ひろがるスカイ!プリキュア 第6話感想 欲ばりさんになろう!

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今なら何だってできそうな気がします! ・・・あ。私――。

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「伝えて! ソラの本当の気持ち」

大きな出来事

メインキャラクター:ソラ

目標

 ソラがワガママを言えるようになる。

課題

 春休みが終わり、ましろは学校に通うようになった。ソラは一緒に学校に通えないことを素直に受け入れ、ましろの家の家事を手伝うことに充実感を見出すが、けれどその一方でなんともいえない物足りなさを感じる。
 あげはの指摘によると、どうやらソラはましろが傍にいないことにさびしさを感じていたようだ。それを自覚したうえで、さらに自分の希望を口に出すことを照れくさく感じてしまう性格も持ちあわせているらしい。

解決

 あげはがかけてくれたメイクの魔法に背中を押され、ソラはましろに自分の本心をうち明ける勇気を手に入れる。カバトンの妨害に対処するうちメイクは取れてしまったが、それでも一度ついた勢いが止まることはなかった。

バトル

苦戦

 単独での攻撃が通用せず、煙による目くらまし攻撃をしてくるランボーグが相手。

勝利

 空中へジャンプすることでお互い合流を果たし、プリキュア・アップドラフト・シャイニングで撃破。

ピックアップ

学校は誰でも自由に入れるもの

 昔はそうでしたね。学校にタイムカプセルを埋めて掘り出せなくなった人って全国でどのくらいいるんでしょうか。

トンネルの材料

 マシュマロ200g、砂鉄100g、小麦粉1kg、たこぶつ200g、いちご300g、フクロウの羽、粘土600g、キャラメル2箱、ボタン電池(CR2032)、貝殻1kg、桜の花びら5枚、ノート2冊、ぶどうジュース、ヒイラギの葉1枚、ガラス瓶2本、チューリップの花、雨粒、しょうが2コ、きれいなサンゴ1ツ、にんにく3コ、鉄製のジョウロ、魚のウロコ5枚、木の根250g、かぼちゃ1kg、カラシナの種1kg、キンポウゲ50g

 ドラゴンの爪と猛毒サソリの粉末少々、あとはプリキュアの涙さえあればつくれる最強魔法のエキス(『みんなで歌う奇跡の魔法!』)って、良心的だったんだなあって。

 そして今回も果たされないヨヨお婆ちゃんのお使い。

 午前中だけであの豪邸の掃除を終わらせつつ自分の日課まで済ませられるソラの家事スキル。全国のお父さんお母さんから嫉妬されないか私は心配です。というか、1家に1台欲しい・・・。ウチのアパートじゃ過剰スペックかしら?

 さて、前話でも中心テーマとして扱われていましたが、ソラという子はああ見えてたいへんに内気な子です。自分の希望を人に伝えることが超ニガテ。ヒーロー願望があることと相まって、人助けを口実に、これまでずっと個人的な願望を叶えることから逃避しつづけてきました。

 あげははそんな彼女の、ある種の臆病さを正確に見抜きます。
 ・・・どうしてなんでしょうね? あげははあげはで、何か自分に思い当たる経験でもあったんでしょうか。引っ越しが決まったときプチ家出する程度の自己主張はできた子なのに。あれよりももうちょっと踏み込みたい気持ちでもあったんでしょうか。家族のもとを離れてましろの家に居候してでもずっと一緒にいたかったとか、さすがにそんな大それたワガママを言いだす勇気は持てなかったとか、たとえばそういう後悔。

 ソラの他人事最優先な価値観はけっして悪いものではありません。一般的にいうなら模範的な良い子です。
 けれど、ね。子どもにはまず自分を幸せにするように生きてほしいと願うのが、親心というものですから。

メイクの魔法

 「メイクはさ、ただ美しくなれるだけじゃない。ちょっとの勇気が足りないとき力を貸してくれるんだ。・・・なんつって。やは」

 お化粧は女の子にとっての憧れ。
 パウダーをはたいて、リップを塗って。そうしてお母さんの顔が別人になるところを、子どもたちは小さなころからよく見ています。
 お母さんはどうしてお化粧なんてものをするんだろう? ――お母さんがお化粧するのは、仕事に行くとき、外出するとき。大事な用事があるときや、遠出するときなんかは特に気合を入れているのを、子どもたちはよく見ています。

