オクトパストラベラー プレイ日記その4 テリオン第1章 at ボルダーフォール

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一杯奢ってもらおうか。酒の肴になる話を持ってきた。

このブログはあなたがプレイ済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

オープニングロール(=妄想)

 「ちょ、ちょっと! 品物だけでも見てくださいってば! ・・・あーもう! とっておきなのにー!!」

 トレサはクオリークレストに来ていました。話によるとここはかつて鉱山街だったそうで、一時期は金が取れるという噂もあったようです。現在ではすでに採掘しつくしたのか街に坑夫の姿は見あたりませんが、代わりに高台のところに大きなお屋敷が建っているのが見えました。
 きっと元鉱山主の邸宅でしょう。もし噂どおり金鉱を掘り当てていたならたっぷりと財を蓄えているはず。これはサンシェイドで仕入れた虎の子の絹織物の出番かもしれない・・・!

 と、思ったのですが。
 件のレイヴァース家は異様に用心深く、身分の不確かな旅商人では取り次いですらもらえませんでした。
 「ぐぬぬ。こんな高い商品を売れる機会なんてめったにないのに・・・!」
 砂漠の酒場で見た踊り子たちの衣装に惚れ込み、その足で市に出向いて同じ生地を買い上げたまではいいものの、よくよく考えると駆け出し商人のトレサからこんな高級品を買おうという酔狂がそうそう現れるはずもなく。虎の子というか、不良在庫として持てあましていました。
 「はあ。どうしよ、これ・・・」

 「もし。そこのお美しい商人どの。もしやレイヴァース家に何かご用でも?」
 いつの間に近づいてきたのか、トレサの目の前に豪奢な身なりをした青年が立っていました。
 「私はこの街で長く商売をしている家の生まれでして。実はこう見えて街の貴族たちには顔が利くのですよ。いかがでしょう、私が同行すればレイヴァース家のご当主様にもお目通りが叶いましょうが――」
 気持ち悪いくらいペラペラとよくまわるその語りぶりに若干の胡散臭さを感じつつ、さてどうしたものかとトレサは思案するのでした。

(主観的)あらすじ

 凄腕の盗賊・テリオンは、流れ着いた断崖の街でひとつの噂を耳にしていました。
 テリオンにはかつて相棒がいました。幼い頃は相棒と組んで街中を荒らしまわり、警邏の大人たちを小馬鹿にしては盗品を貪って、ふたりでよく笑いあっていました。とある事情から現在は相棒と別れていますが、ひとりでもこの世に盗めぬものはないとテリオンは自負していました。
 そんななか、テリオンは“盗賊殺しのレイヴァース家”の噂を聞きます。かの貴族の屋敷にはとてつもない価値を持つ財宝が秘匿され、そしてそれを守るべく幾重にも厳重な警備が敷かれているとのこと。かつて屋敷に忍び込むことのできた盗賊はひとりとしていないそうな。テリオンの自尊心がうずきました。

 テリオンは街の商人から盗んだ信用状を使って身分を偽り、マヌケそうな顔の行商人を利用してレイヴァース家の敷地に忍び込みました。屋敷内を巡回している衛兵の目を躱し、番犬たちを音もなく黙らせ、鮮やかな手管でもっていよいよ屋敷の最奥へとたどり着きました。
 しかし、そこにこそ最大の罠が仕掛けられていたのです。そこには燕尾服を着た壮年の男が待ち構えていました。驚くべき身のこなしのその男は十重二十重と目にも留まらぬ早業でテリオンと切り結びます。しかし、どうやら紙一重でテリオンの方が素早かった様子。テリオンは謎の男を出し抜き、秘宝に手を伸ばして――そこで、自分の手首に小汚い腕輪がかかっていることに気付きました。
 この腕輪は“罪人の腕輪”。本来は盗みをしくじった罪人にはめられる愚か者の証で、つまり盗賊にとってはたいへん不名誉なものでした。

 男とその主人――レイヴァース家当主・コーデリアは、テリオンにはめた腕輪と引き換えに、彼の腕を見込んでとある依頼を持ちかけます。

 今回、あえてアーフェンをメンバーから外してプレイしました。
 トレサなら↑のロールプレイでイケるにしても、アーフェンに関してはどうにもテリオンの盗みに参加する姿が想像できなかったからですね。アーフェンにはこのイベントの間、スラムの人々を治療していてもらうことにしました。なんとなく流れでサブイベント「謀反の火種」もアーフェンで攻略しちゃいました。
 一方ウチのプリムロゼはトレサ大好きお姉さんとしてのイメージで固まりつつあるので、むしろ積極的に衛兵を懐柔していただきました。なぜか確率20%の色仕掛けに一発で成功していましたね。火力としてもブレイク役としてもテリオンの影が薄くなるレベルでの大活躍でした。
 まあ、今回はそこらへんの楽しいゲームプレイを文章としてうまく落とし込めなかったわけですが。

