トロピカル~ジュ!プリキュア 第8話感想 目の前の人を助けてあげたいと思える人もいれば、思えない人もいる。

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私、お弁当はお母さんがつくるんだって思い込んじゃってたかも。自分でつくってもいいんだ。

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「初めての部活! お弁当でトロピカっちゃえ!」

活躍したひと

あすか

 お昼はひとりで食べたい派。家ではお弁当をつくる係。トロピカる部では唯一好きなものを最後に取っておくタイプ。だからといって変わり者というわけではない。・・・というわけで、今話は多様性の象徴としての活躍。

まなつ

 お母さんが仕事で忙しいことを知りながら、なんとなくお弁当はお母さんがつくるものという思い込みがあった。

トロピカってたもの

お弁当

 家族に元気でいてもらうためにつくるもの。毎日つくるのが大変ではあるけれど、冷凍食品や余りものの惣菜を詰めてもいいし、その気になれば中学生でもつくることができるもの。
 でも初心者が桜でんぶご飯含めていきなり8品は気合い入れすぎだと思う。詰めるだけのものを差し引いてもまだ5品。2時間以上かかったのでは? 土曜日の放課後調理開始だと実際食べられたのは14時か15時か。そりゃお腹空くわ。

うまくいかなかったこと

 お母さんが朝から忙しくしていてお弁当を間違えてしまった。

やりきれたワケ

 まなつが料理を覚えたので、今度から忙しいときは手伝ってあげられるようになった。

 私も前の職場では毎日お弁当をつくって持って行っていました。週末プリキュアの感想文を書きおわったあと、1時間くらいでささっと2~3品の惣菜をつくり置きしておいて、平日は冷凍ご飯を解凍しながら惣菜と漬物、冷凍食品を詰めるだけ。3分もあれば完成でした。
 たったそれだけの手間でお昼ごはん代を100円以下に抑えられるんですから安いもの。まあ、毎日同じおかずでも誰にも文句を言われない独身者だからできることですけどね。

 そういえばキャラ弁が流行りはじめたあたりの時代から、キャラクターの目にはグリンピースではなく枝豆を使うのが主流になっているんでしたね。枝豆なんて昔は夏しか食べる機会がありませんでしたが、今は冷凍枝豆が年中手に入るようになりましたし。社会が変わればお弁当のトレンドも変わる。
 その意味では、サイゼリヤの青豆のサラダに使われている若いグリンピースがもっと流通するようになれば、またグリンピースが復権する時代も来るのかもしれません。あれなら甘くて枝豆以上に子どもウケする味ですし。

 そんなわけで(※ そんなわけでもない)、今話は多様性の話題をちょこちょこ差し込みながらのお料理話。
 まなつ。せっかくおかず分けてもらったのに白米スルーしておかずだけ先に食べないで! みのりん先輩。レシピ本読みながらナチュラルにゲテモノアレンジするのやめて! さんご。・・・あるある!
 今話の肝心なところはただ1点。お弁当なんてつくろうと思えば誰でもつくれるというところです。なのに、まなつにはなんとなく自分でつくるという発想がありませんでした。本当に、ただなんとなく。

ダイバーシティ

 「まあ、うん。お弁当づくりは私の担当なんだ」
 「担当?」
 「ウチは父と兄の3人家族でさ。家事はみんなで分担してるんだ。家族はチームだから、助けあわないとね」

 多様性、多様性とうるさく取りざたされる時代になりましたが、(本来は)別にそこまで積極的に多様性を受け入れろと強制するような話題ではありません。

 「・・・私、お弁当はお母さんがつくるんだって思い込んじゃってたかも。自分でつくってもいいんだ」

 ホント、それだけ気付いてもらえれば充分な話なのにね。自分と関係する、身のまわりにある多様性だけ認めあえるようになれば、ほとんどの人はそれで不自由なく生活できるようになるのですが。別に身のまわりで見かけない女性差別やLGBT、人種問題にまでみんながみんな当事者意識を持つ必要なんてないのに。

 「あすか先輩につくりかた教えてもらったんだ。明日から私もお弁当つくるからね。家族はチームだから、助けあわないとね」
 「あはは。じゃあ、本当に忙しいときはお願いするね」
 「え? あ――」
 「ありがとう、まなつ」

