わんだふるぷりきゅあ! 第36話感想 あなたは私の“特別”。

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代わりになれる人なんていない! 悟くんじゃなきゃダメなの!!

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「特別なワンダフル!」

大きな出来事

メインキャラクター:いろは

目標

 自分の気持ちに答えを出す。

課題

 悟に愛の告白をされて、いろはは思わず逃げてしまった。
 後でまゆやお母さんから聞いた話によると、いろは以外にはバレバレだった様子。それだけ彼を焦らしてしまっていたようだ。全然気づいていなかった。

 悟は優しい。翌日顔を合わせたときも、いろはの困り果てた様子を見て「昨日言ったことは忘れて」と言ってくれる。だからこそ、いろははこのままではダメだと思う。

解決

 悟はいろはの力になれていないことに負い目を感じているようだ。それは違うと伝えてあげたい。むしろ誰より頼りにしているんだって聞かせたい。そう思うと、自然と言葉があふれだす。

 悟は特別なワンダフル。悟の代わりになれる人は他にいない。だから、“特別”だって気持ちが伝えられて嬉しい。

バトル

苦戦

 トビのガオガオーンとザクロが相手。
 ザクロが悟を気に入ったらしく、破壊活動そっちのけで彼を連れ去ってしまった。トビは空を高く飛ぶため、プリキュアの力でも追いつけない。

勝利

 悟がいなくなってしまう、と喪失感をはっきり自覚したいろはが、キラリンスワンの力を借りて必死に追いすがった。
 後先考えずに飛びだしたため追いつく方法なんて全然考えつかなかったが、そこはユキとまゆがフォローしてくれたし、高空に放りだされたいろはと悟のことはこむぎがしっかりキャッチしてくれた。

ピックアップ

「追いつくのはムリ」

 第1話以来それらしい描写はほとんどなかったが、いろはは運動全般が得意で、よくあちこちの部の助っ人をしている。
 それで不定期に丸一日家を空けてしまうことも、こむぎがさびしさを募らせて、人間の姿になりたいと願うようになる理由のひとつだった。

 ある意味、こむぎだけは、ここでいろはに追いつけなければ人間の姿になった意味がない。

「みんな、あなたたちみたいだったらいいのにね」

 ニコ様は一度失敗している。
 第16話などで語られるアニマルタウンの歴史を総合すると、彼女は人間と話せるようになりたいオオカミの祈りに応えて地上へ鏡石を遣わしたが、その評判を聞いて集まってきた動物たちが互いに争うようになり、ついには肝心のオオカミが人間の手で絶滅に追いやられてしまうという事態につながってしまった。
 彼女は人間やオオカミを含む全ての動物たちを愛しているが、同時に、全ての動物たちの本性に失望もしているのだろう。

視線の先

 今話の主人公は明らかにいろはで、こむぎは完全に蚊帳の外だった。しかし、悩むいろはを横目にユキがずっと気にかけていたのはむしろこむぎのこと。
 同じペットとして、この先彼女の身に訪れる試練を予見しているのだろう。

 猫組の仲人ムーブが目立つ今話だったが、こむぎに対する気持ちだけはユキとまゆで違っている。

フェンス芸

 前話ではフェンスを使って視野を制限することで、悟目線から見たいろはとケイジくんの飼い主の距離の近さ(←完全な勘違い)を視聴者に追体験させていた。

 今話ではいろはとユキの表情を隠すためにフェンスが利用されている。
 このシーンでのいろはたちの表情なんてある程度想像はつく。そもそも次のカットでは普通に顔まで描かれている。
 しかし、ここであえて顔を隠して視聴者の想像力を刺激することで、本来ふたりの顔に表れるであろう感情のかたちを越え、ただのビジュアルでは描ききれない複雑な内心のありようを脳内補完させる効果を生んでいる。

 いろははけっして悟の突然の告白に困惑しているだけではないし、ユキもユキでいろはと悟にくっついてほしいとだけ思っているわけではない。

トビ

 トンビともいう。日本で最も身近な猛禽類のひとつ。「ピーヒョロロロ」という特徴的な鳴き声で親しまれている。
 タカ科のなかでは比較的大型で、なおかつ比較的力が弱い。このため基本的には腐肉食。狩りを全くしないわけでもないが、普段は動物の死骸や残飯などを上空から探している。
 体が重いため、自前の羽ばたきで推力を得るのではなく、上昇気流を翼に受けてカイトのように飛ぶ。気流を受ける必要上、上昇時はむしろあまり羽ばたかない。横向きの風が木や建物などにぶつかる林、市街地、それから陸上と海上とで気圧差が生じやすい海岸などは、彼らにとって特に飛翔しやすいスポットだろう。

 次話は初デート。ということは、次話だけではこむぎが蚊帳の外になっていることを自覚するまでがせいぜいで、その気持ちを解消するところまではいかないでしょうから――。
 この一連の恋愛エピソード、4話以上の大長編になるっていうことでしょうか。プリキュアがまともに恋愛すること自体珍しいですが、この長丁場もまたたいへん珍しい。
 それだけ作品全体において重要なイベントだということですね。プリキュアシリーズが一番面白いことになるのはいつだって秋です。

