ぐらんぶる Season 2 第11話感想 向いていないと嫌だから。

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こういうのに乗れないのってさ、ショップの店員失格じゃない?

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「無人島に行こう!」

エピソードトラッカー

主人公:千紗

「私だってこういうの向いてるでしょ? そりゃいつも少しだけつきあい悪いけど、仕事になればお姉ちゃんに負けないくらいこなして――」

目標

 自分がダイビングインストラクターに向いていることを周りに認めさせる。

課題

 桜子に、ノリが悪くて接客業向きの性格ではないと言われてしまった。
 愛想がないことは自覚している。しかし、インストラクターとして働くのはかねてからの夢だ。認めるわけにはいかない。

結末

【失敗】

 PaBの飲み会ゲームに参加して大暴れしてみせた。場の盛り上がりに貢献することはできたかもしれないが、慣れないことをしすぎて真っ先に潰れてしまい、クダを巻いてゲーム終了の理由にもなってしまった。
 みんなの見る目を改めさせるどころか、「何かイヤなことあったの?」などと違和感を覚えさせるだけで終わってしまった。

心の変化

【ネガティブ】

 自分自身満足できない結果だった。これでは桜子の言ったことを否定できたとは認められない。

キーキャラクター

桜子とその友人たち

 千紗のノリの悪さを指摘した。
 彼女たち自身もノリのよさで上手に立ち回っていそうなキャラで、説得力があった。

奈々華

 実際にインストラクターとして働いている良いお手本。淑やかな性格ながらノリを合わせるべき場面ではよくはっちゃけていて、お客さんやPaBメンバーからの評価が高い。

伊織

 いつもバカなことしかやらない男。逆を言えば、とりあえずこいつを巻きこんでおけば場が盛り上がる、便利な存在でもある。
 千紗自身、伊織の前でなら自分のキャラじゃないふるまいも自然とこなすことができる。普段迷惑をかけられている仕返しとして。

 千紗が最も愛する存在。ダイビングインストラクターという、性格的には適性の薄い職業を選択しているのも、彼を愛すればこそ。愛は全てを超越するし、超越できなければならないはずだ。

ピックアップ

ウェットスーツとドライスーツ

 たまにセリフ内で使い分けられているので調べてみると、どうやら「ウェット」と「ドライ」は潜水具としてそもそも別物らしい。
 ウェットスーツはスーツ内に海水が入り込む前提でつくられた簡素な潜水具。薄くて動きやすい。ただし、濡れるため必ず水着を着用しなければならない。スーツの素材自体に断熱性があるため、中に海水が入り込むといってもその海水は体温で温められ、外に熱は逃げず、ある程度の保温性は確保される。とはいえ限度があるため基本的には夏など暖かい環境用。
 ドライスーツは手足や襟元などが密閉され、海水が中に入り込まない潜水具。厚いためやや動きにくく、また、空気がこもるぶんウェットとは姿勢制御の勝手が若干異なる。水着じゃなくてもTシャツなどでダイビングを楽しむことができる。スーツ内の空気の層が強力な断熱効果を生むため、冬の海などでも快適。

 アニメで作画されているのは見た感じ「ウェット」ではなく「ドライ」。

DIVING MAGAZINE

 PaBですらダイビング前は飲酒を控えているのに、雑誌でスピリタスの飲みかたなんて紹介されていてたまるか!

「それはいい話ですね!」

 そもそも乙矢くんが伊織の交際関係に興味を持っていたのは、伊織が乙矢くんの性格を褒めるとき「乙矢くんってモテるだろ」(第8話)と言っていたため。
 伊織は自分以上の人格者なんだから当然モテるはずだ、と乙矢くんは考えており、今回本当にカノジョがいることを確認できて大きく納得している。ついでに伊織ファンの同志ができてウキウキもしている。

「・・・ごはんをよく食べるところ」

 千紗としては苦し紛れにどうにか絞りだした伊織の長所だが、ちょうど乙矢くんも伊織のそういう部分をリスペクトしている(第9話)ため、余計に話が弾んでしまった。

「これ、エアポンプで戻りますかね?」

 肛門にエアポンプを繋いだことによる死亡事故は過去“複数例”実際に起きているため、絶対にマネしてはいけない。

ティンベル

 テニスサークル・ティンカーベル。会長の工藤は3年生。PaBと同じくインカレサークルであり、テニサーらしく(偏見)とてもチャラい。当初は青海女子大のケバ子も所属していた。桜子たちは今回限り、合コンか何かでついてきたものと思われる。
 1期第4話と第6話に登場。伊織たちのせいで毎回割と散々な目に遭っている。

