トロピカル~ジュ!プリキュア 第7話感想 相手の気持ちになって考えてみましょう。

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「やってくる! 海の妖精くるるん!」

活躍したひと

みのり

 ほとんど予言じみた想像力で何もかも言い当ててみせた、みのり・ファンタジア。現実や常識という枷に縛られていないからこそ、空想はときに現実よりも正確に現実のあるべき姿を描きだす。なぜなら現実に物事を行っている人たちも、行動した結果を想像しながら事を為しているのだから。

ローラ

 自己中心的にものを考えているのが改めて浮き彫りになった今話。ワガママという意味ではなく。これまでを振りかえると洞察力や共感力にはむしろ優れているはずなのだが、情報が不足していると何でもかんでも「自分ならこう考える」で補完してしまう悪癖がある様子。

トロピカってたもの

くるるん

 かわいい。
 満を持しての登場だったが、結局かわいく愛想を振りまくのとおもちゃの販促以外大したことをやっていない、純然たるマスコットキャラクター。飼い主のところに帰ろうとせず出先でのんびりくつろぐあたり実にペット。役畜とは違うのだよ、役畜とは。それにしてもかわいい。

女王様の届けもの

 くるるんが意思疎通困難なペット枠だったおかげで、フタを開けてみるまで一切の謎が解き明かされなかった。未知のものに対するみのりとローラの考えかたの違いを掘り下げるキーアイテムとして機能。
 女王様がくれたなら少なくとも良いものではあるだろう、ということだけは満場一致でまなつたちの間に共有されたのもポイント。

うまくいかなかったこと

 くるるんが言葉を話せず、浜辺にうちあげられた前後のことも覚えていなくて、女王様からの届けものが見つからなかった。
 見つかったら見つかったで、実は届けものの中身はパワーアップアイテムなどではないただのお菓子。女王様の意図がわからなかった。

やりきれたワケ

 みのりが持ち前の想像力を発揮して関係者の考えることを推察し、問題をひとつひとつ解き明かしていった。

 くるるんのおしゃレッスンって何だよ。
 ・・・と思って見に行ったら当たり前のようにキュアサマーがナレーションを担当していてなんともいえない気持ちになったわけですが、みなさん今日もトロピカっておいででしょうか。ええ。ええ。本日もお日柄よく。はい。ご健勝ご健勝。ちなみに来週のおしゃレッスンもくるるん回のようですよ。
 そういえばこのシリーズ、ナレーションは全部キュアサマーだったんでした。バンク映像を挟むくらいならバーチャルYouTuberみたくトラッキング撮影にしちゃったらいいのに。・・・ああ、でも幼児向けだとよく動く映像のほうがウケるのか。修正なしのトラッキングであそこまで動くと精度が出ませんし、YouTube動画のためにいちいち修正入れるのも工数が見合いませんしね。

 パワーアップ回じゃなかったですね。いや、マジで大砲になるとは一切思っていませんでしたが。OPにそれっぽい鳥がいるわけですし。
 でも、あの次回予告はフェイクにしろ、くるるんを守るため別口でハートカルテットリングを入手する、くらいの展開は普通にありうると予想してました。実は前話の感想文でローラの不穏な発言をピックアップしたのもパワーアップ展開に備えてのことだったんですよね。どうやらあれが生きてくるのはもう少し先のお話になりそうです。
 今年は放送が1ヶ月遅れで始まっていたので、時期的にはそろそろ協力技がお披露目になるタイミングだったんですよね。ですが今年の武器アイテムは初変身時点で支給されていて、おもちゃもすでに発売済みなわけで、例年どおり先に個人回を1周してから第11~12話くらいにお披露目になるスケジュールなんでしょうか。最初から多少時期がズレ込む前提で販売戦略を考えてあったと。(※ そりゃそうだ)

 あと、口上が「今日も元気だ!」に戻りましたね。どっちにしろあんまり凝ったセリフにしない、ほどよく雑なところがあるのが『トロピカル~ジュ!プリキュア』スタイル。

一番大事なこと

 「運動不足は否定しないけど、そもそもトロピカる部って」
 「運動部だっけ・・・?」
 「トロピカる部は、トロピカる部だよ」

 OPの冒頭が「Let’s 爆発! チャケちゃえ」に空耳しちゃうのは私だけでしょうか。
 それで「チャケちゃえ」って何だよと思って字幕に目が向いて、「『Let’s spark! ハッチャケちゃえ』だったか。・・・意味はあんま変わらんな」ってなるのを毎週のように繰り返しているんですが、ともかく『トロピカル~ジュ!プリキュア』はそういうノリの物語です。

