ゼノブレイドクロス Definitive Edition プレイ日記その5 第8章 調査率41.39%

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私は知っている――。ミルストレアは私たちの恩人だ。

クンエイブの分裂体 センエイブ

このブログはあなたがプレイ済みであることを前提に、割と躊躇なくネタバレします。

 (ゲーム名)+キャラメイク、で検索する人いっぱいいるんですね。これはちょっと想定していませんでした。そもそもそんなワードで検索順位上位に入るとも思っていませんでした。すまんな。

第8章 NLA防衛戦

 少し思うところがあって、しばらくコンパニオンの仕事を止めてNLAの外に出る任務ばかりしていました。
 なんか、グロウスの基地に潜入して捕虜になった人を探したり、亡命希望の異星人たちを秘密裏に連れ出したりって任務が多かったです。こういうの、元軍人が中心のアヴァランチが担当する仕事だと思うんですけど、あちらも知的生命体と戦う任務はできればやりたくないって人が結構多いみたい。そりゃそうか。わかる。私もやりたくない。
 今回はモーリス行政長官の依頼で、忘却の渓谷にあるグロウス基地から機密データを盗んできたところでした。

 帰り道の途中で本部から通信。
 白樹の大陸方向からおびただしい数のグロウス陸戦戦力の行軍を観測。NLAへの大規模攻勢とみられる。
 NLA市民はマ・ノン船へ避難。ブレイド全隊で迎撃行動を開始する。市街戦も想定せよ。

 私は東ゲートに向かって、エルマチームと合流したらそのまま防衛に当たるよう指示されました。
 買ったばかりのフレスベルグで丘をぴょんぴょん跳ねながら帰路を急ぐと、遠目にうっすらと黒い帯みたいなものが見えました。たぶんあれがグロウス軍。目測だと戦闘開始にちょっと間に合わなそうな距離感です。
 しょうがない。横っ腹を食い破って突撃し、内側をかき回しながらゲートを目指す方針で行くことにします。

 ――エルマさんたちと合流できたのはすっかり日が沈んでから。
 敵の第一波はとりあえず抑えこめたと思ったんですが、息つく間もなく今度は高高度から輸送艦が降りてきて、NLA市街に直接兵力を送り込んできました。私のがんばりはいったい。
 
 そうも言っていられないので、右足がどっか飛んでったフレスベルグはトーチカ代わりに外に乗り捨てて、私たちエルマチームは市街戦に移行することにしました。

 嫌だなあ。もう殺すとか殺されるとかしたくないなあ。帰ってダラダラしたいなあ。

 基本、いつもいいかげんでダラけていたかったはずの私。どうしてこんなところで、よりにもよって最前線で、こんなに戦いつづけなきゃいけないのかと泣きたくなります。

 「逃げられませんよ。もうゲート閉まってるし、それに外にも敵地上部隊がいますから、諦めてください」

 そんな私の正直な気持ちは顔に出ていたようで、リンさんに本気度かなり強めの低い声で叱られてしまいました。
 別に本気で逃げようと思ったわけじゃないです。ちょっと疲れていただけ。
 ただ、うん。リンさんに見せちゃいけない顔ではありました。こんな小さな子が必死に戦っているときに。
 リンさんとエルマさんがいるから私はいつも逃げずにいられます。やる気ゼロな私でも、さすがにこのふたりが一生懸命仕事している横でだらけることはできないなって思えるんです。

 街はちょっとドン引くことになっていました。
 毎日パトロールして、その気になれば目をつぶってでも歩ける見慣れた街並みを、まるで会ったことのない人たちが我が物顔で闊歩していました。
 いつも変なヒップホップが流れていたり、四六時中ピザの匂いがしていたりする商業エリアが、鉄くずと、プラスチックと、それからたくさんの赤い血やら青い血で、汚されていました。

 その真ん中で、甲高い声で笑いながらドールやB.B.を次々潰していく2人組のグロウス。
 ・・・そんな笑うほど面白いもの、ここに無いと思う。

 凄惨きわまる光景に、気丈なリンさんもさすがに目を背けていました。

 だったら。
 いつもみんなの一番前で盾を構えるリンさんの代わりに、今日は私が一歩前に出てみることにしました。

 私はリンさんやエルマさんがすごいってことを知っています。いつも、誰よりもがんばってるって。
 最近、ブレイド内で私の評価が上がっているって聞きました。意外とマジメに働いているって。それだってリンさんたちががんばった結果です。だって私、できれば働きたくなんかないんですから。
 リンさんたちが普段がんばっていることの邪魔したくないから仕方なく働いて、リンさんたちの日頃の成果を貶めたくないから仕方なくマジメにやって。
 リンさんたちがいつもどおりにしてさえいれば全部うまくいくって信じてるから、私はNLAの“いつもどおり”を守ってきたんです。

