
これ何?
生成AIのGeminiを使って遊ぶ自作ゲーム『キャラになりきってあたふたするゲーム』のリプレイです。
遊びかたの雰囲気を確かめたり、単純に2次創作小説として楽しんだりしていただけるとうれしいです。
ゲームそのものについては下記の記事で配布・解説しています。
その1 夏祭りに屋台を出店したい!
【最終目標】ぶいぱいcafe店長のばあちゃるから、今度の夏祭りに出す屋台の営業を丸投げされてしまった。まあ、成功させたい。(ばあちゃる:四六時中馬のマスクを被った怪人物。あらゆる発言の文頭に「ハーイハイハイハイ!」、語尾には「フゥゥゥゥ!」とつける。発言は全般的に軽い)
【主人公】秘間慈ぱね
【難易度】普通
各キャラクターそれぞれ日常ものとちょっと変わった状況のストーリーを1編ずつプレイしていきます。
これは日常ものですね。
情報収集フェイズ
いつものように「ぶいぱいcafe」でバイトに励むぱね。そこへ、馬のマスクを被った怪人物、店長のばあちゃるがやってきた。「ハーイハイハイハイ! ぱねち、今度の夏祭りでウチも屋台を出すことになったから、あとよろしく! フゥゥゥゥ!」あまりにも軽いノリで全てを丸投げされ、ぱねは呆気にとられる。「はぁ? 全部ぱねがやるん?」だが、店長はすでに去った後だった。
これより 【情報収集フェイズ】 を開始します。
あなたは主人公に具体的に何をさせたいのか提案し、最終目標を達成する方法を見つけるための情報を集めることができます。
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私は夏祭りの主催団体に電話をかけ、店長がどこまで準備を進めていたのか知ろうとします。
「あっはっは! やるしかないやん!」
ぱねは腹を括ると、早速スマホを取り出し、夏祭りの運営事務局に電話をかけた。こういう時の行動力と割り切りの早さこそ、彼女が【姉御肌】と頼られる所以である。数回のコールの後、電話口に出た担当者に、ぱねはハキハキとした口調で「ぶいぱいcafe」の者だと名乗り、出店の件について問い合わせた。
「えーっと、『ぶいぱいcafe』様ですか……。申し訳ありません、そのようなお名前での出店申し込みは、まだ受け付けておりませんが……」
担当者の言葉に、ぱねの額に青筋が浮かぶ。あの馬マスク、本当に何もしていなかったのだ。ぱねは怒りをぐっと堪え、冷静に申し込み方法や出店料、区画のルール、営業時間などの必要事項を一通り聞き出した。電話を切った後、彼女は深々とため息をつく。ゼロからのスタートどころか、マイナスからのスタートかもしれない。だが、やるべきことが明確になったのも事実だった。
【ヒット】 :夏祭りのルールや規制(出店料、営業時間など)を調査する
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

続けて、私は仕入れでお世話になっている業者さんに電話をかけ、今から発注して夏祭り当日までに納品できる食材や資機材一式について問いあわせます。
「ほな、次は……」
運営事務局との電話を切ったぱねは、息つく間もなく次の番号をタップした。相手は、いつも「ぶいぱいcafe」がお世話になっている食材卸の業者だ。長年の付き合いで気心の知れた担当者に、ぱねは単刀直入に切り出した。
「もしもし、ぶいぱいcafeのぱねですー。急で悪いんやけど、今度の夏祭りで屋台出すことになってん。そんでな、今から発注して間に合う機材とか食材って、どんなもんがある?」
さすがは【鉄腕アルバイター】、要点の伝え方が的確だ。電話口の担当者は少し驚いた様子だったが、すぐに在庫リストを確認してくれた。どうやら、大型の鉄板やフライヤー、寸胴鍋といった基本的な調理器具はレンタル可能らしい。食材も、冷凍の肉や野菜、粉物など、定番のメニューに対応できるものは一通り揃うとのこと。ぱねは担当者と手際よくやり取りを進め、頭の中で出せるメニューの当たりをつけていく。これで、何が作れて、何が作れないのか、その全体像がはっきりと見えてきた。
【ヒット】 :利用可能な厨房機器と購入が必要なものを確認する
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私は夏祭り当日のアルバイトのシフトを確認します。全員屋台のほうに駆り出すつもりです。店舗のほうの切り盛りは店長ひとりでやることになってしまうでしょうが、まあ、知ったこっちゃありません。
「さて、と」
ぱねは一息つくと、事務所のホワイトボードに貼られたシフト表に目をやった。夏祭り当日の出勤者は……よし、ミナミも他のバイトの子も、全員いる。ぱねの口元に、ふっと自信に満ちた笑みが浮かんだ。
「全員、屋台に強制連行やな」
その決定に、一切の迷いはない。店の切り盛り? そんなもんは店長の仕事や。こっちは丸投げされた屋台を成功させるんで手一杯やねん。有無を言わさぬその判断は、まさに【女帝】の風格そのもの。彼女の中で、夏祭りの成功に向けた人員計画は、この瞬間に完璧に固まったのだった。
【ヒット】 :手伝ってくれそうなスタッフや友人を探す
【情報収集フェイズ】のクリア条件を達成しました。
ここまでの達成済みタスクリスト
- [情報収集] 夏祭りのルールや規制(出店料、営業時間など)を調査する
- [情報収集] 利用可能な厨房機器と購入が必要なものを確認する
- [情報収集] 手伝ってくれそうなスタッフや友人を探す
事前準備フェイズ
これより 【事前準備フェイズ】 へ移行します。
あなたはこれまで集めた手がかりをもとに、最終目標の達成を妨げる課題を取り除いたり、必要な材料や人員を集めたりすることができます。
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

