オクトパストラベラー プレイ日記その6 オフィーリア第1章 at フレイムグレース

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お前の優しさは聖火のようだ。そして、本当に暖かい・・・。

このブログはあなたがプレイ済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

今回のバトルメンバー

トレサ(バトルジョブ:盗賊)
オフィーリア(バトルジョブ:なし)
アーフェン(バトルジョブ:なし)
テリオン(バトルジョブ:なし)

オープニングロール(=妄想)

 渓谷を越え、森を越え、トレサは聖火教会の聖地・フレイムグレースに来ていました。
 大きな教会が街の中心にそびえる厳かな都市でした。雪が降る地域なので街を歩いている人々は皆ぶ厚い外套を纏っていますが、フードや袖口からそれぞれ様々な地方の衣服や装飾品が見え隠れしていました。巡拝者なのでしょう。
 「さすが大きな街ねー。ちょっとサンシェイドを思いだすかも」
 「サンランド地方の歓楽街・サンシェイドか。・・・似てるか?」
 テリオンがぼそりとつぶやきます。片やバザーと劇場で賑わう砂漠の都市、片や世界宗教のお膝元の雪国。街の雰囲気がまるで違います。
 「あはは。私の地元、漁師町だからね。別に小さい町ってわけじゃないんけど・・・。私、広い世界を見たくて町を出たから。それに商人としては、やっぱり大きい街は大きく儲けるチャンスだからね」
 お上りさん丸出しの発言でしたが、トレサは特に気に留めることなく呑気に笑いました。
 「じゃあまた露店でも開くのか」
 「うーん。もちろんそうしたいところだけど、こういう街ってルールがカッチリしてるから、まずは街の商人たちにそのあたりを教えてもらわないと。場合によっては教会にお伺いを立てなきゃいけないかもね」

 「――トレサ。私、先に酒場に行っていてもいいかしら。ちょっと調べたいことがあるの」
 ふと、プリムロゼがトレサとアーフェンの会話を遮って言いました。いつもはあまり会話に混ざらず後ろでニコニコしているか、トレサをぬいぐるみみたいに抱っこしているかが多かったので、こういうのは少し珍しい気がしました。・・・少し、表情が張りつめているような気がしました。
 「ごめんね」
 トレサが了承すると、プリムロゼは一言謝ってから向こうへ去っていきました。
 ・・・やっぱり、いつものプリムロゼさんらしくないかも。でも、そういえばはじめて会ったときは――。

 ドン。呆けていたトレサの背中に誰かがぶつかってきました。道を塞いでしまっていたようです。
 慌てて謝罪しながら振り向くと、そこには白い神官服を着た長髪の女性が驚いたようにして立っていました。どうやらあちらもろくに前を見ず歩いていたようです。なんだか、ひどく思い詰めたような顔をしていました。
 数ヶ月前に砂漠の街であった出来事が思いだされました。

(主観的)あらすじ

 オフィーリア・クレメントは聖火教会大司教の娘です。
 ・・・正しくは、拾い子でした。しかし良き養父とその娘・リアナに暖かく迎え入れられ、まるで本当の親子のように健やかに育ちました。
 明日、その大切な家族であるリアナが「式年奉火の儀式」のために旅立ちます。たいへん名誉なお勤めではありますが、一度旅立てば長いあいだ帰って来られなくなるでしょう。
 折り悪く、ふたりの父親はここのところ体調が優れないようでした。今日はついに発作を起こして倒れてしまいました。リアナはそんな父親が心配で、旅立ちを前にして後ろ髪引かれる思いに胸がいっぱいなのでした。

 悲しむリアナを慰めながら、オフィーリアは15年前のことを思いだします。
 戦災で肉親を失い、心が虚ろになっていたオフィーリアを、幼いリアナは一生懸命に励ましてくれました。部屋に引きこもろうとする自分を外の世界へ連れ出して、美しい景色を見せてくれました。
 彼女は一生懸命でした。新しい家族を迎え入れるために――。
 今こそその恩を返すときなのかもしれない。オフィーリアは自分の心を救ってくれた愛しい家族のため、自分が式年奉火の儀式を代行しようと決意します。