 恋愛ね。結婚までいったことのない私が言ってもしょうがない話ですが、私は恋愛の「好き」と友達の「好き」にそこまで大きな違いは無いと思っています。個人の気質としてどうしようもなく独占欲が薄いせいもあるでしょうが。
 「好き」って、やっぱり「好き」なんですよ。あの人のことがどうしても気になって、いつも一緒にいたい、一緒にいられるだけで幸せだって気持ち。そこに恋人も友達も違いはありません。いろはは「悟の代わりなんていない」って言ってましたが、こむぎだって代わりになれる子はいないでしょう? 恋人も友達も、私にとってはどっちも特別な存在です。・・・これもまあ、私が個人的に、友達のほうもめったにつくらない性格だから、そう思うって部分もあるでしょうが。
 あえて違いを挙げるなら、距離感? あと社会的な責任。「特別なひとりを、ひとりだけ選ばなければならない」みたいな意識が恋人と友達を分けているような気がします。

 「愛にすべてを」(Queen『Somebody to Love』の邦題)なんていいますが、欲しいものはつまるところ、誰かを永遠に絶対的に愛すことを許された実感、そして誰かに個として間違いなく認められている実感です。一種、神様への信仰にも似ているなといつも思うんです。
 もし誰かと恋人と呼ばれる関係になれたなら、それらが得られることは確約されるでしょう。(キレイゴトですが)
 だけどそれって、本当に恋人以外からは得られないものでしょうか? たとえばあなたが恋人を得るまでの間、恋人以外の誰からも、人生のなかで一度たりとも与えられたことがなかったものでしょうか? あなたはそれまでどうやって生きてきたのでしょうか?

 「好き」って、やっぱり「好き」なんだと思うんですよ。私はね。
 それがどんな「好き」であっても。

脇役A

 「あ。まゆちゃん! 話聞いて!」
 「うんうん。そのために来たんだよ」
 「こむぎもお話しするワン!」
 「え・・・。えっと」
 「仕方ない。こむぎ。私が遊んであげる」
 「本当!?」

 そう遠くないうちに気づくことになるでしょう。

 ・・・邪魔者にされてるって。

 「『好き』? 悟、いろはのこと好きなの? こむぎもね、いろはのこと大好き! 一緒だね!」
 「・・・えっと。こむぎちゃんの『好き』とはちょっと違うっていうか」
 「『好き』にも色々あるの」

 こむぎに恋愛はわかりません。
 こむぎはいろはのことが大好きです。他の誰よりも、いろはのことが一番大好きです。
 友達ならいろは以外にもいっぱいいます。だけど、そのなかでもいろはのことが特別に好き。

 だから恋愛の「好き」がどういうものなのかわかりません。
 いろはへの「好き」とは違うといわれても、いろはへの「好き」以上に特別な感情なんてこむぎは知りません。

 みんなはその「好き」の気持ちがわかるようです。

 だからさりげなく、こむぎだけノケモノにされました。
 いろはにとって今はものすごく大事なときだから、そのつもりがなくても邪魔になってしまうこむぎだけ、いつもと違うポジション、脇役Aに追いやられてしまいました。

 珍しいことに今日はユキが率先して遊びに付きあってくれます。お散歩も一緒に行ってくれます。
 だから今はまだ気づきません。
 こむぎにとって一番大好きな人、いろはが、今日は全然こむぎに構ってくれなかったことに。

 「わかったよ、フレンディ。人の姿のときはリードの代わりにお手々が繋げるんだね! 初めてニコガーデンに行ったときも、さっきも、今だってそう! こうやってお手々を繋げば、リードをつないでるときみたいにフレンディを近くに感じられるんだね!」(第5話)

 いつもならいろはが一番心配してくれて、誰より早く駆けつけてくれて、真っ先につないでくれるこの手。

 今日つないでくれたのはユキでした。
 いろはは悟がさらわれてしまったことで頭がいっぱいで、こむぎのことなんて気にかける余裕もなく、向こうへ飛んでいってしまいました。

 そんなこともたまにはあります。
 それでもこむぎはいろはのことが大好きです。
 いつも、いろはの役に立てることばかり考えています。

 こむぎに恋愛はわからないから。

 ううん。そんなこと以前に、そもそもこむぎはいろはのことが大好きだから。
 たとえいろはがどう思っていたとしても、こむぎはいろはのことが大好きだから。

 「いろはのワンダフルを守りたい。だから私はプリキュアに、キュアワンダフルになったんだよ!」

 「私、こむぎと――、ワンダフルと一緒にいるときが最高にワンダフルだよ!」
 「いろは・・・! 大好き!!」(第7話)

傍観者B

 「あなたらしくない」
 「え?」
 「私とまゆがケンカしたとき言ったでしょ。『あなたの気持ち、あなたの声。伝えてあげて』――。悟は気持ちを伝えてきた。あなたの気持ちも、悟に伝えたら?」

 この恋自体は応援しています。

 だってまゆが熱烈に応援していますから。
 それに、ユキ自身にもいろはに個人的な恩があります。
 彼女には幸せになってほしい。友達のひとりとして、心からそう思います。

 「――ああ。そういうことか。ここからまゆちゃんを守ってるんだね」(第19話)

 ユキがまゆとケンカしてしまったと聞いたとき、それでもいろはは曇りない瞳でユキの本心を見抜いてくれました。
 ただ気まずいだけ。一緒にいられないだけ。それでもまゆのことが大好きで、まゆのことを守りたくて、今自分にできることを精一杯がんばっている。まゆのことは全然嫌いじゃない。
 そのことを、彼女はちゃんと見抜いて、アドバイスまでしてくれました。

 「ユキちゃん、ひとつだけ。――まゆちゃんとお話ししなよ。あなたの気持ち、あなたの声。伝えてあげて」(第19話)