常連の烏丸ぴょこが事務仕事を得意としていたはずです。店員の狂騒を眺めるのが好きな彼女にこっそり来月のシフト表を渡して買収し、出店許可を得るための手続き一式を手伝ってもらいます。
主人公キャラクターに紅蓮罰まるがいればそちらを呼んでもよかったんですが、まあ、この組み合わせも面白いかなって。
「あっはっは! 人使いは荒い方がええに決まっとる!」
ぱねはにやりと笑うと、店の隅の席でいつものようにへらへらとスマホを眺めている常連客、烏丸ぴょこに目星をつけた。彼女が面倒な事務作業を得意としていることを、ぱねは知っていた。ぱねはぴょこの隣にそっと座ると、来月のバイトのシフト表をテーブルの下でこっそり手渡した。
「ぴょこ、これ見てみい。来月、新人さんが2人も入んねん。絶対おもろいことになるで」
「へぇー、そーなんだぁ」
ぴょこは目を輝かせた。店の騒動を眺めるのが趣味の彼女にとって、これ以上の賄賂はない。すかさずぱねは本題を切り出す。
「そんでな、このクソ面倒な書類仕事、手伝ってくれへん?」
「いいよぉー」
ぴょこは気の抜けた返事をすると、ぱねから書類一式を受け取った。彼女は【事務技能】の持ち主だ。複雑怪奇に見えた申請書類の山を、ぴょこはものの数分で完璧に捌いてしまった。あまりの手際の良さに、ぱねは少しだけ感心する。これで一番面倒な手続きは完了だ。
【ヒット】 :出店許可を得るための手続き一式を完了させる
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

さて、これでようやく屋台で何を売るかの計画に集中できるようになったわけですが、私に屋台経営のノウハウなんて一切ありません。これである程度の成功を収めようと思ったら、よほど奇抜で人目を引くアイディアが必要になるでしょう。
とりあえず私は屋台の看板にでかでかと馬面店長の顔写真を貼りつけ、「何かあったらコイツのせい!」と責任転嫁の文句を書いておくことにします。
「あっはっは! もうどうにでもなれや!」
ぱねは開き直ると、店のPCで適当なばあちゃるの画像を探し出し、A1サイズにでかでかと引き伸ばして印刷した。そして、その隣に極太のマジックで、こう書き殴る――『何かあったらコイツのせい!』。もはやヤケクソだったが、彼女の【女帝】らしい大胆不敵な発想は、時に人の度肝を抜く。これを屋台の正面に掲げれば、良くも悪くも目立つことは間違いない。ぱねは、その強烈なインパクトを持つ看板を満足げに眺めた。
【ヒット】 :店の看板やメニューを作り、客の注目を集める
そこへ、馬マスクの店長、ばあちゃるがひょっこり顔を出した。
「ハーイハイハイハイ! なになに、これ! めっちゃおもろいやん! 最高! フゥゥゥゥ!」
ばあちゃるは看板を見て大爆笑すると、何を思ったかスマホで撮影し、店の公式SNSにアップしてしまった。『夏祭りの屋台はコレでいくぜ! 店長に文句があるヤツは割引だ!』そんな勝手な一文を添えて。投稿は瞬く間に拡散され、ネットニュースにまで取り上げられてしまった。もう、後には引けない。
【突発アクシデント:失敗がないまま5ターンが経過】 :状況の大幅な変化により、秘匿タスクの内容が全て入れ替わりました。
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。
ばあちゃるそのものじゃねえか。

