ルシアさんとこの家をきっかけに、みーんなもっと仲よくなれたらいいですも!
女子会メンバーのプララ

NLAパトロール記録
ナイトパーティー
今日も今日とてNLAのパトロール。
近所の家が異星人を集めていて毎晩騒がしい、と通報を受けたので様子を見に行くことにしました。
「新しい女子会のメンバーを紹介するわ! ノポン族のプララちゃん! ブレイドへの依頼待ちでクエストボード前にいたときに、かわいいから声をかけちゃった。プララちゃんね、ノポン商会からミラ中の絶品グルメや珍味スイーツをお取り寄せしてくれるのよ」
ルシアさんというその家の家主は異星人に興味津々らしくって、マ・ノン人のチャンティさんやノポン族のプララさんとシェアハウスしているんだそうです。
いかにもお金持ちの道楽って感じで、どうせちょっとした刺激を求めて異星人をコレクションしてる人なんだろうなーって最初は思ってたんですが・・・、少し話してみただけでわかりました。たぶん、この人すごくいい人です。
「NLAの街ではノポンをペットにしたい人がいるらしいんですも。ルシアさんに家に来るよう誘われたときは、もしかして――、と疑ったんですも。でも、一緒に暮らしてみたら、マ・ノン人もノポンも関係なくオトモダチと思ってくれる、とってもいい人なんだってすぐわかりましたも! 疑ってごめんなさいしましたも!」

ルシアさん、きっかけこそ異星人だからっていうのは間違いないですが、ちゃんとその人だけの趣味や個性を見て接しているんですよね。異星人なら誰でもいいってわけじゃなく、異星人特有の一般的性質を見たいんじゃなく、異星人のなかでちゃんと自分と波長が合う友達を探しているというか。
夜中にうるさくされて迷惑だとクレームが来ている、ということだけ伝えて帰ることにしました。ルシアさんたち、少なくともその場では神妙に受け止めてくれたように見えました。
まあ私、やる気のないコンパニオンってことでそれなりに知られてるはずなので、通報してきたご近所さんもこれである程度は矛を収めてくれるんじゃないでしょうか。
納得してもらえなかったとしても、ルシアさんへの怒りの何割かは私のほうに向いてくれると思います。
ポスト マ・ノンの商業エリア

「マ・ノン人がうちの店にも来たんだけどね、女の子のマ・ノン人はサイズが合わなくて着れないから残念がってたよ。反対に男の子のマ・ノン人は『身を守れない』『貧弱だ』とか言ってまったく興味を持たなかったんだ。異星人といってもそういうところは地球人と同じだねえ」
売上げという尺度があると多少の客観性を持つことができるのか、お店を開いている人たちは比較的異星人への偏見が少ないように感じます。
アパレルショップを経営しているリベアナさんなんてもう、お互いの“違い”ではなく“同じところ”に目が向きはじめているみたいです。
「おかげさまで異星人のお客さんも増えてきて、売上げも上々。感謝してるわ。あ、でも――。このあいだ厄介なブレイドがお店に来てね、『マ・ノン人どもに媚びる裏切り者の店などただちに閉店だ!』って喚きだしたの。お客さんも怯えてたし、すぐにブレイド本部にクレームを入れて、引き取ってもらったわ」
一方、ファッションプランナーをやっているヴィクトリアさんから聞いた話。
ブレイド隊の人たちは受容しがたいと感じている人がまだ多いみたい。
気持ちは想像できますけどね。私もNLAの外で仕事をすることが少なくないですし。
彼らが日々命がけで戦っているのは、NLAで待つ家族や友人たちを守るためです。お金のために戦っている人ももちろんいますが、その彼らだって上っ面で掲げていられる大義の有り無しで、自分のことをどこまで誇れるかは大きく違ってくるはずです。
それなのに、自分たちの知らないうちにNLAに部外者が混ざりこんでいたら、自分がいったい誰のためにがんばっているのか、わからなくなるじゃないですか。
私? 私はまあ、死んでもそれはそのときだと思っているので。そのぶん、自分の任務の重みを彼らほど重く受け止めていないだけなんだと思います。
こんなこと言ったら、またエルマさんとリンさんに怒られちゃうんだろうな。