 ユキひとりでは思い至らない、いかにも人間の飼い主らしい考えかたでした。

 ユキにはまゆへの返しきれない大きな恩がありました。
 他人なんて必要ない。ひとりで生きていける。そう思っていたユキに、まゆは、まゆの瞳を通してしか気づくことのできないキレイな世界のありようを教えてくれました。
 いつも当たり前に暮らしていた味気ない日々が、まゆと一緒にいるだけでこんなにもキレイで暖かく見えるようになるのかと驚かされました。

 その恩があるからこそ、ユキはプリキュアに変身できるようになっても、まゆのことを影から守るだけに徹していたのでした。
 まゆに飼い猫にしてもらえただけで望外の幸せだから。これ以上を望むなんて贅沢すぎるから。
 このうえまゆに何か心を砕いてもらうなんて申し訳なさすぎて、まゆにはただ自分の幸せだけを追い求めてほしくて。だから、せっかくお喋りできるようになっても極力自分からは話しかけないつもりでした。

 いろはからしたら、それは違うということだったようです。

 「ウソワン! ユキはまゆが大好きなんでしょ? こむぎはいろはに嫌われるなんて絶対やだワン! ユキだって、まゆと一緒に遊んだ方が楽しいに決まってるワン!」(第19話)

 彼女に飼われているこむぎはいつも楽しそうで、とても幸せそうで、そして、飼い主と一緒に遊べる毎日を能天気なくらい当たり前に享受していました。

 “飼い主”という存在からの祝福。
 ペットである自分たちが、ただ彼女たちからの愛情を素直に受け取るだけで、彼女たちをも喜ばせてあげられるという幸福な毎日。

 思うのです。

 いろはは悟に素直な思いを伝えるべきだ。
 だって、その思いを伝えてもらえているおかげで、私たちは毎日幸せなのだから。

 そして、こうも思うのです。

 もし彼女たちの思いが、自分たちに向けられなくなったら。
 別の誰かに夢中になって、自分たちが顧みられなくなってしまった、そのときは――。

 「ユキ! もう一回!」
 「え。まだやるの・・・?」

 日ごろ当たり前に享受してきた愛情が、どれほどの根気と献身に支えられていたのかを改めて噛みしめつつ。
 今はまだ能天気に幸せそうにしているもうひとりの友達の、きっとそう遠くない未来を、密かに苦く、案じるのです。

Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment. You have your work, your entertainment and your friends. I have only you.
 たくさん怒ったり、罰で閉じこめたりしないで。君にはぼく以外にも居場所とか、楽しみなこととか、友達関係とかあるでしょ。でもね、ぼくには君しかいないんだ。

『犬の十戒』(全文は第7話感想文にて)

物語の主人公になった瞬間

 「・・・あはは! びっくりした。そうだよね。そんなことあるわけないよね!」
 「冗談じゃないよ。――犬飼さん。僕は、君が好きだ!」

 きっと女の子の多くは恋に憧れるものなのでしょう。

 男の子の多くが冒険に憧れているみたいに。
 冒険とロマンに満ちた少年マンガを読んだ男の子が、いつかその主人公みたいになってみたいと願うのと同じに、女の子も恋と夢に彩られた少女マンガを読んで、いつかその主人公みたいな体験をしてみたいと願うもの。

 恋愛ほど心を揺さぶるものはないと、世の人は言います。

 歌。小説。演劇。マンガ。映画。ゲーム。アニメ。友達がどこからか仕入れてくる噂話。
 人の心の揺れ動きから生まれる“ドラマ”という作品群の多くは恋愛から生まれ、そしてまた、読者の多くの心をその恋愛譚で揺さぶってきました。

 きっと誰もがこの世界の主人公になれるわけではありません。
 きっと誰もが大勢の心を揺さぶる大事件の当事者になれるわけではありません。

 けれど、もしも自分が恋をしたら。
 そのとき私は、平凡でありふれた私の(あなたの)人生における、絶対的に特別な、私だけの(あなただけの)メインヒロイン。

 「兎山くんはいろはちゃんのこと、ずっと好きだったんだよ。いろはちゃんはどう思ってるの?」
 「どうって・・・。悟くんはいい友達で、すっごくいい友達で・・・。まゆちゃん! 友達の『好き』と恋愛の『好き』ってどう違うの!?」

 「友達といるとき嬉しくてワクワクするけど、ドキドキとどう違うの?」

 これは本当に恋なんだろうか?
 いつか見たあのドラマみたいに、私は今メインヒロインになってしまったんだろうか?
 ちゃんと務まっているだろうか?
 全然実感湧かない!
 確かめたい!!

 「友情と恋愛の違いかあ。言葉で説明するのは難しいな」

 「陽子先生は告白されたことあるんですか?」
 「ま、何度かね。――でも、自分から告白したのは剛くんが初めてだよ。剛くんがいると楽しくて、これからもずっと一緒にいたいなって思ったから」

 「友達とも一緒にいたいって思うけど、それとは違うの?」
 「うーん。違うかな。うまく言えないけど。・・・特別だから。剛くんは」
 「特別――?」

 先人は自分がメインヒロインを務めた昔のドラマを語ります。

 色褪せないステキな物語。だけど、知りたかった肝心の部分は少しピントがぼやけています。
 いったいどういう気持ちが恋なのか、そこだけはうまく言語化されていません。

 ただ、“特別”だということだけが間違いなくて。

 それはそう。お母さんが語った恋物語のメインヒロインがお母さんであることだけは、まだ恋というものがよくわからないいろはからしても、不思議と間違いなく感じられるのです。