アホな店長を蹴たぐり倒したあと、何にせよこれで客が来てくれそうだということに私は気がつきました。
客入りさえ確約できるなら、提供メニューはそこまで奇を衒わなくても問題ないでしょう。私は用意できる材料のリストを見ながら、作り慣れたレパートリーからいくつかピックアップします。味つけだけ少し目新しい感じにしておけば、変な屋台であることを期待して来るお客さんも納得してくれるはずです。
「このアホんだらああああっ!」
SNSへの投稿を確認した瞬間、ぱねの怒りは沸点に達した。考えるより先に足が出て、ばあちゃるの尻を思い切り蹴り上げる。馬マスクの店長は「フゥゥゥゥ!?」と情けない悲鳴をあげて床に転がったが、ぱねは知ったこっちゃない。しかし、スマホに次々と表示される「面白そう!」「絶対行く!」という好意的な通知を見て、彼女はふと我に返った。
「……あっはっは……まあ、ええか」
炎上商法だろうが何だろうが、客が来るならそれでいい。彼女の【姉御肌】な気質は、すぐに現実的な損得勘定へと切り替わっていた。
客入りが期待できるなら、メニューは王道で攻めよう。ぱねは仕入れ可能な食材リストを元に、自身の得意レパートリーである【居酒屋ひまじ】のメニューから、唐揚げ、焼きそば、フランクフルトといった夏祭りの定番をいくつか選んだ。ただし、ただの定番で終わらせるつもりはない。唐揚げには特製のピリ辛ダレを、焼きそばには魚介出汁の隠し味を。この少しの工夫が、物珍しさを期待して来る客の心も掴むだろう。ぱねの頭の中には、屋台の成功への確かな道筋が描かれていた。
【ヒット】 :屋台で提供するメニューを決定し、必要な食材を発注する
【事前準備フェイズ】のクリア条件を達成しました。
ここまでの達成済みタスクリスト
- [情報収集] 夏祭りのルールや規制(出店料、営業時間など)を調査する
- [情報収集] 利用可能な厨房機器と購入が必要なものを確認する
- [情報収集] 手伝ってくれそうなスタッフや友人を探す
- [事前準備] 出店許可を得るための手続き一式を完了させる
- [事前準備] 店の看板やメニューを作り、客の注目を集める
- [事前準備] 屋台で提供するメニューを決定し、必要な食材を発注する
実行フェイズ
これより 【実行フェイズ】 へ移行します。
今こそ「ぶいぱいcafe店長のばあちゃるから、今度の夏祭りに出す屋台の営業を丸投げされてしまった。まあ、成功させたい。」という、あなたの最終目標を実行に移すときです。
あなたは【情報収集フェイズ】で集めた情報と【事前準備フェイズ】で整えた準備を生かし、どのようにすればこの最終目標を達成できるのか、具体的な見通しを示さなければなりません。
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

当日、私は調理に専念して、他のアルバイトたちに接客を任せます。「店長に文句があるヤツは割引」だそうなので、接客担当には全員店長と同じ馬のマスクを被ってもらいましょう。
私はそんな暑苦しいカッコ、絶対にイヤだけれども。
夏祭り当日。ぱねの予想通り、「何かあったらコイツのせい!」と書かれた馬面の看板は絶大な効果を発揮し、屋台の前には長蛇の列ができていた。
「あっはっは! どんどん捌くで!」
屋台の中は戦場だ。ぱねは【鉄腕アルバイター】としての経験をフルに発揮し、鉄板で焼きそばを炒め、フライヤーで唐揚げを揚げ、休む間もなく料理を作り続ける。その手際の良さは、まさに職人芸の域に達していた。
そして、接客を担当するのは、店長と同じ馬のマスクを被ったバイト仲間たち。客たちは「店長に文句あんねんけど!」と楽しそうに絡み、割引をゲットしていく。その異様な光景は祭りの名物となり、売上は鰻登り。全ては、ぱねの【姉御肌】なリーダーシップと、【女帝】ばりの大胆な采配の賜物だった。
おめでとうございます!【ゲームクリア】です!
【達成行動宣言】ではありますが、今回は事前準備フェイズでほぼ【最終目標】達成の目処が立っていたので、このくらい簡単な宣言でも通ります。
エピローグフェイズ(完成したリプレイ小説つき)
最後に 【エピローグフェイズ】 を行います。
ゲームは結末を迎えましたが、その後この世界はどうなったでしょうか?
主人公が最後に思ったこと、これからやろうとすることなど、主人公のその後について自由に行動宣言してください。この宣言は基本的に全て成功します。