 「ローラもちょっとやってみる? ――ほら! どう? 勇気が湧いてこない? 『トロピカるぞー!』って感じで!」
 「『トロピカる』って何?」
 「『トロピカるぞー!』っていうのはね、常夏の太陽みたいにキラキラ眩しい幸せな気持ちが、胸の奥からこう、ぶわーっ!って湧きあがってくるような感じ!」
(『トロピカル~ジュ!プリキュア』第1話)

 すなわちメイクとは変身の魔法。勇気の魔法。
 いつもの自分から特別な自分へ、大事なときに大切なことができるよう、心を奮い立たせてくれるものなんだろうと、子どもたちはお母さんの様子を観察しながらなんとなく理解します。
 プリキュアと同じですね。変身=特別な力を得る手段という、本質的な意味において。
 子どもがプリキュアに変身して強くなれるのと同じように、大人はメイクして強くなるんです。

 まあ、だから化粧品でイタズラしたがるわけですよ。あれ、子ども目線で見て、この世に実在するホンモノの変身アイテムだから。私もよくやった。やらかした。おもちゃ箱にパレットとかよく紛れこんでた。

 「そうなんです! 今日はなんかいつもと違うなーって思ってたけど、それはズバリ! ましろさんと一緒にいないから!! だったんです!」
 「あはっ。イキオイいいね! でもそれ伝える相手が違うんじゃない? ましろん本人に言ってみたら?」
 「・・・言えません。ましろさんに言うのは、なんだか、照れくさいですし」

 こんちゃ、コンコン。あげははソラがしょんぼりしている理由をたちまち見破ります。
 ここで提示してくれる解決方法がメイクってあたり、やっぱりあげはってちょっと大人のお姉さんってキャラづけなんですね。そんな“大人”が、いったいどういう理由でプリキュアに変身するのか、今から楽しみです。

 「ふふふ。いいね、それ」「似合ってる」「買えてよかったね」「わあ、それかわいい」「でしょ。欲しかったの」「また一緒に行こう」「うん!」(第5話)

 「ついにパウダーフレグランス買っちゃったね!」「あはは。パフパフしようよ!」

 ところで、お化粧というかオシャレはソラにとって友達の象徴でもありました。
 ヒーロー修行をするためにソラが自分で切り捨てた、普通の子なら当たり前に手に入れられる幸福。心の内に隠した小さな憧れでした。
 だけど、ヒーローを目指す自分には必要のないものだと、そんなものにかまけている暇はないと、あの頃は信じていました。

 「キラキラって、アガるよね!」
 「はい! 今なら何だってできそうな気がします! ・・・あ。私――」

 今日この日、ソラは気付くのです。
 強くなれる方法は、なにも修行だけとは限らないのだと。当たり前の日常、身のまわりにあるちょっとした幸せでも、人は強い心を手に入れられるのだと。
 孤高だけが強さじゃない。ストイックだけが強さじゃない。友達、喜び、楽しい毎日。愛おしい、輝ける日常。そういうのだって強さに変わる。変身できる。

 「よーし。じゃあ、ソラちゃんのさっきの気持ち、ちゃんとましろんに伝えて」
 「はい! 行ってきます!」

 こういうの、実にプリキュアですね。
 プリキュアは自分たちの日常を守るヒーローでもあります。

ソラ・ハレワタールとは何者か?

 「つまり、ソラちゃんはましろんが一緒じゃなくてさびしいんだ。わかるよ。ましろんの優しさって、お日さまのぽかぽか陽気みたいでさあ。傍にましろんがいないととたんにさびしくなる」

 あげはの言うとおりでした。

 メイクしてもらってPritty Holicのお店を飛び出したソラ。彼女の目には世界が灰色がかって見えます。ましろと一緒にいられないというだけで、自分はこんなにも今をつまらなく感じていたんだと、初めて実感します。

 早く会いたい。
 会いたい。
 今すぐに!