 何はなくともとりあえずテンション高くアゲて、元気いっぱいに“今”をがんばる女の子たちの物語。
 そういう物語なんですが、実はそうなんですよね。

 「グランオーシャンの女王は遣いに何かを預け、人間の世界に届けたと思われます。地上に行き、その品物を奪ってきてください」
 「えー。ヤダ! エルダ、子どもだから責任のあるお仕事とかしたくなーい!」
 「ではこうしましょう。取ってきてくれたらお駄賃を差しあげますよ」
 「お駄賃!? やったー! じゃあ行く。行ってきまーす!」

 近視眼的に、今さえ良ければそれでいいっていう考えかた。
 こういう考えかたが、むしろあとまわしの魔女たち側の思想になっているんですよね。表面的には今すぐやる気を出すモチベーションとして機能しているように見えますが、物語としてはこれが意外とまなつたちに対立する思想という位置づけにされています。

 「そっか。わかった! 私たちの部活、何をやるかが。――今、一番大事なことをやる部だよ!」(第6話)

 まなつたちが考える“今”は意外と未来志向です。
 「今、一番大事なこと」とは、将来のことも考えたうえで、いつか後悔することにならないため、今一番やるべきだと思うこと。いっつも楽しそうにしているまなつたちですが、別に享楽的に遊ぶこと最優先でいるわけじゃありません。
 だから辛いばかりで面白くない体力トレーニングにも、ぶーぶー不満を漏らしながらも参加します。それが必要なことだとわかっているから努力します。

 「今、一番楽しいこと」ではなく、「今、一番大事なこと」。
 実は案外スパルタンな思想をしているのが『トロピカル~ジュ!プリキュア』です。今後の展開次第ではありますが、ストイックさでいったらあの『Go!プリンセスプリキュア』にも並ぶかもしれません。

 「あ、ヤドカリだ! この子が届けものだったりして」
 「まなつ。・・・遊んでるんじゃないわよ!」

 「くるるんは何を預かったの?」
 「わかった! 玉手箱とか?」
 「浦島太郎に出てくるあれか? ローラをお婆さんにしてどうするんだよ」
 「どうするんだろ?」
 「あなたたちニブいわね。女王様がくるるんに託したものは何か。それはズバリ、プリキュアのパワーアップアイテムよ!」

 なのにいっつもやたらと楽しそうにしているのは、それこそ「一番大事なこと」をわきまえているからです。届けものを探してがんばっている最中なのであれば、別に少しくらいふざけてみせたところで結果に障りませんしね。
 もしそれすら許せない人がいるのであれば、その人は目の前のことに真剣に取り組んでいるのではなく、自分たちがどう思われるのかの外面に囚われすぎているのでしょう。一番大事なことを履き違えています。
 自分自身が大事だと納得していることだから高いモチベーションで取り組むことができます。それでいて一番大事な要点を押さえてもいるから、真剣に取り組みながらもふざけていいところではふざけられるんです。息が詰まることなく最後まで努力しつづけられるんです。

 「まなつは呑気すぎ。もっとプリキュアとしての自覚を持ってもらわないと」
 「自覚とか知らないし。あんな騒ぎを起こしておいて何勝手なこと言ってるの?」
 「勝手なのはまなつのほうじゃない。世界がピンチってときに部活とかしてる場合?」
 「私にだって大事なことがあるの! ローラなんてもう知らない!」
(第2話)

 自分にとって一番大事な要点を押さえず、本当なら要点から外れているはずのところまで妥協しようとせずにいると、第2話のまなつとローラのようにお互いに寛容になれず、ケンカになってしまいます。

 「私は紫が一番かわいいと思ったんだけど、紫を選んだのは私だけだったの。みんなは気にしてなかったけど、『私もピンクにすればよかった』って、すごく後悔した」(第3話)

 「――やめて! そ、それは私が勝手に空想した話だから。人魚なんて現実にはいないし、私の小説も『つまらない、ただのおとぎ話』だし・・・」(第4話)