私は屋台撤収後、手伝ってくれたバイトたちと烏丸ぴょこも呼んで、近所の居酒屋で豪華な打ち上げを楽しみます。
おそらくひとりさびしく留守番しているであろう店長には、まあ、しかたないので余った食材を使って屋台メニューを作ってあげましょう。調子に乗って「店長に文句があるんだけど!」などと言ってくるかもしれませんが、私は店長じゃないので受け付けません。
最後の行動宣言でゲーム中の伏線を回収するムーブをすれば、きれいにストーリーがまとまるかもしれません。
最後の行動宣言を受け付けました。
それでは、今回のゲーム展開をまとめたリプレイを記述します。
「ハーイハイハイハイ! あとよろしく! ゥゥゥゥ!」
馬のマスクを被った怪人物、店長のばあちゃるは、嵐のように現れ、嵐のように去っていった。残されたのは、夏祭りの屋台出店という、あまりにも無責任な丸投げ案件。喫茶店「ぶいぱいcafe」のアルバイター、秘間慈ぱねは一瞬天を仰いだが、すぐに腹を括った。「あっはっは! やるしかないやん!」。その割り切りの早さこそ、彼女が仲間から頼られる所以だった。
彼女の行動は迅速だった。まず夏祭りの運営事務局に電話をかけ、店長が申し込みすらしていないという絶望的な事実を確認。すかさず出店ルールと手続きを把握すると、今度は仕入れ業者に連絡し、レンタル可能な機材と調達できる食材のリストを瞬時に頭に叩き込んだ。そして、シフト表を確認し、夏祭り当日のバイト全員を屋台業務に強制参加させることを決定。店の留守? そんなものは店長の仕事だ。彼女の頭の中では、すでに勝利への道筋が描き出されていた。
一番の難関である出店申請書類の山は、店の常連客である烏丸ぴょこを利用した。事務作業が得意な彼女に、来月のシフト――新人バイトが二人も入るという、彼女好みの「面白そうな状況」を報酬として提示し、面倒な手続きを全て片付けさせたのだ。
計画の骨子が固まった矢先、最大のトラブルメーカーが動いた。ぱねがヤケクソ半分で作成した「何かあったらコイツのせい!」という店長の顔写真付き看板を、ばあちゃる本人が大喜びでSNSに投稿してしまったのだ。投稿は瞬く間に拡散され、屋台は良くも悪くも祭り一番の注目株となる。ぱねは反射的に店長を蹴り倒したが、この予期せぬ炎上広告がもたらす客入りを計算すると、口の端を吊り上げた。
夏祭り当日、屋台の前にはぱねの予想を上回る長蛇の列ができていた。彼女は調理場に専念し、得意の居酒屋メニューを驚異的な手際でさばいていく。一方、接客を担当するバイト仲間たちは、全員が店長と同じ馬のマスクを着用。「店長に文句があるんですけど!」と楽しげに絡んでくる客たちに、笑顔で割引を適用していく。異様で、暑苦しくて、最高に盛り上がる屋台。それは、一人の頼れる姉御肌が、無茶振りを最高のエンターテイメントに昇華させた、痛快な成功劇だった。
祭りの後片付けを終えたぱねは、手伝ってくれたバイト仲間と烏丸ぴょこを連れて、近所の居酒屋で盛大な打ち上げを開いた。皆で笑い、飲み、祭りの成功を分かち合う。
その後、店にひとり残されたであろう店長の元へ、ぱねは余った食材で作った屋台メニューを届けた。「ハーイハイハイハイ! 店長に文句があるんだけど! フゥゥゥゥ!」などと調子に乗ってくる馬マスクに、ぱねはカラリと笑って言い放つ。「あっはっは! 残念やけど、ぱねは店長ちゃうから受け付けへんわ」。
その2 プリキュアにはなりたくない!
【最終目標】ぶいぱいカフェがある通りで突然謎の怪物が暴れだし、それに合わせるかのように目の前に宙に浮く謎のファンシー生物が現れてこう言った。「君だけが頼りなんだ! 今すぐプリキュアに変身してあいつをやっつけて!」 ・・・断りたい。
【主人公】秘間慈ぱね
【難易度】かんたん
情報収集フェイズ
「ぶいぱいcafe」でのアルバイト休憩中、ぱねは店の裏口でスマホをいじっていた。「あっはっは! この動画おもろすぎやろ」。そんな呑気な日常を切り裂くように、突如として轟音が響き渡った。見れば、通りの向こうに巨大な怪物が現れ、車を玩具のようにひっくり返している。悲鳴を上げて逃げ惑う人々。そんなカオスな状況のなか、ぱねの目の前に、ふわりとぬいぐるみのようなファンシーな生物が浮かび上がった。「君だけが頼りなんだ! 今すぐプリキュアに変身してあいつをやっつけて!」あまりに突拍子もない言葉に、ぱねは思わず真顔になった。「は? なんでぱねが?」
これより 【情報収集フェイズ】 を開始します。
あなたは主人公に具体的に何をさせたいのか提案し、最終目標を達成する方法を見つけるための情報を集めることができます。
ミナミ「ぱ、ぱねち、な、なんなのあれ……。と、とりあえず、そのフワフワしたやつに、アンタ誰やねんって聞いてみたら……?」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。
ミナミって誰よ・・・?