 ところが。
 ソラのいる世界に彩りを取り戻させたのは、意外にもましろとの再会“ではありませんでした”。

 「手伝います!」

 「ケンカはいけません!」

 いつもの人助け。
 ヒーローじみたお節介を炸裂させることもまた、ソラにとっては日々を生きる喜びになっているのでした。

 ソラシド市に来て、生まれてはじめての友達ができました。
 こんな幸せなこと、今まで生きてきて他に体験したことがないと思えるほど、鮮烈な出来事でした。

 いいえ。

 「何かが始まる空の気配。確かめるように手を伸ばしたら、希望という光つかんでた。秒でキャッチ! キャッチ!」(OP)

 ソラにとっての一番は、やはり別のところに。
 あくまで別のところに。
 友達ができたことはソラにとってとても大きな出来事。だけど、ソラにとって一番の夢はあくまで、ヒーローになることなんです。

 「――ならば! 私は私のやるべきことをやります! 家じゅうをピッカピカに! この家でお世話になっている恩義です! 合間に勉強、エルちゃんのお世話、トレーニングも! やることいっぱいです!」

 忘れてはいけません。
 今までのソラの生きかたも、こちらはこちらでやはり一番大事なことなんです。生きがいなんです。
 たとえ友達ができても、日常を楽しむ喜びを知っても、ヒーロー修行がソラにとってかけがえのないものであることに変わりはありません。

 両方が大切なんです。
 どちらか片方だけを選ぶべき、なんて性質のものではありません。

 「・・・やること、なくなってしまいました。・・・まだ11時半」

 そして今、実際にソラにはこの両方を両立できるだけの力が備わっています。
 あるいはむしろ、持て余しているほどに。

 「あの日、あの瞬間から、私はヒーローになるためのトレーニングを始めました。・・・自分で決めたことです。だから、自分で受け止めるしかないんです。『ひとりぼっちを怖れない。それがヒーロー』――。・・・でも、友達ができました。ワガママです。わかってます。でも、怖いんです! ましろさんが傷つくなんて、そんなの絶対イヤだ!」(第5話)

 このあいだつい吐き出してしまった、情けない言葉。
 改めてその是非を確認することができます。
 そもそも、あれはどちらか片方だけを選ばなきゃいけないような、そういう話ではなかったんだと。

 「ソラさんの何事にも一生懸命なところ、とってもいいと思うわよ。戸惑うことも多いけど、こっちの世界は興味深いことばかり。そうでしょう?」
 「はい! 今日見たましろさんの学校もとっても楽しそうでした!」
 「あなたも行きたい?」
 「え? いえ。私はこの家で、やることがありますし・・・」
 「――そう?」

 本当に?
 本当に余力は残ってない?
 本当にやりたいことは他にない?
 本当に今に満足してる?
 本当にそれで後悔しない?

 せっかく、あなたには今、もっとたくさんのことに取り組める力があるのに。

 どうしてもっとワガママを言ってくれないの?

どこよりも光あふれる未来へ

 「くしゅん。・・・誰か私のこと噂してるな? もしくは――、ソラちゃんがちゃんと伝えられたってことかな?」

 暗いトンネルを抜ければ光あふれる世界がひろがります。
 色あせた世界が、ましろと再会するだけでたちまち色を取り戻すように。
 あるいはヒーロー活動でも。従来通りのソラらしさでもやはり世界は輝きだすのだけれど。

 ソラは少し欲ばりになりました。
 贅沢を覚えてしまいました。

 「私も! 今日はおうちで掃除とかお手伝いをがんばったりしたけど、早くましろさん帰ってこないかなあって、ずっと思ってて! ――へへ」

 あげはは「傍にましろんがいないととたんにさびしくなる」と言っていました。
 だけどそれ、ソラにとっては半分だけ正解。ソラならもっとです。ソラシド市に来て、ソラはもっともっと、世界を色鮮やかに感じる方法を知ってしまいました。

 友達との日常だけじゃなく。
 ヒーローになる夢だけじゃなく。

 その、両方を。

 「たとえ邪魔されたって!」
 「そんなの、飛び越えれば解決です!」

 あげはがつけてくれたメイクはいつの間にか落ちてしまっていました。
 せっかくの勇気の魔法。だけど、一度走りだした今となっては、もう関係ない。

 だって、ソラはその妨げになるもの全てと戦える力を、今、持っているのですから。
 どんな邪魔者が現れようと尺のムダでしかありません。

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    コメント

    1. ピンク より:

      トンネル作りのメモを見てつい「この人は人体錬成でもするのか?」と思ってしまいました。

      お化粧遊び、私は多分経験無いですね……
      代わりに、手元の漫画のキャラに濃いメイクさせる落書きをしてた覚えはありますw

      最終回かってくらい2人の絆を見せつけてくれましたが、これから更に30話以上尺が残されてるわけで。
      次に変身するキュアウィングはまだ何も始まってない(としか認識できない)し、アンダーグ帝国は相変わらず謎だらけで、本当にこの先どうお話が広がるのか楽しみです。

      • 疲ぃ より:

         何でしょうね、この食品とも器具ともつかない謎の材料群・・・。
         個人的にはカラシナの種1kgとかいう謎にハードルの高い項目がイチオシ。農協かな?

         私はパレットとかパフとか持ち出してニオイ嗅いだりしてましたねー。ウチの妹は定番どおり口紅で塗り絵してました。
         そういえばなぜだか自分の顔には塗らなかったです。従姉にお化粧遊びの実験体されたのがトラウマだったか・・・?

    2. 亀ちゃん より:

      今日はましろが初登校する話でした
      ちなみにましろが通うのはソラシド私学中で、女児向けプリキュアでは主人公が通うのは5年ぶりですね!!
      でもってスカートには吊りがないとわかると、素直にうれしいです!!☆☆♬
      しかし小学校のスクールスカートには吊りがあった方が良いので、私がインターネット上にアップしているプリキュア小説にある東堂学園の初等部にだけはスクールスカートに吊りがあり、これは私はむろん兄貴も弟もOBである最寄りの公立小学校の影響ですね!!
      ちなみにトップスはまなつ達が通う学校のセーラーとは結構エリのデザインが違いますね
      エリのデザインはまなつ達が通う学校の方がセーラーとしてはお好みです!!☆☆♬
      ましろのおばあ様が未だに父方のおばあ様なのか母方のおばあ様なのかはわかりませんが、第1話の時点でもましろさんと敬称を付けたのに、最初は余所余所しさを感じましたが今では馴染めています
      で、次回はソラ・ハレワタールがましろの通うソラシド私立中に転校する話ですね
      プリキュアでは私立中でも主人公が通うのは、授業で習う学問も最寄りの公立中レベルの簡単さで、それはソラシド学園も同じでしょう
      しかしキュアホワイトソックスには国語が大の得意で普通に考えて東大は受かって当たり前プリキュアなので、中学校に通っている時も難しい学問も流れるように解き明かすことが出来るのです!!☆☆♬
      もちろんキュアベースボールギャンブラーもキュアアイドルギャンブラーもそして女子寮の寮長プリキュア(キュアバドミントンギャンブラー)も最寄りの公立中学校レベルでは逆立ちしても及ばないほどの難しい学問も解けるほど生まれながらの学力はありますから!!☆☆♬
      しかし私の場合、最寄りの公立小・中学校レベルでも解けない問題は解けないほど学力が中途半端なんですが(苦笑)

      >で、プリキュアとは完全に無関係な雑談で言いたいことはコンビニスイーツで
      2月22日は猫の日に合わせて、その前後にてファミリーマートではマーブル使用のロールケーキ(150円)を倉敷市南部で買い食いしました!!
      すると普通に美味かったですね!!☆☆♬
      ファミマスイーツはネコ仕様のロールケーキに限らず、トライフルというフルーツミックスのロールケーキも旧年中に食べた時は2回以上美味さが持続していましたね!!☆☆♬
      だからファミリーマートではトライフルも猫の日仕様のロールケーキも美味さが未来永劫持続させ続けて欲しいものです!!☆☆♬

      • 疲ぃ より:

         去年も私立中学校でしたよ(私も調べて初めて気づいた)。私の地元だと私立中学校ってほとんど無かった(少数あるところも遠いし偏差値50を割っているので選ぶ理由がない)のであんまりピンとこないというか、身近なイメージ無いです。
         制服でいうと私は『ドキドキ!プリキュア』大貝第一中学校の紫色セーラーか、『デリシャスパーティプリキュア』しんせん中学校の妙に古くさい茶色ブレザーが好きです。

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