 「仲間なんて――、意味あるのか?」(第5話)

 以前のさんごや、みのりや、あすかのように、本当なら要点から外れているはずのことを気にしすぎて、肝心の一番やりたかったことごと全部諦めてしまうこともあります。

 真摯に、それでいて寛容であるべきということですね。
 一番大事なことを見失わないかぎり、しんどいことも、面倒くさいことも、案外“今”を楽しみながら努力できる。

 「プリキュア・パワーアップアイテム!! プリキュア・強力スーパーウルトラバズーカキャノン大砲ボンバー!! ファイヤー!」

 いいぞ。もっとふざけろ。

理路整然とした最善手

 「あなたたちニブいわね。女王様がくるるんに託したものは何か。それはズバリ! プリキュアのパワーアップアイテムよ!」

 もしローラが女王様だったらそうしたでしょうね。

 この子ほどやる気が有りあまっている子は他にいません。なんのかのいって一番無茶をする子です。
 人魚はプリキュアになれないと理解しているので、その方面で現実を覆す努力をしたり無駄なあがきをしたりはしようとしません。ですが、戦えないくせに正面からタンカを切ったり、追い詰められても一歩も引こうとしなかったりと、自分にもできると思った範囲のことなら平然と無茶なことばかり繰り返しています。現状、彼女が自分の力でできることは大して多くありませんが、自分がやるべきだと思ったことに関しては基本的に妥協というものを知りません。そういう子です。

 この子なら、人間の世界でがんばっている子の慰労のためにお菓子を贈るなんてことは考えないでしょう。
 そんな気づかい無くとも、ローラだったら放っとけば勝手にやる気をみなぎらせます。地上にいる子も自分と同じだと考えます。ご褒美は玉座だけでいい。
 だから送るんだったら実用品。支援物資。もしパワーアップアイテムが手元にあったなら最初に送りだすとき一緒に持たせてる。なんなら女王自らプリキュアを探しに行ってる。

 「ありがとう、女王様! アイテムとともにあなたの期待に応えます! そして私は立派な女王にもなってみせます! よーし、がんばるわよ! やる気出てきたわ!」
 「・・・なんかひとりで盛り上がってんな」

 ローラは自分の目的のためにできることなら全力で取り組みますし、自分に関係ないこともしくはできないことだと一切やらない、両極端な子です。誰よりも「今、一番大事なこと」に対して真剣な子です。

 女王様が何を思って自分に届けものをくれたのか。
 もし自分だったら、絶対に最大限意味のあるものを送る。そういうものが手元にないなら何も送らない。ローラだったらそうします。だから、届けものがあるからには、自分にとって絶対にものすごく役に立つものであるはず。間違いない。その可能性しか考えられない。

 「ローラ。くるるんはなんて言ってるの?」
 「え? ええっと。『私に会えて光栄だ』って! ――あれ?」

 「くるるん、くるるん」
 「ふんふんふん。『ローラちゃんかわいい!』って! ――あれ?」

 「もしかして」
 「言ってること、わからないのか?」
 「う、うるさいわね! でも私に会えて光栄に思わないことはないから、間違ってはいないはずよ」

 合理的にものを考えましょう。
 まず、ローラちゃんはかわいい。次期女王候補。プリキュアを探してあとまわしの魔女たちをやっつけるという大切な使命を順調にこなしつつある、最高にかわいくてデキる人魚。私かわいい!
 そして、ローラちゃんはチヤホヤされることが嫌いじゃない。かわいいって言ってもらえると喜ぶ。自分にかけられる言葉として「光栄だ」「かわいい」以上にふさわしいものが他にあるはずがない。だってうれしいし!
 くるるんが何か言いました。喋ったからには、その内容はこの場において最も意義のある発言であるはずです。ローラちゃんだったら絶対そうします。つまり・・・、「私に会えて光栄だ」「ローラちゃんかわいい!」――ってなる。

 もしくるるんが理路整然とした考えかたができる子で、その場に合った最善の行動を取るのであれば、必然的にそういうことを言うはずです。1+1=2であるようなもの。コーラを飲んだらゲップが出るようなもの。間違いない。その可能性しか考えられない。だって、私はローラよ! いつだってローラなのよ!(『オー!マイキー』第4話)