「カミラさんも私も、店とマ・ノン船をひっきりなしに往復してる感じなの! やーっとこの超かわいいピザ屋さんが軌道に乗ってくれて嬉しいんだけど、・・・ちょっとカミラさんが疲れた顔してるのが気になるかな」
「あ。すみません、ちょっと立てこんでて、お話を聞き逃してしまいました。――最近あったことですよね? あの、マ・ノンさんたちがNLAにいらっしゃったじゃないですか。あのかたがたピザが大好きなんですよ。おかげでアーミーピザは大繁盛でして。今ではマ・ノンさんたちの宇宙船とお店をひっきりなしに往復する日々なんです。・・・ふう。がんばらないと」
マ・ノンでの一大ピザブームの煽りを受けて、アーミーピザってピザ屋さんはただ今てんてこ舞い。NLAにはもう1件ピザ屋さんがあって、そちらも繁盛しているみたいなんですが、段違いに注文が集中しています。
多民族間での同時多発的なものじゃなく、マ・ノンという単一の文化圏で起きたブームだからこんなことになっちゃってるんでしょうね。みんな震源地のアーミーピザにばかり興味が向いちゃう。
あと何年かすれば、ブームが一段落するとか、アーミーピザさんがフランチャイズ展開するなり、マ・ノン人自ら自分たちの嗜好を追求したピザ屋を開業するなりして、需要の集中が解消されるとかするんでしょうけど・・・。
アルバイトのシャロットさんも言っていましたが、目下カミラさんの状態がよくないです。ひとまずヒメリさんを紹介しておきましたが、果たして今の彼女が相談に行く時間をつくれるかどうか。
おまわりさん

「なんかコンパニオンを毛嫌いする人っているわよね。警察みたいなものだからかしらね・・・」
コンパニオンっていってもいろんな人がいますけどね。実際、自治政府に期待されている役割は警察機能なんでしょうけど。
たとえばヒメリさんとか、スリエラさんとか、荒事にはあまり介入せず日常の何気ない相談を受けることに特化して活動している人もいます。
私もどっちかというとそっち寄り。毎日街をブラブラして時間を潰して、困っていそうな人を見かけたら仕方なく話を聞いてみる感じ。
「おいおい、容赦ねえな・・・。さすがの俺でもそこまではしねえよ。仕方ねえ。男がミンチになる姿なんざ見たくないからケンカはもうやめにしてやる。俺が引けばお前の手も血で汚れずに済むだろ」
昨日は珍しくケンカの仲裁をしました。
イエルヴさんっていう、いつもノラ犬みたいに路地裏をうろうろしているチンピラの人があんまり聞き分けなかったので、いっそのこと重機を借りてきて両方まとめて轢き潰そうと思ったんですが、さすがに止められました。
・・・別に片方だけミンチにするつもりじゃなかったわけですが、イエルヴさんはいったい何を勘違いしているのでしょう?
「ミルストレアか。今日はまだモメてねえぞ。暇だからちょっとナンパってやつを試してただけだ。――全然うまくいかないからそろそろ銃を取り出そうと思っていたところだ。そうすりゃ一件落着だろ?」
ちなみに、今日は同じ場所でイエルヴさんがあたまおかしいナンパをしていたので、今度こそ止められる前にぶっ飛ばしてやりました。ジャパニーズドツキマンザイってやつです。
工業エリアって平和
「同僚にアランという技術者がいるのよ。能力的には優秀なんだけど、どうも発想が飛躍しすぎていてね。リスクの高い開発ばかり行っているの。いつまでも新米のつもりで・・・。もし失敗したらどう責任取るつもりなのかしら。――もう人を使う立場なんだから、そこらへん堅実に考えてほしいものね」
「制御系の設計を取り仕切っているブレナという同僚がいるんですけどね。どうも彼女、ちょっとでも問題があると頭からダメって決めこんでしまって。議論になると、新しい可能性を検討する前に、そんなものは無理だって話にすぐに帰結してしまうきらいがあるんです。――僕たち技術者は常に新しいものを求めていかなきゃいけないんだから、もっと柔軟な考えかたを持ってほしいんですよね」
工業エリアの人たちはマ・ノン人の技術の有用性が骨身に染みているので、そっち絡みのトラブルは今のところ起きていません。代わりに地球人同士でしょっちゅうケンカしています。技術職ってオタク的な性格の人が多くて、みんな自分のこだわりを譲らないらしいんですよね。
見ていてほのぼのします。
オーバーテクノロジー
「オイラたちから見たら地球人の技術ってやーっぱりまだまだなんだけどよ。あんたらのB.B.とかいう機械の身体やグロウスと対等に渡りあえるドールなんかはマ・ノン人も驚きのハイテクなんだよ! いくつかの技術だけ何世代分も飛び抜けてる感じの技術発展をしてて・・・。地球人って不思議な生きものだなーって思ったぜ」
廃棄物処理施設を改良するために技術顧問をやってくれているダゼベノさん。マ・ノン人からしても地球のB.B.やドールの技術は先進的に見えるそうで。
まあね。記憶喪失とはいえ、私も自分がB.B.だって知ったときはちょっとびっくりしましたもん。たぶん、普通に発展した技術じゃないですよね、これ。
だって、ある程度民間にも知られていた技術だったとしたら、私の朧気な記憶のなかにあった一般常識に、少しくらいはその知識が含まれていたでしょうし。
周りじゅうB.B.だらけの街で普通に生活していて、一度も自分がB.B.なんじゃないかって疑ったことがないこと、その可能性にまったく思い当たらなかったこと自体が“おかしい”。