ブラッディマリー

 本来はウォッカとトマトジュース、ウスターソース、タバスコ、塩コショウを混ぜてセロリスティックを添えたカクテル。トマトジュースにウスターソースを混ぜるとびっくりするくらい甘さが引き立つ。
 とはいえここではウォッカにトマトジュースとタバスコを混ぜただけの簡易なレシピだと思われる。ウスターソースが入ったらさすがに見た目でバレる。

「妹さんを家に連れ込もうとしたことが――」

 合コン(1期第5話)の際、見せてもらった部屋の写真に『魔法少女ららこ』(姉の主演アニメ)のDVDが写りこんでいたのを見つけ、アニオタ仲間だと思い込んで自室に誘った。

 何気に本当に千紗が履いていた靴そっくりなわけだが、工藤会長はどういうつもりでレディースシューズを履いていたんだろうか?(中性的な印象にするためあえてレディースを選ぶオシャレさんもいるとは聞いたことがある)

 今後の展開に向けていくつか大きな問題提起が示される無人島編。
 原作の順番どおりとはいえ、これどう考えても2期フィナーレに持って来て話がまとまるやつじゃないんですが、制作陣もそれはわかっているから早々に3期制作決定を告知したんでしょうね。

小さな冒険

 「私もやる。私だってこういうの結構向いてるし」

 散々煽りちらかした桜子たちが不在の場でも意地を張っているところがポイント。

 普段の千紗はPaBの飲み会に同席はするものの、ケバ子や梓たち女性陣で固まって座って、この手のゲームには基本不参加でした。なんならしょうもないゲームでムチャ飲みしている男性陣のことを虫を見るような目で傍観していました。
 同じ女性陣といっても、梓は誘われたらもちろん嬉々として参加しに行きますし、ケバ子も何かの拍子にスイッチが入るとケバメイクを引っさげて乱入しに行きます。これまで本当に一切ゲームに参加してこなかったのは千紗だけでした。

 そもそも酒を飲んだり飲ませたりすることがあんまり好きではない性格でした。
 今話で本人も主張しているとおり、体質的にはそこそこ飲めます。酒豪である奈々華の実妹ですしね。本人があまり飲みたがらないだけ。
 他人に飲ませようとしたのだって、春祭でブチギレていたとき伊織に4L焼酎をイッキさせたくらいのものです。遠慮がないのは伊織が相手のときだけで、それ以外はケバ子や耕平にすら基本不干渉。

 単に、バカ騒ぎが好きじゃないだけ。

 「キミは飲みやすいのがいいよね? いや、こういうのはみんなで盛り上がらないと」
 「いえ、別に。私はそういう遊び興味ないんで。どうぞ、そちらでご自由に」

 ティンベルはヤリサーまがいなところがあるので、同じ大学生サークルでもPaBとは文化が違いました。
 バカ酒飲みでバカテンションって意味ではむしろPaBのほうがはるかに酷いのですが、PaBにはそれぞれのやりたいことを尊重する風土があるぶん、飲みたくない人はアルコール抜きでも歓迎します。
 でも、たまに一体感をすごく大事にしているサークルもあるんですよね。大学生って基本そうノリ好きだし。加えてヤリサーの場合は飲み会で口説いてアフターに連れ込みたいって下心もあるので、ガードが崩れないシラフのメンバーはもう、いるだけで萎えポイント。何しに来たの? セックスしたくないの?