 ――だからこそ、どうしてもよくわからないことがひとつ。

 「ひぃっ。パワーアップですって!?」
 「そう。これがパワーアップアイテムの力よ! さあ!」
 「うわー! やられるー!」
 「・・・あれ? で、でか。重くはないけど。――何よこれ。グランオーシャンのおいしいお菓子じゃないの! どうなってるのよ!?」

 ローラはローラなりに女王様に敬服しています。成り上がりを企ててはいますが、それはそれとして女王様が立派な人であることは認めています。立派な人だと認めるからこそ、正々堂々あの人にも自分を認めてほしいと願うんです。
 だからこそ、女王様の届けものがローラの予想と違うものだった理由が理解できません。ローラだって次期女王候補。現女王に並ぶだけの実力を秘めたかわいい人魚です。そのローラが理路整然と最善手を考えたんですから、当然、女王様だって絶対に同じことを考えるはず。

 なのに、違いました。
 中身はお菓子でした。ローラだったらこんなもの絶対に送りません。なのに女王様はそれをローラに送ってきました。

 ・・・どうして?
 どうして女王様は「今、一番大事なこと」じゃないことをしたの?

みのりは人魚姫じゃない

 「あれ? ローラ。それ何?」
 「お菓子みたいだけど」
 「ええと。これはね・・・」
 「残念でした! それはパワーアップアイテムじゃなくて、ただのお菓子!」
 「え? 女王様の送りものはお菓子だったのか?」
 「そ、そうですけど何か!?」

 ローラには女王様の考えることが理解できません。
 あんなに立派な人が、「今、一番大事なこと」じゃないことをするだなんて。

 理解。

 「――お腹が空いてるんじゃない? ねえ、ローラ。海の妖精って何を食べるの?」

 「みのりん先輩。なんでくるるんの言葉がわかったの?」
 「ううん。言葉はわからない。でも、くるるんは遠い海の底から長い旅をしてきたでしょ? だから」
 「なるほど。でも、くるるんはどうして浜辺に打ち上げられていたんだろう?」
 「このあたりの海流に巻き込まれてしまったんだと思う。ローラへのお届けものの途中で」

 合理的にものを考えましょう。
 長い旅をしてきたならお腹が空いているはずです。地上はグランオーシャンと勝手が違って、食べものを見つけるのにも難儀するはずです。それに、わざわざ旅してきたということは、きっとくるるんにとって妥当な理由があるはず。そういえばくるるんは女王様のペットだとか。くるるん自身に地上まで来る理由がなくても、ローラに使命を与えた女王様なら、あるいは。

 「落としものって、これ? 木の枝に引っかかってた」

 「おそらくはこういうこと。女王様のもとを旅立ったくるるんは激しい海流で包みを落としてしまったの。浜に打ち上げられた大事な包みは親切な通りすがりの人に拾われ、安全な防風林の枝にかけられた。落とした人が見つけやすいようにね」

 合理的にものを考えましょう。
 くるるんが浜に打ち上げられたということは、普通なら女王様の届けものも一緒に流れ着いているはずです。けれど最初にくるるんを見つけたとき、それらしいものは近くに落ちていませんでした。誰かが先に拾ったのかもしれません。どうして? 浜に打ち上げられたということは、届けものは波に洗われてしまう位置に転がっていたということです。もし親切な人がそれを見かけたなら、きっと放っておかないことでしょう。波に洗われることなく、風に飛ばされることもない、それでいてできるだけ落とし主の目につきやすい、すぐ近くの防風林の枝に引っかけておくのではないかと想像できます。
 まあ、そんなに親切な人なら普通は交番に届けるでしょうが。

 合理的にものを考えたローラには理解できなかったことが、同じく合理的に考えたみのりにはいともたやすく理解できました。
 くるるんや通りすがりの人は、ローラが考えるような理路整然とした最善手を取らなかったようですが、フタを開けてみれば彼女たちは彼女たちなりに、理路整然と最善の選択をしたのだということがわかります。