私は率直に「え。イヤだけど」と謎生物に伝えます。
「え。イヤだけど」
ぱねは目の前のファンシー生物に、まるでゴミを見るかのような冷たい視線を向けながら、きっぱりと断った。その有無を言わさぬ態度は、初対面の人間なら震え上がるほどの【女帝】の風格を漂わせている。しかし、ファンシー生物は全く動じない。それどころか、キラキラとした効果音とともにぱねの周りを飛び回り始めた。
「なんて強い意志なんだ! まさにプリキュアにふさわしい資質だよ! さあ、変身して!」
あっけらかんとした謎生物の言葉に、ぱねはこめかみをピクピクさせる。「あっはっは! ちゃうねん、話聞いてた? ぱねはイヤやって言うてんねんけど!」ぱねのツッコミは、歓声と悲鳴が入り乱れる街の喧騒にかき消されていく。どうやら、単純に断るだけではこの話は終わりそうにない。ぱねは、交渉の糸口を一つ失ってしまったことに、まだ気づいていなかった。
【失敗】 :主人公の大きな失敗により、秘匿タスクを達成できる可能性が1つ失われました。
ミナミ「ぱ、ぱねち……全然話が通じてないみたい。こ、こうなったら、なんでぱねちが選ばれたのか、理由だけでも聞いてみたらどうかな……?」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私は心底面倒くさがっている気持ちを隠しもせず、どうして自分じゃなければいけないのか威圧気味に聞いてみます。
「はぁ……」
ぱねは、心底面倒くさいという気持ちを隠しもせず、深いため息をついた。そして、キッと目の前のファンシー生物を睨みつける。その眼光は、どんな強情な客をも黙らせる【女帝】の迫力を宿していた。
「ええかげんにせえよ。なんで、ぱねがそんなアホみたいなことせなアカンの? そもそもアンタ、何モンやねん。ちゃんと説明せえや」
その威圧的な問いかけに、ファンシー生物は少しだけ身を震わせたように見えたが、すぐに気を取り直して胸を張った。
「ボクは妖精の国の使者、『きゃるるん』だよ! そして、君を選んだのは、この街で一番強い魂の輝きを持っていたからさ! その輝きがあれば、きっと伝説の戦士プリキュアになれるはずなんだ!」
「魂の輝き……」ぱねは呆れて言葉も出なかった。あまりに非現実的な理由だったが、少なくとも自分が選ばれた理由は理解できた。とはいえ、そんな理由で命を懸けるなんて、まっぴらごめんである。
【ヒット】 :ファンシー生物の正体と、なぜ自分を選んだのかを知る
ミナミ「よ、妖精……? 魂の輝き……? な、なんかようわからんけど、あんなのと戦うなんて絶対無理やて! 変身を断ったらどうなるんか、ちゃんと聞いといたほうがええんちゃう!?」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。
【女帝】狙いで行動宣言してみたんですが、謎生物が予想以上に図太い性格だったらしく、圧が通用しませんでした。

私はイマイチ会話が成立しない謎生物を放っておいて、表で暴れている怪物の様子をうかがいます。そもそもアイツはなぜ暴れているのでしょうか?
「きゃるるん」とかいうフワフワした妖精は一旦無視だ。ぱねは、目の前の非現実的な押し問答よりも、今まさに起きている物理的な破壊を優先することにした。持ち前の【姉御肌】気質が、目の前の現実的な問題に対処せよと告げている。店の裏口からそっと顔を出し、通りの様子を窺った。怪物は巨大な体で建物をなぎ倒し、車を蹴散らしている。だが、その動きは無差別な破壊とは少し違うように見えた。まるで何かを探しているかのように、キョロキョロと辺りを見回し、特定の何か――光を反射するショーウィンドウや、自動販売機などを狙って破壊している。その様子は、まるで迷子の子どもが癇癪を起しているかのようだ。ぱねは、飲食店でのアルバイト経験からくる【鉄腕アルバイター】としての観察眼で、混乱した状況の中から怪物の意図を正確に見抜いていた。
【ヒット】 :怪物の弱点と目的を探り、戦闘を回避する
ミナミ「ぱねち、もしかしてあいつ、何か探しとるんちゃう? やみくもに暴れてるだけやないみたいやで。もし探し物が見つかったら、大人しくなるかもしれへん……!」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