 「・・・そうですよね。みなさんと一緒だったらやれる気がします。ごめんなさん、動転して。もう大丈夫です! さっさとやっつけちゃいましょう!」

 リンさんがいつもの調子を取り戻したので、そのあと私たちはもちろん街を守りきることに成功しました。

 どうやらグロウスにはもうひとつ作戦目標があって、そっちは奪われてしまったらしいのですが――。
 とりあえず、私たちが守りたかったものは、無事に守りきれたのでした。

種の継続

 ブレイド隊以外の、一般市民のかたがたのなかには私がそれなりに戦えるってことを知らない人も多いようで。このあいだのNLA防衛戦のあと、私の姿を見つけて声をかけてくる人が増えました。

 あの日、私以外のコンパニオンは避難誘導の任務についていたらしいんですよね。
 だからみんな市民と一緒にマ・ノン船に乗っていて。で、私の姿が船内のどこにも見当たらなかったものだから、ぼんやりしててうっかり戦闘に巻きこまれちゃったんじゃないかって噂が市民の間に広まっているらしいです。
 コンパニオンって、ヒメリさんとかスリエラさんとかあまりNLAの外に出ない隊員も多いですし、戦うイメージがないのもわからなくはないですが――。

 ちょっと複雑。
 私、もしかしてあの日NLAの外に出ていなかったら必死に戦わなくてもよかったんじゃ・・・?

 「ひとつお願いがあります。夜光の森へと赴き、クンエイブを探しだしてほしいのです」

 今日の依頼主はコンエイブさん。先日グロウスからの亡命を希望してきたオルフェ人のひとりです。
 論理を重んじる種族だそうで、グロウスを裏切ってNLAに来たのも、地球人とグロウスの戦いが51%の確率で地球人勝利で決着すると予測したからだというんですから徹底しています。

 彼らはなんというか、神秘的な生態をしていて、自分の意志と知識を引き継ぐ若い肉体2つに分裂することによって子孫を残します。ただ、分裂するにはセニラパ水という特別な液体が必要だそう。これが惑星ミラでは貴重な物質なので、ついこのあいだ同じオルフェ人のクンエイブさんが夜光の森へ探しに行ったんです。
 そのクンエイブさんを追いかけて、一言伝言を伝えるというのが今回の任務。

 コンエイブさん、NLAに供給されている浄水を使えばセニラパ水を増殖させることができると発見したんだそうです。だから見つけるセニラパ水はほんの1滴でいいと伝えてほしいと。
 ただの伝言とはいえ、オルフェの未来がかかっている思いのほか大事な任務です。
 こういうとき、私みたいに普段NLAをうろついているけど外での任務もできるってブレイドがいると、市民としてはやっぱり助かるものなんでしょうか。

 ただ――。

 私がクンエイブさんを見つけたとき、彼はすでに致命傷を受けていました。それこそ1滴だけ新たなセニラバ水を見つけられたものの、探索を続行するなかで原生生物に襲われてしまったって。
 私がもっと早く彼に追いつくことができていたら。・・・私らしくない気もしますが、なんとなくそういうふうに責任を感じます。
 今まさに息を引き取ろうとしているクンエイブさんに、私が追いかけてきた理由を説明すると、彼は本懐を遂げた安らかな笑顔で喜んでくれました。

 「なに? 増殖に成功した・・・、だって? ならば話は別だ。私の個人的な分裂欲求などどうでもいい。この1滴のセニラパ水が収められたカプセルを持って行け。そしてオルフェをこのミラで――、繁殖させるのだ――」

 また、私の目の前でひとつの命が失われようとしています。
 イヤでした。
 どうしても、イヤでした。

 オルフェ人の死生観が私のものとは違うことはなんとなくわかります。
 でも、これまで短い間でしたが彼らと会って話したことを思いだすかぎり、クンエイブさんにとってこの命の終わりが本当に本望だとは――、どうしても思えませんでした。

 私はセニラパ水を自分のために使うよう、クンエイブさんにお願いしました。
 半ば強要しました。
 強迫しました。
 私が必ず別のセニラパ水を見つけてみせるからって。

 「・・・ありがとう、と言うんだよな? こういうとき、地球人は。・・・最後にお前と会えたことこそ、オーヴァのお導きかもしれないな」

 クンエイブさんの分裂体がNLAに帰還できるよう手配したあと、私はランドバンクにいる知りあいのフォグさんに連絡して、ブレイドが把握しているかぎりの水源地を片っ端からまわり、その全ての水のサンプルをコンエイブさんに届けました。

 コンエイブさん、面食らったようでしたが、私にはセニラパ水とそれ以外の区別なんてつかないので数を集めるしかないんです。
 胸を張って自分の頭の悪さを誇るような私の態度にコンエイブさんは苦笑して、だけどともかく、そのなかのひとつにセニラパ水が見つかったのでした。