 いいかげん書いていて脳みそゆるゆるになってきたのでマジメな文章に戻しますが、要するに、人の考えることはみんな違うということですね。ごく当たり前の話。
 だからといって“みんな違う”という前提でものを考えようとすると、今度は「他人の考えることなんて予想できるわけがない」で思考停止するハメになっちゃうので、普通はローラみたいに「自分だったらどうするか?」で想像してみるわけですけどね。ローラは本人がエキセントリックすぎるうえに自分との置きかえかたも極端だったので全然普通じゃないですが。
 このブログを読みに来るような年齢層の人たちにあえて説明するようなことでもないですが、「自分だったらどうするか?」で想像してみるにしても、本当はある程度相手の立場に立って考えなきゃいけないわけでして。

 「強いていえば想像力。本を読んでいれば身につく」
 「そういうもんなの?」
 「ええ。本には自分とは違う誰かのいろいろな考えや気持ちが書いてあるの。それで、他の人が何を求めているのか想像することができるようになる」

 ローラには理解することができなくて、みのりになら理解できた理由はひとつ。
 それぞれが憧れた人物の違いです。

 「みのりん先輩も『人魚姫』好きなんですね!」
 「――そうね。人魚姫は、人間に恋をした人魚が、魔女の力で美しい声と引き換えに足をもらうって話なの。ラストは少し残酷な気がするけど、私は大好き」
(第4話)

 ローラが憧れているのは人魚の女王様です。実在していて、なおかつローラから見ると自分と同等に立派な人。自分が憧れの人と並び立ててるという自負があるからこそ、ローラは他人に対して自分が考えるのと同じ思考パターンを期待しますし、特に女王様なら確実に同じことを考えてくれると確信します。

 けれど、みのりが憧れているのは人魚姫です。フィクションの存在です。現実を生きている自分とは、そもそも生きている世界からして異なる人物です。
 みのりは人魚姫のことが好きですが、ローラと違って、自分と人魚姫とをそっくり重ねあわせることはできないとわかっています。他人というのはそういうふうに理解できる存在ではないと。現実に生きる自分は物語の主人公になれないんだと。

 「私には無理。できない。空想と現実は違う。私はファンタジー小説の主人公じゃないもの」(第4話)

 ・・・そこまでわかっているなら、文芸部の誰かさんに言われた言葉であそこまで傷つかなくてもいいとは思うんですけどね。どんな批判をされようと、あくまで自分は自分、他人は他人なんですから。

 ともあれ、そういうふうに自分と他人を分けて考えられるみのりだからこそ、ローラにはどうしても理解できなかった女王様の思いすらも理解できるわけです。

 「ただのお菓子じゃない! これはきっと、人魚の女王様がローラのためを思って用意した贈りもの。パワーアップアイテムじゃないかもしれないけど、とても大事なものよ。――だから、このお菓子は、あなたには渡さない!」

 なんてことはない、どこにでもあるありふれた愛情。
 思いやり。ローラに使命を与え、次期女王の座を鼻先にぶら下げて都合よく働かせるだけじゃない、当たり前の慈しみ。がんばっている子へのご褒美。

 ローラならわざわざこんなお菓子なんて贈られなくてもやる気全開でがんばります。
 けれど、そういう問題じゃないんです。女王様が贈りたいと思ったから贈るんです。ローラのことが好きだから支えてあげたいと思うんです。私のところにも毎年母親からリンゴが段ボールで1箱送られてきます。そんなに食べきれないけど。何度も半分も食べきれてないって伝えてるけど。なのに毎年1箱届きます。
 そもそもローラがここまで極端ながんばり屋だということ、女王様は案外まだ知らないのかもしれませんね。どっちにしろお菓子はくれたでしょうが。たぶん、こういうのって、そういうものです。
 女王様の考えかたって、ローラとは違うんです。

 「――女王様。私、元気にやってるから」

 女王様の思いをみのりに教えてもらって、ローラは普段の彼女らしくない、エモーショナルな思いを女王様に伝えたいと願うようになります。

 他人には自分とは違ういろいろな考えや気持ちがある。それを知ることで、自分には無かった他の人の思いも、まるで自分のことのように考えることができるようになる。
 みのりが身につけているステキな想像力の一端を、今回、ローラも学ぶことができました。

コメント

  1. 亀ちゃん より:

    今日のトロピカル~ジュプリキュアはエルダがダダをこねるシーンが本当に面白かったです!!☆☆♬
    また私のお母様も3回面白さを感じてその内の2回笑うほど面白かったそうです
    で、そのエルダが「ちょっとヤラネーダ。やられてないで」と忠告したのにはシックリ着ましたね
    これは2019年の夏の広島大会の近大福山戦の高校野球観戦記にて「ちょっと●●(亀ちゃんの下の名前)。(東京)近大福山を応援してんだからボサーと見てないで」と警告されることがありました
    こう思うとプリキュア的に感慨深いですね!!☆☆♬
    それからそのエルダは「お菓子だけにおかしくなる」というダジャレにもシックリ着ました!!☆☆♬
    で、みのりちゃんは国語が得意で学科試験にはメッポウ強いけど運動神経は全然ないキュアホワイトソックスのような黄色キュアであることが改めて判明しました!!
    スポーツがダメな黄色キュアといえばやよい(キュアピース)やブッキー(キュアパイン)などがいますが、学科試験にはメッポウ強いのに運動神経は全然ない黄色キュアはみのりちゃんが初めてかもしれませんね
    1番最近ではのどか(キュアグレース)が1番記憶に新しいワケですが、国数英理社の学科試験の出来はそののどかより上を行くのがみのりちゃんですね!!☆☆♬
    いとこのお姉さんの娘には初めていとこのお姉さんのスマホに向けてLINEで感想を発信したのですが、1通のショートメールでは書き切れないことも書き切れて便利だと判りました!!☆☆♬

    • 疲ぃ より:

       そういえば運動音痴設定って意外とピンク担当なんですね。『Yes!プリキュア5』夢原のぞみ、『ハートキャッチプリキュア!』花咲つぼみ、『スマイルプリキュア!』星空みゆき、『ヒーリングっどプリキュア』花寺のどか(※ 初期のみ)。
       それ以外で明確に運動音痴な子といえば、それこそ『スマイルプリキュア!』黄瀬やよいくらいじゃないでしょうか。『ドキドキ!プリキュア』菱川六花は他のメンバーが体力おばけすぎて見劣りしているだけですし。『フレッシュプリキュア!』山吹祈里がダンスに及び腰だったのは引っ込み思案な性格のせいであって、運動音痴というわけじゃないです。
       となると、勉強が得意で運動ニガテな子自体、これまで花咲つぼみしかいなかったんじゃないかと。

       エルダがダダをこねるシーン、子ども視点ではどういうふうに見えるんでしょうね? やっぱりギャグとして笑いながらも「ああはなるまい・・・」ってバツの悪い思いをするんでしょうか。
       「ダダこねなさいよ」と言われて実際ダダこねた経験、たぶん結構な割合の子どもたちが自分でもやらかしたことあると思うんですよね。

  2. ピンク より:

    くるるん回と見せかけて、みのりん先輩の無双回。

    私も中学生のときはお菓子=美味しい食べ物くらいの認識で、今回みたいなコミュニケーションツールの一環という発想は無かった気がします。
    今の子は更に、下手するとお歳暮とか菓子折りを知らないでしょうしね。
    でもやっぱりマジで大砲が贈られる展開も見たかったような。

    さて、ローラが本気で女王様になりたいなら、今いちばん大事なのはきっと『他人の考えを知ること』。
    これまでとこれからを足した約1年間、改めて見届けさせてもらいます。

    • 疲ぃ より:

       お歳暮お中元なんて、気付いたらいつの間にか仏壇に生えているものでしたねえ。てっきり先祖供養の一環かと思っていました。
       そういえば私、中学生くらいからお菓子づくりにハマっていて友達や先生に配ってまわる習慣があったんですが、会話がはずむことなんて一切なかったです。私がお礼や感想すら聞こうとせず事務的に配っていたせいなんですが。(※ コミュ障にありがちな奇行)

       誰かの考えを知ろうとすることは、すなわちその人に興味を持つということです。よほどのことでもなければ普通は相手のことを多少なりとも好きになります。・・・っていうのは去年も散々書きましたね。
       今後ローラが自分の心の動きの意味を理解したとき、どういうことが起こるのか今から楽しみですね。

  3. ハリース・みぃ より:

    まさかの2話連続、やる気パワーカムバックなし!