「マ・ノンのかたからいろいろと難しい質問をされるんですよ。たとえば、『祈ることでどのような効果があるのかデータで示してくれ』と言われましてね。『心の安寧をデータ化する手段は今の我々には無い』と言ったら、『じゃあB.B.に入ってるのは何だ』と・・・。いやはやなんとも。私は科学者でも宣教師でもないですから、どう答えたらいいものか。難しいですね」
私たちはセントラルライフに眠る肉体からB.B.の身体を遠隔操作しているので、ある程度は私たち自身にも定量化できないファジーな部分があって当然だと思います。
ただ、教会のレトリックさんに質問してきたマ・ノンの人の違和感はごもっとも。少なくとも私たちはB.B.を遠隔操作をするときに自意識を一旦データ化しているはずで、普通に考えたら、行動として発露されたものを観測するしかなかった昔の心理学から格段に研究が進んでなきゃおかしいんですよね。人の内心の動きを直接ログ化・計測できるんですから。
そのあたりの研究がろくに進んでいないっぽいところ、やっぱり変だなあって思っちゃうんですよねー。
メンテナンス
「今日もブレイドの連中、次から次へとモノぶっ壊して持って来やがる。・・・だがよ、それだけ死に物狂いで生き抜いて、戦場で戦ってきたってことなんだよな。俺はよ、あんたらとの約束守って、片っ端から修理して修理して修理しまくってやるからよ! しんどいこともあるだろうが、へこたれるんじゃねえぞ!」
いつもブレイド隊専属で修理を請け負ってくれているソステナサさん。ツンデレで口は悪いですがいい人です。私もよくお世話になっています。
私、力押しとゴリ押しがモットー、頭を使ってスマートに解決するより足を多く動かして手数で解決するほうが好きなので、どうしても消耗は多くなりがちなんです。

