナサイ。
今週もまーた脇道に逸れてサブイベントばかり進めていました。
ちょうど今日で受注中の依頼を全て攻略し終わるところだったので、まあ、週末には更新するんじゃないかと思います。(自分を信用していない物言い)