    どうやら序盤のターゲットはローラで行くようですね。今のところローラには人魚の女王になるためにプリキュア活動を頑張るという目的しか見えてない。なのに、ローラ自身にできることはあまりに少なくてローラのやる気と現状が乖離してしまっているんですよね。短編映画でも「できること」に対しては積極的に動いているんですが、それ以外にはまだ目を向けられていない段階でしょうか。

    人魚の女王がお菓子を贈ってきたのは、第1話でのやる気なさそうなローラの態度も影響してそうな気もします。グランオーシャンでローラはどんな風にすごしていたんでしょうね。

    • 疲ぃ より:

       改めて第1話を観返してみると、ローラはグランオーシャンの復興に関しては普通にやる気があった様子なんですよね。ノリ気じゃなかったのはあくまで人間の世界に行くことだけで。
       人魚は人間に見つかっちゃいけないという事情もあって、ローラがブーたれる気持ちも女王様にはある程度理解できたんでしょう。実際ローラにできることが少ないのはそのあたりの不自由さも大きいわけですし。

  4. 東堂伊豆守 より:

    かなり典型的な安楽椅子探偵タイプの一之瀬みのり嬢。
    知識と論理で仮想シナリオを組み立てていく推理の手際は確かにお見事なんですが……、どうにも“まぐれ当たり”っぽい危うさが拭えないんですよね。「本当にそれ以外のシナリオが成り立つ余地は無い」のか、「先入観や希望的観測に沿った“かくあるべき”シナリオをでっち上げていない、と言い切れる」のか。
    そもそも、もしみのり嬢の推理が本当に高い精度を誇っているならーーーーーーあのロングヘア嬢に「マーメイド物語」を見せたときに、その娘からネガティブな反応が返ってくることも予測出来たはずで、トラウマになる程のショックを受けることもなかったーーーーーーと思うんですよ。
    結局、知識と論理で組み立てたシナリオが、情報不足や先入観や希望的観測によって、見当違いのベクトルに向かわないようにするためにはーーーーーー「カン」が必要になってくるんですよね。ベクトルが向かうべき正しい方向の見当をつけるカン、向かってはいけない方向を察知するカン、が必要になる。ーーーーーーこういう「カン」が鈍いことが、みのり嬢の真の弱点なんじゃないかな、と。
    で、こういう「カン」において絶大な強さをみせるのが主人公・夏海まなつだったりする。この人、猪突猛進タイプではあるんですが、「見込みのある無し」とか「致命傷レベルの危険」を察知するカンが非常に鋭くて、そのお陰で「全く見込みの無い相手には突進しない」「地雷原に踏み込んだと判断したら即座に一旦退く」ことが出来るし、さらに「将来の為に今やっておくべきこと」を察知するカンまで身に付けていらっしゃる。
    ただ、まなつ嬢はこの「カン」を言語化して他者に伝える能力には欠けている、という弱点をお持ちでして、それゆえ部活設立申請において四苦八苦する羽目になったわけですが……。
    したがって、まなつ嬢のカンと、みのり嬢の論理的思考・言語化能力を上手く連携させることが出来れば、トロピカる部を最強のチームにすることも可能だと思います。……その途はいささか長そうではありますが。
    (あの「せつりつ会ぎ」でみのり嬢がすべきだったのは「なんでもやる部の作業効率を高めるプランを立案すること」ではなく、「なんでもやる部の存在意義を言語化する(大義名分をでっち上げる)こと」だったんだよな。やっぱり努力の方向を見定める「カン」が鈍い……)

    • 疲ぃ より:

       見ていて危なっかしさは感じますよね。どうしても。
       みのりのアプローチは現実をあるがまま理解するのではなく、現実を物語のように解釈するって感じです。みのりの想像力は推理より読解に近い。物語のようなストーリーありきで未来予想しているので、どうしてもエゴが混じります。むしろそのエゴこそが彼女の想像力の根幹です。
       このブログみたいなもんですよ。ストーリー上の必然性ありきで考察しているので情報不足でもある程度の精度は出ますが、物語の根底にある思想と自分の価値観を同期させられなくなるととたんに的外れなことしか言えなくなるっていう。

       かつて自作品を批判されることになるまで、みのりは駆けだし創作者にありがちな全能感を持っていたんだと思います。それこそ彼女のいう「物語の主人公」みたいな。その全能感、言い換えてしまえば驕りが、彼女の卓越していたはずの未来予想に現実とのギャップを生んでしまったんでしょうね。
       私ならこのブログのノリを実在の人物や現実の事件に当てはめようって気にはなりません。

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