 ただ、当事者になったときに気付いてもらえればいい。それだけで救われる人たちはたくさんいます。

 声を上げている人たちの大半は別に楽をしたいわけじゃないんです。苦労しているのはみんな同じだし、ある程度までの苦労なら当然に背負うことができる。
 全てのお母さんが“お母さんならではの苦労”の全てから解放されたがっているわけではありません。彼女たちを苦しめているのはあくまで自分のキャパシティを越える仕事量であって、「お母さんだからお母さんらしい仕事をこなさなければならない」という社会通念が直接的に彼女たちを苦しめているわけじゃないんです。
 大半の人にとって、それをこなすこと自体はやぶさかじゃない。たまに忙しすぎて困ってしまうこともあるだけであって。

 だから、必要なときに手伝ってもらえるだけでいい。全ての仕事を平等に折半してもらう必要なんてない。
 困っているときに気付いてもらえさえすれば。手一杯なときだけ手伝ってもらえたら。それだけで救われる人たちはたくさんいるんです。

 何いきなりシチ面倒くさい話してるんだ、と思う人もいるでしょうが、まあ、私は今話を見ていてふとそんなことを思ったわけですよ。

 「お弁当づくりは私の担当なんだ。ウチは父と兄の3人家族でさ。家事はみんなで分担してるんだ」

 あすかの言っていること、多様性を謳うイマドキの物語作品ではちょっと珍しいなと。

 こういうの、普通はジェンダー論者に配慮して“女性が料理担当”みたいな描写は積極的に避けるものだと思っていましたからね。
 父、兄、妹の3人家族。そのなかで唯一の女性であるあすかがお弁当を担当するのは、いかにも古くさい先入観に囚われているかのように見えます。
 今話はお弁当をつくる物語なのであすかをお弁当担当以外にすることはできませんが、それならそれで家族構成のほうを変えられたはずです。父、兄、妹じゃなくて、母、姉、妹あたりにしておけば、「あすかが女性だからお弁当担当をやらされている」という穿った見かたをされてしまうことを回避できます。
 そのくらい誰でも普通に思いつくことでしょうに、いつもダイバーシティに適う描写をしているプリキュアが、今回こんな基本的な部分での配慮を外しました。

 それが面白いなと。
 ちょっと心に引っかかって、だけどよく考えてみれば、こういう描写が受け入れられることも含めて真の“ダイバーシティ”よね、と。

 「じゃあ、本当に忙しいときはお願いするね」
 「え? あ――」

 普段からお弁当づくりを手伝うつもりでいたまなつに対して、お母さんは本当に忙しいときだけでいいと返します。
 一瞬だけ不本意そうな反応を示すまなつ。そりゃそうです。まなつはお母さんを助けるためにお弁当づくりを覚えたんですから。だけどお母さんが「ありがとう」と言ってくれたのですぐに引き下がります。
 お母さんにしてみたら、忙しいときだけ手伝ってもらえたらそれで充分助かるわけですから。

 思い込み。

 お弁当はお母さんがつくるものだというのは思い込み。
 だけど、お母さんじゃなくてもみんなが参加するべきだというのも、それはそれで思い込み。

 「あ。よく考えたらこれひとりでつくんなきゃいけないんだ。あすか先輩も毎朝大変だね」
 「まあね。けど、家族に元気でいてもらいたいからがんばれるんだ」
 「・・・お母さん」
 「ま。気楽につくりなよ。余った晩ご飯のおかず詰めてもいいし、冷凍食品だっておいしいしさ」

 やりたくてやっている人もいます。そのことで喜びを感じている人もいます。苦労している人ばかりじゃなくて、ほどよく力を抜いて気楽にこなしている人だっています。
 苦労している人も、そうでもない人も、助けてほしい人も、気付いてもらうだけでいい人も、みんな人それぞれ。だからこその“多様性”。

 ちなみに、まなつが食べ損ねたお母さんのお弁当のおかずを見てみてください。
 ハンバーグ、卵焼き、ちくわ、ソーセージ、ナポリタン。清々しいほどに真っ茶色。清々しいほどに蛋白質フェスティバル。普通ならこんな露骨に栄養が偏った献立にはしません。一目でわかる手抜きっぷり。ナポリタン(※ おそらくハンバーグも)は十中八九冷凍食品でしょうから、多少なりとも手間がかかっているのなんて卵焼きくらいのもの。あとは焼くだけ、詰めるだけ。手慣れた人なら5分でできるお弁当です。
 手伝ってもらえたら助かるのは確かだけれど、まなつほど深刻に受け取ってくれなきゃ困るって話でもありません。

 気楽でいい。
 あなたがいちいち重く考えすぎてしまうのも、それはそれで周りの人たちにとってはあんまり嬉しいことじゃないです。みんなで幸せをつくりましょう。

オーナーシップとインタレスト

 苦労している人も、そうでもない人も、みんな人それぞれ。
 だから「こういう人にはこういう配慮をしなければいけない」みたいな画一的な対応は必ずしも正しくありません。
 もちろん何もしてあげないのは論外です。
 だからといって一人ひとりに個別の配慮を行うのは、社会全体で考えようとするかぎり無理があります。よっぽど当事者意識が強い人でもなければやる気よりもメンドクサさが先に来ます。反感も湧くでしょう。

 じゃあ、どうしましょうか?