私は謎生物を睨みつけ、もしかして怪物はコイツのことを狙っているのでは、と疑いをかけます。
「きゃるるん、やったっけ」
ぱねは地を這うような低い声で、ファンシー生物――きゃるるんの名前を呼んだ。そして、まるで獲物を追い詰めるかのように、じり、と一歩距離を詰める。その【女帝】さながらの威圧感に、きゃるるんは「ひっ」と短い悲鳴をあげた。
「あのデカブツ、なんか探しとるみたいやねんけど。もしかして、アンタのこと探しとるんとちゃうか?」
図星だったのか、きゃるるんは大きく目を見開いてぶんぶんと首を横に振った。「ち、ちがうよ! ボクじゃない! ボクが持ってる『きらきらパワー』を狙ってるんだ!」しどろもどろになりながらも、きゃるるんは必死に弁解する。どうやらこの妖精、交渉の駆け引きは全くできないらしい。ぱねは、このポンコツマスコットなら、多少強引な手段を使っても言いくるめられそうだと判断した。これで、どうやって断るか、そのための材料は揃った。
【ヒット】 :ファンシー生物を説得する難易度を評価する
【情報収集フェイズ】のクリア条件を達成しました。
ここまでの達成済みタスクリスト
- [情報収集] ファンシー生物の正体と、なぜ自分を選んだのかを知る
- [情報収集] 怪物の弱点と目的を探り、戦闘を回避する
- [情報収集] ファンシー生物を説得する難易度を評価する
事前準備フェイズ
これより 【事前準備フェイズ】 へ移行します。
あなたはこれまで集めた手がかりをもとに、最終目標の達成を妨げる課題を取り除いたり、必要な材料や人員を集めたりすることができます。
ミナミ「きらきらパワー……? なんかようわからんけど、そのきゃるるんとかいうのからそれを取り上げたら、あの怪物もどっか行くんちゃう!? ぱねち、なんとかしてそいつから奪い取ってや!」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

とりあえず職場がなくなっては溜まったものじゃありません。私は謎生物とミナミの手を引き、怪物がいる通りを走って一旦遠くへ逃げます。
「うだうだ言うとる場合ちゃうわ!」
ぱねはそう叫ぶと、きゃるるんとミナミの腕をむんずと掴んだ。目の前で繰り広げられる破壊活動を前に、彼女の【姉御肌】な気質が、まず安全確保を最優先すべきだと判断したのだ。
「ちょ、ぱねち!?」「話の途中だよ!」
二人の抗議を無視し、ぱねは瓦礫が散乱する通りを駆け抜ける。喫茶店でのアルバイトで培われた【鉄腕アルバイター】の能力は、こういう時にこそ真価を発揮する。人の流れの隙間を縫い、障害物を巧みにかわし、あっという間に大通りから一本入った路地裏へと避難することに成功した。ここまでくれば、あの巨大な怪物の目にもつくまい。
【ヒット】 :怪物が来られない安全な場所を確保する
ミナミ「はぁ、はぁ……、助かったわ、ぱねち。でも、これからどうするん? あのままっちゅうわけにもいかんやろ。やっぱり、あいつが持ってるっていう『きらきらパワー』とやらを、なんとかせなあかんのちゃう?」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

一応、そのきらきらパワーというのをどうにかして取り上げられないか試してみます。謎生物の両足を掴んで雑に振ったら落ちてきたりしないでしょうか。
「あっはっは! もうええわ!」
ぱねはカラリと笑うと、きゃるるんの両足をひょいと掴み、逆さ吊りにした。きゃるるんは「な、何をするんだい!?」と情けない声をあげるが、ぱねは一切意に介さない。目の前のファンシー生物は、ぱねにとって対話すべき相手ではなく、問題を解決するための「道具」でしかなかった。倫理観の欠如? いや、これは合理性だ。彼女の【道徳ゼロ】の精神が、一切の躊躇を吹き飛ばす。
「うりゃうりゃうりゃ!」
そのまま、きゃるるんをまるで埃を叩く布団のように、上下にぶんぶんと振り回す。すると、きゃるるんのポケットから、ポロリとビー玉サイズの光る球体がこぼれ落ちた。これがあの怪物が探していた「きらきらパワー」に違いない。ぱねは光る球体を拾い上げ、きゃるるんをポイと地面に放り投げた。これで交渉の必要もなくなった。なんとも手荒いが、最も手っ取り早い解決策であった。
【クリティカル】 :きゃるるんから怪物が探している『きらきらパワー』を入手する、きゃるるんに『きらきらパワー』を渡させる方法を見つける
【事前準備フェイズ】のクリア条件を達成しました。
正直【クリティカル】が出るとは思っていませんでした。
Geminiはプリキュアの妖精を何だと思っているの?
ここまでの達成済みタスクリスト
- [情報収集] ファンシー生物の正体と、なぜ自分を選んだのかを知る
- [情報収集] 怪物の弱点と目的を探り、戦闘を回避する
- [情報収集] ファンシー生物を説得する難易度を評価する
- [事前準備] 怪物が来られない安全な場所を確保する
- [事前準備] きゃるるんから怪物が探している『きらきらパワー』を入手する
- [事前準備] きゃるるんに『きらきらパワー』を渡させる方法を見つける
実行フェイズ
これより 【実行フェイズ】 へ移行します。
今こそ「ぶいぱいカフェがある通りで突然謎の怪物が暴れだし、それに合わせるかのように目の前に宙に浮く謎のファンシー生物が現れてこう言った。『君だけが頼りなんだ! 今すぐプリキュアに変身してあいつをやっつけて!』 ・・・断りたい。」という、あなたの最終目標を実行に移すときです。
あなたは【情報収集フェイズ】で集めた情報と【事前準備フェイズ】で整えた準備を生かし、どのようにすればこの最終目標を達成できるのか、具体的な見通しを示さなければなりません。
ミナミ「ぱ、ぱねち、やったな! それさえあれば、もうプリキュアにならんでもええんや! あとは、どうやってあの怪物にアレを渡すかやで!」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。