ロクデナシのロマンシング

 テリオンの物語の第1章はロマンあふれる冒険譚でした。
 前人未踏の罠! 天下珠玉の秘宝! それに挑むは誇り高き一匹狼!
 そして驚くべき真実、大どんでん返し! 麗しき令嬢のために旅立つ物語の序章!
 まさに男のロマン。女もロマンス。キュンときますね。

 そういうお話です。99%がスリルとロマンでできています。
 ・・・というか、テリオンの過去がろくに開示されていないせいで大して語れることがないんですよね。ぶっちゃけ。

 ただ、テリオンが盗賊稼業に求めているものだけはなんとなく読み取れます。
 「連中、必死な顔してたな。いい見物だった」
 「まったくだぜ。ガキにしてやられたって悔しがってた」
 「俺たちはたしかにガキかもしれない。でも、あいつらよりはずっと利口だ」

 幼い時分のテリオンは、大人を出し抜けたことにこそ喜びを見出していました。
 「見ろよ、金貨がこんなに」
 「・・・ああ。いい儲けになった」
 「もっと喜べよ、兄弟! 全部俺たちで稼いだんだ!!」

 他方、その結果得られた金銭に関してはさほど興味を覚えていませんでした。
 彼の相棒であるダリウスはどちらかというと儲けを得たことにより大きく喜んでいたので、価値観としては対照的なコンビですね。このあたりが彼らが仲違いした理由になるのでしょうか。いわゆる音楽性の違いってやつ。(違う)

 テリオンにとって盗みはスリルで、ロマンで、誇りでした。
 そんなだからどう考えても割に合わないレイヴァース家に挑むことにし、そんなだからたかが腕輪ひとつのためにコーデリアらに従属するハメになりました。割とマジモンのロクデナシですね。ギャンブルとか好きそう。
 ですが、ロマンはあります。というかロマンに生きています。ロマンの固まりです。バッカじゃねーの!

 コーデリアからの依頼もまた、ロマンでした。盗まれた秘宝を3つ集めろと。それも大陸じゅう股にかけて。
 腕輪の件抜きでもテリオンにとって充分に魅力的な話でした。
 意外と渡りに船でした。
 けど、テリオンはそのあたりの気持ちを憎たらしい腕輪でごまかして、いかにも被害者ヅラして旅立ちます。
 このひねくれっぷりもまた、この手のロクデナシの魅力。

エンディングロール(=妄想おかわり)

 テリオンが街の入口に向かうと、そこにはレイヴァース家の令嬢とチビ商人が待っていました。あのあと、どういうわけか仲よくなっていたようです。
 「そりゃあもう。お得意さんだからね」
 商人はホクホク顔でそう言いました。
 なるほど、巻き込まれた哀れな立場を利用して逆にふんだくってやったわけか。テリオンがそう納得していると、商人は彼の顔を見て首を横に振るのでした。

 「違うよ。ちゃんと正当な価格で取引したの。あなたみたいに卑怯なことはするもんか。ね、レイヴァースさん」
 レイヴァース家の令嬢は心を見通すような澄んだ瞳でテリオンの顔をしばし見つめ、やがてふっと小馬鹿にするように微笑みました。
 「そうです。今日、トレサさんは商売のためにわざわざ私のお屋敷まで来てくださったのです。素敵な反物でしたわ。ああ、どんなドレスをつくらせましょう。――良い行商人を紹介してくださったことに心からお礼を申し上げますわ。街商人のテリオン様」
 要するに、今日レイヴァース家を訪れた客人はケチな盗賊などではなく、あくまで真っ当な商人だったと。表向きはそういうことになったようです。それはつまり――。
 長身の執事がぽんとテリオンの肩に手を置きました。飄々とした顔つきの裏で笑いを噛み殺していることが一目でわかりました。腹立たしい。
 「トレサ様に貸しをつくってしまわれましたな」

 こうしてテリオンは竜石を探すだけでなく、しばしトレサと同道することにもなりました。
 「――で、お前の次の目的地は?」
 「そうね。クオリークレストの次だから・・・」
 トレサがなにかの手帳をめくる横で、テリオンは変な顔をしました。彼自身今までつくったことのない、思いっきり顔の筋肉を弛ませきった表情でした。後ろで長身の薬師も似たような顔をしていました。踊り子衣装を纏った女は心底楽しげにトレサの首元に両腕を絡めはじめました。

 「おい・・・さっきの街はボルダーフォールだ。クオリークレストは今来た道を戻って西にある」
 「・・・・・・へっ!?」
 この日、トレサは自分が方向音痴であることを初めて自覚したのでした。

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