 「さっき連絡があって。水族館に新しい魚が運ばれてくるのよ。ウチワフグっていう深海に住むフグの仲間でね、お腹がウチワみたいに広がって――。いっけない! もう行かなきゃ!」

 ウチワフグというのは深海魚の一種で、水族館の展示動物としてはかなり珍しい部類に入ります。国内だと美ら海水族館くらいでしょうか。普通のフグなら威嚇するときお腹全体を膨らませるところ、このウチワフグは細く幅広く、まるでウチワみたいな広げかたをするのが特徴です。
 このウチワフグ、威嚇しているとき以外の見た目は普通のフグと大差ありません。そして、水族館の水槽というのは展示動物にとって居心地のいい環境になるよう調整されるものなので、めったなことでは威嚇行動なんて起こさないでしょう。そんな頻繁に威嚇行動をさせる環境じゃストレスフルですぐ死んじゃうでしょうしね。ですが、それではお客さんにとって何の面白みもありません。
 さてこのウチワフグ、あなただったらどうやって展示したらいいとおもいますか?

 わからないと思います。
 そもそも多くの人は名前自体初めて聞いたところでしょうし、名前を聞いたところで生態を調べてみようって気になる人もそうそういないでしょうし、名案なんて普通はパッと思いつくものじゃありません。
 素人ではわからないことなんて世のなかに数多くありますし、そもそも当事者でもなければそんなことのために積極的に労力を費やそうとも思わないもの。それが当たり前です。
 だから、普通はわかりません。
 (ちなみに実際には、生きたウチワフグと別にお腹を広げた標本も展示するという、めっちゃ力技なやりかたで展示されています)

 「あ! 魔女様はまた食べなかったのか。寝かせるほどおいしくなるカレーだとはいえ、いいかげん食べてほしいわい」
 「シェフ・チョンギーレ。あとまわしの魔女様がもっと興味を持たれるような料理をつくれませんか?」
 「あー、かったりぃ」

 配慮すべきこと全てにいちいち配慮するなんて面倒くさいですし、普通はやってられません。後まわしにしてそのまま忘れ去りたい話。
 だけど誰かが配慮してあげないと、今困っている人はいつまでも困ったまま。それでは世のなか理不尽すぎです。

 「あすか先輩。トロピカる部は“今、一番大事なこと”をやる部でしょ。だから私、お弁当をつくってお母さんを助けたいの! お願い、あすか先輩!」

 誰もが問題を解決してあげられるわけではありません。
 だけど、どこかには困っていることに気付いて、助けてあげたいと思える人がいるものなんじゃないでしょうか。それは私かもしれませんし、あなたかもしれません。今日は何もなくとも、明日になればまた状況が変わって、今度はあなたの出番になるかもしれません。

 「あいにくだけど、人魚の女王は料理なんてしないの。ま、がんばってね。味見くらいならしてあげてもいいわよ」

 「みのりは何してるの?」
 「どこに力を入れたらいいのか・・・わからない・・・」
 「そ、そう。・・・。・・・。――あー、もう! 見てらんない!」

 あるいは、ローラかもしれません。
 最初は自分に関係ないと思っていたことでも、興味を持って誰かに寄りそっていれば、その出番は案外早く来るものかもしれません。

 それが当事者であるということ。
 まなつが熱烈にお弁当づくりを推し進めたのは自分のお母さんを助けたいという当事者意識があったからですし、ローラが結局料理を手伝うことになったのも「お弁当でお母さんが喜ぶ」という話を聞いて興味を持ったことがきっかけでした。
 チョンギーレが自分の仕事ですらおっくうがるのとは大違い。

 何かに興味を持つというのも、案外、やる気に関わってくることなのかもしれません。
 いざというとき当事者になれるかどうか、当事者意識というものは、距離に依るものでも、立場に依るものでもなく、案外、気持ちに依ってくるものなのかもしれません。
 興味を持てばそれだけ誰かが困っていることに気付ける範囲が広がりますし、誰かが困っていることに気付いたら助けてあげたいと思えるようになります。その思いが“今、一番大切なこと”をやるためのやる気につながっていきます。