うーん・・・。よく考えたら、これを怪物に渡したらどうなるのか肝心な部分の情報が足りません。一番確実なのはプリキュアがあの怪物をやっつけてくれることのはずです。
私は真剣な表情でミナミの瞳を正面から見つめ、さりげなく謎の石ころを押しつけつつ、「ミナミだけが頼りなの! 今すぐプリキュアに変身してあいつをやっつけて!」と彼女に伝えます。
もともとこの展開をやりたかったから、あえて【難易度:かんたん】にして同行者を登場させていました。
というか、この流れできらきらパワーを怪物に渡すとかプリキュア的にありえないんですけど!?
「うーん……」ぱねは腕を組んで考え込んだ。確かに「きらきらパワー」は手に入れた。だが、これを怪物に渡して、本当に事態が収拾する保証はどこにもない。一番確実なのは、誰かがプリキュアになって、あの怪物をやっつけることだ。そして、それは自分でなければ誰でもいい。
「ミナミ」
ぱねは真剣な表情で、親友の瞳をじっと見つめた。その有無を言わさぬ【女帝】のような眼差しに、ミナミはごくりと唾を飲む。ぱねはミナミの手を取り、その手に先ほど手に入れた光る球体――「きらきらパワー」をそっと握らせた。
「ミナミだけが頼りなの! 今すぐプリキュアに変身してあいつをやっつけて!」
きゃるるんが自分に言ったセリフを、そっくりそのままミナミに叩きつける。しかし、その計画には大きな見落としがあった。
【失敗】 :これまでの情報収集で、怪物は「きらきらパワー」を求めて破壊活動をしていることが判明しています。戦闘を回避するという選択肢があるにもかかわらず、ミナミに戦いを押し付けるという計画は、集めた情報を十分に反映しているとは言えません。もう一度、これまでの達成タスクを振り返り、最終目標を達成するための計画を立て直してください。
ミナミ「え、えええ!? ぱ、ぱねち、何を言うとるん!? 無理無理無理! あたしにそんなんできるわけないやんか! それに、あの怪物、これを探しとるんやろ? 戦わんでも、これを渡したら解決するんちゃうの!?」
では、主人公に何を行わせるのか行動を宣言してください。
ミナミが私の当初の想定と違ってサバサバ系だったからか、達成行動宣言が通りませんでした。道中でもっとミナミと謎生物の会話を促しておけば、あるいは情にほだされてくれたかもしれません。

ミナミもプリキュアとやらになりたくないのであれば、もう仕方ありません。
私は今までと打って変わって優しい表情できゃるるんに向きあい、ミナミと共謀して、きゃるるんがいかに平和を愛しているか、怪物を暴れさせるがままにしていることに胸を痛めているか、どれほど尊い志しを抱いているかを切々と語って、「むしろ君ほどプリキュアに向いた人はいないのでは?」と指摘します。
「……しゃーないなあ」
ぱねは肩をすくめると、今度は地面でいじけていたきゃるるんの方へ向き直った。先ほどまでの威圧的な態度はどこへやら、聖母のような優しい笑みを浮かべている。その変わり身の早さに、ミナミは少しだけ引いていた。
「きゃるるん、アンタほんまはすごい子やんな」
「えっ?」
ぱねはきゃるるんの隣にそっとしゃがみ込むと、その小さな手を両手で包み込んだ。
「アンタは、この街の平和を誰よりも願ってる。あの怪物が暴れてるのを見て、一番心を痛めてるのもアンタや。そんな尊い志を持ってるアンタこそ、伝説の戦士プリキュアにふさわしいんとちゃうか?」
「そ、そうだよ! きゃるるんは正義の味方なんだから!」
ミナミもぱねの意図を察し、すかさず話を合わせる。
「そうやろ!? ぱねみたいな、ただのアルバイターに任せる話やない! この街を救えるんは、きゃるるん、アンタしかおらん!」
二人の熱烈な説得に、きゃるるんの瞳がキラキラと輝き始めた。単純な妖精は、すっかりその気になってしまったようだ。
「わかったよ! ボクがプリキュアになる! きらきらパワー、リターン!」
きゃるるんが叫ぶと、ぱねの手の中にあった光る球体がきゃるるんの元へ飛んでいき、その体を眩い光で包み込んだ。光が収まると、そこにはフリフリの衣装をまとった、小さな戦士が立っていた。
「伝説の戦士、キュアきゃるるん! 参上だよ!」
こうして、ぱねはプリキュアになるという面倒な役目を回避することに成功したのだった。
おめでとうございます!【ゲームクリア】です!
エピローグフェイズ(完成したリプレイ小説つき)
最後に 【エピローグフェイズ】 を行います。
ゲームは結末を迎えましたが、その後この世界はどうなったでしょうか?
主人公が最後に思ったこと、これからやろうとすることなど、主人公のその後について自由に行動宣言してください。この宣言は基本的に全て成功します。