 「特別な気持ち・・・。特別な気持ちって、どんな感じ? こむぎを好きっていうのとどう違うんだろう?」

 前触れなく突然始まったいろはのドラマは、よくある少女マンガみたいに劇的に、だけど平凡に、メインヒロインの困惑から幕を開けたのでした。

私の声を聞いて

 「――あの、さ。昨日言ったことは忘れて。これからも、これまでどおり友達で。いいかな?」

 ある意味では、少し浮かれていたのかもしれません。

 これはきっといろはを主人公とした恋愛ドラマ。
 だけど、反対側から見たら、悟のドラマでもありました。

 居心地悪い。気恥ずかしい。

 だけど、だからといって、自分の都合で勝手に舞台から下りちゃってもいいものなのか。そういうふうにも思うのです。
 悟は一生懸命でした。
 自分の恋愛感情に対して真摯でした。
 恋する人がみんなメインヒロインだというのなら、悟こそ悟のドラマのメインヒロイン。
 彼の示した勇気に胸が震えます。このままバッドエンドで終わらせていいものかと、少しだけ迷います。

 犬飼いろははキュアフレンディ。「あなたの声を聞かせて」と願い、世界中の動物たちと友達になることを目指しているプリキュアです。

 「あなたらしくない」
 「え?」
 「私とまゆがケンカしたとき言ったでしょ。『あなたの気持ち、あなたの声。伝えてあげて』――。悟は気持ちを伝えてきた。あなたの気持ちも、悟に伝えたら?」

 まごまごしていたら、悟のほうから幕を綴じようとしはじめました。
 なぜだかザクロまで舞台にズカズカ上がってきて、物理的にも悟を引き離そうとしはじめました。

 それは――、イヤだ!

 恋がどういうものか、いろはにはまだよくわかりません。

 悟はいつもいろはを助けてくれていました。
 たくさんたくさん、感謝の気持ちでいっぱいでした。
 嬉しくて。頼もしくて。いつか自分も彼の役に立ちたくて。

 あの人と一緒に過ごせる時間が好き。
 あの人と一緒に笑いあえる瞬間が好き。
 これからもずっと一緒にいたくて、ずっと一緒にいさせてほしいと願わずにいられない。

 「悟くん――。私が困ってるとき、いつも傍にいてくれて、何度も助けてくれた。私もだよ! 悟くんが困ってるとき、私が助けになりたいの! 悟くんと笑ってる時間が好きだから。これからもずっと、ずっと一緒にいたいから・・・!!」

 「こむぎ・・・! こむぎが痛いと、私も痛い。“私も”だよ! こむぎとお散歩したり、ごはんを食べたり、眠ったり。そんな毎日が、こむぎと一緒の毎日がワンダフルなの!!」(第2話)

 恋愛と友情の違いなんて、いろはにはまだわかりません。
 悟とこむぎとでどう違うかなんて、今は考える余裕さえありません。

 胸を焦がす、この火傷しそうに熱い焦燥が、ドラマのメインヒロインとしてふさわしい感情なのかよくわかりません。そんなのどうだっていい。

 ただ。ただ、悟が自分にとって特別な人であるということだけが確かでした。
 絶対に失いたくない。この人の手を離したくない。私の魂ごと、離してしまう気がするから。

 「気持ち――。私の気持ち、伝えなきゃ。でも、なんて言えば・・・?」

 伝えるべきだということだけが確かでした。
 私のために。あなたのために。
 悟が自分の“特別”だって、認めるために。

 でも、やっぱりいろはには恋というものがよくわからないのです。
 だからこういうとき、ドラマのメインヒロインみたいなセリフは何も思い浮かびません。

 「・・・情けないな。少しでも犬飼さんの力になりたくてがんばってきたけど、実際は犬飼さんに助けられてばかりだね」

 そこに、いろはなら絶対に許すことのできない言葉。

 そんなことない。
 いつも助けてくれる人。
 頼りたいっていつも思ってる人。
 いっぱい迷惑かけちゃってる人。
 だけど、これからもずっと一緒にいたい人。

 悟がそんなことを考えているなんて、いろはは今まで全然知りませんでした。想像したことさえありませんでした。
 だって、全部逆なんです。悟の言うことはいろはにとって全部反対で、鏡写しみたいに、いろはが日頃から思っていることばかりで。

 そんなふうに自分を卑下するなんて許せない。私が知っている悟という人はもっとずっとステキな人だ。私の特別な人のことをバカにされたくない。たとえ本人にだって、そういう悪口は言わせない。私の知っているあなたを知ってほしい。あなたの声を聞かせてもらう前に、どうか、私の声を聞いてほしい。

 堰を切ったようにあふれだす言葉の数々はまるで愛の告白のようで、だけどいろはにとっては友達として言いたいこととそう大差なくて。

 「あのね。私、悟くんといるとすっごくワンダフルなの。普通のワンダフルじゃなくて、“特別”なワンダフルなの。こむぎやみんなといるときは『ワンダフルー!』って感じで、悟くんといると、『――ワンダフル』って感じ。・・・伝わったかな?」

 恋愛と友情の違いなんて、いろはにはまだわかりません。
 悟とこむぎとでどう違うかなんて、今は考える余裕さえありません。

 ただ、この思いだけは最後にどうしても伝えたかったのでした。

 うまく言語化できないこの思い。なのに、不思議と“特別”だということだけが間違いなく確信できる思い。

 今はそれだけが特別で、今はそれだけで全てでした。

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    コメント

    1. 亀ちゃん より:

      今日は悟がいろはに対して、愛の告白が決まるには決まったところから始まった話でした
      私のお母様は3,4回面白いと口にして、その内の1回がいろはに対して、愛の告白が決まった時のいろは自身の顔つきでした
      しかし他は覚えてないですね!!(汗)
      私個人としてはザクロが「ハラ立つわー」と嘆いたのが面白かったです!!☆☆♬
      「これからも(以下省略)」というセリフが5回あったとすると、その内の4回が聞き応えがあるセリフでした!!☆☆♬
      私がチェックしたことがある国語表現的にやっぱり聞き応えがありますね!!☆☆♬
      で、戦闘が始まるとキュアフレンディが「悟くんじゃなきゃダメなの!」と言い放ち切ったのも聞き応えがありました
      キュアベースボールギャンブラーとキュアアイドルギャンブラーそして女子寮の寮長(プリキュア=キュアバドミントンギャンブラー)が三角関係を築く中で、女子寮の寮長は「その2人の中間点にいなきゃダメなの」と言うように「私はその中間点にいなきゃダメなの!」と豪語するので、プリキュア的に聞き応えがありますね!!☆☆♬
      ダメなので終わらせるセリフに関しては、視ている時は最低限75%の割合で、聞き応えがあり、最大限にすると12割5分でしたが、これが15割にまで跳ね上がることもありました!!☆☆♬
      で、次回は悟といろはを中心とした全員でデートですね
      最年少のいとこの姪っ子にはいつか太郎から愛の告白をされて、つきあうことを承認した際、しっかりと勉強して欲しいといとこのお姉さんに向けてですが、クギを刺しておきました

      ★イガイガさん
      今日でアイプリも第一次主題歌が本編の中では最後になりますね
      終わりが近づく度に、早く新しいアイプリの主題歌が日に日に楽しみになるばかりでした

      >で、プリキュアとは完全に無関係なことで今度は全員に向けて発信したい話題は本州にはどこの都府県にもあるリーズナブルなレストランのことで
      やっぱりサイゼリヤはリーズナブルで美味いレストランですね!!☆☆♬
      今週の木曜にお母様と行った時は、ティラミスの粉の部分が美味く、プリンもカラメルの部分が美味かったです!!☆☆♬
      他にも美味かったものはあったはずですが、覚えてないですね!!(汗)
      それでも今度はお母様の妹とも一緒に行きたくてウズウズしていて、味を占めているので、継続は力なりですよ!!☆☆♬

      • 亀ちゃん より:

        こむぎには恋愛のことはわかるワケがない
        確かにオスの犬を見てこむぎ自身の心がキュンとなる意味で一目惚れするなどトキメくこともないし、恋愛的な好きという意味は分かるワケないですよね
        一方でいろはも自分のお母様から友情と恋愛の違いを聞いても言葉にすれば難しくなる
        確かにそうですね
        私は異性に対して一目惚れしたことも含めて恋をしたことは1回もありません
        だからいつか小学校の時の同窓会には出席した時も男子の同級生にはそのように告白するつもりもマンマンです
        もちろんこれからも私自身が恋をする機会もない気がするとも付け加えるつもりもマンマンです
        それでも私でも人間は女子が恋をする時は胸がキュンとなる感じと聞きますが、男子が恋をする時は異性の顔を見てかわいかったり、美しかったりするとトキメく感じというのはわかっているし、それで間違いもないでしょう
        ちなみにいろはが悟から愛の告白をされたことで思わず逃げ出し始めたのは胸が苦しくなった以外に何の理由があるの?ってな感じに本編を視ている時に思ったものでした
        で、次回は悟をいろはを中心にプリキュアとしては戦い続ける主要メンバー全員ぐるみのデートでいろはのお父様とメエメエが2人まとめて追い出されるシーンも次回予告に映し出されて、これは印象的でしたね!!♫
        私も結婚はしてもしなくても万が一にも娘が生まれてしかも恋をしたり彼氏が出来てなおかつ思春期前後になった時はこんな感じで追い出されるのも無理もない気がします

        ★(再び)イガイガさん
        もう今日は火曜ですし、今週の日曜からはいよいよ第二次アイプリの主題歌も始まることに確信は持てますし、1番期待値を寄せるのは歌詞以上に作詞の担当者の名前ですね!!
        エンディングは当然プリチャンの時以来にちゃお出身の幼稚園児向けのアイドルアニメシリーズのプリティーシリーズにて只野 菜摘さん(3回目)に、アイプリの音楽関係者がお願いして欲しくてウズウズしているし、そうなるとプリチャンのキラリストジュエリスト(第一次オープニング)の時以上に感無量になるはずなんですが…
        オープニングは今まではアイカツ専任だったといえる松原 さらりにアイプリの音楽関係者がお願いして欲しいと思っていました
        というのも松原 さらりには一曲ぐらいプリティーリズムから始まったプリティーシリーズにてアイプリは音楽関係者が彼女にお願いして、松原 さらり自身も作詞担当をお願いされた以上はアイカツフレンズを1番の代表例に断り切れない性分なのは嫌でもわかるので、楽しみなものですね
        それと松原 さらりにはアイカツプラネットでも、今度は作詞の担当者の名前にバラエティ感が復活しただけに一曲だとそのアイカツプラネット生まれの楽曲が生誕しても良い気持ちもありましたが…
        ちなみにアイプリの第二次主題歌はオープニングもエンディングも作詞担当者の名前が松原 さらりじゃなくても、只野 菜摘さんじゃなくても、聞いてみて私も気に入るかどうかはまだ初めて聞いてみてのお楽しみです
        しかし今はアイプリの新主題歌においてオープニングは松原 さらりが作詞を担当して欲しいようにエンディングは只野 菜摘さんが作詞を担当して欲しい
        アイプリの音楽関係者がこの2人にアイプリの主題歌の作詞担当をお願いしたかどうかは私には全然わかりませんが、いつか絶対に実現して欲しいところですね!!☆☆♫