 そっか。まなつがなにかにつけやたらやる気みなぎっているのは、身のまわりのものことごとくに興味を向けているからなんですね。

 好きなものを最初に食べるか、最後に食べるか、そんなことにすらいちいち興味を向けるまなつ。

 「でもきっと、最初でも最後でも、つくってくれた人の優しい気持ちを感じたときが一番おいしいよね」

 あらゆるものに向けることのできる興味の幅広さこそが、彼女の強さ。

 そうなってくると、俄然ローラのやる気がどこから来ているのかも知りたくなってきます。チーム随一のやる気をたぎらせているのは次期女王になる野望のためだけかと思いきや、案外お人好しですし、毎回知らん顔しておいて最後には結局首を突っ込んできますし、今回も「お母さん喜ぶね」というちょっと意外なワードがきっかけで部活に参加しはじめましたし。
 やっぱり人魚姫なんでしょうね、この子。

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    コメント

    1. ピンク より:

      ぶっちゃけあとまわしの魔女本人に大した思い入れが無いんでしょう、チョンギーレさんは。
      所詮職場の上司だから当たり前だと言ってしまえばそれまでですけど。

      私はどうも食事に労力を割くってことにさほどやる気が出ないタイプで、弁当箱に冷凍食品詰めるくらいならパンでも買いますね……。
      だからこそ、自炊に勤しむまなつたちは尊敬です。

      そういえば他ジャンルで分かりやすいところだと、プリキュア内の勉強がとても苦手な子たちって、学習内容に当事者意識が持てない部分がありますね。
      あるいはえりかやひかるみたいに、勉強以外への関心が強すぎる裏返しというパターンも。
      ララがあっという間に勉強で困る様子が無くなったの、今更ながらやっぱりそういうことなんでしょう。

      • 疲ぃ より:

         ただ、そうなるときっかけさえあれば(※ 上司愛に目覚めるなど)やる気を出せるってことになってしまうので、扱いが難しいですね。
         今のところエルダ以外やる気を引き出す方法が全然想像できないあたり、脚本陣はマジ頑張ってると思います。

         モチベーションの話は勉強に置き換えると実感が湧きますね。一番わかりやすい例は『魔法つかいプリキュア!』の朝日奈みらいでしょうか。
         そういえば私、中学の理数系のテストではいつも90点台だった(※ 中学だけね)んですけど、テスト範囲に人体が入っていたときだけ60点を取ったことがあります。キモくて教科書を読む気にもならなかったので。
         成績上位の人たちってどんな内容のテストでも安定して高得点を取っていましたよね。アレすごいなってずっと思ってました。今思えば、彼らは勉強することそのものに高いモチベーションがあったんでしょうね。もしくは進路を見据えて努力していたか。

    2. 亀ちゃん より:

      今日のトロピカル~ジュプリキュアはまず第一に、ローラ・アポロドロース・ヒューギヌス・ラメールの「意味わかんない」にシックリ着ました!!☆☆♬
      私はプリキュアの自作小説に「助けて、☆☆☆ちゃん」とキュアヴァリアスが口のふさがっている状態からキュアホワイトソックスに助けを求める際、「はふへへ、はふへファン」と聞こえてしまったので「マジ意味わかんない」
      それから女子寮の寮長が「☆☆☆(キュアホワイトソックス)だったのね~」と聞き求めつけるとキュアホワイトソックスは「☆☆☆様でしょ、○○(女子寮の寮長)さん」と返したことで、「マジ意味わかんない」と即答します
      DANZENふたりはプリキュアシリーズの3番の歌い出しに「明日は 明日の風吹く♪ マジ意味わかんない」とあり、こっから引用しては、女児向けプリキュアにも今度はセリフとして「意味わかんない」と交えられたので、プリキュア的にリバースする意味で感慨深かったですね
      それからみのりちゃんが「まなつ、ひどい」と言いつけたこともシックリ着ました
      これは私がインターネット上に昔公開されていた青年向けの漫画にて兄貴が女子高生である妹達に「○○、△△。お前ら,なんで」のインパクトが強かったので、キュアアイドルギャンブラーがキュアブルーアイズに「☆☆(キュアブルーアイズの下の名前)。やっぱり」と大人だから視ることが許されるサイトであるプリキュアちゃんねるにアップしました
      そして女児向けプリキュアでも「まなつ、ひどい」と続けたことで、青年向け漫画から始まって、プリキュア的にも感慨深くなりましたね!!
      で、まなつは自分のお母様にこれ以上負担がかからないようにしたい一心で、料理を手伝うとハラに決めました
      親孝行娘ですね