私はキュアきゃるるんを見送ると、ミナミとアイコンタクトして無言でガッツポーズを取り合い、満足げに喫茶店へ戻ります。
後日、なぜか私に懐いてしまった謎生物が喫茶店に入り浸るようになるかもしれません。私はそのたび彼をつまみ出し、もはや日常の一部となった怪物が暴れる音を聞きながら、カウンターでのんびりレモンティーでも飲んで過ごします。
最後の行動宣言を受け付けました。
それでは、今回のゲーム展開をまとめたリプレイを記述します。
喫茶店「ぶいぱいcafe」の裏口、秘間慈ぱねはスマホを片手にケラケラと笑っていた。休憩時間のささやかな楽しみ。だが、その平和は突如として引き裂かれた。地響きとともに響き渡る轟音と人々の悲鳴。通りの向こうでは、巨大な怪物がビルをなぎ倒していた。非現実的な光景に呆然とするぱねの目の前に、ふわりとファンシーな生物が舞い降りる。
「君だけが頼りなんだ! 今すぐプリキュアに変身してあいつをやっつけて!」
「は? なんでぱねが?」
それが、ぱねの最初の返事だった。リアリストである彼女にとって、魂の輝きがどうとか、伝説の戦士がどうとか、そんな話は心底どうでもよかった。目の前で暴れる怪物、そして自分に面倒事を押し付けようとする自称・妖精の国の使者「きゃるるん」。ぱねはまず、この状況を冷静に分析することにした。親友のミナミが怯える中、彼女は鋭い眼光で怪物を観察する。その動きは無差別な破壊ではなく、何かを探しているように見えた。きらきらと光るものを狙っている。そして、その探し物の心当たりは、目の前で「変身して!」と騒ぐ、この小さな妖精にあった。
交渉は早々に見切った。話が通じないと判断したぱねの行動は、実に迅速かつ合理的だった。
「あっはっは! もうええわ!」
彼女はきゃるるんの両足をひっつかみ、逆さ吊りにして力任せに振り回した。情けない悲鳴をあげる妖精のことなどお構いなしだ。その魂胆は、一般的に魂を持たないであろう異世界の生物に対し、一切の倫理的な抵抗を感じさせなかった。やがて、きゃるるんのポケットからビー玉ほどの光る球体がこぼれ落ちる。怪物が探していた「きらきらパワー」とやらを、彼女は最も手っ取り早い方法で手に入れたのだ。
しかし、これを怪物に渡して本当に解決するのか? ぱねは一瞬考えたが、すぐに別の、もっと確実な解決策に思い至る。それは、誰か他の人間がプリキュアになることだ。最初にミナミに役目を押し付けようとして失敗したが、彼女は諦めなかった。
ターゲットは、きゃるるん本人だ。
ぱねは先ほどまでの威圧的な態度をかなぐり捨て、聖母のような笑みを浮かべた。
「きゃるるん、アンタほんまはすごい子やんな」
彼女はミナミと呼吸を合わせ、この街の平和を誰よりも願うきゃるるんこそが、伝説の戦士にふさわしいと熱弁した。単純で純粋な妖精は、二人の見事な口車に乗せられ、すっかりその気になってしまう。
「わかったよ! ボクがプリキュアになる!」
高らかな宣言とともに光に包まれ、小さな戦士「キュアきゃるるん」が誕生した。面倒事の押し付け合いは、ぱねの完勝に終わった。
勇ましく怪物に向かって飛んでいくキュアきゃるるんの背中を見送り、ぱねはミナミと無言で視線を交わし、ニヤリと笑ってガッツポーズを決めた。満足げに頷き合うと、二人は何事もなかったかのように「ぶいぱいcafe」へと戻っていく。
後日。なぜかぱねに懐いてしまったきゃるるんが、喫茶店の常連客よろしくカウンター席にちょこんと座るようになった。そのたびにぱねは「はいはい、営業妨害やで」と彼の後頭部をむんずと掴んで店の外につまみ出す。通りの向こうからは、もはや日常の一部となった怪物の暴れる音が聞こえてくるが、人々は慣れた様子でそれをやり過ごしている。ぱねはそんな喧騒をBGMに、カウンターでのんびりとレモンティーをすするのだった。世界がどうなろうと、彼女の日常はそう簡単には変わらない。




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