ぐらんぶる Season 2 第8話感想 バカなだけじゃないことに気がつく2人。

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本当に素敵だと思うんです。――北原さんって!

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「バイト仲間」

エピソードトラッカー

主人公:桜子

「マジであんたのそういうとこ好きだわ」

目標

 乙矢くんを射止める。

課題

 非常に不愉快な因縁のある伊織がバイトの後輩となり、徹底的にいびり倒してやりたいが、乙矢くんの前で素のキャラを見せるわけにいかない。

結末

【失敗】

 伊織の下宿先に興味を持った乙矢くんについて行って、ダイビング体験を口実に水着姿で悩殺しようと企てたが、伊織の周囲にはいやにハイスペックな女性陣が多く、不発に終わった。

心の変化

【ポジティブ】

 乙矢くんとの距離を縮めることには失敗したが、桜子はこのくらいではへこたれない。

 むしろ、桜子のゲスな発想の数々に理解を示す伊織が協力者として意外と頼れることがわかった。こちらのほうが今回最大の収穫とすらいえる。

キーキャラクター

乙矢くん

 顔よし、性格よしの優良物件。ダイビング好きだという点で趣味嗜好の不一致があるが、桜子は惚れた相手に合わせるタイプだから問題ない。

伊織

 青女祭で突然頭の上からビールを浴びせてきた不快な男。当時の第一印象と何も変わらない下劣な人物だが、それだけに桜子とは気が合う。乙矢くんに妙に懐かれているという点で利用価値がある反面、余計にイラッとする部分もある。

ピックアップ

心配

 奈々華の妹なだけあって、飲んでも記憶はしっかり残るタイプらしい。
 自分が伊織にバイトをさせたことも覚えているため、責任を感じている様子。

千紗はチョロい

 伊織が万年金欠なのをさっそく忘れていませんか?

貴重なダイビングシーン

 第8話にして2回目。

 新キャラ2人の本格参戦回。今話はその人となりのお披露目としての側面が強いので、それぞれの伊織との関係を整理してみましょう。

毒島様

 「でもなあ。誰もあんたを見てブスとは思わんだろ」
 「・・・ふーん。まあ、一理あるわね」
 「だから顔がブスだなんて言うやつには言ってやればいい。ブスなのは心のほうだと」

 初対面の印象が最悪だった男は、改めて話してみてもやっぱり最悪でした。

 ごくたまにだけマトモなことを言うこともないではないですが、総じて最低の人間でした。
 最低の人間でしたが、本当にたまにだけ、くすぐったいことを言う男でした。

 「しかし、ずいぶん見た目を気にするんだな」
 「は? 当然でしょ。私、美形とブランド品以外興味ないし」

 まるでアレ(アニメ版では全カットされた放送禁止用語)という概念がそのまま具現化したような外見と言動、趣味嗜好の全てを兼ね備えている桜子は、自分が見た目に極振りしていることを誇って憚りません。
 万一ブスと言ってくるやつがいようものなら、その発言はただちに自分に対する侮辱と受け取って反撃を開始します。ブスと言われるくらいなら、性格ブスとかクズとか言われたほうがまだ冷静でいられます。まあ、どちらにせよケンカは買うのですが。

 そうしてみると、伊織という男は存外、桜子にとってつきあいやすいバイト仲間でした。
 なにせ、桜子の見た目がいいことだけは認めてくれるんですから。どんなに悪態をついていても、憎しみをたぎらせていても、「ブス」とだけは言わない。それだけは少し話してみただけでわかりました。

 「毒島様?」
 「この女がそう呼べと」
 「北原くんがどうしてもそう呼びたいって。でも、やっぱり普通に毒島さんって呼んでほしいかな」
 「あれ? でも苗字は嫌いって――」
 「そうだった。北原くんも私のこと桜子って呼んでね。・・・ただし、人のいないところでは毒島様と呼べ」

 無自覚でした。
 この最低男に下の名前を呼ばせるのは不愉快だからと、なんとなく名字で呼ばせることにしていましたが、・・・それってつまり、自分のなかで名字を呼ばれることの忌避感が知らず知らず小さくなっているということでもありました。
 これまでは店長のような目上の人以外、名字呼びなんて許したことはなかったのに。

