ふんふん。ターボやでー。ふんふん。シャープやでー。理想的やろー。わんわん。
―― あざとかわいい。
マクドナルドのハンバーガーよりもっとマクドナルド。
ハンバーガーの味なんてどうせ食べたらすぐどうでもよくなっちゃうものですが、ポプテピピックの面白さに至っては観る前からすでにどうでもいいです。
ちなみに↑の喩えネタ、当初は「ハンバーガーは食べたらクソになりますが、ポプテピピックは観る前からクソだとわかりきっています」と書くつもりでした。
ですが、いくらクソアニメを自称するポプテピピックをイジるためであっても安易に「クソ」という言葉を使うのはいかがなものかと思い直しまして、やめました。
それはいくらなんでも私の品位が疑われかねません。ついでにこのアニメの尊厳を脅かしかねません。
私は自分が視聴したアニメを無闇に中傷することを良しとしないのです。
だって、不愉快だと思ったらグチを書き連ねるだなんて非生産的なことをせずに、すっぱり忘れて別のアニメを楽しめばいいじゃないですか。
それでも我慢ならないなら、いったい自分はそのアニメの何が気にくわないのか、どうしてそのアニメでは気にくわない表現がなされているのか、何度も繰り返し繰り返し視聴してじっくり考察してみるべきです。深い考察を伴いさえすれば、たとえそれがただのグチであったとしても、誰かの心を揺り動かす生産的な価値を持った文章になるはずですから。
それに、まあ、そこまですれば大抵どんなアニメでも好きになれちゃうものなんですよね。
何かに興味を抱き、詳しく知ろうとする行為。それを私たちは“親しむ”と呼びます。
もしあなたがポプテピピックをつまらないと感じるなら、あなたは一度その理由をよく考察してみるべきでしょう。
考えてみてください。ポプテピピックとはどんなアニメであったのかを。
ポプテピピックはクソアニメを自称するアニメです。
あ、理由わかったわ。クソが。
ポプテ – ピピック。(アイキャッチ)
それにしてもアレですね。
今話いつもに輪をかけてパロディの山、というかほぼパロディしかないこともあって、油断すると元ネタを考えているだけで30分終わってしまいますね。
これはいけない。ギャグアニメ(だと思う)のはずなのに、私ってばクスリともしていません。一瞬たりとも口角を上げずしていったい何のためにアニメを観ているのか。アニメは娯楽ではないのか。否、娯楽である。(反語)
そう。ポプテピピックはアニメであり、アニメとはすなわち娯楽です。そして娯楽は楽しいものです。視聴者を笑わせ、ときに涙を誘い、楽しい気分にさせてくれるものです。
ならば私が終始真顔でポプテピピックを観てしまうのは、私自身に問題があるわけです。
嘆かわしい。それでもアニメ視聴者か。
元ネタ探しだなんてクソ食らえ。私はポプテピピックを観ているのではなかったのでしょうか。ポプテピピックを通して『チキチキマシン猛レース』だの『ときめきメモリアル』だの『聖剣伝説3』だの『メタルギアソリッド2』だのを観るのが私の本意だったでしょうか。だったら直接そっち観ろよ。
ああ、でも『スペランカー』はちょっとやりたくなった。アレ実はファミコンのゲームとしてはだいぶ出来がいい方よね。銃が強すぎてゴーストの存在意義がわからなくなるけれど。
私が笑わなかったのはポプテピピックがつまらなかったせいではありません。私がポプテピピックをちゃんと観ていなかったのが原因です。なんという不誠実。そんなんじゃおしどり夫婦だって終いには離婚しますよ。私ポプテピピックと離婚するのか。
私たちはもっと真摯にアニメに取り組むべきです。どさくさに紛れて主語を拡大しました。
つまらないと思うのなら楽しめばいいのです。パロディを見たら元ネタ探しをしなければいけないだなんて誰が決めた。もっとポプ子とピピ美を見ましょうよ。あいつらチビとノッポですよ。女の子ですよ。中学生ですよ。セーラー服ですよ。すっげーどうでもいい設定じゃないですか。まずそこで笑えよ。
つまらないと思うのならもっと主体的に楽しめばいいんです。何度も繰り返し繰り返し視聴してじっくり考察してみればいいんです。セーブポイントがアップになっているカットの背景の壁のレンガを数えてみたらだいたい50個ほどありました。だからどうした。すっげーどうでもいい。こんな滑稽なことをしている自分を笑えよ。
ごめんなさい、レンガ数えているあいだずっと真顔でした。
ポプテピピックとはおそらくそういうアニメです。
私たちアニメ視聴者がいかにつまらない存在なのかを突きつけてくる。
私たちは今こそ全力で戦わねばなりません。己の尊厳をかけて全力でアニメを楽しまなければなりません。
そして教えてやるのです。私たちはポプテピピックを観なくてもちゃんと楽しめるんだって。
今こそテレビを窓から投げ捨てるときです。
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