        ★与方さん
        阪神の岡田監督はせっかくまたクライマックスに出場出来るのに、リーグ連覇出来なかった責任を取り上げるように辞任するみたいですね
        それでも連続日本一に阪神が輝くと岡田監督は辞任をキャンセルするかもしれません
        私は生まれながらの岡山県民と行っても出身地も育った地域もそしてなんだかんだ言っても今でもいる地域も広島県寄りですし、阪神百貨店がある兵庫県の地域は案の定広島市内より遠いです!!
        それでもその阪神が日本一に輝くと阪神百貨店は安売りを始めるワケで、より多くの関西人や関西在住者が阪神百貨店に買いに行ってもらえるように阪神タイガースも阪神百貨店もお互い頑張って欲しいです

        >で、またプリキュアとは完全に無関係なことで言いたい雑談はPontaドリルのアンケートには出る高級レストランを思わせるぐらい高価なファミリーレストランのことで
        不二家レストランは中国地区以西だと1番近くが神戸市内というほどその辺に他にも大きな用事があって行く便じゃないとわざわざ行くのがもったいないですね
        で、私が来週の日曜に不二家レストランで(昼食に)食べようとしているのがホットケーキでは1番高いミルキーソース掛け(税込900円は超える)です
        高いだけじゃなくVポイントもPontaポイントも最初っから貯まるワケもないので、もし口にしてみてまったくを以って普通以下の味わいだともう私1人では行けないですね!!(厳)
        その代わり美味かったり、例え旨味は感じなくても、不思議なスパイスが効いていたりすると、今度は大人のお子様ランチを目当てに行きたいものです(税抜が1700円を超えたはずだし、税込みなら2000円に追加で小銭が必要な可能性も大有り)
        それでも私は不二家レストランに関しては、電話で高いけど美味かったりするホットケーキを楽しみにしていると告白しましたし、美味かったりする方に期待値を持って、来週の日曜は食べに行く気マンマンなのです!!☆☆♬
        来週の日曜は基本的に神戸の大将が神戸市中央区三宮センタープラザ西館地下1Fで天丼を作り続ける天丼屋(吉兵衛=よしべえ)が休業=不定休で休み→私が昨日電話で来週の日曜と聞こうとしたのを今週の日曜と言葉を間違えていなければ。ということも相まって行く気マンマンです!!☆☆♬
        今秋の近畿地区大会(ほっともっとフィールド神戸で1回戦から決勝まで全試合)の大会2日目の第3試合も1番の狙い目に、そのためのハラごしらえは神戸の大将が作る天丼の分まで、不二家レストランで私はホットケーキもミルキーソース掛けとハラに完全に決めたものです
        ちなみにミルキーソース掛けを注文する理由は昔のアンパンマン(平成時代初期の中の初期)のCMでは
        ミルキーはママの味(^^♬
        というのも頭から離れないからですね
        ララ=キュアミルキーも登場するキュアベースボールギャンブラーや女子寮の寮長(プリキュア=キュアバドミントンギャンブラー)らが登場するプリキュア小説の高校野球観戦記では、ララソース掛けと言葉を換えて、これは去年の夏は私は羽衣学園=大阪府・南大阪に拍手を送りに行ってそのプリキュア小説では〝ララ学園”と換えているのに準じていますよ!!
        ちなみに私は岡山公立OBの連れ=私の現職の会社の元同僚・歴代の後輩とも一緒に2人っきりで不二家レストランに行きつけたいですよ!!☆☆♬
        それにもし美味かったり、不思議なスパイスが効いていることに期待値を持ってそれが実現すると今度は私も今でも一度は食べてみたい大人のお子様ランチを食べてみたいものです!!☆☆♬
        でも今は来週の日曜に不二家レストランのホットケーキのミルキーソース掛けを食べてみてからですね!!

        追伸
        明日は私の現職の会社の仕事が17時前に終わると、旧日中の時と同じようにMOVIX倉敷に行って再びアイドルマスター(18時55分に原則として放映開始)を観て、終わるとなか卯で夕食を取る気がマンマンでこちらはまったく以って普通までの味わいだとPontaポイント→Vポイントが貯まるシステムもありセーフです!!☆☆♬

      • 疲ぃ より:

         「胸が苦しくなった」みたいな定型表現には広い意味があって便利ですが、個別ケースにおける具体的な心情を正確に言い表すことができません。そこをできるかぎり詳細に読解し、また自分なりの言葉で丁寧に表現するのが国語力の見せどころですね。
         語彙はあればあるだけいいものです。たとえ辞書上での意味がほぼ同じ語句であっても、ニュアンスや言葉の歴史が少しずつ違うので、使い分けられるとより繊細な表現ができるようになりますから。私なんて語彙力不足をごまかそうと副詞を重ねすぎて、ついつい冗長な言葉づかいになってしまいがち。←こんな感じで。

    2. ピンク より:

      言われてみれば、友情と恋愛の違いって何なんでしょう……?