 千紗はPaB以外のノリを知りません。なにぶん交友関係が狭い子なので。普段はPaBメンバーにくっついているか、ケバ子と2人で遊んでいるか、そうじゃなきゃ1人でぼーっと本でも読んでいるかの3パターン。
 PaBにしたって、父親の勧めで仕方なく所属しただけであって、本人はあまり乗り気ではなかったくらいです。

 「あんたって、たしかダイビングショップの人だよね」
 「え、そうなの?」
 「じゃあ接客業じゃん。ならそのリアクションはないわ」
 「盛り下がるよねー」
 「でしょ? なんかこういうのに乗れないのってさ、ショップの店員失格じゃない?」

 千紗はPaB以外のノリを知りません。
 だから、ただバカ騒ぎに混ざりたくないと言っただけでここまでこき下ろされるなんて経験は初めてでした。

 「わかった。その挑発、乗ってあげる」

 千紗はそのように受け取りましたが、桜子の表情を見てわかるように、相手方からすればこれは挑発でも何でもありませんでした。
 本来なら全員ゲームに参加して当たり前のこと。拒否するほうがおかしいし、不参加を許してもらえると思っていること自体まずおかしい。
 実のところ、PaBは大学生サークルとしてはかなり紳士的な部類です。他のサークルを覗いてみればPaBの常識は(良くも悪くも)非常識。千紗はまだそのことにピンと来ていません。

 千紗の世界はいつもそうでした。
 いつも誰かに守られている。千紗が認識していないところで、さりげなく。外界では非常識とされかねないことも、あるがままに許容してもらえている。
 たとえば奈々華に。たとえば伊織に。そして、たとえばPaBに。千紗はつくづく本質的に妹キャラです。

 「北原さんって水が苦手だったのでは?」
 「最近はだいぶマシになったかな。苦手なことでもとりあえずやってみるもんだ」

 「なんていうか、びっくりです。 奈々華さんがこういう遊びに乗るのが意外で」
 「それはほら、仕事が仕事だし。みんなを楽しませるためにもね」
 「イントラのかたはノリのいい人が多いですもんね」

 ひとたび自分を守る殻の外を見回してみれば、そこにはこれまで気にする必要がなかった課題が山積しています。

 本来、千紗はPaBに入会する気はありませんでした。父親の勧めで仕方なく所属させられました。
 自分の家がダイビングショップなんですから、PaBじゃなくてもダイビングなんていくらでも楽しむことができます。でも、千紗のお父さんは千紗をPaBに入れさせたうえで、初心者である伊織や耕平、ケバ子などの面倒を見させました。最近まで彼くらいのものでした。積極的に千紗に負荷を与えようとする人は。
 今回、ようやく桜子という外部の存在から負荷をかけられる機会を得ました。

 「できるのか?」
 「バカにしないで。これくらい余裕だから」

 「今の負けは盛り上げるためのわざとだから」
 「ほうほう。本気を出せば負けないと?」
 「私、ポーカーフェイス得意だし」
 「そうかそうか」

 「・・・私だってこういうの向いてるでしょ? そりゃ、いつも少しだけ付きあい悪いけど、仕事になればお姉ちゃんに負けないくらいこなして――」
 「完全に酔ってるな」
 「ゲームはもう終了ですかね」
 「ちーちゃん。何かあったの?」

 お父さんが千紗の成長の場としてPaBを選んだのも頷けます。

 ここはとことん優しくて、暖かい揺り籠。千紗の価値観と相容れない部分は多々あれど、変わるかどうかは本人の意志に委ねてくれる。気長に成長を見守ってくれる。寄り添ってくれる。必要なら外敵の脅威から守ってすらくれる。
 伊織に至っては隙あらば兄目線まで向けてくる。

 今はまだ、目指しているほどうまくできるわけではありません。
 いつかできるようになりたいと思います。
 たとえ今すぐ必要な心構えじゃなかったとしても、将来的には必ず自分の役に立つはずだから。
 今はまだ、みんなに甘えながら、見守られながらも、ひとりですっと立ち上がって、歩くような速度で。

 ――だからこそ、こういうのはまた違った意味で衝撃的でした。

 「いや、その・・・。間違いとかは起きないのかな、なんて。だってほら、前に千紗のこと『いいお尻』って言ってたし」
 「そうだな。確かにたいへんいい尻だが――。ま、妹って感じだな」(第1話)

 「でも、お姉ちゃんや梓さんの胸とかイヤらしい目で見てたし。でも、あのときは何もしてこなかった・・・。直接は聞きにくいし、なんとか他の聞きかたで事実確認を――。ねえ、伊織。伊織って本当におっぱいが好きなの?」(第9話)

 「えーっと・・・。ごちそうさまでした」

 いつも冗談と区別がつかないことを言うか、保護者みたいな視線しか向けてこなかった伊織。なんだかんだで家族みたいな関係だった伊織。
 ・・・初めて、自分の体をエロい目つきで見られました。

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