「俺がひよっこのころ、ハンティングライフルをぞんざいに扱っていたら親父に言われたんだ。『いくら強力な武器があっても整備不良で使い物にならなかったら単なるゴミだ』ってな。それからは自分が使う武器や防具はしっかりメンテナンスするようになって、こうしてメカニックにも話を聞いて、万全の状態にするようにしてるんだ」
フライさんに言われて初めて気づいたんですが、そういえば私、自分の武器の手入れなんてしたことがありませんでした。
軍属になれば真っ先に叩き込まれる常識らしいんですが、ほら、私、記憶喪失なので。メカニックさんにいろいろ修理を依頼するときも、そのあたりは指摘されたことなかったですしね。
「見たところそんなに悪いコンディションじゃない。もしかしたらリンかエルマさんが、お前が寝ている間に手入れしてくれてるのかもな」
あ。たぶんそれだ。
今度それとなく何かご馳走しとこう。気づいてないふりしたまま、今後とも良きに取り計らってもらえるように。
ちなみにこの件、イリーナさんにも同じ指摘をされました。
本当に常識なんだなあ。
地球人の古傷
「彼女が育ってきた故郷の街と、残してきた家族の話を聞いていたんだ。『街の親切さん』なんて名前で呼ばれてるけど、私には故郷へ連れていくことも、家族に会わせることもできない。けど、彼女に言わせれば話を聞いてもらうだけでも楽になるそうだ。一度行ってみたかったな――。その、彼女の故郷ってところにな」

コンパニオン仲間のスリエラさんはときどき不思議な言いまわしをします。まるで地球に住んだことがないみたいな。もしかして、私と同じで記憶喪失なんでしょうか?
「街のなかをいくら地球に似せてみせたって、もう地球は無いんです・・・。そんなところで生き延びたって――」
私は記憶喪失ってことを言い訳にしてその手の相談ごとから逃げていますが、NLAには故郷を失った悲しみをうまく消化できず、適応障害を起こしかけている人たちがたくさんいるみたいです。
ヒメリさんやスリエラさんのような優しい人がありがたがられているのは、そのあたりの事情も大きいみたいですね。
「避難所にあるラジオからは毎日いろんな国や街が滅びたって話が聞こえてきてて。不安だった・・・。怖かったよ・・・。それであの日、私やイライザさんが住んでいた街にも異星人が現れて、あっという間に目の前のもの全てを薙ぎ払っていったんだ。――私さ、もし宇宙人がいたら絶対に友達になれるって子どものころから思ってたから。・・・ショックだったな」
市民活動家のアリスさんも地球で心に傷を負った人のひとり。
今でこそ地球人の仲間に異星人との宥和を促すありがたい活動をなさっていますが、内心は結構複雑みたい。言っていることの生々しさが、彼女の心に今も癒えない傷が刻まれていることを物語っています。
「種族という垣根を越え、手を取りあう。素晴らしいことではありませんか! 今後も多くの異星人のかたがたと友好条約を結んでいけるといいですよね。私たちも異星人のかたがたへの差別や偏見が無くなるように啓蒙活動を行い、NLAをもっと優しい、正しき街に変えていきたいと思っています」
反対に、同じ活動家グループのリーダーであるイライザさんはそのあたり、弱音を表に出さないんですよね。
本当に乗り越えられているのか、見えないように隠しているのか、もしくは私の知らないところでうまく発散しているのかまではわかりませんが、いずれにしろ強い人なんだと思います。
それだけに、なおさらアリスさんが孤独さを感じないか心配になるところもありますが――。
うん。そういうのはやっぱりヒメリさんやスリエラさんの専門だな。私には他人の心の機微はわからん!
生命について

