デリシャスパーティプリキュア 第36話感想 Go straight! Let’s together!!

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「らんがデビュー!? きらめくグルメ・エモーション!」

Lead Character:がんばったひと

らん

Major Happening:大きなできごと

 憧れのグルメインフルエンサー・タテモッティがテレビ番組の取材でぱんだ軒に来たものの、らんは緊張しすぎて取材に貢献できなかった。
 しかしそのタテモッティから、自分も初めは失敗だらけで、諦めず努力を重ねた結果今につながっているのだと励まされ、らんはもう一度奮起する。タテモッティの手引きで今度は別のお店の取材を手伝えることになり、今度こそいつもどおりの語彙力で上手にレビューすることができた。

Sub Questions:小さなできごと

グルメNote vol.101

 タテモッティの努力の証。
 第8話で描写があったが、実はらんも相当な取材魔、記録魔である。タテモッティのグルメNoteは彼女の努力の証明というだけでなく、今のらんのがんばりがけっして間違っていなかったことを裏付けてもいる。トゥギャザーするのに申し分ない出会いだったかもしれない。

近いものならおうちでもつくれますよ

 らんともタテモッティとも全然関係ないところで出撃するセクレトルー、マジメンドクサイただのオタクの人。空気が読めていないとかリスペクトが足りていないとかって気持ちはわからないでもないけれど。
 ただし、今話はむしろらんがタテモッティへのリスペクトとして自分なりのやりかたを貫く物語。「余計なことをせずプロに任せておけばいい」の精神ではタテモッティにトゥギャザーする後進は育たない。

Battle Depiction:どんなバトルだったか

 頑丈なケースでプリキュアを拘束してくるウバウゾーが相手。当初らんのバリバリカッターブレイズですらケースを破壊できないように思えたが、諦めず繰り返し打撃を加えることでケースを破壊することに成功。4人そろって敵をやっつけることができた。

 ところでこれはさすがに性癖歪むって。私が幼児のときにこれを見ていたら危なかったと思う。いやまあ、どっちにしろ別のアニメで似たようなものは履修済みなのだけれども。セーラームーンだったかな?(結局東映アニメーションじゃねーか)

I’m curious !:気になるポイント

閉店したお店

 ゆいがプリキュアに変身する以前からブンドル団の暗躍は始まっていて、おいしーなタウンに閉店するお店はすでにあった。しかし、今話でシャッターを下ろしてあるいくつかのお店では看板から不自然に料理名が消失している。第1話のシャッター街では看板だけは無事だったのに。
 ゆいたちが阻止した以外のところでブンドル団は着々とレシピッピを盗み出しているのだろう。ミニスピリットルーが密かに進めているのがこれなのだろうか。

 私の母いわく、ギャル曽根さんは食べかたが上品だから好きなんだそうです。大食いタレントにありがちな散らかし食いや邪道食いをやらず、豪快な食べっぷりながらもちゃんと料理がおいしそうに見えるのがいいんだとか。食べかたひとつとっても芸の道はあるものです。
 いわれてみれば今話でも大食い要素にはそこまでフォーカスが当たっていませんでしたね。丼がやたら大きかったくらいで、拍子抜けするくらい普通に食べて普通にグルメリポートしていました。
 服装に清潔感があったり、集まったファンが女性中心だったりしたのも、おそらくは実際のイメージを踏まえてのことなんでしょうね。知らんけど。

 さて、今話はらんが憧れの人との格の違いを見せつけられてしまうお話。けれど裏を返せば差があるのは格の違いだけ。らんの努力の方向性は、実は憧れの人と一緒でした。
 今はまだ雲の上の人だけれども、らんならいつかきっと、彼女とトゥギャザーできるくらいに成長していくことでしょう。らんにとってはそういう意味での自信がついた物語でもありました。

張り子の虎

 「客が楽しみにしていたのは半額という値段じゃないのか?」(第7話)

 「ブンドル団はレシピッピを奪うために、らんがキュアスタに投稿したお店の情報を利用している可能性があります。おいしいものへのセンスがいいことに目をつけたみたいで」(第8話)

 「お前、なにサンドイッチと喋ってんだ? ははっ。華満って変なヤツ!」(第16話)

 「その気持ちはとても嬉しいんだけど、もう閉店は決めたことだから。私ももう歳だし、新しい店がたくさん来るんだったらそこに譲ろうかなと思ったの」(第21話)