      • 疲ぃ より:

         そういえばその『DANZEN! ふたりはプリキュア』3番歌い出しの歌詞って、ちょうど今作のやる気についての考えかたと一致しているんですね。
         「明日は明日の風が吹く」といわれてもマジ意味わかんない。目の前に今しかできない宿題があるんだからがんばらなくっちゃ。一見刹那的な考えのようでいて、実はむしろものすごく堅実だっていう。

    3. ハリース・みぃ より:

      かつて、はぐプリでほまれは「泡になって消えたりしない」言い「悲劇的な人魚姫の物語」は否定的に扱われました。

      今作では現状、ローラが「人間なんかのために」と言ったぐらいで「悲劇的な人魚姫の物語」自体は否定まではされていません。自分の目的のために猪突猛進でありながら案外お人好しなローラがいる今作は新たな視点を見せてくれるのかもしれません。

      • 疲ぃ より:

         まあ、「人間なんかのために」というところで躓くと、結末の悲劇性なんてもはや論外になっちゃいますからね、あのお話。
         人魚姫が人間に憧れた大きな理由のひとつに、“人間の命は永遠だから”っていうのがあるんですよ。単純な肉体寿命だと人魚のほうがずっと長寿(※ 200歳まで生きられる設定)なんですけど、人間は肉体が滅びたあとも魂として永遠に生きられる・・・っていう話を、人魚姫は祖母から教わっているんです。
         人魚姫が人間になりたかった理由って、実は王子様への純粋な恋心だけじゃなかったんですよね。それが最終的には王子様を愛する気持ちが勝って、自ら命を絶つことを選ぶからこその悲劇。

         ローラってむしろ、人魚姫役がこれ以上なく似合う性格をしていると思うんです。

    4. 東堂伊豆守 より:

      久しぶりのやる気パワー争奪戦となった今回のエピソード。なんですが……今回は何故か今までと違って、やる気パワーを奪われた被害者の皆さんがやけに気持ち良さそうな表情をなさってたんですよね。従来はかなり体調悪そうな表情だったのに。
      ここら辺、設定の統一が徹底出来ていないのかな、とも思ったんですが(なにぶん今回の被害者が皆えらくエエカラダのおねいさん達ばかりで、作画スタッフが趣味に走った疑惑が拭えなかったりするので……)、考えてみると、奪われるのは「やる気」であって「元気」ではないので、奪われても体調不良に陥るとは限らないんですよね。後先の事は考えず惰眠を貪る……うん、これむしろ気持ち良いかも。
      そもそも、今作のメインキャラ陣は皆さん“勤勉”で、トロピカる部は「今が楽しけりゃいい」というより「将来を見据えた“投資”」に重点を置く傾向が感じられますし、アトマワし部の皆さんも「やる気パワーの収奪」以外のお仕事に関しては結構勤勉だったりする。
      そして、やる気パワー収奪を命じている魔女様もーーーーーーそれがもし「将来の“災厄”に備え」ての事なのだとすると、やっぱりこの人も“勤勉”なんじゃないかと思えてくるんですよ。現状の魔女様が怠惰な風情なのは「“災厄”の到来が不可避と知って絶望にうちひしがれ(一種の)うつ状態に陥ってしまった」からなのかもしれず、「やる気パワーを結集して“奇跡”を発動させる」という、いささかオカルト的な手段に一縷の望みを託すしかなくなってしまった、とか……。

      • 疲ぃ より:

         あの表情気になりますよね! たぶん引っ張るような設定じゃないだろうなと思ってスルーしましたけども!
         でも実際、やる気なくして怠惰にしているときって気持ちいいものだと思いますよ。私、今月から土曜日更新の記事がなくなったので何か新しい連載企画考えようと思っていたのに、実際暇になるとCiv 6かウマ娘で丸一日潰してますもん。頭の回転が鈍る鈍る。

         初報時点では頭にヤシの木生えてそうな作風だなと思って観ていた『トロピカル~ジュ!プリキュア』でしたが、実際フタを開けてみたら『Go!プリンセスプリキュア』並みの意識の高さ。魔女さんちが想像以上にアットホームだったこともあって、今年はあちらさんに肩入れするオッサンオバサンが続出するんじゃないかと密かにワクワクしています。

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