 最初の儀式として街の近くの洞窟から聖なる種火を持ち帰れば、もう誰にも止められることはないでしょう。教会のタブーを犯すことになりますが躊躇していられませんでした。
 オフィーリアは偶然知り合った旅人たちの助けを借りて洞窟へ赴き、そして、みごと最初の儀式を成し遂げます。
 幸いなことに養父と義姉はオフィーリアの勝手な行いを許してくれました。むしろ彼女の思いを理解して、感謝さえしてくれたのでした。今一度家族の親愛を確認しあい――引き取られて以来やっと「父様」と呼ぶこともできて――そして、オフィーリアは旅立ちます。

 ハンイット? ああ、あの森って道がわかりにくくて大変ですよね!
 私、そういえば体験版であそこにたどり着けたことないや。

祝福された星火

 体験版で初めてオフィーリアの人となりを見たときは少々意外な印象でした。公式イラストを見たかぎりではてっきりもっと淑やかな感じの人物なのかと。
 でも、よく見ると実はこの子ってパーティのなかではトレサに次いで若いんですね。
 20歳か。じゃあそんなものか。
 オフィーリアの第1章は、かわいらしい少女のひたむきながんばり物語でした。

 何がびっくりって、原初の炎を持ち帰ることがタブーだとわかっていながら即断することよね。そういうキャラだとは予想していませんでした。
 いろんな人に迷惑をかけるかもしれないのに。少なくとも肝心のリアナには単純に喜ばれるだけではなく、色々と困らせることにもなると想像できていたでしょうに。
 それでも彼女はやりました。自分の信念の善なることを信じて。まるで幼い子どものような胸いっぱいの直情に突き動かされて。ちょっと無鉄砲すぎるくらいに、まっすぐ。

 そしてそんな彼女は、許されます。
 「・・・オフィーリア。お前は本当に優しい子だね。原初の洞窟に行ったのは私とリアナのためだろう?」
 「お前の優しさは聖火のようだ。そして、本当に暖かい・・・」

 むしろ感謝すらされます。彼らが実際悩んでいたというのももちろんありますが、それ以上に彼らはオフィーリアの優しさをよく汲んでくれました。オフィーリアは優しい家族に恵まれましたね。
 「これからも、リアナと2人仲よくな。お前たちはどちらも私の自慢の娘だ」

 オフィーリアがしたことは、そういう優しい家族の元から自ら離れていくことです。ヨーセフ大司教を父と慕うのはリアナだけではなく、オフィーリアも同じことでしょう。病気の父に寄り添えない不安はオフィーリアにもあるはずです。
 少なくとも私は、拾われ子のオフィーリアが、実子たるリアナのために我が身を犠牲にする道理はないと考えます。オフィーリアとリアナは対等な家族で、お互いにお互いのことを大切に思いやっているのですから。
 「・・・私、オフィーリアに謝らなければいけない。オフィーリアが儀式に行くと行ったとき、一瞬ほっとしてしまった。これで父様のそばにいられるって・・・」
 「今ならオフィーリアの優しさがよくわかる。他の誰でもなくあなたが代わってくれた。こんなに嬉しいことはないわ」

 オフィーリアがリアナのために心を痛めるなら、リアナだってそれは同じことでしょう。きっとこうなったことはこれはこれで悩んだと思います。
 けれど、リアナはそれでも喜びました。代わってくれたこと以上に、オフィーリアの優しさを受け取ることができたから。
 誰かに善意と好意を向けてもらえることほど喜ばしいことはありません。

 だから、どうかオフィーリアも、旅の連れあいたちとまた新しい家族のような絆をつなげますように。

エンディングロール(=妄想おかわり)

 「大丈夫。旅の間は私がリアナさんの代わりになってみせるから。・・・ちょっと頼りないかもしれないけど。そこはほら、アーフェンやテリオンもいるし。だから、心配しないで。オフィーリアさんはちゃんと無事に連れて帰るわ」
 出会ったばかりだというのに、この小さな旅人はオフィーリアも義姉も安心させるように大きく胸を張ってくれました。なんだか、また家族が増えたような心地がしました。

 「そうだ。もうひとり旅の仲間がいるの。プリムロゼさんっていって、すごく強くて優しい人で――」
 しかも綺麗で、背が高くてね、踊りもうまくて――はずむように言葉を重ねながら待ち合わせ場所の酒場に入ると、そこには暗い表情でかすかに苛立った様子の女性が待っていました。
 「トレサ。私、スティルスノウへ行くわ」

 ぴしゃりと。有無をいわさぬ口調でそれだけつぶやき、プリムロゼはトレサたちを置いてひとりで酒場を発つのでした。

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