      『性的な触れ合い』という軸を一瞬考えましたが(心底酷い例えで失礼します)ナンパとか痴漢が少女漫画的な恋愛感情由来ではないであろうことを考えたら、やっぱ微妙に違う気がしますし。
      そういえば少年漫画や女児向けアニメの二次創作で、概ね異性の読者(視聴者)によるBL/GLネタが盛んなのは、一般的に男女差で友情物語のはずが恋愛っぽく見えちゃうのが要因だとか何とか。

      そうなると、こむぎをお子ちゃまだのお邪魔虫だの呼ばわりばかりもしてられないというか、むしろ『いろはと一緒がいい』という、最終回どころか寿命を迎えるまで発展のしようが無かったはずの縦軸を動かすビッグチャンスですよね、今。

      • 疲ぃ より:

         昔、とある作品で読んだ「性交とはお互いの肉体を使った自慰行為だ」みたいな記述が脳に焼きついていまして。(もっと酷い例示でたいへん失礼)
         正直なところ、私はそういう考えかたにも一理あると思っちゃう人なんですよ。愛しあう恋人同士なら、お互いさらに気持ちよくなれるよう気を使いあったり、自慰行為の合間のコミュニケーションで愛を深めあったりできるってだけで。
         それで私は一周まわって恋愛と性的な話を一旦切り離す癖がついているんでしょう。

         思春期の少年少女が同性愛にはしるケースのうち、一部には異性性への嫌悪感が強まりすぎて消去法で同性を恋愛対象にしている例がある、みたいな研究も昔どこかで読んだことがあります。そのまま自分の生来の性的指向を自覚する人がいる一方、あくまで一過性であり後に別の性的指向を自覚する人もいる、と。
         近年はアメリカで、自分を性的マイノリティだと思い込んだ未成年者が若いうちに性転換手術を受け、大人になってから後悔した例もあると聞こえてきて、いよいよ恋愛感情とはなんぞや?って感じです。

        • Overseas Reader より:

          乱入をお許しください。

          しかし、日本のプリキュアブログで典型的なアメリカ保守派の恐怖心を煽る論調を見るとは思っていなかったと言いたい。

          あなたは「アメリカでのケース」に言及し、それがあまりにも頻繁に起こるので「社会問題化」とほのめかしているので、「未成年の性的マイノリティ」に対するケアと処置に関するアメリカ小児科学会の方針声明を読んでいただきたい。開架です。(https://doi.org/10.1542/peds.2018-2162)
          また、性別適合手術を受けた人々の後悔の有病率について知るために、合計7928人の患者を対象とした2021年のレビューとメタ研究がある。開架です。(https://doi.org/10.1097%2FGOX.0000000000003477)
          (正誤表も確認してください)。
          後悔の最も一般的な理由を見てみると、「社会問題」とは、より大きな社会がこれらの人々をどのように扱うかということである。

          (女性の同性愛が蔓延しているとされることについて、あなたが共有した仮説は、1920年代のヨーロッパかアメリカのアイデアのように聞こえる、とだけコメントしておく。)

          This comment is in good faith.

          • 疲ぃ より:

             たしかに真摯な態度ではありませんでしたね。謝罪いたします。
             広く一般に認められ、論拠の裏付けも充分に取れている研究を提示しないまま、別の極論を述べるべきではありませんでした。
             実際私が「社会問題」と認識しているのも悪書とされ議論を呼んだ某著作の影響ですし。

             私はこの件について自分の認識に照合するケースが多数派だと主張したいわけではありません。もともとこの話題の論点もそこではありませんしね。
             私はもちろん多くの当事者にとっての事実をありのまま認識するとともに、同時に、お示しいただいた資料で1%未満とされているような少数派にとっての事実も受け止めておきたいと考えているのです。
             Overseas Reader様の対論と合わせ、この場に両論を記録するということでご理解いただけないでしょうか。

             誤解を招く表現については一部文言を修正しました。

            • Overseas Reader より:

              私が提示したこれらの点を考慮していただき、ありがとうございます。研究が興味深い読み物であったことを願っている。

              私自身の意図もきちんと伝えられたことを願っている。あなたを侮辱したり、卑下したり、悪意があるとほのめかしたりする意図は、昔も今もない。

              私はあなたをとても尊敬するようになった。だからこそ、わざわざこの情報をあなたに伝えたのです。

              それが「This comment is in good faith.」の意味である。

              (もし「Institut für Sexualwissenschaft」の破壊が起こらなかったら、世界はどうなっていただろう?)

    3. Overseas Reader より:

      神絵コンテ by 上田華子. 神演出 by 飛田 剛. 神作画 by 稲上 晃、フルヤヨウコ、中谷友紀子

      勇敢な少女と、彼女が大切に守り続ける優しい少年の素敵な物語。

      「恋愛」「愛」「恋」「好き」…。
      日本語には恋愛の種類を区別する具体的な言葉があり、多くの言語、特に一般的な表現になりがちな英語にはない欠点がある。
      「LOVE」とか「LIKE」とか。
      しかし、それがプラトニックなものなのかロマンチックなものなのかを表すには、前置きが必要で、しかもその単語は短くない。恋愛も好きも「LOVE」である。
      この問題は、翻訳者の出力を解釈することをより難しくしたが、同時に、「恋愛と清い愛をどのように区別するのか、意味のある違いがあるのか」という全体的な考え方に釘を刺した。

      登場人物たちが饒舌になることはおろか、ボキャブラリーを駆使して釘を刺すこともできないほど、徹底して曖昧なコンセプトであることを、私はわんぷりの真摯な姿勢を高く評価している。
      こむぎとの決着がどうなるのか、心配ではある。
      (第38話のタイトルが発表され、このストーリーアークのクライマックスと読めるが)。

      「恋愛」は、非常に頻繁に(…特に少女向けメディアでは…)台座に載せられている。
      あたかもそれが世界を救う究極の愛であるかのように、あるいは人生を有意義なものにするものであるかのように、あるいは不幸を生む非道な考えの数々であるかのように。
      結局のところ、「誰かとペアになる」ことに失敗することが、いかに悲劇とみなされるか、あるいは安っぽい笑いのために演じられるかは、微妙なことではない。「敗者を見よ」。
      (そして、それは常にペアですね? それは一人以上の人になることはできません。 それは良くない、またはそれは不可能、または何かまたは他のものです。 あなたは一人を選ぶ必要があります。)
      (この状態について、私が思うところがあるのがお分かりいただけるだろうか?)
      (「有効な恋愛」もまた、「自然なペア」である男女の間でしか成立しないことが非常に多い、という余談は割愛する。ひどい考えだ。)
      (そして、恋愛には「キス以上のもの」が絶対に必要だということも。それもよくない。)
      (そして、そして、そして……!)