 ――よかった。

ビアーノ丘陵強襲作戦

 コンパニオンのユニオンにスリエラさんという人がいます。

 たぶん、ヒメリさんと並んでNLA市民には一番よく名前が知られているブレイド隊員だと思います。
 すごく精力的に動きまわっているみたいで、NLAのどこに行っても見かけるんです。昨日商業エリアにいたと思ったら、今日はブレイドエリア、その次の日は住宅エリアにいる、とかそんな感じ。私も毎日そこそこ広い範囲を歩きまわっているので会う機会が多いんですよね。あの人、会うたび違う人と一緒にいる気がします。
 とにかく人の話を聞くのが上手い人で、任務としてはいちいち上がってこないような、ちょっとした日常の困りごとを聞きだしては幅広く、コンパニオンの職掌から多少外れたことでも気にせずに何でも手伝ってあげているみたいです。
 私も似たようなことをしているといえばそうですが、彼女の場合は本当に身近でささやかな困りごとが多くて、たぶん、私じゃ同じ話を聞いても困っていること自体に気づいてあげられないと思います。「街の親切さん」なんて自称していますが、うん。本当にそう。

 そのスリエラさん、今日はブレイドエリアで見つけました。

 先日あるチームが近隣のグロウス基地に大型兵器が配備されたとの情報を得て、鹵獲するべく強襲したんだそうです。ところがチームは全滅。明らかに待ち伏せされていたといいます。
 コンパニオンのなかでもイカつめの(=主に警察機能を受け持っている)ラーラさんたちが事後調査を行った結果、最初に情報を持ってきたクレモンズという人がグロウスと内通していることが明らかになりました。
 スリエラさんは彼の動機を聞きだす尋問の手伝いに呼ばれたみたいです。つくづくいろんな人に信頼されているんですね、この人。

 問題が起きたのはそのあと。実はクレモンズという人物はとっくに死んでいて、グロウスに与するデフィニア人って異星人がいつの間にか彼に成り代わっていたようなんです。つまり、裏切ったわけじゃなくて最初からスパイだったんですね。
 偽物のクレモンズは尋問中突然スリエラさんに化け、尋問官たちが混乱している隙を突いて脱走しました。

 幸い、脱走したクレモンズはフロンティアネットの探査網に引っかかり、すぐに居場所は特定されたのですが――。

 「貴様は! 地球人の生活に馴染みすぎたのだ! 地球人の本拠地を内部から壊滅するという重大な任務を与えられながら――、それほどの信用をデフィニアのなかで勝ち取りながら! 貴様は我々を裏切ったのだ!!」

 私がその場に駆けつけると、男性の声で誰かをひどく罵る声が聞こえました。
 見ると、その場にいたのはクレモンズとスリエラさん。少なくとも本物のクレモンズさんが亡くなっているのは間違いないので、片方はデフィニア人。・・・じゃあ、スリエラさんは?
 仮にクレモンズが言っていることをそのまま信じるなら、スリエラさんも実はデフィニア人で、グロウスのスパイということになります。・・・だから、NLAのあちこちに足を運んでいたんでしょうか。だから、いろんな人の仕事の手伝いをしていたんでしょうか。

 偽クレモンズは正体を現すと、手に持つ銃でスリエラさんを処刑しようとしました。
 初弾は幸いにもかすった程度。でも、そのショックのせいなのかスリエラさんは――、異星人の姿をさらけ出していました。

 私は頭がおかしくなりそうになりながらも、ひとまずクレモンズに化けていたデフィニア人を討滅。
 スリエラさんはそれを見届けたあと、私に向かって静かに語りはじめました。無理に話さなくてもいいって言ったのに、語りはじめました。

 滔々と、私が知りたくなかった真実が彼女の口から紡がれていきます。本物のスリエラさんはすでに亡くなっていること。私がNLAに来るよりずっと前からスパイとして潜伏していたこと。手口や目的、デフィニア人の特性まで。
 ひととおり話し終えたあとで、彼女は私に、地球人の法に身を委ねたいと頼むのでした。

 私は――。

 「バカな。私を見逃すというのか? ・・・残酷だな、お前は。私には――、もはや帰る場所など存在しないというのに」

 ごめんなさい。

 わかっていました。彼女が今さらグロウスには帰れないってこと。これまでみたいにNLAで元どおり暮らすのも無理だってこと。きっとどちらに行っても彼女は処刑されてしまう。
 彼女がどこにも逃げられないことをわかったうえで、それでも、私は彼女にどこかへ逃げられないか、聞いてしまったのです。

 スリエラさんに――、・・・ああ、そうみたいです。私はこの人に、どうか、死んでほしくないと思ってしまったようでした。
 たとえそれが現実から目をそらした、どんなに愚かな提案だったとしても。尊敬するこの人に無意味な負担を負わせるだけだったとしても。
 私の、エゴで。

 結局、彼女の身柄はラーラさんが預かっていきました。
 悪いようにはしないと言ってくれましたが、その後スリエラさんがどこに行ったのか、私は詳しく知りません。

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