スタートゥインクルプリキュア 第7話感想 みんなといっしょにイマジネーション。

うんうん、つくっちゃお。楽しいね!

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→ TVerアーカイブ配信(放送後1週間限定)

(主観的)あらすじ

 プリンセススターカラーペンを探しに宇宙へ行こう! ララの了承も得たので今度こそみんなでロケット修理開始です。作業は全部AIが指示してくれるので心配ありません。 ・・・と、思っていたものの。それぞれに割り振られた仕事を何時間もしていると、みんなだんだんつまらなく感じてくるのでした。

 退屈したひかるは一旦腰を下ろしてお絵かきをはじめます。理想のかわいいロケット。それを見つけてみんなも集まってきます。みんなで「ここにかわいい飾りがほしい」「ここに違う色を足してみたい」とアイディアを出しあっていると、ステキなデザインができあがりました。こんなロケットに乗ってみたい。  AIが「作業工程が増える」「ロケットに飾りは必要ない」と言うので少し悩みますが、ひかるたちは話しあって、結局ロケットを自分たちのデザインでリファインすることに決めました。

 それからの仕事は楽しいものでした。次々アイディアが浮かんできて作業量は大幅に増えたものの、みんな笑顔で作業に没頭しているうち、なんだかんだで当初の完了予定時刻までにちゃんとロケットが完成するのでした。楽しくて楽しくてあっという間の時間でした。ノットレイダーが襲いに来ても、愛着あるロケットを守るためならどんどん力が湧いてきます。  さて、明日はいよいよこのロケットに乗って宇宙へゴーです。

 ストーリーの流れを書き出してみるとまるでブラック企業の社員募集案内みたいですが、私含めそういう連想をした人はちょっと休んだ方がいいのかもしれません。落ち着け。別にプロジェクト立案自体は悪じゃない。クリエイティビティとモチベーション大事。大事。
 世知辛い話はさておき、今話はわかりやすくイマジネーションによって目の前の現実を変えていくお話です。既存のものを変えることにはけっこうな勇気が要りますが、なあに、足りないなら友達の手を借りればいい。みんな口には出さないだけで、現状を変えたいと思っている人は意外と少なくないはずです。(鬱)

マニファクチュア

 「作業効率を高めるためにみなさまのデータを分析します」
 「惑星サマーン育ちのララ様はマニュアルどおりの作業が得意です。指示に従って作業を行ってください」
 「えれな様は運動神経バツグン、パワータイプですので、ものを運んだりする力仕事の担当です」
 「まどか様は冷静沈着なリーダータイプ。修理計画をもとに作業を指示するリーダーとなってください」
 「ひかる様の行動は予測不能。効率化を重視して――」
 
AIが工程管理してくれるのならまどかのポジション要る? とか思わないでもないですが、今回はそういうお話じゃありません。
 AIが各人の適性に合わせて割り振ったはずの作業は有り体にいって退屈なものでした。普段からAIの指示に慣れているララですら3時間保たなかったくらいですから、それはもうよっぽどだったんでしょう。頭数が増えたからって作業を細分化しすぎたんでしょうか。全体像の見えない流れ作業は表情筋を殺します。

 「むきーっ! つまんないー!」
 
ひかるに至っては作業を放棄して遊びはじめました。けれど誰も咎めません。むしろみんなの興味を惹きます。たった4時間でキミらいったいどんだけ刺激に飢えてしまったのか。薄々感じてはいましたが、このAIひょっとしてアホの子なのではなかろうか。
 「作業時間が増えると完成が遅れます」
 
そしてなに採用すること前提で話をしているんだ。この時点ではまだ誰も実現しようだなんて言っていなかったはずなのに。

 念のため書いておきますが、今話のお話は女子中学生にライン工体験をさせるものではありません。ひかるのアイディアを起点に、つまらない今日をワクワクの楽しい時間に変えてしまおうというのが趣旨です。
 「あ、でも、AIの言うとおり完成が遅れちゃうルン・・・」
 
その障害となるのは目の前にある現実そのもの。頭のなかに思い描いた空想とは似ても似つかない、だから空想とだけ向きあっていたらいつまで経っても片付きそうにない、けれどどうしてもつまらない、そういう類の厄介な現実です。

シェアリング

 「何描いてたの?」
 「な、なんでもないー!」
 「見せてよ、ひかる」
 「・・・えーと」
 
一応サボりの自覚はありました。今やらなきゃいけないことが他にあるというのはひかるも認識していました。やりたくはないけれど。
 だから、最初はごく個人的なお遊びのつもりでした。実現させるつもりで描いたものではありませんでした。
 それをなぜだか見せろ見せろと言ってくる人がいるものだから、ひかるが当初自分の楽しみのためにふくらませていた空想は、みんなに共有されることになりました。(ついでにAIが余計なことを言ったばかりに実現させること前提で話が弾んでいきました)

 「ねえ。このへんにかわいい飾りとかあったらいいなあ」
 「あの。このあたりに違う色を足してみるのはいかがでしょう」
 「私、こんなロケット――乗ってみたいルン!」
 
試しに見せてみるとみんな存外乗り気で、普段から外向的なえれなはもちろんのこと、控えめなまどかや真面目なララまでもがひかるの空想を共有し、なおかつさらに自分のアイディアを乗せようと考えてくれました。
 まあみんな退屈していただけではあるんですけどね。肝心なのは3人ともひかるの絵を見るまで自分ではこういう提案をしようと考えてもいなかったことです。3人ともひかるがふくらませた空想に刺激を受けて、それではじめて自分でも空想するようになりました。与えられた作業がつまらないと感じていたのはみんなもひかると同じだったはずなのに。
 「ワクワクしてきた! キラやばー!」
 