 自己不信から始まったらんの物語は、最終的に自分の夢の尻尾を捕まえることで決着することになりました。

 初めはちょっと見当違いの指摘をされただけでも揺らいでいた彼女の自信。
 自分のあずかり知らぬところで悪用されたというだけでも、その信念はやはり容易に揺らいでしまっていました。
 だって、小さいころからずっとそのことでからかわれてきたんですから。
 他人にどう思われているのかが、らんが自分の正しさを判断するための評価基準。

 だけど、その生きかたではいつまで経っても自信なんか身につきませんでした。

 だって、らんの周りには本当にいろいろな人がいましたから。
 らんが大好きなぱんだ軒のラーメンをおいしいと言ってくれる人がいれば、半額サービスに集まってるだけだとあざ笑う人もいました。
 キュアスタでの情報発信が誰かのお店選びの助けになることもあれば、ブンドル団に悪用されて逆に迷惑をかけてしまうこともありました。
 らんのほとばしる語彙力を楽しんでくれる人もいれば、変だと指差して笑う人もいました。
 場合によっては、らんのおせっかいを喜んでくれる人がいた一方で、同じ人がありがた迷惑に感じてしまうことすらありました。

 らんの周りにはたくさんの人がいて、たくさんの価値観があって、みんなてんでバラバラの評価をらんに下してきます。
 らんは自分のしていることがみんなに喜ばれているのかイマイチ自信がありません。だからいつも周りの顔色を窺っていて、それなのにみんな言ってくることが違う。
 結局何が正しくて、何が間違っているのか、他人の評価を気にしているかぎり結論が出るものではありませんでした。

 「勝手なこと言わないで! あんたには理解できない! あの味を生み出すために流れた汗と涙の物語を! 味わった人しかわからない口のなかいっぱいに広がる特製スープが巻き起こすきらめく感動! 爽やかな潮の旋風! あんたの想像の百万倍でもお釣りが来るくらいあのスープはおいしさに溢れてるの! ウチの味、返して!!」(第7話)

 「あのね、コメコメ。らんらんもね、ずっと隠してた。大好きなお料理のこといっぱい喋りたい気持ち、言ったら『ヘン!』って思われるんじゃないかって。――でも、らんらんの話、クラスのお友だちが楽しいって言ってくれたの。もちろんゆいぴょんも、ここぴーも、あまねんも。ちゃんとらんらんのこと知ってる子は変なこと言わないんだよね」(第27話)

 「ヤムヤムが麺だとしたら、メンメンはそれを受け止めてくれるスープ。麺だけよくても、スープだけよくてもダメ。ラーメンはお互いが絡みあって最高になれるんだ。ヤムヤムが動けないときはメンメンががんばってくれた。メンメンが動けないならヤムヤムががんばる!」(第32話)

 だから、いっそ考えかたを変えることにしました。

 “みんなの”評価に振りまわされるのはもうやめよう。本当に評価してほしい人、考えかたの合う人を選んで、まずはその人の言うことを信じることから始めよう。
 そうして少しずつ、少しずつ、らんはようやく自信というものを獲得しつつありました。

 こういう書きかたをすると、きっとなかにはこういう指摘をしたくなる人もいると思います。
 「自分に都合のいいぬるま湯に浸かっているだけじゃ一生成長できないんじゃないか?」
 「そういうのは自信といわない。ただの逃避だ」

 その言い分も間違いではないのでしょう。事実、テレビの取材という晴れ舞台でらんは少しも実力を発揮できずに終わってしまいました。
 情けなくて、恥ずかしくて、今回らんはまた一気に自信を失ってしまいました。

 だけど、そう。そんならんにこういう言葉をかけてくれる人も、なかにはいてくれたのでした。

 「らんちゃん、タテモッティさんに憧れているんです」
 「ワオ! そうなの!?」
 「キュアスタでいろんなお店のお料理を紹介してるんですよ」
 「へー! 私と一緒だね!」

 「私と一緒だね」と言ってくれたその人は、らんが目指している憧れのステージで今まさにキラキラ輝いている、自分と同じ夢を実際に叶えた先駆者とも呼べる人でした。

自信と価値観の生まれるところ

 「私も最初はそうだったよ。・・・でも、大好きなお料理の魅力を伝えたいと思って、諦めなかったの。一万回失敗しても一回も諦めなかった。そうしたら夢がカムトゥルーしたの!」

 「あのノート、お店のことがびっしり書いてあるんだって。100%そのお店のお料理を伝えられるように。ものすごい勉強してるって」

 憧れの人は自信に溢れていました。何度失敗しても絶対に自分を曲げなかったそうです。目指す道を迷わなかったそうです。

 どうして?