 伊織に「ブス島」と呼ばれてもさほど不快には感じませんでした。
 あくまで「桜子」呼びの気持ち悪さよりはマシって程度の、どんぐりの背比べみたいなレベルの話ですが。

 桜子は覚えていないかもしれませんが、伊織という人間の美点はまさにそういうところにあるのでした。

 「ちょ、ちょっと! 桜子に何してくれてんのよ!」
 「なんで急にキレてんの!?」
 「さっき自分たちも気持ち悪いって言ってたじゃない!」

 「それがどうした」
 「他人の趣味にどんな感想を抱いても別に自由だろ」
 「けどな。人が本気でやってることを邪魔すんじゃねえよ」(第6話)

 あの日、ヤれる可能性を蹴ってまで伊織が桜子の頭にビールをぶちまけたのも、彼女が耕平の一番大切にしていることを侮辱したからだったくらいですから。

 「素直な感想を聞かせなさい。・・・どう?」
 「・・・ふむ。81点」
 「誰が点数をつけろと言った。――そうじゃなくて、負けてないわよね?」
 「ああ、そういうことか。惨敗だ」
 「惨敗なわけないでしょ!?」

 本当に失礼な男。こっちとしては別に見せたい相手でもないのにせっかく見せてやったんだから、黙って賞賛してくれりゃいいのに。
 81点で惨敗なんだそうです。なるほど、つまり相手が悪すぎると言いたいわけだ。そもそも最初から勝負が成立していなかったわけだ。ムチャクチャ腹が立つ。

 でも、本当に「ブス」とだけは言わない。

 信用はできる男。
 気は許してもいい男。

 だって、ほら、今だってそう。

 「なあ。まさかと思うが――、乙矢くんを狙ってんのか?」
 「は? 悪い?」
 「悪いというか、深刻な心の貧富格差が。やめとけ。分不相応にもほどがある」
 「てか、私マジであの子狙ってんの。だからもしあんたが邪魔したら――、オマエヲコロス」

 あれだけ四六時中ケンカを売りにきておいて、本気の恋の邪魔だけはしてこなかった。

人柄のよさを定量化する試み

 「恋人とか、いるんでしょうか?」
 「え?」
 「すみません。突然こんなこと聞いて。でもどうしても気になって。本当に素敵だと思うんです。――北原さんって!」

 純真無垢な聖人君子で完璧超人なはずの乙矢くんですが、唯一そっちのケがありそうなところだけがネタキャラ要素。(今どきこれを「玉に瑕」と呼ぶのもちょっと違う気がする、という婉曲表現)

 恋愛的な意味で伊織に興味ありそうなのは正直どう言い繕っても否定しきれないのですが、一応これには乙矢くんなりの文脈があります。

 「同じ海でも時期や時間でそれぞれいいところがあります。だから、何度同じ海に潜っても飽きたりなんてしません」
 「乙矢くんってモテるだろ。どうなの?」
 「え。いや、あの。まあ、そういう話もいただきますけど」

 乙矢くんからの評価が謎に高い伊織が、直前に「モテる」を人柄のよさのバロメータとして使っていました。
 よくわからないですが、1年先輩の伊織が言うならそういうものなのでしょう。いい人はモテる。字面を眺めてもそれは当然の真理のように感じられます。

 乙矢くんはこの時点で伊織のことを強く強く尊敬していました。だから、伊織がモテているかどうか確かめたくなるのは自然なこと。むしろこの人がモテないようじゃ世のなかのほうが間違っているとすら断言できます。