そして、みんなの空想に触れていくうちに、今度はひかるの方もひとりのときよりいっそうワクワクしてくるわけです。

 自分が本当は何を考えているのかわからないこと、あります。
 目の前の現実にかまけて、空想しようとする自分を無意識に抑えこんでしまうことも。

 ひかるの空想はそんな状態にあった3人に刺激を与え、それぞれのイマジネーションを促しました。
 曖昧に考えていたことを具体的にし、なんとなく好きな感覚に明確なかたちを与え、頭のなかだけにしか存在しえなかったものを外界へ出力させます。
 ひとりの空想は他の誰かに刺激を与え、また新しい空想を生み出します。このブログとかまさにそんな感じ。ちょくちょく観ているアニメの話から逸脱しがちですが、その逸脱ぎみな話題ですらアニメを観ていなければ思いつかなかったことばかりです。特にプリキュアは面白いです。プリキュアを観ているとホントいろんなことを考えたくなるんです。自分のこと。他人のこと。昔勉強したこと。今自分が興味を持っていること。これまでまったく知りたいと思っていなかったようなことも。

 今話はひかるのアイディアを起点に、みんなでつまらない今日をワクワクの楽しい時間に変えてしまおうというお話です。
 ひとりの頭のなかで生まれた小さな空想はたくさんの人のところへ広がることで、やがて力を持ちます。
 「これは私“たち”のロケットルン! みんなが楽しくなるような、ステキなロケットにしたいルン!」
 
つまらない現実をそのまま楽しい空想の姿へと塗り変えてしまえるような、大きな力。
 もうちょっとだけ具体的にいうのなら、自分の理想に共感してくれる人を集め、これまでになかった新しいものを協力して生みだそうとするムーブメント。

 「こんなロケット乗りたいなあって思いながら描いたんだ」
 
現実が空想と似ても似つかないのはある意味当然です。だって現実がつまらないからこそ頭のなかで理想を思い描くんですから。
 反対にいえば、つまらないと感じる現実を変えてしまえる鍵は、いつだって空想のなかにあるんです。
 現実を変えることができるのはいつだって夢だけです。とはいえ夢はただそれだけで現実を変えられるほど強い力を持っているわけでもないのですが、だったら現実を変えられるくらい夢に強い力を持たせてしまえばいいんです。

 「データ更新中。――解析不能な状況です。不必要な仕事が増えているのに、なぜか作業効率は上がっています。データ更新。ひかる様は周りを元気にする力があるようです」
 
いいこと言っていますが、それはそれとして自分がやらかしたモチベーション減退の原因くらい気付け。

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『スタートゥインクルプリキュア 第7話感想 みんなといっしょにイマジネーション。』へのコメント

  1. 名前:東堂伊豆守 投稿日:2019/03/18(月) 21:49:15 ID:589fc6ab0 返信

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    そもそも人生諦めてる人達の集まりだったクライアス社と違って、ノットレイダーの皆さんは実に生き生きと宇宙征服に励むモチベーション高い方々なんですよね。勧善懲悪型時代劇の悪代官や悪徳商人みたいな。
    ただ、そうなると前作や前々作のような「敵と和解する」路線のクライマックスは取りにくくなるんじゃないか……という感じもするんですよ。「三つ醜い宇宙の鬼を、退治てくれようキュア太郎」路線にならざるを得ないんじゃないか、という感じが。
    なにぶんプリキュアの方でも、久しぶりに「伝説の戦士」という好戦的なキャッチフレーズが復活したことを考え合わせると……どうなるんでしょうね。
    ところで、終始敬語で話すAIさん(てことは「敬語がない」サマーン以外の星で作られた?)なんですけど、何気に優秀なマシンではあるんですよね。四人の特性分析はかなり正確だったし、彼女(?)が組んだ作業プログラムも、モチベーション低下を考慮していないという難点こそあれ、肉体的限界の考慮はマージン込みで正確に行っている(だからこそ作業量が予定より増加してもトラブルが生じなかった)。
    まどかに作業監督やらせたのも「ロケットの構造を学ばせて、AIやララが行動不能となった場合に運用を代行する補充要員に育てる為」だったのかも知れないし、ひかるをスタメンから外して控えに回したのも……ま、こちらはさすがに結果オーライか(でもオーライになったことは事実)。
    とにかく、学習機能を備えていることもあり、今後AIが重要なキャラクターに成長してくる可能性もありそうな感じがします。つうか、ひかる達はAIさんを大事にしといた方がいいかも。HAL9000(2001年宇宙の旅)みたいに叛乱起こされたら大変よ……。

  2. 名前:疲ぃ 投稿日:2019/03/20(水) 00:41:28 ID:589fc6ab0 返信

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     AIさん、今後何かすごい重要な活躍をしそうな兆候ありますよね。なんならプリキュアになってもおかしくないとすら感じました。機械の身体で受肉してしまうとルールー・アムールとキャラ被りしてしまうから・・・いっそホログラムプリキュアとか。
     電子生命体みたいなキャラクター、私のツボなんですよね。だいたいA-E:EMOTION-ELEMENTAL-ELECTRO-ELECTRAのせい。

     ノットレイダーの方は士気が高いのは確かですが、どうしてあんなやる気なのかの背景がわかっていないのでまだなんとも。撃破直前になっていきなり新設定をぶっ込んでくることもしばしななのがプリキュアです。多様性云々のテーマを語るにはちょうどいいキャラクターたちなので、いちおう私は救済路線だと予想していますが。カッパードさんとか妙な愛嬌がありますしね。