      そしてこのエピソードで示されたように、何が違うのか(そして友情よりも常に、常に優れているのか)についての人々の考えは、ロマンスだけのものではまったくない。
      コメント仲間のピンクが性的接触について言及し、論理的な反論をしている:人々は、否定的で破壊的な方法(ここではそのような厳しい犯罪を列挙しない)でも、肯定的な方法(彼らが言うように「利点のある友人」)でも、恋愛ペア以外でも非常に頻繁に営みをする。
      「キスだよ」友達にキスしてもいいよ。「手をつないでいる」友達と手をつなぐことができます。「毎日会いたいから」毎日友達に会いたい。「離れていると悲しむ」私と友達が離れていると悲しむ。などなど。

      私がいろはであり、こむぎであることがお分かりいただけるだろうか(そして、これは私がいろいろと考えているテーマであることがお分かりいただけるだろうか)。

      別の話題で。
      あなたはこう言う: 「ここであえて顔を隠して視聴者の想像力を刺激することで、本来ふたりの顔に表れるであろう感情のかたちを越え、ただのビジュアルでは描ききれない複雑な内心のありようを脳内補完させる効果を生んでいる。」
      そして、私が日本のアニメを好きになったのは、演出や絵コンテのレベルでのそのような選択のおかげだと言わざるを得ない。
      佐藤順一や幾原邦彦の『美少女戦士セーラームーン』、西尾大介や山内重保の『ドラゴンボールZ』、その他数え切れないほどのシリーズが輸入され、丹念にスペイン語に吹き替えられているのを見て育った。
      子供の頃でさえ(いや、特に子供の頃は、心に深い憂いを抱えていたのかもしれない)、彼らは私が育ってきた西洋のアニメよりもずっと洗練された「視覚言語」を持っているように思えた。乏しいビジュアル、静止画、少ないアニメーションでも、登場人物の内面や感情を、どんな形のセリフよりもうまく伝えることができた。
      アクション満載のシリーズであっても、彼らは静かな内省の瞬間から逃げなかった。今起こった出来事を観客に染み込ませる。
      あるいは、カメラが出来事や人物をはっきりと映さなくても(あるいは特別に)、観客が何が起こっているのかを理解することを信じていた。
      私は筋が通っているだろうか?そうではないだろう。

      私は、登場人物たちが互いを見つめ合い、目や眼鏡に映る繰り返し描かれるイメージが大好きだ。そこには言葉にならない美しさがある。
      多くの言語には、愛する人が他の誰かにとっての「目の瞳孔」であることを示すフレーズが実際にある。日本語にはあるのだろうか?

      そして夕日の告白…。自然の中での「恋愛」であろうとなかろうと、友だちに自分の心をさらけ出して、好きな気持ちや大切な気持ちを伝えるのは素敵なことですよね。

      私を理解しているか?私は翻訳ツールと辞書をうまく活用しているだろうか?それとも、これは無意味な戯言なのか?

      • 疲ぃ より:

         前話がルーキーのセンスが光る、目新しい構図が多い刺激的な絵づくりだったのに対し、今話はベテランの洗練された筆致で、私たちの見たかった絵にピタリ合わせてくるって感じでしたね。映画かよ。

         いろはと悟が交わした言葉の応酬は、恋というものの神髄をあえて言語化しきらず曖昧なまま、まるで絵画のように感性に訴えかけるかたちで美しく描ききりました。
         それでいて、(私がいくつか古いエピソードから引用してきたとおり)今回いろはが悟に言った「一緒にいたい」「ワンダフル」といった印象的な語句のことごとくが、かつてこむぎがいろはに言ってもらえて嬉しかった言葉のリフレインになっているっていうね。いやあ、えぐいえぐい。

         実写映画と違ってアニメはゼロから映像をつくるからか、あるいは実写に比べて画面の情報量が少なく視聴者へ意図を伝えやすいおかげか、ちょくちょくこういう構図自体に強いメッセージ性が込められた演出が出てくるんですよね。私も好き。
         瞳への写りこみなんて特にそう。アニメーターが好んで使う表現技法ですよね。なにせ実写じゃ(特殊効果を使わなきゃ)ここまできれいに映りませんし。

         あなたの文章は充分に読みやすいと思います。もし多少ネイティブらしくない表現があったとしても、そのときはこちらが文脈から推測しますし。

    4. あかべこマリオ より:

      「あなたの声を聞かせて」というセリフは悟の本心を聞く前振りなのかとも前話、今話を見て思いました。ユキの視線といい、これからの未来を暗示するような描写やセリフが多いですね。

      • 疲ぃ より:

         意図された前フリだとしても、そうじゃないとしても、いろはの(こむぎ含む)動物に対するスタンスと悟に対するスタンスが一致しているという時点で、ちょっとした影が落ちますね。
         こむぎ、あえて悪い表現でいうならこれまでいろはに特別扱いしてもらっていて、しかもそれを当たり前のことだと思ってしまっていたわけで。悟がいろはの“特別”になってしまったら・・・、はてさてどうなることやら。

         けっして、いろはにもこむぎにも何も悪いところなんてないはずなのにね。

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