 じゃあ、どうしてこんな異様に伊織への評価が高まっているのかといえば――。

 「手伝いますね。初めまして。キッチン担当の乙矢尚海です。――でもよかったです。新しく入った人がいい人そうで。これからよろしくお願いしますね、北原さん」

 ・・・ううん? なんか、初対面から好感度高めでした。

 何を根拠に「いい人そう」と言っているのかがよくわかりません。
 自己紹介の場でいきなり頭から水をぶっかけられて、それでもバイトを辞めていない温厚さを評価している可能性はあります。ただ、あのシーンは伊織の他に店長と桜子しか映っていないので、乙矢くんが居合わせているかは確認できません。伊織が日が高いうちからバイトに入っているのに対し、乙矢くんは高校生ですしね。
 じゃあ、初日からスタッフルームの掃除をしているところ? でも水浸しになっているなら普通は自主的な掃除じゃなくて、なにか研修中にトラブルがあったんだろうなと想像しそうなもの。
 そのあたりの薄い可能性を考慮するよりは、もっと単純に、直前の会話で人当たりのよさを感じ取ったというのが一番可能性が高そうです。

 まあ何にせよ、初対面のシーンからは何の理由も読み取れなさそうです。
 じゃあ、他。

 乙矢くんが知っている伊織の特筆性といえば、桜子との奇妙な関係性。ダイビングという共通の趣味。あとは・・・。

 「桜子さん、どうしたんですか?」
 「他の人と差があるのが気になるんだとさ。んなもん気にせず直球勝負が一番なのにな」
 「何の話かはわかりませんけど、北原さんは人との違いを気にしない人なんですね」

 これですね。少なくともこれで好感を持ったのは間違いありません。

 乙矢くんの背景について語られていることは多くなく、せいぜい高校のダイビング部で部長を務めていることくらい。
 だから、伊織の言葉がどうして乙矢くんの心の琴線に触れたのかは、はっきりとはわかりません。
 ただ、ダイビング中の気配りからして名ばかり部長というわけではなく、他の部員に対してしっかりと部長らしい責任を果たしていることはわかります。涼しい顔をしていますが、おそらく相応の経験と努力はしてきたのでしょう。そのあたりがヒントになりそうです。

 伊織が「モテるだろ」と言ったシーンはこのようなやりとりに続きます。

 「やっぱり千紗にそっくりだ」
 「千紗さんですか? ステキなかたですよね。北原さんの周りにはとてもユニークなかたが多いですよね」
 「海バカとか、恋愛脳とか、オタクとかな。大酒飲みに、脱ぎ癖も。おかげで一緒に白い目で見られて迷惑してる。――けどさ、自分の好きなものに正直なやつって、俺嫌いじゃないんだよな」

 ここでもキュンときました。

 やはり伊織は人それぞれの違いを気にしない人。むしろその違いをリスペクトしてすらいる。
 千紗のことは、今日一日話してみて、一緒にダイビングもしてみて、とにかく海が大好きなステキな人なんだと思っていました。それと同時に、伊織の周りにいる「ユニークな」人たちの一角であるという印象も。
 それにしても・・・、なんで千紗の話題を振られてシームレスに「とてもユニークなかたが多いですよね」というコメントが出てくるんだ。千紗さんPaBには話が合う人がいないからって、どんだけ熱心に乙矢くんに話しかけていたんだろうか。

 ともかく。つまり乙矢くんの関心事はそのあたりです。いろいろな人と上手につきあえる力。
 客観的に見るぶんには乙矢くん自身もきわめて長けている分野ではあります。そういう得意分野に対して関心まで強く持っているということは、きっとその能力は自然にお気楽に身についたものではなく、自己研鑚して意識的に修得したものなんだろうなと、私なんかは想像するわけですが。

 そんな乙矢くんが、そういう分野の能力において、伊織をことさらに高く評価しているわけです。
 言ってしまえば自分のアッパーモデル。乙矢くんの目指す理想の姿。強く強く尊敬します。

 未熟な今の自分ですら女子からそれなりの人気があるんです。いわんや伊織ともなれば。
 実態はただの童貞なんですが、乙矢くんのロジックとしてそういうことになってしまいます。

 なお、伊織の頭にあるロジックとしては、乙矢くん=千紗=モテる。別に人当たりがいいからモテる――ではなく、好きなもののことをとことんまで好きになれる情熱的な愛の深さこそが人を惹きつけるんだと言ったつもりでした。
 当の伊織が(本人の自己認識としては)モテていないんですから当然ですね。むしろ逆に人間関係苦手サイドの千紗がモテまくりだから余計に。

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