「このアリたちは地球のと同じくらい逞しいです。白鯨のなかにアリはいなかったのに、いつの間にかミラのアリが入ってきて巣をつくってるんです。こんなに小さな身体のアリが、こんな大きな街で生きているんです。そう考えると見入ってしまって・・・」
ランドバンクのフォグさん、なんでブレイド隊なんて荒っぽい仕事に就いているのかよくわからない人なんですよね。
話を聞いてみるとすごい繊細な人です。心が弱いって意味じゃなくて、人よりたくさんのことに気がつける意味で繊細。今のNLAじゃまだ難しいかもしれないけど、本当は文化人として生きたほうがいろんな人の心を救ってあげられそうだなって思うことがあります。
でも、そんな人があえてブレイド隊にいるってことは、この人にも譲ることのできない何か大切な事情があるんだろうな。私が知らないだけで。
「ええ。見守ってあげたいですね・・・。でも・・・、その・・・、あなたが僕に話しかけるときに5匹ほど踏んづけてしまいましたが・・・」
・・・雑な性格でごめん。
ランドバンクにはもうひとり知りあいがいて、このあいだ任務で一緒になったサロナさんはその任務でマ・ノン人のイニサェさんと仲よくなりました。
「マ・ノン人の蘇生処置ってどうやればいいの? 心臓は、どこなの? マ・ノン人の脈はどこで取ればいいの!? ああ・・・っ! もっとちゃんと異星人のことも勉強しておけばよかった・・・。ねえ、目を醒ましてよ! せっかく私たち友達になれたばっかなのに。こんなすぐにお別れなんてウソでしょ!?」
イニサェさんが大ケガして取り乱しているのを見たとき、私、この人たちの力になってあげたいなって思いました。私なんてサロナさんと違ってせっかく最初から異星人への偏見を持っていなかったのに、どうしてこういうときに備えて勉強しておかなかったんだろうって、激しく後悔しました。我ながら珍しく、本当に心からそう思いました。

私はたぶん割と冷たい人間で、いつもできるだけ他人に深く干渉しないことを心がけています。面倒くさいなあって思っちゃうんですよね、コンパニオンのくせに。ヒメリさんたちみたいな気持ちにはどうしてもなれません。彼女たちと同じことはたぶん一生できません。
でも、人が死ぬかもしれないってなると、なんか、こう、違うんですよ。胸がムズムズして、目元が熱くなって、吐きたくなるんです。・・・なんでだろ?
私の思うこと
「なあ、こういう状況、お前はどう思ってる? 地球人と異星人が一緒の街で暮らしてる今を」
サボり魔のラオさん、たまにNLAで見かけるといつも眩しそうにいろんな人を眺めています。
どう思うって言われても・・・。いろいろありますよね、としか。
良かったとか悪かったとか、パトロールしてるとどっちも見えてくるので、どっちの意見にも寄り添いきれないというか。そういうのをズバッと決めるのは上の偉い人たちの仕事じゃないか、とか。
私はそういうの他人任せにして生きていたいんですが、ラオさんは違うんでしょうか?
「たしかにいいことばかりじゃない。地球人は技術を得たが、同時に危険も招いてしまったんだ。互いに出会わなければよかった――、と冗談を言うつもりはないが、簡単に肯定はしたくないんだよな。・・・だが、こうなった以上は仕方がないのも理解しているつもりだ。前進できるように、俺も努力はしていくさ」
・・・ダグさんやザイデンさんがこの人を信頼する気持ち、ちょっとわかるなあ。
この人、責任感が強いんだ。サボり魔のくせに。自分以外の人たちの気持ちまで尊重したうえで、それでもちゃんと自分の意見を固めたいと思える人なんだ。私とは違う。
英雄だ。こういう人だからこそ、この人はこれまでたくさんの人を引っぱって来れたんだろうな。どんなに辛くても、自分じゃどうにもできないことがあっても。
仕事帰り、ペットの散歩をしているエルマさんを見つけました。
犬と猫どっちが好きかって聞かれて、私は犬だって答えました。
「だと思ったわ。あなたってなんとなく犬っぽいから。――いや、褒めてるのよ。チームリーダーとして、従順なあなたの姿勢にはとても助けられているわ。これからもチームの職務に尽くして、みんなを助けてあげてちょうだい。頼んだわよ」
いや、私は猫より犬のほうが私にしてほしいことを明確に伝えてくれるから楽だなって思っただけなんですけど。・・・それが犬っぽいんですかね?
私は面倒くさがりです。私のやるべきこと、できれば全部誰かに決めてほしい。私が必要とされる場面も、全部誰かに決めてほしい。
エルマさんが言うとおり、私はたぶん従順です。その理由はたぶん、全然褒められたものじゃないんだけど――。
でも、こんな私が誰かの助けになっているのなら、うん、それは嬉しい。
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