 彼女のその自信を支えていたものは、らんもよく知っているありふれたやりかた。とにかくたくさん調べること。バカみたいに愚直に研究すること。
 らん自身、普段から実践しているやりかたでした。

 「私と一緒だね」と、あの人は言っていました。本当にそうでした。1から・・・9くらいまでは、本当にやってることがらんと一緒。
 どこか違う部分があるとすれば、それは積み重ねの差だけ。場数だけ。自分を心から信じられるようになるほどの、圧倒的な成功体験の数だけ。
 彼女は一万回失敗したといいます。そんなにたくさん失敗したというのに、彼女は自分が成功することを微塵も疑っていません。失敗は彼女から自信を奪っていませんでした。

 対照的に、らんはこんなにも、たった一度の失敗だけで心がポッキリ折れそうなくらい打ちのめされているというのに。

 さて。どうでしょうか?
 らんはこの人の言うことを信じられるでしょうか。ずっと憧れていた人で、なのに実は成功するまでの方法論がらんと一緒で、そして今のらんと違って自信に満ちあふれている人。
 この人の考えかたを、感性を、価値観を、らんは信じることができるでしょうか?
 もしこの人を信じるなら、つまり、らんは今のままで大丈夫だということになりますけど。

 どうですか? ゆいたちみたいに、この人のことも信じられますか?

 「――諦めない! 一万回失敗しても、一回も諦めなければ、なんとかなる!!」

 らんは信じました。
 信じることを選びました。

 大失敗したばかりで自分を信じられる根拠なんて全然ないくせに、自分を信じざるをえない助言を与えてくれた人の言うことを信じてみることにしました。

 「おいしい! この甘さ、まるで――、田舎に帰ってきた孫に接するお爺ちゃんやおばあちゃんのよう! ずっとおうちで可愛がりたい!」

 結果からいえばどうやらその決断は正解だったようでした。
 失敗したのと同じことにもう一度挑戦してみて、らんは今度こそ大成功を収めることができました。

 信じてみてよかったですね。
 イチかバチかの賭けで幸運に恵まれたようです。

 なんて。

 「らんちゃんのセンス、すごくステキだった! ソー、エキセントリック!」
 「エキセントリック・・・。ええと、“ヘン”ってこと・・・?」
 「ノー。誰にもマネができないってこと! ――だからそのまま自分を信じて。ゴー・ストレイト!」

 違います。
 違うんです。
 タテモッティを信じる気になれたのはあくまでらんの感性によるものです。
 信じる人を選ぶということは都合良く自分をごまかしているだけじゃないか、逃避なんじゃないかという考えかたに対する回答がここにあります。

 今回、らんは自分にとって信じられる人を選ぶという行いを通して、自分の価値観を改めて確認したんです。
 どんな人を信じるのか、どういう価値観の人を信じるのかという意志決定はつまり、自分は何を信じているのか、どういう価値観を持っているのかの表出に他なりません。
 今の自分を信じてくれるタテモッティを信じることで、らんは間接的にもう一度自分を信じてみせたんです。

 だからこそ、たとえ一万回失敗しても諦めないであろう勇気が湧きあがってきたんです。
 憧れの人と同じ、けっして揺るがない自信を知らず知らず獲得できていたんです。

 ほんの少し前まで、らんは自分にとって信じられる人がどの人なのかを自分で決めることすらできずにいました。
 そんなことすらも怖がって、身を縮こまらせていました。

 今は違います。らんは自分が信じられる人を自分で選ぶことができます。
 この人なら自分の考えかたを支持してくれるはずだという相手を見定めることができます。
 それが“自信”じゃなかったとしたら何だというのですか。

 「このノートはお守りみたいなものだったの。――らんちゃん。よかったら力を貸してくれない? 今度こそらんちゃんのファンタスティックなパワーを」

 その揺るぎない心の強さ。もう二度と道に迷わないであろうひたむきなまっすぐさは、憧れのタテモッティからすらも頼ってもらえるほど。

 らんは本当に強くなりました。
 これからの彼女はどこまでもまっすぐ、夢を目指してどこまでもひたむきに歩んでいくことでしょう。どんなに挫折を繰り返したとしても。誰が惑わそうとしてきたとしても。
 だって、歩むべき道はすでにはっきり見えているのですから。

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    コメント

    1. 亀ちゃん より:

      今日のデリシャスパーティプリキュアはらんらんの両親が営むぱんだ軒にテレビ番組の取材が来る話でした
      で、ギャル曽根はこの話では影が本当に薄かったですね!!(汗)
      とはいえ1番のメインターゲットはいくら男の大人にも注目度があったりしたところで、未来永劫の女の子なので、大食いのマネを始めないように仕向けたのは、本当に正しいワケです!!☆☆♬
      ちなみにタテモッティは万単位で失敗しても、その原因を突き詰めて、解決への糸口を探って、成功へとつなげるための努力をしていたからこそ。失敗は成功のモトになったと言えます!!☆☆♬
      もし失敗した後でバカの一つ覚えでは、失敗は新たな失敗を生み続けるになってしまうので、これでは本末転倒ですね!!(汗)
      タテモッティは壁にぶつかった内容が及ばぬ鯉の滝登りな内容ではなかったことも、失敗は成功のモトにつながったとも言えます!!☆☆♬
      才能がないことには及ばぬ鯉の滝登りにしかない試練もいくつかあるものですよ!!(厳+汗)
      難しい学校・会社の入試や仕事人になるための試験がまさにその一つです!!(大厳)
      それでも子供の時はGo!プリンセスプリキュアのオープニング主題歌の歌い出しにある通り
      努力したら Happy come♬
      というので、努力を惜しまないで欲しいですね!!☆☆♬
      もちろんプロのスポーツ選手でも努力して報われた選手は、“努力の中身”が正しかったと物語るので、バカの一つ覚えな努力はしないで欲しいものです!!(厳)
      で、今日のデリシャスパーティプリキュア本編に話を戻して、らんらんが変身直前に、美味しいの独り占めとはまた違う意味で「許さない」と言い切ったのはシックリ着ました!!☆☆♬
      ヒーリングっどプリキュアの時は、のどかがダルイゼンに対して「許さない」と言い張った時は、「許さねぇ~」の方が面白いのに…と感じても、今日の女児向けプリキュア本編ではそんな感情は微塵もなかったですね!!☆☆♬
      でもって戦闘が始まると「諦めない」とそのキュアヤムヤムが言い切ったのもシックリ着ました!!☆☆♬
      この一言はいとこのお姉さんの次女に見てもらいたくて、いとこのお姉さんのスマホに向けて、発信する時でも直接LINEで入力して送信出来たセリフでもありました!!☆☆♬
      やっぱり私個人としては今はまだ相手がいとこのお姉さんの娘とはいえども、プリキュアを視て、シックリ着たセリフなどがあった時は、その娘に見てもらいたくて感想を入力するのも楽しいですね!!☆☆♬
      そんなこんなで次回はプリキュアではほぼ毎年のように恒例の文化祭
      私はキュアホワイトソックスの下の名前限定の名付けの親であるキュアブルームの母方のいとこのお姉さんの高1の時の文化祭を、プリキュアちゃんねるにアップしたいとは旧年中から毎年のようにウズウズしていますが…

      >で、プリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談は
      高校野球ドットコムで1回もメッセージを送ったことがないような高校野球の単独チームへ、おかやま山陽高校がある地域から比較的近隣の野球場を圧倒的な1番の中心源に行って応援することで、新しくメッセージを送って、コンプリートしたいですね!!☆☆♬
      特に高校野球の選手は、プロとは違って、(野球の結果で大きくモノを言う)小遣いや給料をもらうために、甲子園出場や甲子園における優勝を目指すワケではないので、青春も感じられるし、特に接戦になればなるほど球児も本気モードになるので、なおさら高校野球も私は全般的に応援したいです!!☆☆♬
      タダ、弱いチームは大きな差で負けていると、特にプレーに出ることもしばしばありますが、強いチームならなおさらそれは他人事とは思ないようになって欲しい気持ちも不動です!!

      • 疲ぃ より:

          たとえば『ヒーリングっどプリキュア』の平光ひなたみたいな子なら、雑に努力させるよりもまず成功体験を積ませることが必要だったりしますね。
         らんやタテモッティは自分で目的に向けた創意工夫ができるので、そういう人なら「1万回失敗しても諦めない」という方法論が成立しますが、なるほど、これは全ての人に全く同じように適用できることではありません。教育論全般どれもそういうものではありますが。今回はたまたまらんとタテモッティが似た者同士だったので方法論の授受がスムーズに成立したケースになります。
         子どもが抱えている成長課題はそれぞれに千差万別。発達障害や肢体不自由の場合までr合わせると、どうがんばっても一般化できることではありません。今話のように個別の方法論をひとつひとつ地道に積み上げて、いつかそれぞれの視聴者が自分に合う方法論に巡り会う日を期待するのが一番かもしれませんね。

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